目次
ペニンシュラキッチンの基礎知識(タイプ・サイズ・費用・工期)
ペニンシュラキッチンは、キッチンカウンターの左右どちらかが壁に接している対面式キッチンです。
英語の「peninsula(半島)」が語源で、壁から半島のように伸びている形状からその名が付きました。
同じ対面式でも、四方に通路が必要なアイランドキッチンに比べて設置スペースを抑えやすく、限られた間取りでも対面キッチンが実現しやすいのが特徴です。LDKを見渡せる開放的なレイアウトで、家族との会話を楽しみながら料理ができる点も人気の理由です。
タイプの違い(オープン/セミオープン)
ペニンシュラキッチンには、空間の見せ方や収納スタイルによって大きく2つのタイプがあります。
オープンタイプは、ダイニング側に壁や腰壁がなく、LDK全体を広く感じられる開放的なレイアウトです。
一方、セミオープンタイプは、リビング側に少し高さのあるカウンターや棚を設け、手元や洗剤・スポンジを目隠しできる設計。
このカウンターは配膳台や簡易的な食事スペースとしても使えるため、機能性とデザイン性を両立したスタイルです。
サイズの目安とレイアウトの考え方
一般的なサイズは、間口(横幅)が180〜270cm、奥行きが75〜100cmほど。
奥行きが広いほど調理や盛り付けのスペースを確保しやすく、80cm以上あれば水はねも軽減できます。
背面にはカップボードなどの収納を配置し、通路幅を十分に確保することで動線がスムーズになります。
収納計画と空間バランス
ペニンシュラキッチンは吊り戸棚を設けにくいため、壁付けキッチンに比べて収納量がやや少なくなる傾向があります。
そのため、背面収納を設けるレイアウトや、カウンター下を有効活用する設計がポイントです。
オープンタイプは開放感を重視、セミオープンタイプは収納と目隠しを重視するなど、生活スタイルに合わせた選択が大切です。
リフォーム費用の相場と変動要因
ペニンシュラキッチンのリフォーム費用は、80〜200万円前後が一般的です。
設置環境や本体のグレードによっては、300万円を超えるケースもあります。
費用が上がりやすい要因としては、以下のようなものがあります。
- 高機能な設備や素材(ワークトップ、食洗機、レンジフードなど)
- 給排水・電気系統の移設を伴う工事
- 間取り変更や壁・床の仕上げ工事
- オープン/セミオープンなど、仕様の違いによる施工内容の差
主要メーカー4社のI型ペニンシュラキッチンの平均価格は約136万円です。
加えて、解体や配管工事、クロス張り替えなどの付帯工事費が30〜40万円前後かかることが多く、総額130万円前後が目安です。
工期と確認ポイント
施工期間は3〜7日間が目安です。
ただし、建物の状態や間取り変更の有無、配管・電気工事の有無によって前後します。
見積もり段階で、工程表や養生範囲、生活動線の確保方法まで確認しておくと安心です。
おすすめメーカー9社の人気ペニンシュラキッチン
ペニンシュラキッチンは、メーカーによってデザイン性や素材、機能が大きく異なります。ここでは、国内外で人気の高い9社の代表的なペニンシュラキッチンを紹介します。
リクシル(LIXIL)

国内最大手の住宅設備メーカー。
「ヒューマン・フィット・テクノロジー」をコンセプトに、**軽い力で引き出せる収納(らくパッと収納)**や、**掃除がしやすい「よごれんフード」**など、日常の使いやすさを追求した設計が魅力です。
キッチン専門メーカー「サンウェーブ工業」の技術を継承しています。
シエラS
コストパフォーマンスに優れたシンプルモデル。
豊富なカラーバリエーションと、ワイドに広がる「ひろびろシャワー水栓」が特徴。低価格ながら機能性十分です。

リシェルSI
デザイン性・耐久性・使いやすさを兼ね備えた上位モデル。
ペニンシュラ/アイランド両対応で、調理動線に配慮された設計が特徴。高級感と実用性を両立します。
ノクト
「魅せる収納」を重視したスタイリッシュなモデル。
キッチンを“見せる空間”と捉え、デザイン性と開放感を重視した構成が人気です。
パナソニック(Panasonic)
家電メーカーとしての技術を活かし、IH・換気扇・照明などの連携機能に強み。
デザイン・使い勝手・清掃性のバランスが取れたキッチンが多く、機能性と美観の両立が特徴です。

Lクラス
高級志向のフラッグシップモデル。
横並び3口コンロや素材の質感にこだわり、細部まで美しく設計されています。空間全体を上質に見せたい人におすすめ。
ラクシーナ
中価格帯で人気のシリーズ。
クッキングコンセントやスキマレスシンクなど独自機能が豊富で、カラー・取手・素材など自由度の高いカスタマイズが可能です。

タカラスタンダード(Takara Standard)
ホーロー素材に特化したメーカー。金属とガラスを組み合わせたホーローは、汚れに強く耐久性が高い素材です。
レミュー
ホーローの耐久性に加え、使い勝手を考慮した収納設計が特徴。上位モデルとしてデザイン性も高く、清掃性と収納性を兼ね備えます。
エーデル
「まるごとホーロー」構造を採用。収納内部までホーローで覆われており、汚れを拭くだけで簡単に落とせるのが魅力です。
クリナップ(Cleanup)
日本で初めてシステムキッチンを発売したメーカー。
オールステンレス構造による耐久性・清潔性・防カビ性に定評があります。

セントロ
デザイン性と機能性を両立。
独自の「タイガーアイ仕上げ」により、ステンレスの質感を活かした高級感ある外観が特徴です。
ステディア
ペニンシュラに最適な「デュアルトップ対面」を採用。
手元を隠しながら開放感を保つ設計で、清掃性・収納性にも優れています。
排水口一体型シンクや自動洗浄換気扇など、お手入れのしやすさも抜群です。

トクラス(TOCLAS)
ヤマハの住宅設備部門をルーツに持ち、音楽的感性を活かしたデザイン性の高さが特徴。
人造大理石の加工技術にも定評があります。

ドルチェX
オープンキッチンを使いやすくするための設計。
楕円形(ラウンド)ペニンシュラなど独創的なデザインが特徴です。
ベリー
独自開発の人造大理石「テノール」を採用し、熱や汚れに強いワークトップを実現。美しさと耐久性を兼ね備えます。
TOTO
水回り技術に定評のある老舗メーカー。
**「水ほうき水栓」や「すべり台シンク」**など、使い勝手と節水性能を両立した機能が特徴です。
ザ・クラッソ
上質な「クリスタルカウンター」が光を反射し、空間を明るく演出。
除菌成分を含む「きれい除菌水」など、清潔性とデザイン性の高さで人気。
ミッテ
機能性を重視したスタンダードモデル。
水ほうき水栓+すべり台シンクで、洗いやすく水が自然に流れる設計です。
ニトリ
家具メーカーとして有名ですが、システムキッチンの販売・保証体制も充実。
コスパ重視でリフォーム初心者にも人気があります。

BSライトプラン
必要な機能に絞ったシンプル・低価格モデル。必要に応じてオプション追加が可能です。
セレクトプラン
カスタマイズ性の高い中価格帯モデル。ステンレスシンク採用でお手入れが簡単です。
IKEA(イケア)
北欧デザインの代表格。
自由なカスタマイズ性と低価格が魅力で、デザイン性重視のリフォームに人気です。

メトード&カッラルプ
部品の組み合わせが自由なカスタムキッチン。
素材・カラーを選び、自分だけのスタイルを設計可能です。
クノックスフルト
6タイプのキャビネットと豊富なカスタムパーツで、取っ手・ワークトップまで自分好みに。
オリジナル性を重視する人におすすめです。
トーヨーキッチン(TOYO KITCHEN)
デザイン性に優れた高級キッチンメーカー。
ワークトップや脚部構造などに独自技術を持ち、インテリアとしての美しさに定評があります。

イノ
独自の「パラレロシンク」を採用。
調理と洗い物を同時に行える機能性重視のシンク構造で、作業効率を大幅にアップします。
ベイ
アイランド・ペニンシュラ両対応の高級モデル。
強力な「UFOレンジフード」で、煙やニオイの拡散を防止します。
IKEA(イケア)
IKEAは北欧家具のメーカーです。
低価格でおしゃれなデザインの商品やアフターサービスの良さなどで人気を博しています。
世界中で事業展開している人気のメーカーです。
ペニンシュラキッチンにリフォームするメリット

ペニンシュラキッチンは、デザイン性と機能性を両立しながら、省スペースでも快適な作業環境を実現できるレイアウトです。ここでは、リフォームでペニンシュラキッチンを採用する主なメリットを紹介します。
コンパクトでも使いやすいレイアウト
ペニンシュラキッチンは、調理・配膳・収納をコンパクトにまとめられるのが魅力です。
シンクの反対側(壁面)に冷蔵庫やオーブン、収納スペースを集約できるため、調理動線が短く効率的。
ツールが増えがちなキッチンでも、見せる収納と隠す収納をバランス良く配置できます。
限られた空間でも機能的で快適なキッチン空間を実現できるレイアウトです。
家族とのコミュニケーションが取りやすい
ペニンシュラキッチンは対面式のため、リビングやダイニングにいる家族と会話しながら調理ができます。
お子さんの様子を見ながら料理できるので、子育て中の家庭にも人気です。
また、複数人で作業しやすく、家族や友人と一緒に料理を楽しむスタイルにも向いています。
開放感のある空間を演出できる
一部のみ壁に接しているため、ペニンシュラキッチンは視界が広く開放的です。
壁付けキッチンのような閉塞感がなく、LDK全体を見渡せる安心感があります。
来客時にも空間が広く感じられ、おしゃれで明るい印象を与えます。
アイランドキッチンよりも省スペース
ペニンシュラキッチンは、アイランドキッチンよりも少ないスペースで設置可能です。
アイランド型はキッチンの四方に通路を確保する必要がありますが、ペニンシュラ型は一辺が壁付けのため、限られた間取りでも導入しやすいのが特徴。
左右どちらを壁に付けるか選べるため、間取りに合わせた柔軟な設計が可能です。
腰壁やカウンターを設けやすい
ペニンシュラキッチンでは、腰壁やカウンターを設置して多機能に使うこともできます。
- 配膳カウンターとして料理の受け渡しをスムーズに
- 収納スペースとして小物を整理
- 目隠し効果で手元の生活感を隠す
リビング側からキッチンが見えにくくなるため、インテリア性と清潔感を両立できます。
奥行きが広く、作業スペースが広い
ペニンシュラキッチンは、I型キッチンに比べて奥行きが広く、調理器具や食材を置くスペースを確保しやすいのが特徴。
調理中に一時的にものを置いたり、盛り付けスペースとして使ったりと、作業の自由度が高いキッチンです。
「調理台が狭い」「ものを置く場所が足りない」と感じていた方にもおすすめです。
ペニンシュラキッチンのデメリット

ペニンシュラキッチンには多くの魅力がありますが、リフォーム前に知っておきたい注意点やデメリットも存在します。
設置後に後悔しないためには、課題となりやすいポイントを理解したうえで、間取りや設備を計画的に検討することが大切です。
収納スペースを確保しづらい
ペニンシュラキッチンは、吊り戸棚を設置しないオープンなデザインが主流です。
そのため、開放感がある反面、収納量が不足しやすいというデメリットがあります。
キッチンツールや調理器具が多い家庭では、収納不足が日常の使い勝手に影響することも。
対策としては、以下のような工夫が効果的です。
- 腰壁やカウンター下に収納を設ける
- 収納性の高いキッチンモデルを選ぶ
- 背面のカップボードを活用する
「開放感」と「収納力」の両立を意識したプランニングが重要です。
煙や油・水はねが気になる
対面式キッチンの構造上、リビング側が開放的であるため、油や水のはねが飛びやすいという課題があります。
特に、揚げ物や炒め物などを頻繁に行う場合は、リビングや床の汚れの原因になることも。
以下のような工夫で軽減できます。
- オイルガードやパーテーションを設置
- コンロを壁側に配置するレイアウトに変更
- 腰壁を設けて汚れの飛散を抑える
開放感を損なわないようにしながら、汚れ対策を取り入れるのがポイントです。
コンセント位置に注意が必要
ペニンシュラキッチンは、従来の壁付けキッチンと電源位置の取り方が異なる場合があります。
コンセントが遠かったり、家電の配置に制限が出たりすることもあるため注意が必要です。
リフォーム時には、以下を確認しましょう。
- コンセントの増設や位置変更が可能か
- 調理家電の使用位置と配線ルート
- 建物構造上の制約(増設不可のケースも)
施工前に必ず業者による現地調査を行い、設置位置や電気配線の可否を確認することが大切です。
費用を抑えてペニンシュラキッチンにリフォームする方法
ペニンシュラキッチンはデザイン性や機能性が高い反面、リフォーム費用がやや高くなる傾向があります。ここでは、コストを抑えて理想のキッチンを実現する方法を紹介します。
型落ち品を選ぶ
リフォーム費用を抑える最も手軽な方法が、型落ちモデルのキッチンを選ぶことです。
最新モデルに比べて選べるデザインやカラーは限られますが、使い勝手の良さや基本性能は十分。
リフォーム会社によっては、在庫品や展示品を割引価格で提案してくれることもあります。
ただし、型落ち品は部品の生産終了が早い場合があり、数年後に修理が難しくなることもあるため、耐用年数やアフターサポートの有無を確認しておくと安心です。
リフォーム会社に相談して探してもらう
型落ち商品を自分で探すのが難しい場合は、リフォーム会社に依頼して見つけてもらう方法もあります。
施工実績の多い会社なら、メーカーや販売店とのつながりを活かし、お得な在庫品や展示処分品を紹介してもらえるケースもあります。
ペニンシュラキッチンがおしゃれなリフォーム事例
おしゃれなペニンシュラキッチンにリフォームした事例をご紹介します。
【開放的で明るい印象】中古マンションのLDKを一新

画像出典:みやこリフォーム
| 費用 | 134.2万円(税込) |
|---|---|
| 工期 | 約10日 |
| サイズ | 幅255cm |
元々キッチンはリビングに向かって配置されていたものの、キッチン周りが壁に覆われていたため、キッチンもリビングも窮屈な印象でした。
コンロ前以外の壁を全て撤去してオープンキッチンにしたことで、明るく広々とした雰囲気のLDKに大変身しました。
さらに、キッチンの白に合わせて、腰壁の上のカウンターも白で統一しています。
【機能的でスタイリッシュ】見た目と使い勝手をアップグレード

画像出典:みやこリフォーム
| 費用 | 220.2万円(税込) |
|---|---|
| 工期 | 約6日 |
| サイズ | 幅255cm |
古くなったペニンシュラキッチンの交換工事の事例です。
新しいキッチンには、ワークトップとカウンター部分の素材としてセラミックを採用しました。
セラミックは耐久性に優れ、見た目にも重厚感と高級感がある素材です。
また、キッチン側面にはコンセントを増設したり、収納には大容量の引き出し式キャビネットを採用したりと使い勝手にもこだわったキッチンです。
【印象的でおしゃれな空間】キッチンとリビングダイニングを一体化

画像出典:みやこリフォーム
| 費用 | 307.8万円(税込) |
|---|---|
| 工期 | 約1カ月 |
元々壁付けキッチンで、間取りもキッチンだけがリビング・ダイニングとは隔離されていたのを、LDK一体の間取りの中にペニンシュラキッチンが設置されている間取りに変更した事例です。
圧迫感のあったキッチンが、対面式になったことでリビング・ダイニングを見渡せて広々とした空間になりました。
また、ダイニングへの動線も良くなりました。
キッチン本体はステンレスのものを採用し、その周囲はシックな色で統一して大人っぽく落ち着いた雰囲気に仕上げています。
ペニンシュラキッチンはどんな人におすすめ?
ペニンシュラキッチンは、開放感と機能性を両立したい人にぴったりのスタイルです。ここでは、どんな方に向いているかを簡潔に紹介します。
おしゃれで一体感のあるLDKにしたい人
ペニンシュラキッチンは、リビング・ダイニングと空間を仕切らず、一体感のある開放的なLDKをつくることができます。
見せる収納やお気に入りの食器を飾ることで、生活感を抑えたおしゃれな空間演出も可能です。雑誌のようなインテリアを目指したい方におすすめです。
家族とのコミュニケーションを重視する人
対面式のため、料理をしながら家族やゲストとの会話が自然に生まれるのが魅力。
お子さんや介護が必要な家族の様子を見守りながら調理できるため、安心感とつながりのある暮らしを求める方に向いています。
開放感のあるリビング空間をつくりたい人
ペニンシュラキッチンは、壁や高い仕切りをなくすことでLDK全体に広がりをもたらすレイアウトです。
キッチンをインテリアの一部としてデザインしたい方や、圧迫感のないリビング空間を実現したい方におすすめです。
コンパクトな空間でも対面式にしたい人
アイランドキッチンほどのスペースを必要としないため、限られた間取りでも導入しやすいのがペニンシュラの魅力。
省スペースながら、対面スタイルの使いやすさとデザイン性を両立したい方に最適です。
キッチンリフォームの業者選びで後悔しないために
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