目次
解体リフォームにおける費用相場の内訳
解体リフォームにかかる費用相場は、100万〜300万円が目安です。
| 建物の構造 | 費用相場 (1坪あたり) |
|---|---|
| 木造 | 4万~5万円 |
| 鉄骨造 | 6万~7万円 |
| 鉄筋コンクリート造 | 6万~8万円 |
ここでは、費用相場の具体的な内訳を見ていきましょう。

建物の解体費用は、総額の30〜40%を占めます。
解体費用は構造や坪数、築年数によって変動するのが一般的です。
築年数の古い建物は倒壊リスクが高まる傾向があるため、作業に時間がかかり、費用が高くなるケースがあります。
また地下室がある場合は、解体だけではなく埋め立ての作業も発生するため、相場よりも高くなるでしょう。
廃材処理費は、総額の30〜40%を占めます。
建物を解体すると、木くずやコンクリートの塊などあらゆる廃棄物が発生することも少なくありません。廃棄物は一般のごみ処理場に持ち込むことはできず、指定の場所まで運ぶ必要があります。
また「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」により、廃棄物の種類によっては分別しなければなりません。
処分するにも手間と時間がかかるため、廃材処分費の値引きは厳しいと考えておきましょう。
付帯工事費は、建物以外の箇所を解体する際に発生する費用です。たとえば庭の樹木や石、井戸などの撤去が付帯工事に含まれます。
家具や家電などの家財が多く残っている場合も、付帯工事費として別途かかるでしょう。
リフォーム会社への依頼料は、総額の10〜20%を占めます。
依頼料に含まれているのは、主に見積書の作成や打ち合わせ、業者への指示などです。ボランティアで解体リフォームを請け負う訳ではないので、依頼料は発生します。
依頼料があまりにも高すぎる場合は、理由を聞くようにしましょう。
経費は、総額の20〜30%を占めています。
解体業者によって諸経費の扱いは異なりますが、多くの場合、申請書類の手続きや作成、近隣への挨拶なども含まれています。
他にも重機の利用料や駐車料金なども諸経費として算出されることもあります。諸経費に何が含まれているのか気になる場合は、見積もりをとる際に聞いてみるとよいでしょう。
解体リフォームの施工事例
ここからは、解体リフォームの施工事例を紹介します。


| 費用 | 約1,400万円 |
| 工事期間 | 3か月 |
| 面積 | 82㎡ |
| 施工範囲 | トイレ、キッチン・台所、お風呂・浴室、 洗面台・洗面所、壁紙・壁、床・フローリング、 洋室、窓、階段・廊下、玄関ドア・玄関、 ベランダ、屋根・屋根塗装、外壁・外壁塗装、 リビング、ダイニング |
こちらは、店舗兼住宅だった建物を住宅仕様にするために解体リフォームを行った事例です。1階の店舗を全面的に解体し、3階にあった寝室とトイレを設置しました。
間取りを変更したことで、将来足腰が弱くなっても安心して暮らせます。また、週末に友人たちを招いた際、大人数で料理ができるようにリビングを見渡せる開放的なキッチンにリフォームしました。
これなら料理をしながらでも、リビングで過ごす友人や家族とコミュニケーションをとりながらおもてなしができます。(施工:Renio(レニオ))。


| 費用 | 約1,400万円 |
| 工事期間 | 3か月 |
| 面積 | 67㎡ |
| 施工範囲 | トイレ、キッチン・台所、お風呂・浴室、 洗面台・洗面所、壁紙・壁、床・フローリング、 洋室、窓、階段・廊下、玄関ドア・玄関、 ベランダ、屋根・屋根塗装、外壁・外壁塗装、 リビング、ダイニング |
こちらは古い空き家と母屋をつなぐために、複数箇所を解体してフルリノベーションしました。空き家と母屋をつなぐ部分はただの通路ではなく、家族みんなが集える空間にしています。
トイレやキッチン、洋室などには無垢の木や珪藻土などの自然素材を使用し、自然を身近に感じられるようにしました。
古くなった空き家は思い切って大部分を解体し、子供部屋やセカンドキッチンへと間取り変更しています(施工:タカハシ木材style(株))。


| 費用 | 約638万円 |
| 工事期間 | 48日 |
| 面積 | 66㎡ |
| 施工範囲 | トイレ、キッチン・台所、お風呂・浴室、洗面 台・洗面所、壁紙・壁、床・フローリング、和 室、洋室、窓、階段・廊下、リビング、ダイ ニング |
中古マンションを購入後「暮らしに合わせて間取り変更をしたい」というご相談を受け、解体リフォームを提案しました。
主にLDKと隣接する和室を解体し、一体感のあるLDKにリフォームしています。
開放感を得られるように、間仕切り壁やドアの高さも調整しているのがポイントです。
床も解体したので段差のないフローリングに仕上がり、子どもやペット、お年寄りなど誰でも安全に暮らせる住まいへと変わりました(施工:株式会社ファミリーホームズ)。
解体リフォームの費用が高くなる要素

ここでは、解体リフォームの費用が高くなる要素を解説します。あらかじめ把握しておくと、見積もりの内訳を確認する際、理解がしやすくなるでしょう。
屋根や延床面積が大きいと、解体の手間がかかることで費用が高くなる傾向にあります。もともと家が大きい場合は、解体費用が高くなると考えておいたほうがよいでしょう。
また平屋の場合は注意が必要です。2階建ての建物と同じ坪数であっても、平屋のほうが屋根や延床面積は大きくなります。場合によっては、2階建てよりも費用が高くなるかもしれません。
建物の立地条件などによって、敷地内に必要な重機が入りにくい場合は別途費用の発生するケースがあります。
解体は基本的に重機を使って取り壊しますが、敷地内に入らないとなれば手作業で進めなければなりません。
地盤改良や伐採、アスファルトの撤去などに重機が使えないとなればかなりの重労働です。もし手作業となれば人件費がかかるので、通常よりも費用は高くなるでしょう。
解体で発生した廃材の量が多い場合も、費用が高くなる要素のひとつです。廃材は分別して処分する場合もあれば業者が買取をすることもありますが、分別に手間がかかるので人件費が発生します。
人件費を削ることは難しいので、廃材の量が多い場合は必然的に費用がかさむと思っておくとよいでしょう。
アスベストが屋根材や壁材に含まれている場合、廃材費用は相場より高くなります。
これは、アスベストの処分には、作業員の安全確保(防護服の着用、作業区域の封鎖など)が必要であり、危険が伴う作業であるためです。
- 2006年以降に建てられた建物:アスベストの使用は2006年に全面禁止されたため、含まれていないと考えても良いでしょう。
- 2006年以前に建てられた建物:解体前にアスベスト調査を実施することが推奨されます。
解体のリフォーム費用に補助金は活用できる?
お住まいの地域によっては、解体のリフォーム費用に補助金を活用できます。解体リフォームでは国からの補助金はないため、地域の地方自治体が補助金・助成金制度を設けているかどうかの確認が欠かせません。
たとえば東京都墨田区では、老朽危険家屋除却費等助成制度を設けており、一定の要件を満たすと最大50万円の補助金を受け取れます。
補助金の有無は自治体のホームページや窓口で確認できるので、一度チェックしてみましょう。現地調査を依頼するリフォーム会の担当者に聞いてみても大丈夫です。
解体のリフォーム費用を安くする方法

ここでは、解体リフォームにかかる費用を安くする方法について4つ解説します。賢く活用すれば、自己負担を減らせるでしょう。
建物の解体費用は、総額の30〜40%を占めます。
解体リフォームの費用を少しでも安くしたい場合は、相見積もりをとるのがおすすめです。業者によって提示する解体費用は異なるため、複数社を比べてみるとよいでしょう。
解体費用に違いが生まれるのは、事務所と現場の距離感だったり利益率だったりと要因はさまざまです。
満足度を高めるためにも、相見積もりで納得できる費用の提示と丁寧な対応が期待できる業者を見つけましょう。
家具や家電、日用品などをあらかじめ自分で処分しておくと、費用を抑えられるでしょう。
業者に処分をお願いすると付帯工事費に該当するため、解体費用とは別の費用が発生するケースもあります。
家具や家電の処分には手間がかかる一方で、家庭ごみとして無料で処分できる場合や、リサイクル料金を利用して比較的安価で処分できるケースもあります。
少しずつ処分していけば、解体リフォームにかかる費用を安くできるでしょう。
一括払いが難しい場合は、ローンを活用すると出費の負担を抑えられます。
解体リフォームに活用できるローンの種類は主に「空き家解体ローン」と「フリーローン」です。空き家問題を解決するために、多くの金融機関は低金利で空き家解体ローンを提供しています。
一方フリーローンは、比較的どのような利用目的でも活用可能です。ただし借入可能額が少ないため、必要とする費用によっては全額まかなえない場合もあるので注意しましょう。
リフォーム会社の繁忙期を避けて工事の日程を組むのも、費用を抑える方法のひとつです。
解体には重機や作業員が必要になるため、繁忙期は確保するのに手間がかかり、場合によっては費用をかけて確保しようとします。
もし急いで解体する必要がないのであれば、リフォーム会社の都合がよい日に依頼するようにしましょう。
解体リフォームの流れ
解体工事にかかる日数は、10〜20日が一般的です。しかし、打ち合わせからリフォーム完了まで時間がかかるため、全体で見ると2ヶ月程度かかると思っておくとよいでしょう。
解体リフォームは、以下の流れで進めていきます。
まずは複数の業者に見積もりを依頼し、相場や解体内容を確認しましょう。
次に現地調査を行い、建物の大きさや状態、道路の広さなどを確認します。
工事中の振動で近隣の建物に影響がでないとは言い切れません。事前に家屋調査を行い、問題がないか確認します。
見積もりと調査が終わったら、依頼する業者を1社にしぼりましょう。
日程が決まったら、解体工事を開始します。
解体で発生した廃材をまとめ運搬し、処分します。
解体を終えたら、最後は設備や内装のリフォームです。
建物を解体リフォームするメリット

ここでは、建物を解体リフォームする具体的なメリットについて解説します。
解体リフォームで更地にすると、建物の管理が不要になるメリットがあります。もともと誰も住んでおらず、今後も使う予定がない家を持ち続けるのは、経済的・精神的にもストレスになるかもしれません。
解体工事で更地にすれば、建物の管理はなくなり、土地のみの所有になるので負担は軽減されるでしょう。また解体リフォームで建物をきれいにすれば、当分メンテナンスをしなくても耐久性を保てます。
築年数の古い建物の管理に負担を感じている場合は、解体リフォームで管理しやすい状態をつくりあげるのも手段のひとつです。
解体リフォームをすることで売却しやすくなるのもメリットです。築年数の古い建物に住みたいと思う人はあまりいないので、なかなか売れないという事態に発展することも少なくありません。
とくに駅から遠い場所や車が必須な場所は、建物や土地に魅力がないと買い手は見つかりにくいものです。
しかし解体リフォームで更地にしたり住みやすい間取りにしたりすると、買いたいと思う人が現れやすくなります。築年数の古い家を売却したいと考えている場合は、解体リフォームを検討してみるとよいでしょう。
老朽化や倒壊を防げるのも、解体リフォームをするメリットです。解体リフォームでは壁や床、天井などあらゆる箇所を解体するので、目には見えない箇所の老朽化も見つけられます。
解体すればシロアリが発生していることにも気づけるので、腐食の進行も食い止められるでしょう。老朽化や倒壊を避けるためにも、時期がきたら解体リフォームするのがおすすめです。
解体リフォームをする大きなメリットと言っても過言ではないのが、建て替えやリノベーションがしやすくなることです。
設備や間仕切り壁、外壁などを解体して新たに施工することが可能なので、間取りの変更や雰囲気を変えたいときに解体リフォームはおすすめです。
また建物の補強や断熱性を高めるなどの工事もしやすくなり、これまで以上に住みやすい家になるでしょう。
建物を解体リフォームするデメリット

ここでは、建物を解体リフォームするデメリットについて解説します。
解体リフォームにかかる費用は、決して安くはありません。構造や規模によっては数百万するケースもあるため、負担は大きいといえます。
しかし費用を抑える方法にはいくつかあるので、試せるものはないかチェックしてみるとよいでしょう。本記事でも費用を安くする方法について解説しているので、ぜひご覧ください。
建物を解体すると、固定資産税が高くなるのもデメリットのひとつです。土地に建物が建っている場合は最大1/6になる優遇措置がとられます。
建物がなくなると建物自体への課税はなくなりますが、土地への課税が大幅に上がる仕組みになっています。結果的に更地になった土地の固定資産税は、建物が建っていたときの3~4倍に上がることも少なくありません。
また更地ではなくフルリノベーションした場合でも、固定資産税が高くなることもあるため注意しましょう。
建物を解体すると、再び建物を建てられない場合もあります。これまでは建築基準法で定められた基準を満たせば、建物の建築は可能でした。
しかし年数が経つごとに法律が改正され、新たな法律では建築できない場合があるのです。再建築不可の土地は更地であっても売却するのが難しくなります。
建物を解体する前に、現在の法律で建物を再建築できるのか確認しておくとよいでしょう。
再建築不可になるケース
- 道路に接する長さが2m未満
- 道路にも通路にも面していない敷地
- 所有地は道路に接しているが、直接行き来はできない
- 敷地の接している通路が「道路」ではない
解体のリフォーム業者を選ぶときのポイント

解体リフォームを行う際は、経験豊富で責任感のある業者に依頼すると安心です。そのためにも、信頼できる業者を選ばなくてはなりません。
ここでは信頼できる解体リフォーム業者の特徴をまとめたので、探す際の参考にしましょう。
リフォーム業者が解体工事を行うためには、建設業許可証または解体工事業登録を持っていることが前提です。解体工事を行う場合は、以下のいずれかの業種で建設業許可証を持つ必要があります。
🚸解体工事に必要な建設業許可証(いずれかひとつ以上)
- 建築工事業
- 土木工事業
- とび・土工工事業
- 解体工事業
なお、建設業許可証がなくても解体工事業登録があれば工事自体は可能です。しかし、その場合は工事金額が500万円未満でなければなりません。
登録がない業者による解体工事は違法になるので、選ぶ際はきちんと確認するようにしましょう。建設業許可証または解体工事業登録を持っているかどうかは、ホームページで確認できます。
万が一に備えて、損害賠償保険に加入しているリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。解体工事中は重機の横転や瓦礫の落下など、さまざまな事故が起きる可能性もあります。場合によっては解体予定ではなかった箇所まで壊れたり、隣家の外壁に傷が付いたりするおそれもあるでしょう。
損害賠償保険に加入していれば、損害分を保険金でカバーできます。リフォーム会社の中には保険料を浮かせるために加入していない場合もあるので、事前にチェックしておきましょう。
マニフェストを発行してくれるかどうかも判断基準のひとつです。マニフェストとは、廃棄物の収集・運搬・処理までの各段階で、担当する業者に記入・押印してもらう管理票のことです。
マニフェストがあることで廃棄物が適切に処理されたことを証明できるので、万が一に備えて発行してもらえると安心できます。なお、マニフェストの発行は義務です。
優良な業者であればスムーズに対応してくれますが、悪徳業者の場合は対応してくれないので依頼しないようにしましょう。
リノベーション・フルリフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。
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