賃貸の床が変色した場合の退去費用は?入居者負担になるケースと修繕費の相場

変色した賃貸の床を確認する女性と「退去費用は誰の負担?修繕費の相場も解説」の文字

賃貸の床が変色した場合、日焼けなどの通常損耗・経年変化なら原則として貸主負担です。しかし、水濡れの放置や不適切な薬剤の使用など入居者の故意・過失が原因なら、退去時に修繕費を負担する可能性があります。部分補修の費用相場は、1箇所あたり3万〜5万円です。請求を受けたら変色の原因と補修範囲、負担割合を確認し、管理会社や大家さんと話し合いましょう。

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日焼けや経年変化は原則として貸主負担、水濡れの放置や不適切な薬剤による変色は入居者負担の可能性があることを比較した図
床の変色原因による貸主負担と入居者負担の目安

変色した賃貸の床をリフォームで修繕する費用

変色した床の修繕費用には、工法ごとの相場があります。大家さんから修繕費を請求されたら、相場と照らして金額が妥当かを確認しましょう。必要に応じて、別のリフォーム会社へ明細の確認を相談する方法もあります。なお、フローリングの修繕費用は、使用する床材によって異なります。

賃貸の床の変色を修繕する費用相場。部分補修は1箇所3万〜5万円、重ね張りは6畳6万〜14万円、張り替えは1平米1万〜2万円
賃貸の床の変色を修繕する費用相場

変色した床を部分的に補修する費用

変色した床の部分補修費用は、1箇所あたり3万〜5万円です。部分補修は「リペア」とも呼ばれ、変色部分を工具などで削り、元の色や模様に近づけます。張り替えより費用を抑えられますが、職人の技量によっては補修跡が目立ち、最終的に張り替えが必要になることもあります。

賃貸の変色した床を重ね張りで修繕する費用

賃貸の変色した床を重ね張りで修繕する費用は、6畳で6万〜14万円が相場です。重ね張りとは、既存のフローリングを残し、その上に新しい床材を張る工法です。古い床材の撤去・処分費用を抑えやすいため、張り替えより低コストで施工できます。ただし、床材のグレードや下地の状態、防音性能、幅木・建具の調整などによっては、6畳でも10万円を超えることがあります。また、施工後は床が若干高くなるため、物件によっては重ね張りを選べません。

賃貸の変色した床を張り替えて修繕する費用

賃貸の変色した床を張り替えて修繕する費用は、1㎡あたり1万〜2万円です。全面を張り替える場合は、古い床材の撤去・処分と新しい床材の施工が必要なため、費用が高くなります。補修範囲によっては、総額が数十万円に及ぶこともあります。変色していない部分まで張り替える費用を請求された場合は、全面張り替えが必要なのか、入居者がその費用を負担すべきなのかを、ガイドラインを踏まえて話し合いましょう。

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賃貸で床のフローリングが変色する原因

賃貸の床に敷かれているフローリングは、さまざまな原因で変色することがあります。変色の原因によっては入居者が責任を問われないものもありますので、まずは原因別に変色の種類を知っておきましょう。

賃貸の床が変色する主な原因である水分・紫外線・化学薬品と、黒ずみ・黒カビ、劣化・色あせ、変色・白化の関係
賃貸の床が変色する3つの原因と症状
  1. 黒ずみ・黒カビ(水分)
  2. 劣化・色あせ(紫外線)
  3. 変色・白化(化学薬品)

【原因1】水分による黒ずみ・黒カビ

濡れたマットや衣服を床に長時間置いたり、水浸しの状態が続いたりすると、フローリングが変色することがあります。主な症状は、木材の腐食による黒ずみや黒カビです。バスマットや観葉植物の受け皿、ウォーターサーバーの水漏れ、窓の結露などを放置しないよう注意しましょう。水分が多い状態が長く続くと、変色だけでなく、木材の腐食による変形や破損につながるおそれもあります。黒ずみや腐食に気づいたら、補修費用が膨らむ前に早めに対処しましょう。

【原因2】紫外線による劣化・色あせ

紫外線も、フローリングが変色する原因の一つです。表面を塗料やオイルでコーティングしたフローリングは、紫外線によって塗料の樹脂が劣化し、徐々に色あせて黄色くなることがあります。木材自体も紫外線の影響を受けるため、窓際だけ色が濃くなったり、明るくなったりする場合があります。特に結露しやすい窓付近は、紫外線に加えて水分のダメージも受けるため、色あせや色落ちが生じやすくなります。

【原因3】化学薬品による変色

床材に合わないワックスや洗剤、カラー剤などが付着したり、ホットカーペットやカーペットの滑り止め材の色素が床へ色移りしたりすると、床が変色・白化することがあります。入居者の不適切な使用や手入れが原因なら、原状回復費用を負担する可能性があります。床材によって使用できる薬剤やお手入れ方法が異なるため、賃貸借契約書や床材の取扱説明書を確認し、判断できない場合は管理会社や大家さんへ相談しましょう。

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賃貸で床が変色した時に知っておきたいこと

賃貸住宅の床が変色しても、すぐにリフォーム会社を呼んだり、請求内容を確認せずに補修費用を支払ったりするのは避けましょう。まずは、入居者が費用を負担するケースと、その場合の負担割合を確認してください。

床の変色を写真で記録し、契約書を確認して管理会社へ連絡し、原因と補修範囲を確認する流れ
賃貸の床の変色に気づいた後の対応手順

【1】床が変色した責任が入居者側にあるか調べる

賃貸住宅の床の変色に関する費用負担は、通常損耗・経年変化に当たるか、入居者の故意・過失や手入れ不足などによる損耗に当たるかで異なります。最終的には賃貸借契約の内容や変色の原因、発生後の対応などを踏まえて判断されるため、以下の事例は一般的な目安としてご確認ください。

日焼けや経年変化は原則として貸主負担、水濡れの放置や不適切な薬剤による変色は入居者負担の可能性があることを比較した図
床の変色原因による貸主負担と入居者負担の目安

※ 参考1:e-Gov法令検索「民法」第621条
※ 参考2:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

入居者が補修費用を負担しなくても良い変色

家具の設置による床のへこみや、日照によるフローリングの色落ちは、通常損耗・経年変化に当たるため、原則として貸主負担です。建物の構造上の欠陥による雨漏りなど、入居者に責任のない原因で床が変色した場合も、原則として入居者に原状回復義務はありません。ただし、雨漏りやエアコンの水漏れに気づきながら貸主側へ連絡せず、被害を拡大させた場合は、その拡大部分の費用負担を求められる可能性があります。異常に気づいたら、早めに管理会社や大家さんへ連絡しましょう。

※ 参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」Q&A

入居者が補修費用を負担すべき変色

入居者の故意・過失や手入れ不足によって床が変色した場合は、原状回復費用を負担する可能性があります。費用負担の有無や範囲は、変色の原因、賃貸借契約の内容、補修範囲などを踏まえて判断されます。たとえば、以下のようなケースです。

  • 長期間掃除をしなかったため、カビが床にこびりついた
  • 床材に合わないワックスを使用したり、誤った方法で施工したりしてフローリングを変色させた
  • カラー剤が床に垂れて変色した
  • 濡れたタオルやマットを放置し続けて床が変色した

明らかな過失で床を変色させた場合は、被害が少なく補修費用が少額で済むうちに、管理会社や大家さんに連絡して補修の必要性を確認しましょう。

※ 参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

【2】大家さんから床の補修費用を請求されてもすぐに支払わない

賃貸住宅の退去時には、床や壁などの原状回復費用をめぐる相談が引き続き寄せられています。国民生活センターによると、全国の消費生活センターなどの相談情報を蓄積する「PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)」では、賃貸住宅の原状回復トラブルに関する相談件数が2025年度に14,711件、2026年度は5月31日時点で1,846件でした。請求額が高くても、直ちに不当とは限りません。賃貸借契約書や特約、変色の原因、補修範囲、費用明細を確認し、納得できない点は管理会社や大家さんに説明を求めましょう。

床の補修費用を支払う前に、賃貸借契約書と特約、変色の原因、補修範囲、費用明細を確認することを示した図
床の補修費用を支払う前に確認する4項目

※ 参考1:国民生活センター「賃貸住宅の原状回復トラブル」
※ 参考2:国民生活センター「PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)」

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で床の変色について確認

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、退去時の原状回復について、入居者と貸主の費用負担や補修範囲の一般的な考え方が示されています。ガイドライン自体は法律ではなく、実際の費用負担は民法の原則や賃貸借契約の内容、変色の原因などを踏まえて判断されます。入居中の修繕についても、床の変色に気づいた時点で賃貸借契約書を確認し、管理会社や大家さんへ連絡しましょう。民法およびガイドラインの原則では、経年変化や通常損耗は貸主の負担です。一方、入居者が負担する可能性があるのは、次のような原因で生じた通常の使用を超える損耗です。

  • 故意による損耗
  • 過失による損耗
  • 善管注意義務違反による損耗(通常行うべき定期的な清掃を怠った場合など)
  • 通常と異なる使い方による損耗

入居者が費用を負担する場合も、原則として負担範囲は傷めた部分に限定されます。フローリングは原則として㎡単位で、部分補修では経過年数を考慮しません。ただし、床全体に及ぶ損傷によってフローリング全体を張り替える場合は、建物の耐用年数をもとに残存価値が1円となるよう負担割合を算定します。請求を受けたら、変色の原因だけでなく、補修範囲と負担割合も確認しましょう。

部分的な床の損傷は傷めた部分の補修面積、床全体の損傷は全面張り替えとして負担割合を算定する違い
床の損傷範囲による補修範囲と負担割合の違い

※ 参考1:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)
※ 参考2:e-Gov法令検索「民法」第621条
※ 参考3:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

【3】自己負担でリフォームを行う場合も大家さんに連絡する

変色した床を自己負担で補修したい場合も、事前に管理会社や大家さんへ相談し、施工してよいか確認しましょう。物件によっては、床材や施工会社が指定されています。

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