ドアの建て付けが悪い原因について
長年室内ドアを使っていく場合に限らず、新築時や入居後まもないタイミングでもドア本体が枠に当たり、開閉に支障を来すことがあります。
これにはいくつかの要因が考えられます。
1:蝶番の固定不良
蝶番は木ねじで枠に止めていますが、このねじが緩むと開閉が悪くなります。
2:扉が傾いている
蝶番に調整機能がついていると、建て付けが狂いやすいという欠点があります。
たとえば幼児が扉のハンドルにぶら下がって遊ぶと、重さで調整機能のネジが緩み扉自体が傾いて、開閉が悪くなることがあります。
3:枠の直角が出ていない(縦枠と横枠の角度が90度でない)
これは、新築時の大工の技術が低いと起きやすい不具合です。取り付け作業の時に水平器や下げ振りを使わないで工事を進めると、入居後にクレームとして出てくるケースが多いです。
4:床の不陸
ドア枠周りの床が平らでないと起きる不具合で、考えられる要因はフローリングの反り(無垢材で起きやすい)、フローリング下地板のゆがみや床束が機能していないことなどです。これによってドアが開閉できなくなる可能性があります。
5:建物全体が傾いている(不同沈下)
何らかの原因で建物が傾くと、扉の開閉に支障が出ます。
早期に原因を見極めるには、扉を閉めた時、ドア本体と縦枠、上枠に出来る隙間の具合を見ます。上と下の空き具合が大きく違う場合は、建物全体の傾きの可能性があるため、専門家に相談して対処しましょう。
6:壁が倒れている(床に対して壁が垂直に立っていない)
これはまれなケースで、大工の技術が稚拙だった場合に起こります。
自然に扉が開いてしまう場合、枠が倒れているかどうか以外に、壁の垂直も見なければなりません。
ドアの立て付けを調整する方法について
扉が傾いて枠に当たる場合の調整方法
調整機能付き蝶番で調整する方法
1:ドアの小口面が枠と擦れる場合
ドア本体の上の部分が枠に当たる場合と下が当たる場合がありますが、基本的には同じことが原因なので、ほとんどの場合は調整で直すことが可能です。
この時に気を付けることは、上と下の調整は同じ方向で直さないことです。
上と下の調整はそれぞれ逆方向に調整することで直ります。
大事なことはドア本体のどの部分が枠にあたるかです。
小口と言われるラッチが出ている面が当たるとき、調整機能付き蝶番の場合は以下の手順で直します。
1:蝶番の固定ねじを緩める
2:左右のねじを回す
時計の針の進苦方向に回すと外に出ていき、反対に回すと蝶番側にドア本体が動きます。
枠に当たる場合は、おおむね蝶番側に寄せるようにねじを回します。
ねじは1回転しないので微調整になります。無理に回すとねじ山がつぶれて、蝶番の交換が必要となってしまうので、気を付けましょう。
例外的に、ドア本体が縦枠の上でこすれる場合、下側の蝶番を調整してドア本体の下側を枠に寄せるように調整すると、上の蝶番をいじらなくても擦らなくなることがあります。
2:ドアの大きい面が枠に当たる場合
ドア本体の大きな面の一部が当たる場合は、前後調整のねじを回して枠に当たらないように調整します。
回す要領は上記と同じで、違うところはドアを前に出すか引っ込めるかだけです。
まず、前に出して当たらないかを確認し、当たらなければ調整は終わりです。
それでもだめな場合は反対側を試してみると、直ることがほとんどです。
3:ドアが床に擦れる場合
ドア本体が床に擦れる場合は、ドア本体を上に引き上げなければなりません。
蝶番の支柱となる部分の上または下にねじがついている場合は、ねじを時計方向に回すとドア本体が上に動いて、擦れることが無くなります。
調整機能が付いていない蝶番の場合
1:ドアの小口面が枠の上あたりで擦れる時の調整方法
基本的には、ドア本体の下側を押し出すか、上の蝶番を枠を掘って奥に引っ込めるかいずれかの方法で調整します。
蝶番を外すのであらかじめドアは外しておきます。
●下の蝶番を外して調整する方法
上が当たる場合は、下の蝶番を外します。
次に開く側の蝶番を取り付ける面に厚紙を貼ります。
外した蝶番を取り付け直し、ドアを戻して開閉状況を確認し、枠に当たらなければ調整は終了です。
これは、ドア本体の下側を枠に寄せることで、建て付けを調整する方法です。
●上の蝶番を埋め込んで調整する方法
上の蝶番を外します。
枠に彫り込んである蝶番の位置にノミを入れて掘り込みを深くします。
掘り込みが終わったら、蝶番を取り付けドアを戻して開閉状況を確認します。
ドアの下部分が開くとこすれる場合は、上記の方法の逆を行って調整します。
ドアの大きい面(表面)が枠に当たる場合
上下の蝶番を外して埋め込まれている蝶番用の掘り込みを深くした後、蝶番を取り付け直しドアを戻して開閉状況を確認します。
ドアの蝶番は自分でやるのはネジ調整までとし、ノミでの掘り込みなどは、プロの職人に依頼しましょう。
床にドアがこすれる場合
上下の蝶番の上の部品を外し、パッキンを差し込みます。
建材メーカーから蝶番に合うパッキンを取り寄せればいいのですが、ドアの品番が判らないと同じ大きさのパッキンが取り寄せられないことがあります。この場合はホームセンターで探してみましょう。
この時、使っている蝶番を持っていき、ホームセンターの店員にパッキンの径を測ってもらい、合うものを探してもらう事をオススメします。
見つかれば多めに購入、保管しておきましょう。
差し込むパッキンは上下共に同じ枚数を使います。
まず、1枚入れて蝶番を取り付け直してドアを戻し開閉状況を確認します。
それでも直らなければ1枚継ぎ足してみます。
この時、上枠のドア本体がこすれないように注意しましょう。
修理が必要な場合
ドア本体が枠に当り、調整ネジだけでは直らない場合は、建材メーカーの大工を手配してください。枠の取付けからの調整が必要な場合もあります。
この場合は有料の手直し工事になります。
調整機能付きの蝶番は、本来頻繁にいじるものではなく、いじり過ぎると調整機能が壊れて使えなくなってしまい、部品交換のために建材メーカーから部品を取り寄せることになります。
直接販売してくれないケースもあり、代理店を通しての注文、または交換修理の依頼になることもあります。
ドアノブの座金が浮いたりドアノブが外れる場合は
頻繁に出入りするドアで起きやすいのが、ドアノブが取れたり、ドアノブの根元の座金が浮いてきたりすることです。
どう直してよいか分からない時には、プロに修理を依頼しなければなりません。
ドアの建て付けを調整するときの注意ポイント
建て付けが悪い時は早めの調整を
ドア本体が枠に当たるという事は、建て付けが狂っているということですから、あまり長く放置しないほうが良いでしょう。
放置すると、症状が悪化するのに加えて、ドアや枠、床が傷ついてしまうことにもつながります。
床が傷つくと簡単に貼り替えは出来ません。
早めの調整を心掛けるとともに、1年に1回程度、プラスドライバーで各部屋のドアの蝶番のねじの締め直しをしておくとよいでしょう。
自力で無理だと感じたらすぐにプロにお願いする
建て付け調整の方法などは「Youtube」などで調整方法を解説動画を見つけることができます。建材メーカーでも自社のホームページ上で建て入れ調整を動画で説明しているので、一般の方や手先に自信のない方でも何とか調整できることもあります。
ただ、深い知識がないままに修理をすることで、余計に悪化させてしまう危険性も伴っています。
手直しが怖いかたは、リフォーム業者や建材メーカーに相談されるとよいでしょう。
多少費用が掛かっても、プロの修理であれば再発の可能性も低くなりますし、中には親切に調整方法を教えてくれる職人さんもいます。
ただ、大手建材メーカーや新築時の工事店は、簡単な手直し工事には積極的に応じてくれないこともあります。
ハウスメーカーや工事店でアフターメンテナンスをしてくれる会社を見極めて手配を検討しなければなりません。
ドアの建て付け調整を依頼するのに最適なリフォーム業者の探し方について
ドア1枚の建て付け調整の依頼と考えると選択肢が少なくなりそうですが、ドアだけでなく、室内の内装全般も考慮しながら考えると業者は見つけやすくなります。
最近ではハウスメーカーがリフォーム会社を紹介してくれたり、大手設備メーカーでも厳しい審査に合格した会社にだけ仲介するシステムを持っています。
また、インターネットで「リフォーム業者 レビュー」で検索すると口コミランキングなどで探すこともできます。
ただし、レビューの書き込みには信憑性が低い場合もあります。
各業者のホームページを見る時は、
1:住所が正確に記載されている
2:建築関係の資格を持っている
3:専門知識を十分持っている
4:工事に対する保証制度がはっきりしている
等を必ず確認しておきましょう。
ドアの修理依頼の話から、ドア交換の提案を受ける可能性もあります。
この時、その業者がどれだけ建材メーカーと取引があるか判ることがあります。
「ウッドワン」「永大産業」「YKK AP」「三協アルミ」「大建工業」「パナソニック」「リクシル」等のメーカーの商品を適切に複数、紹介できるかどうかで業者の信頼性を計るのもひとつの方法です。
依頼する側も予算組みのために、あらかじめメーカーのカタログを調べて金額を事前に知っておくことも必要です。インターネットで簡単に調べることが出来ます。
また、ドアを交換する場合は、各建材メーカーのカタログの最新版を持っているかどうかも業者の信頼性を見極めるひとつにポイントでしょう。
昨今、見積もりが無料の業者や会社は多くあります。
建具調整修理の相談一つでも、基本的なプラン以外にドア交換や吊元を変える場合、開き戸から引き戸に変える場合等、具体案を出してくれるなど、知識や視野の広さは実際に担当者に会ってみると分かることがあります。
1社だけでなく何社かの営業担当にコンタクトをとって感触を確かめつつ、予算面でも相見積もりをとりながら検討していくのがよいでしょう。
部屋・室内リフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。
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