外壁の吹き付け塗装とは?費用相場・種類・耐用年数を解説

外壁の吹き付け塗装について費用・種類・注意点を示したサムネイル
外壁の吹き付け塗装は、スプレーガンで霧状にした塗料を外壁へ吹き付ける仕上げ方です。費用は1㎡あたり1,000〜3,000円が目安で、仕上げはリシン・スタッコ・吹き付けタイルの3種類に分かれます。モルタル外壁やALC外壁と相性が良い一方、塗料が飛散しやすいため、近年の戸建てではローラー塗装が選ばれるケースも増えています。種類ごとの特徴や費用相場、塗料別の耐用年数、ローラー塗装との違いを押さえておくと、自宅に合う工法を選びやすくなります。
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吹き付け塗装の仕上げ別費用相場と塗料グレード別の耐用年数を並べた図解

外壁の吹き付け塗装とは?

外壁の吹き付け塗装は、スプレーガンで塗料や仕上げ材を霧状にして外壁へ吹き付ける仕上げ方です。リシンやスタッコなどの骨材入り仕上げでは、ザラザラ・ツブツブとした立体感を出せます。広い面を短時間で塗りやすく、モルタル外壁やALC外壁の意匠仕上げにも使われます。

日本では古くから使われてきた外壁仕上げのひとつです。ただし後述するとおり、塗料の飛散や養生の手間があるため、近年の戸建て塗り替えではローラー塗装が選ばれるケースも多くなっています。吹き付け塗装は広い面を効率よく仕上げやすく、凹凸にも塗料が回りやすい工法です。主にモルタル外壁の意匠仕上げで使われ、既存の凹凸を活かした塗り替えにも向いています。

※ 参考:国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」

ローラー塗装との違い

凹凸のあるデザインや広い面を効率よく仕上げたい場合は吹き付け塗装、塗料の飛散を抑えたい住宅密集地ではローラー塗装が選びやすくなります。ローラー塗装は、毛・布・スポンジなどのローラーに塗料を含ませ、職人が手作業で壁面を塗る方法です。塗料が散らばりにくく、平面的で均一な仕上がりになりやすい特徴があります。

吹き付け塗装とローラー塗装の違いを、仕上がり・工期・飛散対策の観点で比較した図解
吹き付け塗装とローラー塗装の違い
比較軸吹き付け塗装ローラー塗装
仕上がり凹凸・立体感を出しやすい平らで均一
工期広い面を短時間で塗れる手塗りで時間がかかる
塗料の飛散多い(養生・近隣配慮が必須)少ない
向く外壁モルタル・ALCサイディング含め幅広い

ローラー塗装は塗膜に厚みを持たせやすく、耐久性を重視したい場合に向いています。一方で、1箇所ずつ手作業で塗るため施工時間が長くなりやすく、人件費もかかります。条件によっては、吹き付け塗装より工事費がやや高くなることがあります。

スプレーガンには何種類ある?(エア式・エアレス式)

吹き付け塗装では塗料などの材料を専用容器に入れ、スプレーガンでミスト状にして外壁へ吹き付けます。塗料の粘度に合わせてガンを使い分けるのが基本で、噴出方式で大きく2タイプに分かれます

外壁の吹き付け塗装で使うエア式とエアレス式スプレーガンの特徴を比較した図解
エア式とエアレス式スプレーガンの違い
  • エアスプレーガン
    圧縮空気で塗料を細かなミストにして吹き付ける。粒子が細かく、均一できれいな仕上がりにしやすい。
  • エアレススプレーガン
    空気を使わず塗料に直接圧力をかけて吹き付ける。粘度の高い塗料に使え、エア式より塗料の飛散が少ない。

サイディングにも塗装できる

サイディングは、建物の外壁に貼り付ける板状の仕上げ材です。タイル調・レンガ調・石目調などのデザインがあり、「スタッコウォール」や「シャトーウォール」のように、モルタルに近い質感を持つ製品もあります。吹き付け塗装は凹凸のあるサイディングにも対応できます。塗料が細部に入り込みやすく、色を変えれば外壁全体の印象も変えられます。

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外壁に吹き付け塗装するメリット

外壁に吹き付け塗装を施す主なメリットは、デザイン性・工期・費用の3つです。

【メリット1】デザイン性が高い

吹き付け塗装は、模様や質感の幅が広く、外観に個性を出しやすい工法です。リシン仕上げやスタッコ仕上げを選べば、既存の外壁の模様を活かしながら、高級感や重厚感のある印象に仕上げられます。

【メリット2】工期が短い

吹き付け塗装は、スプレーガンで広い面に塗料を吹き付けるため、短期間で施工しやすい工法です。ローラー塗装は手作業で塗り進めるため、細部まで丁寧に仕上げられる一方、工期が長くなる傾向があります。

【メリット3】費用が安い

広い面を短時間で塗れる分、手塗りより人件費を抑えられる場面があります。ただし吹き付けは塗料の飛散ぶん使用量が増えやすく、養生の手間も大きいため、現場の条件によってはローラー塗装と費用が変わらない、あるいは高くなることもあります。「吹き付けだから安い」と決めつけず、同じ外壁でローラー塗装と吹き付け塗装の両方で見積もりを取り、金額と仕上がりを並べて比べるのが確実です。

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外壁を吹き付け塗装するデメリット

吹き付け塗装は便利な一方で、塗料の消費量・作業音・飛散・職人の技術差に注意が必要です。

【デメリット1】塗料の消費量が多い

吹き付け塗装では塗料をミスト状に噴出するため、周辺に飛び散る分だけ使用量が増えやすくなります。施工前には窓・ドア・車などを養生する必要があり、準備に時間がかかる点もデメリットです。

【デメリット2】作業音がうるさい

スプレーガンは、コンプレッサーで空気や塗料に圧力をかけて使います。そのため作業中は機械音が出やすく、着工前に近所へあいさつし、作業音が発生することを伝えておくと安心です。

【デメリット3】近所に塗料が飛散する恐れがある

吹き付け塗装では、塗料が想定より広い範囲に飛散することがあります。隣家の車や外構など、飛散範囲に入るものは養生が必要です。自宅と隣家の距離が近い場合は、洗濯物を室内に干してもらうよう事前にお願いする手間もかかります。

外壁の吹き付け塗装で塗料の飛散を防ぐための養生や近隣配慮をまとめた図解
吹き付け塗装の飛散対策

【デメリット4】職人の腕前に左右される

吹き付け塗装は、ローラー塗装に比べて色ムラが出やすい傾向があります。職人の技術力が不足していると、塗膜の厚みに差が出たり、模様が均一にならなかったりすることがあります。近年は吹き付け塗装の施工件数が減っているため、依頼前に施工実績を確認し、経験のある職人が対応できるか見ておきましょう。

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外壁における吹き付け塗装の種類

吹き付け塗装の仕上げは、模様の大きさと質感で大きく3種類に分かれます。ザラつき重視ならリシン立体感と重厚感ならスタッコその中間がタイル仕上げ、と覚えると選びやすくなります。

リシン仕上げ、吹き付けタイル仕上げ、スタッコ仕上げの質感と凹凸の違いを比較した図解
リシン・吹き付けタイル・スタッコの質感比較
仕上げ質感・模様向いている人
リシン仕上げ砂壁状でザラザラ、つや消し落ち着いたマットな外観が好み
吹き付けタイル仕上げ玉状の凹凸で立体感ひび割れ・汚れに強くしたい
スタッコ仕上げ5〜10mmの厚い凹凸、石造り風重厚感・高級感を出したい

【種類1】リシン仕上げ

リシン仕上げは、モルタル外壁でよく使われる仕上げ方法です。塗料にセメントや砂壁状の骨材を混ぜた仕上げ材を、リシンガンで吹き付けます。砂壁のようなザラザラした質感になり、つやを抑えた落ち着いた印象に仕上がります。吹き付けタイル仕上げより模様の目が細かく、シックなデザインや土壁のような温かみを出しやすいのが特徴です。骨材のサイズを変えれば、凹凸の大きさも調整できます。

【種類2】吹き付けタイル仕上げ

吹き付けタイル仕上げは、タイルガンやカップガンで下地調整材を玉状に吹き付け、その上から仕上げ材を重ねる方法です。玉状の凹凸によって壁面に立体感が出るため、ひび割れや汚れに強い外壁を目指したい場合に向いています。ヘッドカット仕上げは、吹き付けタイル仕上げで作った凹凸の頭をローラーなどで押さえ、表面の尖りを抑える工法です。凸部をならすことで、落ち着いた凹凸感に仕上がります。

※ 参考:国土交通省「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」

【種類3】スタッコ仕上げ

スタッコ仕上げは、壁面にモルタルや合成樹脂を塗りつけたあと、セメント・塗料・骨材などを混ぜた仕上げ材をスタッコガンで吹き付ける方法です。仕上げ材を5~10mm程度の厚さで吹き付けるため、立体感の強い凹凸ができ、石造り風の重厚な外観に仕上がります。一方で、凹凸に汚れがたまりやすい場合もあります。防水性や耐久性は、仕上げ材の種類・上塗り塗料・施工厚・メンテナンス状態によって変わるため、見た目だけでなく維持管理のしやすさも確認して選びましょう。

※ 参考:国土交通省「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」

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外壁の吹き付け塗装にかかる費用の相場

吹き付け塗装の単価は、仕上げと塗料で決まります。2026年時点の目安は1㎡あたりおよそ1,000〜3,000円で、リシンが最も安く、スタッコが最も高くなります。延床30〜40坪の戸建てを一棟塗り替える場合、足場や下地補修を含めた総額はおおむね60〜130万円が相場です。仕上げ別の1㎡単価は、次のように幅があります。

仕上げ1㎡単価の目安
リシン仕上げ1,000〜1,800円
吹き付けタイル仕上げ1,500〜2,500円
スタッコ仕上げ2,000〜3,000円
2026年6月時点

同じ種類の塗料でも、仕上げ方や下地の状態によって費用は変わります。見積書では「塗料名」「仕上げの種類」「施工面積」「足場・養生費」が分かれているか確認しましょう。相場より安い見積もりでも、下地補修や養生の範囲が不足していると追加費用につながることがあります。金額だけでなく、作業内容まで比較することが大切です。

塗料グレード別の耐用年数で「総コスト」を考える

単価が安くても寿命が短ければ塗り替え回数が増え、長い目で見ると割高になります。吹き付けに使う塗料の耐用年数の目安は、次のとおりです。

吹き付け塗装の仕上げ別費用相場と塗料グレード別の耐用年数を並べた図解
吹き付け塗装の費用と塗料の耐用年数
塗料の種類耐用年数の目安
アクリル塗料5〜8年
ウレタン塗料8〜12年
シリコン塗料10〜13年
フッ素塗料15〜20年
無機塗料20年以上
2026年6月時点

初期費用を抑えたいならシリコン、塗り替え回数を減らしたいならフッ素・無機が候補です。ただし、耐用年数は塗料の製品グレード、下地の状態、日当たり・雨風、施工品質によって変わります。住み続ける年数と次回の塗り替え時期を合わせて選ぶと無駄が出にくくなります。

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外壁に吹き付け塗装が向いているケース

吹き付け塗装が向くのは、次のいずれかに当てはまる住宅です。

  • 外壁がモルタルまたはALCパネル
  • 表面に凹凸感のあるデザインにしたい
  • 広い面をできるだけ短工期で塗りたい

それぞれの理由を確認します。

外壁にモルタルまたはALCパネルを使用している

外壁にモルタルまたはALCパネルを使用している住宅は、吹き付け塗装が向く場合があります。ALCパネルは、軽量気泡コンクリートを板状にした建材です。珪石・セメント・生石灰・アルミ粉末などを主原料とし、高温高圧の蒸気で養生して作られます。内部に気泡を含むため軽く、断熱性や耐火性にも特徴があります。

ただし、ALC外壁は目地のシーリングや塗膜で防水性を保ちます。吹き付け塗装を選ぶ場合も、下地補修・シーリング補修・上塗り仕様を業者に確認しましょう。

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外壁の表面に凹凸感を出したい

外壁の表面に、吹き付け塗装特有の凹凸感を出したい場合にも向いています。凹凸のある外壁材としてサイディングを選ぶ方法もありますが、板材そのものの柄や目地デザインを大きく変えたい場合は、張り替えが必要になることがあります。一方、吹き付け塗装なら、リシン仕上げからスタッコ仕上げへ変えるように、塗り替え時に質感を調整できます。

凹凸を活かした外壁にしたい場合は、吹き付け塗装も選択肢になります。

外壁塗装の費用と仕上がりを相見積もりで比べたい

吹き付け塗装は、広い面を短時間で塗れるため、人件費を抑えられる場合があります。一方で、塗料が飛散しやすく使用量が増えたり、養生範囲が広くなったりすると、ローラー塗装と費用差が小さくなることもあります。費用だけで判断せず、同じ外壁でローラー塗装と吹き付け塗装の両方を見積もってもらい、金額・仕上がり・近隣への配慮を比べて選びましょう。

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外壁の吹き付け塗装をメンテナンスする方法

吹き付け塗装を行った外壁に汚れや藻がついた場合は、専門業者による洗浄や再塗装でメンテナンスします。光触媒など、汚れの付着を抑える塗料を使えば、洗浄や再塗装の回数を減らしやすくなります。外壁にひび割れや塗膜の剥がれがある場合は、破損箇所の塗装を剥がし、下地を補修してから再度吹き付け塗装を行います。

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小物の吹き付け塗装はDIYも可能

吹き付け塗装はDIYでも施工できる場合がありますが、外壁全体の塗装はおすすめできません。DIYで吹き付け塗装しやすいものを紹介したうえで、外壁をDIYで塗装しない方がよい理由を解説します。

倉庫・車庫のシャッターや木工細工などにおすすめ

倉庫・車庫のシャッターや木工細工など、多少の塗りムラが目立ちにくいものなら、DIYで吹き付け塗装できる場合があります。スプレーガンや塗料は通販サイトやホームセンターで購入できます。ただし、吹き付け塗装は周囲に塗料が飛び散りやすい工法です。塗料は乾燥すると水洗いでは落ちにくいため、ブルーシートやガムテープなど、汚れてもよい資材で養生してから作業しましょう。

DIYでの外壁の吹き付け塗装はNG

外壁をDIYで塗装すると、塗りムラによって外壁が傷んだり、塗料の耐用年数が短くなったりする恐れがあります。外壁塗装には下地処理や養生、塗料の扱いに関する知識が必要です。建物全体の塗装は、施工業者に依頼するのが安心です。

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【Q&A】外壁の吹き付け塗装に関するよくある質問

吹き付け塗装で近隣トラブルを防ぐには?

塗料が想定より広く飛散するため、着工前のあいさつと養生が欠かせません。隣家の車や外構を養生し、洗濯物は室内干しをお願いしておくとトラブルになりにくいです。風の強い日は作業を避けてもらえるか、業者に確認しておくと安心です。

サイディング外壁でも吹き付け塗装できる?

凹凸のあるサイディングなら塗料が入り込みやすく、吹き付け塗装に対応できます。平らなサイディングはローラー塗装の方が向く場合が多いため、業者に外壁材を見てもらって判断するのが確実です。

古い吹き付け外壁は再塗装できる?

再塗装できます。汚れや藻は専用洗剤で洗浄し、ひび割れや塗膜の剥がれがある場合は下地を補修してから塗り直します。次回はリシンからスタッコへ、といった仕上げの変更も可能です。

吹き付け塗装が失敗するとどうなる?

下地処理が不十分だったり、乾燥時間が足りなかったりすると、塗膜の剥がれやひび割れにつながります。塗料の希釈やスプレーガンの調整を誤ると、色ムラや液垂れが起き、外壁の美観を損なうこともあります。ひどい場合は外壁内部に水が入り、腐食・カビ・寿命の低下につながる恐れがあります。

技術力の高い職人・業者の選び方は?

技術力の高い職人・業者を選ぶには、吹き付け塗装の施工実績を確認することが大切です。施工事例が豊富な業者なら、スプレーガンの調整や養生、模様付けに慣れている可能性があります。見積もり時には、同じ仕上げの施工写真や保証内容も見せてもらいましょう。

外壁を吹き付け塗装する際の工程は?

外壁を吹き付け塗装する際は、一般的に次の流れで進みます。

外壁を吹き付け塗装する際の洗浄・補修・下塗り・主材吹き付け・上塗りの流れを示した図解
外壁の吹き付け塗装の工程
  1. 高圧洗浄・下地補修・養生を行う
  2. シーラーなどの下塗り材を塗る
  3. 主材を吹き付けて模様をつける
  4. 必要に応じて上塗り材やトップコートで仕上げる

※ 参考:国土交通省「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」

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