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高齢者の事故につながる階段とは?
近年高齢者が住宅内で転倒または転落するなどの事故が増えています。特に、居住空間が2階以上にあると頻繁に階段を使用するため、住宅内での転倒事故の約半数が階段で発生しているというデータもあります。
転倒や転落などで骨折し、そのまま寝たきり状態になってしまうケースもあるため、事故につながりやすい階段の特徴に1つでも当てはまるものがあれば、何らかの対策が必要となるでしょう。
では、実際どのような階段だと事故につながりやすいのでしょうか、転倒事故につがりやすい階段の特徴を見ていきましょう。
手すりがなく階段の形状が直線またはらせんになっている
階段の形状が直線で手すりが設置されていない場合、足を踏み外すと下まで転がり落ちてしまう可能性があり大変危険です。
しかし、手すりが両側に設置されている直線階段は最も安全な階段の形状だと言われています。
一方らせん状の階段の場合、ある程度角度がついているので安心だと思われがちですが、曲がっている部分での踏み外し事故が多く報告されています。そのため、バリアフリー仕様の形状にリフォームが必要になるケースもあるでしょう。
足元が暗い
階段上部に照明があったとしても、階段の凹凸が影となって足元が暗くなり、階段が見えずらくなることを経験した方もいるのではないでしょうか。
足元が暗いと段差が見えにくくなるため、踏み外しによる転倒や転落に繋がりやすくなります。
手すりがなく壁づたいで昇り降りしなければならない
先程も少し触れましたが、手すりが設置されていないと足が滑ったり転倒したときにつかまる場所がなく一番下まで転落してしまう恐れがあります。
また一般的に片側に手すりを設置している場合でも、とっさに手すりをつかむことができず転落してしまう可能性もあるでしょう。
床材が滑りやすい
階段や階段下の床材が滑りやすいと、足が着地したときにそのまま滑って転倒する恐れがあります。足が滑って転倒する際、頭や腰などを強打し救急車で運ばれるほどの大怪我につながるケースも少なくありません。
階段をバリアフリーリフォームする際のポイント
では、階段での事故を起こさないために、階段をバリアフリーリフォームする際に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
階段の寸法をバリアフリー仕様にする
階段をバリアフリーにリフォームする際にはバリアフリー基準の寸法に則った階段にします。バリアフリー基準の階段とは、階段の勾配が緩やかで高齢者などが昇りやすく転倒防止や転倒時の安全対策を行っている階段のことです。
階段の踏み場を広くして段差を低くすることで、昇りやすく転倒しずらい階段にリフォームするのが一般的です。
階段の形状は、回り階段・直線階段・折曲がり階段のなかで直線階段が一番望ましい階段の形状だと言われています。
手すりを両側に設置する
バリアフリーリフォームを行う際、片側だけに手すりを設置しようと考えるケースも多いのではないでしょうか。
右側だけに手すりが設置されている場合、右利きの人だと階段の昇りでつまづいたときとっさに右手で手すりをつかむことができます。
しかし、階段を降りるときは利き手と反対側に手すりがあることになり、足を踏み外した場合とっさに利き手で手すりをつかむことが難しくなるでしょう。
両側に手すりを設置すれば、のぼりでもくだりでも利き手で手すりをつかむことができるため、片側だけに手すりを設置する場合よりも安全性は高くなります。
また、手すりの表面に滑り止めの加工が施してあったり、握りやすい形状になっているものを選ぶことでさらに快適性や安全性が上がるでしょう。
手すりの設置リフォームは、毎日階段の昇り降りをするのであれば、特に行っておきたいバリアフリーリフォームと言えます。
足元に照明をつける
ほとんどの住宅では階段部分の天井に照明が設置されていますが、足元に照明を設置している住宅はまだ少ないようです。
しかし、階段を昇り降りするときはほとんど足元に目が行くため、足元に照明があることで転倒防止につながるでしょう。
足元に照明を設置する場合は、人を検知して灯りをともす人感センサーが搭載されているものがおすすめです。
夜中にトイレなどに起きた際に、階段の照明のスイッチを探す手間なく足元を明るく照らしてくれるため、高齢者や子供がいるご家庭で重宝するでしょう。
車椅子利用者がいる場合は昇降機を設置する
車椅子利用者が階段を使用したい場合は昇降機を設置するのも手段のひとつでしょう。昇降機とは、階段を昇り降りするための機械式リフトのことです。
リフォームで階段に後付けすることができ、駅などの様々な公共施設でも導入されています。1階のみで生活できない場合や2階に介護される人がいる場合、昇降機を利用することで安全に行き来ができるようになるでしょう。
また、安全に階段を昇り降りすることができるため、車椅子を利用していない家庭でも昇降機を設置するケースもあります。
ホームエレベーターを設置する場合は建物の改修工事が必要になるため、リフォーム費用が高額になることから、複雑な改修工事なしで設置できる昇降機を選ぶ人が増えてきています。
階段に踊り場があるU字階段へ改修する
直線階段はリズムよく昇り降りできるため、手すりを設置することで安全の高い階段になりますが、一度転倒すると下まで転げ落ちてしまう可能性があります。転落が心配な場合にはU字階段にリフォームする方法がおすすめです。
階段に広めの踊り場があるU字階段の場合、足を踏み外して転倒したとしても下の階まで転落しにくいというメリットがあります。また、U字階段は踊り場部分で一休みすることも可能です。
階段をバリアフリーリフォームするためにかかる費用
階段をバリアフリー仕様にリフォームするためにかかる費用をご紹介します。
手すりや照明設置の費用相場
手すりやフットライト設置の費用相場は以下の通りです。
【手すりの設置費用相場】
手すりの設置費用相場は工事費、手すり本体費用合わせて約4万7,000円~約10万円が相場です。しかし、階段の広さや形状などによって価格は異なりますので、詳細はリフォーム会社に見積もり依頼しましょう。
- 14段ある階段に手すりを設置する場合:約3万7,000円
- 14段あるU字階段に手すりを設置する場合:約7万5,000円
【フットライトを設置する費用相場】
足元を照らすフットライトを設置する費用の相場は取付費用、本体価格合わせて約5,000円~約1万円です。フットライトの種類によって価格が異なります。
階段の配置換えの費用相場
階段の配置換えを行う場合、3つのケースが考えられます。
- 旧階段を解体後、新しく踊り場つきの階段を設置する
- 旧階段を解体後、新しい階段を設置する
- 旧階段を再利用して位置を変える
それぞれ階段の配置換えの費用相場は以下の通りです。
1 旧階段を解体後、新しく踊り場つきの階段を設置する場合
- 費用相場:約95万円~約115万円
2 旧階段を解体後、新しい階段を設置する
- 費用相場:約47万円
3 旧階段を再利用して位置を変える
- 費用相場:約44万円
床材の変更費用相場
床材をすべりにくい素材に変更するなどの場合、新しい床材を重ね張りする方法と、全て張り替える方法があります。それぞれの費用相場は以下の通りです。
【1畳あたり】
- 床材を重ね張りする場合:約3万円~約5万円
- 床材を張り替える場合:約4万円~約6万円
階段のバリアフリーリフォームで介護健康保険が適用になる
階段などのバリアフリーリフォームは条件をクリアすることで補助金制度が適用されることがあります。
また、各自治体では独自の助成金制度がありますので、バリアフリーリフォームをお考えの方は各自治体の窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。
階段をバリアフリーリフォームする際に最適な業者の選び方
階段をバリアフリーリフォームするときに依頼するリフォーム業者によって、その後の快適さも変わるでしょう。バリアフリーリフォームを成功させるためには、信頼できる業者に依頼することが重要です。
階段をバリアフリーリフォームするために最適なリフォーム会社を選ぶためには、まずインターネットのホームページなどでバリアフリー仕様のリフォーム実績が豊富なリフォーム会社を探します。
何社か見つかったらそれぞれ同じ内容で見積りを依頼しましょう。複数社見積もりをとることでリフォームの適切な費用相場が分かり、見積もり依頼時の対応なども見ることができます。それらを比べながら業者を選んでいくといいでしょう。
階段のバリアフリーリフォームで最適な提案をしてもらうポイント
階段のバリアフリーリフォームで最適な提案をしてもらうポイントは、あらかじめリフォームを行いたい範囲や目的を決めておくことです。
例えば階段の段差が多く転倒しやすい場合は「階段の段差を少なくしたい」とリフォーム会社に伝えましょう。具体的にどのようにしたいのかをリフォーム会社に伝えることで、より最適なプランを提示してもらえるでしょう。
階段に手すりを取り付けるのにかかる費用の相場は?
階段に取り付けるバリアフリー用の手すりは、階段の面積に合わせて長さを調整する事が可能です。手すりが長くなったりLEDなどの部材が増えたりすると、部材価格も高くなります。
さらに、部材を増やした分だけ、発生する工事も増えリフォーム費用も高くなりますので注意が必要です。
手すり本体の価格相場
手すりは手すり本体と接続金具などの部材で構成されます。取り付けに必要な長さや形状によって部材の数も様々です。また、よりバリアフリー性を向上させるために、停電時や夜間に足元を照らすLED手すりのリフォームは、LED部材の分、材料代が高くなります。
手すり本体の合計価格例
LED付きとLED無しで、それぞれの手すりの商品価格を見てみましょう。
LEDなしの手すりの合計価格
例)長さ3800mmの直線階段に、4000mmのLIXIL手すりを設置する場合・手すり本体:約1万1840円・端部分キャップ2個:約4000円・ブラケット金具4個:約2万4000円・ジョイント金具4個:約1万4400円計)約5万4240円売値8割→約4万3392円
LEDありの手すりの合計価格
例)長さ3800mmの直線階段に、4000mmのLIXIL手すりLED付きを設置する場合・手すり本体価格:約5万4240円・LEDユニット11個:約9万円・コントローラー:約2万2000円・電源ハーネス:約1000円計)約16万7240円売値8割→約13万3792円
手すりの取り付けリフォーム費用例
通常の手すり取り付けリフォームは、特別な技術料は発生せず、手間賃のみで済みます。しかし、手すりを取り付ける箇所の下地が弱いと補強工事が発生し、LED付き手すりは電気工事代も必要です。特に、下地補強はバリアフリー目的で手すりを取り付ける際には重要な作業となりますので、忘れないようにしましょう。
手すり取り付けに発生する費用
・取り付け工事代:約3万円(4000mmあたり)・下地補強代:約2万円(4000mmあたり)・電気工事代:約1万5000円
手すり取り付けの合計リフォーム費用例
・LEDなし手すり4000mmを設置する場合(商品代)約4万3392円(工事代)約3万円計)約7万3392円・LED付き手すり4000mmを設置する場合(商品代)約13万3792円(工事代)約4万5000円計)約17万8792円
屋外に手すりを設置するリフォームの場合
屋外の階段やスロープは面積があまり大きくないため、短い手すりの設置で済みます。しかし、手すりを取り付ける壁がない場合、支柱を設置する事になります。支柱を設置する地面がコンクリートの場合、コンクリートの穴あけ工事が発生します。
屋外用手すりの取り付け費用相場
・コンクリート穴あけ費用:約1万円・支柱設置費用:約7000円/箇所・手すり取り付け費用:約1万円
屋外用の手すり取り付け費用例
例)幅1200mmの手すりを屋外階段の壁に取り付ける場合(商品代)・手すり本体…約5920円・端部分キャップ2個:約4000円・ブラケット金具2個:約1万2000円・ジョイント金具2個:約7200円計)約2万9120円売値8割→約2万3296円(工事代)・約1万円(合計)約3万3296円
介護・バリアフリーリフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
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