戸建てやマンションで人気の外壁は4種類
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戸建てやマンションで人気の外壁は、大きく分けて4種類あります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを確認していきましょう。
1.サイディング
サイディングとは、セメントや金属などの素材で作られた外壁の仕上げ板のことです。サイディングは、国内の新築戸建ての外壁材で最もシェア率の高い約80%を誇っています。
参考元:住宅用建材使用状況調査2024年3月版(日本サッシ協会)
素材別に4種類のサイディングについて詳しく確認していきましょう。
1-1.窯業系サイディング
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窯業系サイディングとは、セメントをベースに繊維質を配合し、板状に形成したものを窯で焼きあげた外壁材です。先述した日本サッシ協会の調査では、新築戸建てのサイディングの内、約90%が窯業系サイディングとされています。
窯業系サイディングはコストパフォーマンスに優れており、バリエーションが豊富な点も魅力です。石調やタイル調、木目調などの外観に仕上げることができます。
防火性や耐震性の高さはメリットですが、窯業系サイディング自体に防水性がないので定期的な塗装メンテナンスが必要なので注意しましょう。
メリット | デメリット |
・色や柄などのバリエーションが豊富 ・初期費用が抑えられる ・工期が短い ・防火性に優れている | ・メンテナンスが必要 ・素材自体の防水性が低い ・熱を溜め込みやすい |
デザインが豊富。パネル状なので目地がある
1-2.金属系サイディング
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金属系サイディングとは、断熱材の表面に金属板を形成して柄付けした外壁材です。表面の金属板には、ガルバリウム鋼板やステンレス鋼板などが使用されます。
金属系サイディングは丈夫で防水性が高いこと、軽量で耐震性に優れることなどがメリットです。軽量で建物にかかる負担が少ないため、重ね張りの外壁リフォーム時に採用されることが多くあります。
なかでもガルバリウム鋼板は、亜鉛・アルミ・シリコンを組み合わせた合金で、性質の異なる金属を1枚のパネルにすることで、金属特有の「サビ」の問題を解消しています。
メリット | デメリット |
・断熱性に優れている ・耐震性に優れている ・凍害に強い ・防水性が高い | ・傷や凹みがつきやすい ・他の外壁材よりサビが発生しやすい ・酸性雨、塩害被害の影響を受けやすい |
シンプルでモダンなデザインが多いが、近年は意匠性の高いものも増えている。叩くと多少反響音がする。パネルの目地があるが目立ちにくい
1-3.樹脂系サイディング
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樹脂系サイディングとは、塩化ビニル樹脂を使用した外壁材です。表面塗装でなく外壁材に色が練り込まれているため、塗装メンテナンスは不要です。また、つなぎ目のシーリング補修も基本的に必要ありません。
アメリカでは一般的な外壁材ですが、単色でデザインが限られることから日本での普及率は低めとなっています。そのため、日本では施工できる業者が限られており、施工費用も比較的高くなるでしょう。
メリット | デメリット |
・メンテナンスの手間がかからない ・耐久性に優れている ・凍害、塩害に強い ・軽量で耐震性に優れている | ・デザインが限られる ・施工できる業者が少ない ・施工費用が高い |
見た目にプラスチック感がある。単色でシンプルなデザイン
1-4.木質系サイディング
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木質系サイディングとは、天然木材に塗装を施したサイディングです。ナチュラルな外観で木の温もりを感じられるのが最大の魅力といえるでしょう。
近年は、無垢の木材に不燃処理を施すことで、防火性や耐久性を高めた木質系サイディングが増えています。
天然素材の味わいと断熱性に優れる点はメリットですが、施工費用やメンテナンス費用が高額になりやすい点には注意が必要です。
メリット | デメリット |
・断熱性が高い ・温かみのあるデザイン ・天然素材 | ・メンテナンスコストがかかる ・腐食しやすい ・取り扱っている業者が少ない |
天然木を切り出して加工している。叩いたときに柔らかい音がする
2.モルタル
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モルタルとは、砂やセメントを混ぜ合わせた外壁材のことです。サイディングが普及する以前はモルタルが主流で、その独特の風合いは今でも人気があります。
モルタルは網状の金物の上から塗装するため、つなぎ目がありません。どんな形状の外壁にも対応できる自由度が魅力です。外壁だけでなく、玄関や外構にも採用されています。
メリット | デメリット |
・耐火性、耐熱性に優れる ・断熱性が高い ・シーリングのメンテナンスが不要 ・デザイン性の自由度が高い | ・ひび割れしやすい ・防水性が低い ・仕上がりに差が出やすい |
デザインは工法によって異なり、目地のないシームレスな仕上がり
施工は職人の手作業によるもので、職人の実力によって品質や耐久性に差が出ることもあるでしょう。一方で、こまかな好みを反映した仕上げも可能です。
リシン仕上げ
スタッコ仕上げ
左官仕上げ
吹き付けタイル
2-1リシン仕上げ
リシン仕上げは、ツブツブとした粗さのある見た目になります。一般的に、細かく砕いた石にアクリル樹脂やセメント、着色剤を混ぜたものを吹き付ける塗装です。
比較的安価で落ち着いた外観に仕上がるため、和風住宅にも合うでしょう。
2-2スタッコ仕上げ
スタッコ仕上げはリシン仕上げをより厚く施工したもので、重厚感のある見た目になります。ただし、表面の凹凸に汚れがつきやすいので、こまめな洗浄やメンテナンスを心がけましょう。
多くの塗料を使用し施工の手間もかかることから、リシン仕上げよりも費用は高くなります。
2-3左官仕上げ
左官仕上げでは、主にコテを使用して施工します。モルタルの表面をなめらかにしたり、模様をつくったり、さまざまなハンドメイドのデザインが可能です。
職人の塗り方によって表情が変わるので、腕の確かな信頼できる業者選びも重要になります。
2-4吹き付けタイル
吹き付けタイルでは、タイルガンという工具で塗料を吹き付け、ゴツゴツとした凹凸のある表面に仕上げます。
タイルを吹き付けた後にローラーで押さえ仕上げをすることで、リシン仕上げよりもクラック(亀裂)が入りにくく、スタッコ仕上げと比べて凹凸が滑らかになるのも特徴です。
3.ALC
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ALC(軽量気泡コンクリート)とは、珪石・セメント・生石灰・発泡剤のアルミ粉末を主原料とし、高温高圧で蒸気養生されたパネルのことです。
高層ビルなどではポピュラーな外壁材ですが、サイディングと比較するとコストが高いため、戸建て住宅で採用されるケースは少ない傾向にあります。
ALCは水に浮くほど軽く、建物に負担がかかりません。また、断熱性や耐火性にも優れています。ただし、多孔構造で防水性がほとんどないため、防水機能の高い仕上げ材が必要です。
メリット | デメリット |
・非常に軽量で耐震性が高い ・断熱性に優れる ・耐火性に優れる ・施工がしやすい | ・防水性が低い ・施工費用が高い ・定期的なメンテナンスが必要 |
コンクリートでありながら軽量。パネル状で目地がある
4.タイル
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タイルは粘土や石を高温で焼き固めた建材で、壁に張り付けて仕上げます。自然の風合いと高級感のある見た目が魅力です。外壁のほか、浴室や床にも採用されています。
また、タイルは無機質素材でできているため、耐久性や耐候性に優れる点がメリットです。紫外線による変色や色褪せといった経年劣化もほとんどありません。
基本的に塗装メンテナンスは不要ですが、タイルをつなぎ合わせる目地は定期的にメンテナンスを行いましょう。
メリット | デメリット |
・耐久性がある ・高級感、重厚感がある ・強度がある ・メンテナンス費用が安い | ・初期費用が高い ・接着剤の劣化による剥離、落下のリスクがある ・目地のメンテナンスが必要 |
タイルと目地は違う素材で、一体化していない
おしゃれな外壁素材2種類
外観にこだわりたい方は、素材感を楽しむ外壁に挑戦してみてはいかがでしょうか。
おしゃれなデザインを演出する、2種類の外壁素材をご紹介します。
1.打ちっぱなしコンクリート
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打ちっぱなしコンクリートは、RC(鉄筋コンクリート造)やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)の建物で可能な外壁の仕上げ方法です。デザイナーズマンションなどにも採用されるため、おしゃれなイメージを抱く方も多いでしょう。
打ちっぱなしコンクリートの外壁は、コンクリートの躯体をそのまま見せます。スタイリッシュなデザインであり、防音性や耐火性が高いのがメリットです。
ただしコンクリートは水に弱い性質があるので、耐水性を確保するために、外壁には撥水剤を塗布するなどの対策が必須になります。
メリット | デメリット |
・スタイリッシュでモダンなデザイン ・強度があり耐震性に優れる ・耐火性に優れる ・遮音性に優れる | ・防水性が低い ・汚れが目立ちやすい ・施工費用が高め |
2.漆喰の塗り壁
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漆喰の塗り壁は、日本で古くから使用されてきた自然素材由来の外壁材です。塗り方次第でさまざまなニュアンスが生まれるため、唯一無二のおしゃれな外壁に仕上げることができます。
また、原材料に消石灰(水酸化カルシウム)を使用しており、強アルカリ性の性質から抗菌力や防カビ効果が期待できるでしょう。
漆喰は粒子が細かく、ツルツルとした美しいデザインに仕上がります。純和風な建物はもちろんですが、西洋風の住宅デザインとも相性がいいです。
メリット | デメリット |
・手仕事の風合いや温かみのあるデザイン ・抗菌性、防カビ性に優れる ・防火性に優れる ・調湿効果がある | ・汚れやひび割れが目立ちやすい ・施工費用が高め ・職人の技術力に左右される |
塗り壁材には漆喰以外にもあるので、詳しく知りたい方は塗り壁を得意とする専門業者に相談してみましょう。
自分に合った外壁を選ぶポイント
さまざまな外壁とその特徴について解説しましたが、たくさんある種類からどのように選べばいいのか悩む方も多いでしょう。
コストパフォーマンス
適切なタイミングで外壁のメンテナンスを行うことで、建物寿命が延びます。長い目で見ると、初期費用だけでなくランニングコストも重要です。
できるだけ建築時の予算を抑えたいと考えているなら、「モルタル」や「窯業系サイディング」がおすすめです。
耐久性を重視するなら、「タイル」「樹脂系サイディング」「金属系サイディング」「ALC」を検討してみてはいかがでしょうか。
外壁の種類 | 1平方メートルあたりの単価 | メンテナンス頻度 |
窯業系サイディング | 3,500円~ | 8〜10年 |
金属系サイディング | 4,000円~ | 10〜15年 |
樹脂系サイディング | 4,500円〜 | 10〜20年 |
木質系サイディング | 6,000円〜 | 7〜10年 |
モルタル | 1,500円〜 | 5〜10年 |
ALC | 7,000円〜 | 10〜15年 |
タイル | 7,000円〜 | 10〜20年 |
施工単価が高くても、メンテナンス頻度が少ない外壁は、コストパフォーマンスがいいと考えられるでしょう。
求める機能性
外壁の種類によって、機能性は異なります。外壁に求める効果や、建物の立地環境に合わせて選択してみましょう。
外壁の種類 | 機能性 | 注意点 |
窯業系サイディング | ・防火性に優れる ・耐震性がある | ・塩害に弱い ・防水性が低い |
金属系サイディング | ・耐震性に優れる ・断熱性に優れる ・耐凍害性に優れる ・防水性がある | ・塩害に弱い |
樹脂系サイディング | ・耐震性に優れる ・耐候性に優れる ・耐凍害性に優れる ・耐塩害性に優れる ・防水性に優れる | ・防火性が低い |
木質系サイディング | ・断熱性に優れる | ・防水性が低い |
モルタル | ・防火性に優れる ・断熱性に優れる | ・防水性が低い |
ALC | ・耐震性に優れる ・断熱性に優れる ・防火性に優れる | ・防水性が低い |
タイル | ・耐候性に優れる | ・防水性が低い |
外壁のなかには、防水性が低い種類も多くあります。その場合、塗装で防水性を高めるなどの工夫が必要です。
人気の高さ
外壁へのこだわりがあまりない方は、人気の高さで選んでもいいでしょう。
先述の日本サッシ協会の調査では、日本国内で現在圧倒的なシェア率を誇っているのが「窯業系サイディング」です。アルミサイディングやスチールサイディングなどの「金属系サイディング」や「モルタル」も、需要が高いのがわかります。
外壁の種類 | シェア率 |
窯業系サイディング | 80.2% |
アルミサイディング | 4.7% |
スチールサイディング | 5.1% |
モルタル | 6.8% |
木質系サイディング | 0.8% |
ALC | 0.6% |
その他 | 1.8% |
窯業系サイディングが人気の理由として、バリエーション豊かなデザイン性と、コストパフォーマンスの高さが考えられるでしょう。
とくに人気のメーカーである「ニチハ」のサイディングから、好みのものを選んでみてもいいかもしれません。
デザイン性
外壁のデザインは、建物全体のイメージを印象付ける重要な要素です。色や質感、ツヤ、模様などに注目してみましょう。
デザインにこだわりたい方は、オリジナリティを演出できる外壁の種類がおすすめです。
古い外壁の補修方法3パターン
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古くなった外壁は安全のためにも、劣化箇所を補修したり、新しい外壁に交換したりする必要があります。
ひび割れ(クラック)
金属部分のサビ
シーリング材の劣化
外壁材の劣化
カビ、コケなどの汚れ
触ると白っぽい粉がつく(チョーキング)
塗装の浮き、剥がれ
外壁の劣化状態によって、補修のやり方が異なります。大きく分類すると3パターンの補修方法から選択することができるでしょう。
1.部分補修
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外壁の一部分だけが劣化している場合は、部分補修で改善できるケースもあります。以下の表を参考にしてみてください。
劣化症状 | 補修方法 | 費用相場 |
ひび割れ(クラック) | シーリング | 1,700~2,500円/平方メートル |
金属部分のサビ | ケレン | 200~2,000円/平方メートル |
シーリング材の劣化 | 打ち替え | 700~1,200円/メートル |
外壁材の劣化 | 一部張り替え(程度による) | 15〜60万円 |
劣化症状の程度や、外壁の種類によっても費用に差が出ます。できれば3社以上に相見積りをして、施工内容や相場感を確認しましょう。
なお、一部張り替えに関しては、同じ外壁材が手配できない恐れもあります。まずは、以前外壁の施工を依頼した業者に相談してみてください。
2.外壁塗装
外壁材の劣化箇所が少ない場合、塗装による外壁リフォームが可能です。見た目が美しくなるだけでなく、外壁材の劣化スピードを抑える効果もあります。
サイディングやモルタルなどの外壁は、防水性が低めです。表面を塗装することで、防水性や耐久性を高めることができます。経年劣化による塗装の劣化がみられたら、塗り替えを行いましょう。
・カビ、コケなどの汚れ
・触ると白っぽい粉がつく(チョーキング)
・塗装の浮き、剥がれ
また、軽度なひび割れ(クラック)やシーリングの劣化があっても、外壁塗装の前に補修することができます。
塗装する塗料の種類によって施工費用が異なるため、専門業者と相談しながら決めましょう。
3.外壁カバー工法
外壁カバー工法とは、既存の外壁の上から新しい外壁を張り付けるリフォームです。外壁の強度に問題がなければ施工できます。
外壁が二重になるので、建物に負担がかからない軽量な金属系サイディングが採用されることが多いでしょう。また、断熱性や遮音性も高まります。
撤去費用や廃材処理費がかからないため、外壁を全て張り替えるよりも費用を抑えられる点もメリットです。
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