2024年10月15日更新

監修記事

外壁塗装のスタッコ仕上げとは?メリット・デメリットや施工手順を解説

外壁は、仕上げ方法によってさまざまな見た目に変化します。多くの建物で採用されている「スタッコ仕上げ」も、魅力的な外壁に変化させる仕上げ方法のひとつといえるでしょう。そこでこの記事では、スタッコ仕上げの特徴やメリット、デメリットなどについてくわしく解説します。外壁のスタッコ仕上げをマスターして、後悔のない外壁塗装を実現しましょう。

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スタッコ仕上げとは

スタッコ仕上げとは、塗装における仕上げ方法のことをいいます。

スタッコとは

石灰やセメント、砂を混ぜた建築材料のこと

スタッコ仕上げは、おもに戸建て住宅やマンションのモルタル外壁などに採用されており、表面のデコボコした仕上がりと重厚感のある見た目が特徴の仕上げ方法です。

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スタッコ仕上げの種類

スタッコ仕上げは、塗り方の違いによって大きく2種類に分けられます。

スタッコ仕上げの具体的なイメージをもつために、ここでは塗り方による種類の違いをマスターしましょう。

【種類1】コテ塗り

コテ塗りとは、左官職人がコテを使ってスタッコを塗る方法のことです。

コテのほかに木片やはけなども駆使し、外壁にさまざまな模様を付けていきます。

なお、仕上がりは職人の技術力に左右されるため、腕のよい職人に依頼できるかが鍵となるでしょう。

【種類2】吹き付け塗装

吹き付け塗装とは、スプレーガンを使用してスタッコを吹き付ける方法のことで、表面のデコボコした見た目が際立ちます。

また、吹き付けた後にコテやローラーを使って表面をならす「ヘッドカット仕上げ」という方法もあります。

ヘッドカット仕上げにより、表面のデコボコを多少抑えることが可能です。

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【種類別】外壁をスタッコ仕上げにするメリット

外壁をスタッコ仕上げにするメリットは、「コテ塗り」と「吹き付け塗装」で異なります。

スタッコ仕上げにおける種類ごとのメリットをマスターし、外壁の仕上げ方法を決める判断材料として役立てましょう。

【種類1】スタッコ仕上げ(コテ塗り)にするメリット

ここでは、コテ塗りでスタッコ仕上げにするメリットを解説します。

デザイン性が高い

コテ塗りは、外壁にさまざまなデザインを施すのに有効です。

職人が手作業でスタッコを塗るため、職人の経験やセンスにより、バリエーションに富んだデザインを期待できます。

耐久性が高い

コテ塗りにより、スタッコがもつ本来の耐久性を発揮できます。

その理由は、高い技術をもつ職人がスタッコを手作業で塗ることにより、外壁とスタッコにおける密着度の向上が期待できるためです。

スタッコは硬くて伸縮性に欠ける一面もあるため、職人の腕次第では、スタッコに剥がれやひび割れが発生することも少なくありません。

【種類2】スタッコ仕上げ(吹き付け塗装)にするメリット

ここでは、吹き付け塗装でスタッコ仕上げにするメリットを解説します。

工期が短い

吹き付け塗装はスプレーガンを用いるため、一度に塗れる範囲が広く、工期が短くなる傾向です。

天候の不良やトラブルがなければ、おおよそ1週間〜10日で仕上がるでしょう。

費用を抑えられる

吹き付け塗装はスプレーガンを使う作業であり、人件費がそれほどかかりません。

また、前述のとおり工期が短いため、費用を抑えられるメリットがあります。

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【種類別】外壁をスタッコ仕上げにするデメリット

外壁をスタッコ仕上げにするデメリットは、メリットと同様に「コテ塗り」と「吹き付け塗装」で異なります。

デメリットを種類別に把握して、外壁塗装で失敗のないようにしましょう。

【種類1】スタッコ仕上げ(コテ塗り)にするデメリット

ここでは、コテ塗りでスタッコ仕上げにするデメリットを見てみましょう。

手間と時間がかかる

コテ塗りは職人の手作業で行われるため、吹き付け塗装よりも多くの時間を必要とします。

また、工期は天候や季節にも左右されるため、場合によっては1ヶ月ほどかかるケースもあるでしょう。

費用がかかる

外壁をスタッコ仕上げにする際、材料費や人件費などがかかります。

なかでも、コテ塗りは機械を用いずに作業するため、より多くの人件費がかかります。

【種類2】吹き付け塗装でスタッコ仕上げにするデメリット

ここでは、吹き付け塗装でスタッコ仕上げにするデメリットを見てみましょう。

デザイン性に欠ける

吹き付け塗装はスプレーガンでスタッコを塗布するため、デザインの自由度が下がります。

こだわりのある外壁に仕上げたい場合、吹き付け塗装はあまり向いていないでしょう。

ひび割れしやすい

吹き付け塗装の場合、表面のスタッコがひび割れしやすいというデメリットもあります。

コテ塗りに比べて外壁とスタッコの密着度が低いため、ひび割れのリスクはより高くなるでしょう。

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外壁塗装におけるスタッコ仕上げの施工手順

外壁をスタッコ仕上げにする際、適切な下地処理と下塗りが非常に重要といえます。

ここでは、スタッコ仕上げの施工手順を学んで、外壁塗装の具体的なイメージを膨らませましょう。

STEP
高圧洗浄

高圧洗浄機を用いて、外壁に付着した汚れやほこりなどを洗浄します。

高圧洗浄を適切に行うことで、外壁とスタッコの密着度を高める効果があります。

STEP
下地処理

高圧洗浄後、外壁を十分に乾燥させたら下地処理に移っていきます。

下地処理をすれば、外壁とスタッコの密着度が上がり、表面が剥がれにくくなります。

たとえば、外壁にひび割れや破損がある場合は、適切な補修が必要です。

STEP
下塗り

下地処理が終わったら、下塗り材をたっぷり塗布します。

下塗りは上塗り材を密着させるための重要な工程で、色ムラを出しにくくする効果もあります。

STEP
上塗り

下塗り材が完全に乾いたら、下塗り材に重ねて上塗りします。

コテ塗りの場合は、コテやはけを使って丁寧に塗布することがポイントです。

一方、吹き付け塗装の場合、スプレーガンという噴射器具を用いて吹き付けます。

吹き付けた後に表面をならす「ヘッドカット仕上げ」を採用する際は、ローラーやコテを使って表面をつぶすように押さえつけていきます。

仮設足場の設置について

外壁塗装が高所作業になる場合、仮設足場の設置が必要です。

仮設足場を設置する際は、工期が長くなったり、費用がプラスになったりするので覚えておきましょう。

>>仮設足場の必要性や費用相場はこちら

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スタッコ仕上げによる外壁塗装の費用相場

ここでは、スタッコ仕上げによる外壁塗装の費用相場を理解し、予算内におさまるのかどうかをチェックしましょう。

スタッコ仕上げの種類費用相場
(1平方メートルあたり)
コテ塗り5,000〜7,000円
吹き付け塗装2,500〜5,000円
30坪の建物における費用相場の目安
スタッコ仕上げの種類費用相場
コテ塗り100万~180万円
吹き付け塗装80万~120万円

このように「コテ塗り」は手作業で行う分、「吹き付け塗装」に比べて割高になる傾向があります。

なお、仮設足場の設置や下地処理の状況によって、費用は変わります。

また、建物の形状も費用の変動に大きく影響するため、あくまでも費用相場の目安としてとらえましょう。

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スタッコ仕上げで発生しやすい劣化症状

スタッコ仕上げによる外壁で起きやすい劣化症状として、汚れの付着やひび割れなどがあります。

ここでは、スタッコ仕上げで発生しやすい劣化症状を把握して、適切な塗装のタイミングを理解しましょう。

【劣化症状1】汚れの付着

スタッコ仕上げによる外壁は、劣化が進むと汚れが付着しやすくなります。

その理由は、表面の仕上がりがデコボコしており、汚れが溜まりやすくなるためです。

このように表面の仕上がりに凹凸がある部分は、ほこりや排気ガス、雨垂れによる汚れなどが蓄積しやすくなるため、美観を損ねるだけでなく外壁の劣化も進行してしまいます。

外壁の美観や耐久性を維持するためにも、定期的な洗浄やメンテナンスが欠かせません。

【劣化症状2】塗膜の剥がれ

表面の塗膜が剥がれる現象も、劣化症状のひとつです。

塗膜は紫外線や雨風による経年劣化により剥がれていき、外壁内部へ雨水が入り込んでしまいます。

塗膜の剥がれは雨漏りのリスクにつながるため、早めのメンテナンスが必要不可欠です。

【劣化症状3】塗膜の膨れ

スタッコ仕上げによる外壁では、塗膜が膨れる現象も少なくありません。

塗膜の膨れは、凹凸部分に溜まった空気が時間の経過とともに塗膜を押し上げることで発生します。

また、高圧洗浄の後に乾燥していない状態で塗装すると、発生した水蒸気で塗膜の膨れが発生するケースもあります。

もし、前回の塗装から間もないタイミングで塗膜の膨れを見つけたら、施工不良の可能性が考えられるでしょう。

【劣化症状4】ひび割れ

スタッコ仕上げによる外壁は、経年劣化によりひび割れが発生します。

ひび割れの主な原因は、地震や周辺の振動によって住宅に力が加わることです。

またスタッコの性質上、硬くて柔軟性に欠けるため、ひび割れしやすいといえるでしょう。

ひび割れを放置すると、雨漏りや構造躯体の劣化が懸念されるため、早めのメンテナンスが必要です。

>>外壁塗装によるメンテナンス方法はこちら

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スタッコ仕上げに関する注意点

スタッコ仕上げに関して、「適切な下地処理が欠かせない」などいくつかの注意点があります。

「外壁をほかの方法で仕上げればよかった」と後悔しないよう、スタッコ仕上げに関する注意点を頭に入れておきましょう。

【注意点1】適切な下地処理が必要

外壁をスタッコ仕上げにする際は、適切な下地処理が欠かせません。

適切な下地処理を怠ると、外壁とスタッコの密着度が下がり、塗膜の剥がれやひび割れを起こしやすくなります。

たとえば、外壁に付着した汚れを放置したまま塗装すると、スタッコが外壁に密着しません。

また、外壁のひび割れを補修せずに塗装した場合、同様に外壁とスタッコの密着度が下がってしまいます。

したがって、外壁をスタッコ仕上げにするなら、適切に下地処理しなければなりません。

>>スタッコ仕上げの下地処理は専門業者におまかせ

【注意点2】塗材選びが重要

外壁をスタッコ仕上げにするときは、使用する塗材を慎重に選ばなければなりません。

スタッコは、表面のデコボコした部分に空気を溜め込みやすいことから、塗膜の膨れが起こりやすくなります。

なお、塗膜の膨れをできるかぎり抑えるためには、通気性のよい塗材を選ぶのがポイントです。

【注意点3】乾燥時間の確保が必須

高圧洗浄の後は、適切な乾燥時間を確保する必要があります。

しっかり乾燥していない状態で次の工程に進んでしまうと、湿気を含んだ状態の外壁に塗材を塗布することになります。

その結果、水蒸気による塗膜の膨れを引き起こしかねません。

外壁の仕上がりをよくするためにも、乾燥不足には十分注意しましょう。

【注意点4】慎重な業者選びが肝心

外壁をスタッコ仕上げにする際、「どの業者に塗装を依頼するか」が鍵となります。

仮に、経験や知識のない業者に依頼した場合、外壁にひび割れが起きたり、塗膜が膨れたりする「施工ミス」の恐れがあるかもしれません。

また、スタッコ仕上げは表面に凹凸がある分、塗料を大量に使うため、塗料代を追加請求される「トラブル」も少なくありません。

したがって慎重に業者を選び、施工ミスやトラブルを防ぐことが重要です。

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【Q&A】スタッコ仕上げに関するよくある質問

スタッコ仕上げとリシン仕上げの違いは?

リシン仕上げとは、細かく砕いた石や砂にセメントと樹脂を混合したものを吹き付ける仕上げ方法のことをいいます。

スタッコ仕上げは表面がデコボコしている一方、リシン仕上げはザラザラした表面が特徴です。

外壁にリシン仕上げを採用すれば、ツヤがなく落ち着いた印象を与えられます。

スタッコ仕上げとジョリパット仕上げの違いは?

ジョリパット仕上げとは、国内メーカーの「アイカ工業」が製造・販売している「ジョリパット」を使って仕上げる方法のことです。

ジョリパットは塗料に砂や砂利を混ぜた塗材で、モルタル外壁の仕上げ材として外壁や内装などに使われています。

ジョリパット仕上げは、スタッコ仕上げに比べてツヤのないザラザラした表面が特徴で、さまざまな風合いをあらわせるのが魅力です。

スタッコフレックスのデメリットは?

スタッコフレックスのデメリットは、導入コストが高い点です。

スタッコフレックスとは

アメリカで開発された超弾性の塗材のこと

なお、従来の塗材と比べてひび割れに強く、断熱性や防水性にも優れています。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】GAISOガイソー大和店 株式会社マルセイテック

GAISOガイソー大和店 株式会社マルセイテック

GAISOガイソー大和店 株式会社マルセイテック

神奈川県大和市で外装リフォームを中心に見て触って感じる体感型ショールームを運営。地域密着会社で年間200棟を超える実績があり、正しい施工と品質に対するこだわりから地元の信頼を得ている。

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