2024年07月30日更新

監修記事

フローリングの床が沈む場合の修理方法や費用は?

フローリングの上を歩いていると床面が沈む場合、どのような原因が考えられるのでしょうか?フローリングが沈む原因と、沈みを修理する方法、修理にかかる費用について、修理業者の選び方と併せてご紹介していきます。

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フローリングの床が沈む原因と修理方法について

フローリングの床が沈む場合の修理方法や費用は?

フローリングの床を歩いた際に床が沈んでしまう、床に力が加わっていないのに凹みが見られるなどの症状が現れた場合、どのような原因が考えられるのでしょうか?

フローリングの床が沈む原因と、原因別の修理方法について見てみましょう。

原因1. 床材の接着剤が劣化している

合板で作られたフローリング材の場合、材料として使われている接着剤の劣化によって沈み込みが起こります。

無垢材のフローリングなら一枚板で作られており、接着剤が使われていないため、接着剤の劣化による沈み込みは起こりません。

しかし、合板は薄い板材や、粉砕した木材チップを接着剤で固めて作られているため、接着剤が劣化すると剥がれてしまい、床材の内部に空間が生じ、体重をかけた際にこの空間が潰れて沈み込むのです。

このような原因でフローリングが沈み込む場合、フローリング材の張替えまたは新しいフローリング材の重ね張りで修理を行います。

小規模な剥がれについては接着剤を流し込んで仮釘で固定するという方法もありますが、一部分が劣化している場合、全体的に劣化が起こる可能性が高いため、張替えによる修理を行った方が良いでしょう。

原因2. 束石・床束の劣化

床束とは「ゆかづか」と言い、床面を下から支えている柱のような部材です。

床束は束石という地面に置かれた石やプラスティック、鋼の部材に乗せられているのですが、床束や束石が腐ったり、劣化したりしてしまうと床との間に隙間が生まれ、床が沈み込んでしまうのです。

また、床束や束石が劣化していない場合でも、古い住宅の場合は基礎部分が土のままになっている場合もあり、この部分の地盤が凹むことで隙間が生まれ、床が沈み込むこともあります。

修理方法は、腐食などが原因の場合は部材を交換し、この腐食の原因が床下の湿気だった場合は防湿シートの設置や床下換気扇を設置して対処。

白アリ等によって床束が食い荒らされ、ぼろぼろになってしまった場合については、床束や束石を樹脂製のものや鋼製のものに交換します。

原因3. 大引・根太の劣化

根太は床材を支える下地で、5cm程度の角材で作られており、大引はこの根太を支える部位のことです。

この部分は、木材で作られているため、床下の湿気や水漏れなどによって腐食することがあり、腐食によって強度が低下すると床面の沈み込みの原因となってしまいます。

大引や根太の腐食が原因でフローリングが沈み込む場合、床を解体して根太や大引を露出させ、腐食した部分を新しい素材に交換しなければなりません。

また、大引や根太は床上からの水漏れによって傷むことが多いため、水回りの近くにフローリングを使用する場合には、湿気対策や水漏れ対策を施しておく必要があります。

原因4. 白アリによる被害

フローリングの床は床材から基礎部分まで木材で作られているため、白アリによる食害で破損してしまうことがあります。

白アリは傾向として湿気を含んだ木材を好むため、白アリの被害が見られる場合には部材の交換と同時に湿気対策も施しておくと良いでしょう。

また、白アリによる被害で床が沈み込む場合、床以外の木材使用部分についても白アリが繁殖してしまっている可能性があります。

床部分の修繕のみを行うのではなく、柱や梁など、外部から見えない部分についても調査を行い、白アリによる被害が見られる場合には修繕や駆除、予防などの対策を行いましょう。

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フローリングの床が沈む場合の修理・リフォーム費用について

フローリングの床が沈む場合の修理費用の相場について部位別にご紹介していきます。

フローリング床の張替える場合の費用相場

フローリングを張替える費用の相場は、10万円~です(6畳間の場合)。

防湿対策が施されたものや、無垢材のフローリング材を用いる場合は15万円~になります。

フローリングを重ね張りする場合の費用相場

フローリングを重ね張りする費用の相場は、9万円~です(6畳間の場合)。
古いフローリングに新しいフローリング材を重ねる「重ね張り工法」を用いる場合については、解体作業費を抑えることができるため、施工費用は約9万円からが相場となります。

重ね張りの場合、新しい床材を重ねるため、床の高さが変わり、段差が生じてしまいますので、費用や完成後の利便性などを考慮した上で張替えとどちらの工法を用いるか選ぶと良いでしょう。

根太と大引の交換及び床の張替えにかかる費用と相場

根太と大引を交換し、床を全て張替える場合については、約20万円~が相場です。

施工の際には床材および根太、大引を全て解体し、新しい部材を部屋の形状に合わせて設置し、新しい床材を張っていきます。

大がかりな工事となるため、施工期間は1カ月程度が目安です。

束石と床束の交換にかかる費用と相場

束石と床束の交換および補修については、補修が1箇所で4,000円~、交換については1箇所で1万円~が相場です。

広範囲に劣化が見られる場合には床材を解体して全面的な入れ替えが必要となるため、費用が高額になりますが、一部分のみの場合については比較的安価に補修できます。

仕上げ材の剥がれを補修する場合の費用

フローリングの仕上げ材の剥がれを補修する場合、費用相場は1カ所あたり約4,000円です。
ただし、全体的な補修を施す場合は約3万円からが費用の目安です。

フローリング材の表面に貼り付けられている仕上げ材が剥がれている場合については、接着剤を流し込んで仮釘で固定する工事を行います。

床下部分の腐食を修理する場合の費用

床下部分が腐食している場合には、腐食部分の交換および湿気対策等で15万円~が施工費用の相場となります。

こちらの工事も腐食範囲や湿気の状況によって工事の費用が大きく変わりますので、まずは施工業者に見積もりを立ててもらうと良いでしょう。

白アリ対策にかかる費用

白アリによる食害の防止および駆除については、薬剤を散布して駆除する場合で1坪あたり約4,000円からが相場です。

白アリが好む餌に駆虫薬を配合し、巣穴に薬剤入りの餌を持ち帰らせて駆除を行う「ベイト工法」の場合は、初回が約4,000円から、翌年以降は年間約1,500円からが相場となります。

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フローリングの床が沈む原因を確認する方法

フローリングの床が沈む原因を確認する方法をご紹介します。

方法1. フローリングの床が部分的に沈む場合は歩いて確認する

フローリングの床が沈む箇所に立ち周囲約50cmの範囲が一緒に沈む場合、床下の床組み(大引・根太・床束など)が腐食している可能性が高くなります。一度床下に潜って劣化状況を見てもらう必要があるでしょう。

一方、フローリングの床が沈む箇所に立ち周囲約30cmの範囲で沈まない場所がある場合、床材や下地材に問題がある可能性が高くなります。

これらの診断は簡単に行えるため、床の沈みが気になったらまず初めに自分で確認してみるといいでしょう。

方法2. 床下に1人が潜り、もう1人は沈む場所に立って確認する

フローリングの床が沈む原因として床下が考えられる場合、2人組で作業を行うと原因を特定しやすくなります。

1人は床の該当箇所に立ち、もう1人は床下に潜って診断するという方法です。床束が浮いている場合は、地盤沈下の可能性があります。

また、骨組みがたわむなどした場合、床組みの劣化や下地材が原因の可能性があるでしょう。

2階部分の確認は業者に相談する

2階のフローリングの床が沈んでいる場合、1階の天井を剥がさないといけないため自分で確認するのではなく、業者に相談するようにしましょう。

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フローリングの床が沈む場合の修理・リフォーム費用の注意点

フローリングの床が沈む場合の修理方法や費用は?

フローリングの修理を行う場合、費用や修理でどのような点に注意が必要となるのでしょうか?

破損状況によっては費用が追加で必要となる場合も

床部分のみが破損している場合は床の修理費用のみがかかりますが、修理が必要な範囲が広い場合などには、建具も解体しなければ修理ができない場合もあります。

このような場合には、建具の取り替え費用が必要となるため、施工費用が床のみを交換した場合に比べて割高となるでしょう。

また、柱まで傷みが進行している場合には、柱の入れ替えが必要となり、壁や天井の一部解体やリフォームまで必要となることがあります。

リフォーム費用の見積もりは複数の業者に依頼する

修繕を依頼する業者を選ぶ際には、複数の業者に事前調査と見積もりを依頼し、工事プランや費用などを比較すると良いでしょう。

複数の業者に見積もりを依頼する相見積もりを行うことによって、工事内容が根本的な原因を解決しているかどうか、不要な工事が組み込まれていないかを判断することができます。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社KURODA一級建築士事務所 坂田理恵子

株式会社KURODA一級建築士事務所

坂田理恵子

一級建築士、一級施工管理技士。和歌山市で設計事務所に勤務。住宅のリフォームや新築を中心に携わり、女性目線で、家事や掃除、片付けがしやすく暮らしやすい家の提案を行う。

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