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ブロック塀の危険な劣化症状
古いブロック塀は、地震や台風などの自然災害で倒壊しやすく、人命にかかわる事故を引き起こす可能性があります。また、建築基準法で定められた安全基準を満たしていない場合、所有者や管理者の責任が問われることもあります。まずは、ご自宅のブロック塀に危険な兆候がないかを確認してみましょう。
【劣化症状1】コケやカビが発生する
コケやカビが発生しているブロック塀は、劣化が進行している状態です。
ブロック塀にコケやカビが発生すると、美観が損なわれてしまいます。また、コケやカビの増殖によって腐食が促され、ブロック塀の構造が弱体化するなど、耐久性にも影響が出ます。
劣化のスピードを抑えるためには、高圧洗浄でコケやカビを除去するなどのお手入れが必要不可欠です。
【劣化症状2】白い汚れが目立つ
ブロック塀の劣化症状のひとつに、白い汚れが目立つ「白華現象」があります。
コンクリートに含まれるセメント成分が、雨水などにより溶け出し、二酸化炭素と反応して白い結晶として現れる現象のこと
白華現象が起こると、雨水の侵入や鉄筋の錆など、ブロック内部の劣化が考えられます。著しい白華現象が見られる場合は、専門業者によるブロック塀の補修や撤去といった対処が必要です。
【劣化症状3】ひび割れが生じる
ひび割れが発生しているブロック塀は、劣化が進行している状態です。
ひび割れの幅が0.3ミリ以上の場合は危険な状態であり、専門業者による診断が欠かせません。ブロック塀に穴が空いていたり、内部の鉄筋がむき出しになっていたりする場合も、早急な対処が必要です。
ひび割れの幅が0.3ミリ以下であっても、ほかの劣化症状が生じている可能性もあるため、専門業者による診断やメンテナンスを検討しましょう。
【劣化症状4】傾きが生じる
ブロック塀の傾きは、倒壊のおそれがあるため非常に危険です。ブロック塀が倒壊すると、人命にかかわる重大事故を招くおそれもあります。
傾きを発見したら、DIYでの対処は不可能であるため、専門業者による早急なメンテナンスが必要です。場合によっては、通行規制などの対処が必要になるため、すみやかに専門業者に相談しましょう。
ブロック塀の安全点検!自分でできるチェックポイント
ブロック塀によって引き起こされる重大事故は、日頃の安全点検によって未然に防ぐことが可能です。国土交通省が提示している点検のチェックポイントを活用し、ご自宅にあるブロック塀の安全点検を行いましょう。
チェック項目 | 内容 |
---|---|
塀の高さ | 地盤から2.2メートル以下か |
塀の厚さ | 10センチメートル以上か |
控え壁 | 長さ3.4メートルごとにあるか |
基礎 | コンクリートの基礎があるか |
塀の健全性 | 傾きやひび割れはないか |
鉄筋 ※専門家に相談 | 直径9ミリ以上の鉄筋が80センチメートル間隔以下で配筋されているか |
上記のチェックリストで、ひとつでも不適合の項目がある場合は、ブロック塀の安全性に懸念があります。なお、不適合の項目や不明な点がある場合は、直ちに専門業者に相談しましょう。
専門業者によるブロック塀の修理方法
専門業者によるブロック塀の修理において、大きなひび割れ補修や、基礎部分を含むブロック塀の交換など、さまざまな方法が挙げられます。DIYでは対応できない、あるいは専門的な技術が必要な修理は、経験豊富な専門業者に依頼しましょう。
【方法1】部分補修
専門業者が行う「部分補修」は、ブロック塀の一部が破損していたり、大きなひび割れが生じていたりする場合に有効です。これは、おもにひび割れ注入やモルタル補修などの作業を指します。このような部分補修をすることで、コストを抑えながらブロック塀の安全性を維持できます。
なお、ブロック塀の美観が損なわれるほか、強度が低下するおそれもあるため、部分補修が適切であるか専門業者に相談しましょう。
【方法2】塗装
専門業者による塗装は、外観の美観維持に加え、防水性向上も期待できます。
塗装するタイミングは、ブロック塀における表面の塗膜が剥がれたり、色あせが見られたりするときが目安です。専門業者に塗装を依頼すれば、適切な塗料を選んだうえで施工できるため、ブロック塀の耐久性が向上します。
なお、塗装はブロック塀の内部に水がたまり、劣化を促進させるリスクもあるため、専門業者に相談して適切な判断を仰ぎましょう。
【方法3】交換
ブロック塀の「交換」は、一部分のブロックを積み替える、もしくはブロックをすべて積み替える作業を指します。
耐用年数を超過している場合や、内部の劣化が進んでいる場合など、ブロック塀の安全性が懸念されるタイミングで交換が必要です。ブロック塀の交換によって、外観が一新されるほか、劣化によるさまざまなリスクが軽減されるため、安全性も格段に向上します。
なお、ブロック塀の交換は、ほかの修理方法に比べてコストがかかるため、綿密な予算計画が欠かせません。
ブロック塀を自分で修理する方法
ブロック塀は、部分的な補修や塗装によって、自分で修理することが可能です。その際、「雨天時の作業を避ける」「安全面に考慮した作業着を着用する」など、作業の安全性に留意する必要があります。
なお、自分で行う修理はあくまで応急処置や軽微なものに限られ、根本的な解決に至りません。ブロック塀の安全対策を確実に行うためには、修理経験が豊富な専門業者に診断や修理を依頼しましょう。
【方法1】ひび割れ補修
軽微なひび割れは、自分で修理することが可能です。軽微なひび割れとは、ヘアークラック(幅が0.3ミリ以下で髪の毛ほどの細いひび割れ)のことを指します。
ブラシなどを用いて、コケや汚れを落とす
ヘラを使用し、ひび割れに補修材を押し込むように注入する
補修材をならし、乾燥させたら完成
なお、ブロック塀の構造に影響する大きなひび割れ(幅0.3ミリ以上)が生じている場合は、専門業者に修理を依頼し、根本的な解決を図ることが必要不可欠です。
【方法2】部分塗装
ブロック塀は、部分塗装によるDIY補修が可能です。
高圧洗浄機やブラシなどを使い、コケや汚れを落とす
ブロック塀の目地部分をモルタルで埋める(ひび割れなどがあれば補修も行う)
塗装しない部分にマスキングテープなどを用いて養生する
ローラーや刷毛で下塗り塗料を塗る
ローラーや刷毛で塗料を塗る。ジョリパット(内外装用の仕上げ塗材の一種)を使用することも可。
自分で塗装する際は、適切な下塗り材を選ぶことで、塗料の密着性が向上します。また、塗装後は剥がれや膨れが起こらないようにしっかり乾燥させることが重要です。なお、広範囲にわたる塗装や耐久性を求める場合は、専門業者に塗装を依頼しましょう。
ブロック塀の修理を依頼する際の費用相場
ブロック塀の修理を依頼する際の費用相場は、修理内容ごとに異なります。
修理内容 | 費用相場 (1平方メートルあたり) |
---|---|
ひび割れ補修 | 1万〜2万円 |
塗装 | 0.3万〜0.5万円 |
交換 | 撤去費用:0.5万〜1万円 基礎工事:1.5万〜2万円 新設費用:1万〜1.5万円 |
解体・撤去 | 0.5万〜1万円 |
業者から見積もりを取得する際は、内訳や追加費用の有無を確認し、正確な金額を把握できるようにしましょう。
ブロック塀の修理費用を抑えるためには、相見積もりの依頼が効果的です。複数の業者から見積もりをとれば、価格や業者の対応を比較検討できます。
ブロック塀のリフォーム方法
ブロック塀が劣化した場合、補修や交換以外にもさまざまな方法でリフォームすることが可能です。ブロック塀以外の選択肢も知り、デザイン性や安全性の高い外構にリフォームしましょう。
【方法1】フェンスにリフォームする
ブロック塀は、フェンスにリフォームすることで安全性の向上が期待できます。ブロック塀からフェンスにリフォームするメリット・デメリットは、以下のとおりです。
フェンスには、アルミや樹脂、木製などさまざまな種類があるため、特徴や費用をふまえて好みのフェンスを選びましょう。
【方法2】ほかの塀にリフォームする
ブロック塀は、化粧ブロックや生垣などほかの塀にリフォームすることが可能です。以下に、塀の種類ごとのメリット・デメリットをまとめています。
ブロック塀からほかの塀にリフォームする際は、安全性やデザイン性、耐久性など総合的に判断し、納得のいくリフォームを実現しましょう。
【方法3 】撤去してオープン外構にする
ブロック塀のリフォーム方法のひとつに、既存のブロック塀を撤去して「オープン外構」に仕上げる方法もあります。
敷地内の囲いをなくした開放的な外構スタイルのこと
ブロック塀を撤去してオープン外構にするメリット・デメリットは以下のとおりです。
オープン外構にすることで、塀やフェンスを設置する必要がなくなるため、リフォームコストを最小限に抑えられます。なお、敷地の囲いがなくなるため、玄関や部屋が丸見えにならないよう目隠しする工夫が必要です。
補助金を利用したブロック塀のリフォーム事例


リフォーム期間 | 1週間 |
リフォーム費用 | 約160万円 |
安全性に懸念のあったブロック塀を撤去し、塀とフェンスを新たに設置したリフォーム事例です。
土台や内部の鉄筋から作り直したため、耐震性や安全性が格段に向上しています。なお、この事例はブロック塀の耐震リフォームによる補助金制度を利用したものです。自治体によっては、ブロック塀の撤去・改修補助金制度を設けている場合もあるため、リフォームを検討する際はリサーチしてみるとよいでしょう。
補助金制度は、「〇〇市 ブロック塀 補助金」で検索したり、自治体のホームページを確認したりすることで見つけやすくなります。
自治体によって、補助金制度を利用できる条件や、申請手続きの流れなどが異なります。そのため、補助金制度の利用を検討するなら、リフォーム前に情報を入手しておきましょう。
【Q&A】ブロック塀の修理に関するよくある質問
- ブロック塀に車をぶつけてしまったら?
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自分でぶつけてしまった場合、加入している火災保険でブロック塀の修理費用をまかなえる可能性があります。まずは保険会社に連絡し、被害状況などを伝えましょう。
火災保険の適用外になる可能性もあるブロック塀に車をぶつけてから数年が経過している場合や、故意・重大な過失と判断された場合などは、火災保険の適用外になる可能性があります。
- ブロック塀を壊されたら火災保険は適用になる?
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ブロック塀が自然災害によって損壊した場合や、第三者によって壊された場合、火災保険の適用となる可能性があります。
契約内容の確認が必須加入している火災保険の補償範囲によっては、保険の適用外になるケースもあります。したがって、加入している保険会社に問い合わせ、補償の対象かどうかを確認しましょう。
- ブロック塀の修理はどこに頼めばいい?
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修理を依頼できる専門業者は、エクステリア業者やリフォーム会社、工務店などさまざまあります。それぞれ特徴や得意分野が異なるため、エクステリアのリフォーム経験が豊富な業者を選ぶと安心です。
信頼できる業者を選ぶためのポイント- 施工実績
- 見積もりの透明性
- 口コミや評判
- 保証内容
なお、業者を選ぶ際は、複数業者から見積もりをとって比較検討することが大切です。
- ブロック塀の耐用年数は?
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ブロック塀の一般的な耐用年数は、15~30年程度が目安です。ただし、環境やメンテナンス状況によって異なります。
外構・エクステリアリフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。
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