

そもそも、なぜ「今」給湯器を変えるべきなのか?
給湯器を交換する際は、購入費だけでなく、補助金や交換後の光熱費も含めて検討する必要があります。省エネ給湯器へ交換する主なメリットは、次の2つです。
【1】ランニングコストを抑えられる可能性がある
10年以上使用した給湯器から、最新のエコキュートやハイブリッド給湯器へ交換すると、給湯効率の向上によって光熱費を抑えられる可能性があります。特に電気温水器からエコキュートへの交換は、ヒートポンプで空気の熱を利用するため、給湯に使う電力量を減らしやすいのが特徴です。ただし、削減額は家族人数、使用湯量、地域、電気料金プランなどで変わります。
【2】補助金で初期費用を抑えられる
高効率給湯器は従来型より初期費用が高くなる傾向がありますが「給湯省エネ2026事業」を活用できれば、補助金で負担を抑えられます。2026年7月時点の交換費用の目安は、本体と標準工事を含めてエコキュートが40万〜70万円、ハイブリッド給湯器が60万〜80万円ほどです。高機能モデルや配管・基礎・電気工事が必要な場合は、さらに高くなることがあります。エネファームはオープン価格の製品が多く、ガス事業者や設置条件による差が大きいため、個別見積もりで確認しましょう。
補助金額だけで判断せず「本体価格+工事費+撤去費−補助予定額」で実質負担額を算出し、交換後の光熱費も含めて比較してください。
給湯省エネ2026事業を3分で理解する
制度の要点は、対象機器・撤去加算・申請方法の3つです。一方、実際の申請では、対象者や契約時期、製品型番、工事前後の写真、J-クレジット制度への参加表明なども確認します。契約前に登録事業者と条件をすり合わせてください。
【ポイント1】対象となるのは省エネ効果の高い3タイプ
一般的なガス給湯器(従来型)は対象外です。以下の3つのいずれかへの交換が対象となります。

| 種類 | 特徴 | 補助額(1台) |
|---|---|---|
| エコキュート(ヒートポンプ給湯器) | 空気の熱を利用して電気でお湯を沸かし、タンクに貯める | 基本7万円 性能要件を満たすと+3万円 |
| ハイブリッド給湯器 | 電気ヒートポンプとガス給湯器を組み合わせる | 基本10万円 性能要件を満たすと+2万円 |
| エネファーム(家庭用燃料電池) | ガスから発電し、その排熱でお湯をつくる | 17万円 |
補助額は、対象機器と性能要件に応じた定額です。対象台数の上限は、戸建住宅が合計2台、共同住宅等が合計1台です。予算上限に達すると受付が終了するため、契約前に対象型番と受付状況を確認してください。
※ 参考:給湯省エネ2026事業「事業概要」
【ポイント2】撤去費用にも補助がある(撤去加算)
撤去加算は、対象機器の撤去・処分費の一部を補うものです。施工業者が請求する撤去・処分費より、加算額が低い場合もあります。なお、エコキュートの撤去は加算対象外です。

撤去加算
- 電気蓄熱暖房機の撤去
4万円/台(最大2台まで) - 電気温水器の撤去
2万円/台(補助を受ける高効率給湯器の台数まで)
申請には工事前後の写真が必要で、高効率給湯器の申請とあわせて手続きします。撤去加算の予算は別枠のため、本体の補助より先に受付を終了することがあります。
※ 参考:給湯省エネ2026事業「事業概要」
【ポイント3】申請は登録事業者が行う
消費者が国へ直接申請する制度ではありません。登録された「給湯省エネ事業者」が交付申請を行い、補助金は契約代金への充当または現金で還元されます。利用者は、共同事業実施規約への同意や本人確認書類の準備、対象機器・工事前後写真の確認などに協力します。契約前に、事業者の登録状況、申請方法、還元時期を確認してください。

【チェックリスト】わが家は対象? 補助金をもらう条件
補助対象になるかは、住宅・申請者・契約・工事時期・対象機器・施工業者など、複数の条件で決まります。リフォームで確認したい主な項目は次のとおりです。個人が申請する場合は、原則として「J-クレジット制度」への参加意思の表明も必要です。
※ 参考:給湯省エネ2026事業「対象要件の詳細」

【1】対象となる住宅・申請者である
戸建住宅・共同住宅のどちらも対象です。持ち家だけでなく、住宅を賃貸している所有者、賃借人、マンションの管理組合・管理組合法人も、工事を発注できる権限や必要な承諾があれば対象になり得ます。賃貸住宅や分譲マンションでは、オーナーや管理組合の承認、管理規約、設置スペースを事前に確認しましょう。
※ 参考:給湯省エネ2026事業「対象要件の詳細」
【2】着工前に契約し、対象期間内に設置工事を始める
リフォームでは、対象機器の設置工事を2025年11月28日以降に開始し、2026年12月31日までに着工する必要があります。工事請負契約日の開始期限はありませんが、契約は必ず着工前に締結してください。予算上限に達した場合は、期限前でも受付が終了します。
※ 参考1:給湯省エネ2026事業「事業概要」
※ 参考2:給湯省エネ2026事業「対象要件の詳細」
【3】対象として登録された省エネ給湯器を設置する
すべてのエコキュートが対象になるわけではありません。2026年7月時点では、補助対象製品が公式検索ページで型番ごとに公開されています。エコキュートは2025年度目標基準値以上で、インターネット接続による昼間沸き上げシフト機能を備える機種、または「おひさまエコキュート」などが対象です。ハイブリッド給湯器とエネファームにも、それぞれ省エネ性能やインターネット接続機能などの要件があります。
対象製品は2026年6月30日にも追加され、型番登録は継続しています。公式検索ページでは、パナソニックHVAC&CCや三菱電機など、メーカー別に登録型番を確認できます。カタログの品番と制度上の登録型番が異なることもあるため、契約前に見積書の型番と照合してください。

【4】給湯省エネ事業者に登録された業者と契約する
未登録事業者との契約、施主がネット通販などで機器を購入して施工だけを依頼する「施主支給・材工分離」、自分で設置するDIY工事は補助対象になりません。対象製品であっても申請できないため、機器を購入する前に登録事業者へ相談しましょう。
※ 参考:給湯省エネ2026事業「対象要件の詳細」
どれを選ぶ? あなたに最適な「省エネ給湯器」診断
どれを選べばよいか迷ったら、設置スペース、現在の熱源、太陽光発電の有無、床暖房の使用状況、家族人数の5点を比較すると選びやすくなります。

エコキュートがおすすめな人
- 現在、プロパンガスを使っていて給湯費を見直したい
- 太陽光発電の電気を昼間の沸き上げに活用したい
- オール電化住宅にしたい、またはすでにオール電化である
- 貯湯タンクとヒートポンプユニットを置くスペースがある
- ランニングコストを重視したい
ハイブリッド給湯器がおすすめな人
- 都市ガスエリアに住んでいる
- 床暖房や温水暖房をよく使う
- 大家族で、お湯切れをできるだけ避けたい
- 電気とガスを効率よく組み合わせて使いたい
エネファームがおすすめな人
- 発電と給湯を組み合わせてエネルギーを有効活用したい
- 環境性能や先進的な設備に関心が高い
- 停電時自立発電機能付きの機種を選び、非常時の備えを強化したい
- 初期費用の予算に余裕がある
非常時に電気を使えるかは、機種の自立運転機能や停電発生時の運転状況によって異なります。防災面を重視する場合は、自立運転の起動条件と使用できる電力を確認してください。
2026年の主な製品動向
2026年は、パナソニックがエコキュートの新シリーズを6月26日から順次発売し、戸建住宅向けエネファームの新製品を4月1日に発売しました。また、アイシンは太陽光発電の自家消費を優先する「エネファームtype S」の太陽光優先仕様を4月に発売しています。新製品であっても、補助対象かどうかは商品名ではなく登録型番で決まります。公式の対象製品検索で確認してください。
失敗しない! 補助金活用における業者選びの鉄則
給湯省エネ2026事業を確実に利用するには、事業者の登録状況と見積もりの内訳を確認する必要があります。
【1】登録事業者か確認する
未登録の事業者では補助金を申請できません。見積もりを依頼する際は、「給湯省エネ2026事業の登録事業者ですか」と確認してください。
【2】補助金適用後の実質負担額で比較する
「補助金で○○万円戻るので、高い機種でも問題ありません」といった説明だけで契約を決めるのは避けましょう。見積もりでは、次の項目を確認します。
- 本体価格
- 工事費
- 既存機器の撤去費
- 補助金予定額
複数の事業者から見積もりを取り、補助金予定額を差し引いた実質負担額で比較してください。
【3】補助金活用に対応できる業者を探す
一社ずつ登録状況を確認するのは手間がかかります。ハピすむでは、お住まいの地域で補助金を活用したリフォーム実績のある業者を紹介しています。
給湯器交換とあわせて検討できる2026年の補助金
給湯省エネ2026事業は、住宅省エネ2026キャンペーンの他事業と、補助対象が重複しない範囲で併用できます。同じ給湯器への二重補助や、給湯器を補助・加算対象に含む国の他制度との併用はできません。自治体の制度は、国費が使われていなければ併用できることがあります。
※ 参考:住宅省エネ2026キャンペーンFAQ「他の補助金との併用」
【窓の断熱改修】浴室やリビングの寒さ対策
窓の断熱性能を高めると、浴室やリビングの冷え込みを抑え、室温差を小さくしやすくなります。内窓設置やガラス・外窓・ドアの交換は、「先進的窓リノベ2026事業」の対象になる可能性があります。
- 住宅の補助上限は1戸あたり100万円
- 対象製品の性能・サイズ・工法に応じて補助額が決まる
- 申請額割合は13%(2026年7月23日0時時点)で、予算上限に達すると受付終了
※ 参考:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト

断熱改修や住宅設備をまとめてリフォーム
給湯器交換とあわせて断熱改修や住宅設備の更新を行う場合は、「みらいエコ住宅2026事業」の対象になる可能性があります。ただし、設備を単独で設置するだけでは原則として対象になりません。対象住宅の「トリガールーム」で、所定の開口部改修や断熱改修など、要件となる工事を行う必要があります。※1
- 原則として2016年12月31日以前に新築された住宅が対象
- 節湯水栓、高断熱浴槽、ビルトイン食器洗機、浴室乾燥機などは、要件を満たすリフォームと組み合わせる場合に補助対象
- エネファームの設置は、みらいエコ住宅2026事業のリフォームでは対象外※2
※1:先進的窓リノベ2026事業「事業概要」
※2:みらいエコ住宅2026事業「リフォームの対象要件」

賃貸集合住宅のオーナー向け
所有する賃貸マンション・アパートで、従来型の小型給湯器をエコジョーズまたはエコフィールへ交換する場合は、「賃貸集合給湯省エネ2026事業」を利用できる可能性があります。
- 1棟に賃貸住戸が2戸以上あり、建築から1年以上経過しているか、居住実績がある建物が対象
- 補助額は、追い焚き機能なし:5万円/台、あり:7万円/台
- 所定のドレン排水工事を行う場合は3万円/台を加算
- 申請額割合は22%(2026年7月23日0時時点)
※ 参考1:賃貸集合給湯省エネ2026事業「事業概要」
※ 参考2:賃貸集合給湯省エネ2026事業 公式サイト

【Q&A】給湯省エネ2026事業に関するよくある質問
マンションでもエコキュートに交換できますか?
設置スペースや配管、管理規約などの条件を満たせば、マンションでも交換できる可能性があります。条件によっては設置できないため、マンションでの施工実績がある業者に現地調査を依頼してください。
他の補助金と併用できますか?
補助対象が重複しなければ併用できます。たとえば、給湯器は給湯省エネ2026事業、窓は先進的窓リノベ2026事業を利用する組み合わせです。同じ高効率給湯器に対する国の補助制度は併用できません。自治体の制度は、国費が使われていない場合に併用できることがあります。
※ 参考:住宅省エネ2026キャンペーンFAQ「他の補助金との併用」
いつまで申請できますか?
交付申請は2026年3月31日に始まり、予算上限に達するまで、遅くとも2026年12月31日まで受け付けられます。交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日までです。2026年7月23日0時時点で、予算に対する申請額の割合は32%、撤去加算は16%です。どちらも予算上限に達すると期限前に終了するため、対象機種と工事日程が決まったら早めに登録事業者へ相談しましょう。
※ 参考:給湯省エネ2026事業「予算に対する申請額の割合」
なぜ国は給湯器交換を支援するの?
家庭のエネルギー消費のうち、給湯は約3割を占めています。給湯分野の省エネ化は、家庭の光熱費負担を抑えながら、国の省エネ・脱炭素目標を進めるうえで重要です。給湯省エネ2026事業は、令和7年度補正予算で570億円が計上されている事業です。
※ 参考:給湯省エネ2026事業「事業概要」
【まとめ】給湯器は「壊れる前」に補助金と費用を確認しよう
給湯器が故障してからでは、お湯が使えないなかで交換を急ぐことになり、機種や施工業者を比較する時間を確保しにくくなります。補助対象型番の確認や工事前写真の準備が間に合わないこともあるため、早めの検討が必要です。
- 設置から8〜10年ほど経っている
- お湯の温度が安定しない、異音や水漏れなどがある
- 光熱費を見直したい
こうしたサインがあれば、まず点検を受け、補助対象機種と交換費用を確認してください。複数の登録事業者から見積もりを取り、補助金適用後の実質負担額と交換後の光熱費を比較したうえで、交換する機種と事業者を決めましょう。






