2024年07月24日更新

監修記事

天井の防音リフォーム工事の費用の相場は?遮音の対策も解説!

上の階への音漏れが気になる場合は、天井を防音リフォームしましょう。防音リフォームにかかる費用は、面積や階層など様々な条件により決まります。今回は、天井を防音、遮音リフォーム工事するのにかかる費用の相場について解説します。

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天井の防音リフォーム工事にかかる費用は?

天井の防音リフォーム工事にかかる費用は、希望の遮音レベルや建物の強度、施工面積や施工階層によって変動します。

一般的に、天井の防音リフォーム工事にかかる費用の相場は、40万円~80万円です。
※吸音性を高める工事

ただし、希望の遮音レベルが高く、建物の強度が低い、施工面積が大きく階層が高い場合は最も多くの費用がかかります。例えば、木造のような元々の遮音性が低い建物の場合は、100万円~200万円の費用がかかります。

天井の防音リフォーム工事では廃材が出ないため諸経費を抑えることができます。

しかし、防音性が高い材料などは重量があるため、それだけ運搬費が高くなります。
運搬費だけで1万円~3万円はかかると考えておきましょう。

コーキング処理に費用がかかる

天井の吸音性を高めるリフォーム工事では、天井の表面に遮音性が高い材料を貼り付けていきます。

隙間があると防音性が失われてしまうため、コーキング処理で隙間を埋める必要があります。

コーキング処理の価格の相場は1カ所につき5,000円~8,000円です。

業者により価格設定が異なります。

10カ所にコーキング処理を行い、単価が1,000円違うと1万円も費用に差が生じます。

コーキング処理の価格が安くても、工賃に上乗せされている場合があるので注意しましょう。

二重天井で吸音性を高めるための費用は?

二重天井にリフォーム工事をすることで、吸音性を高めることができます。
二重天井は既存の天井にスラブという支えを設置し、その上にもう1つの天井を作る工法です。

天井と天井の間に隙間があり、上階からの振動や音などを食い止められます。

二重天井による防音リフォームにかかる費用の相場は50万円~100万円です。

一戸建て住宅の場合は上階を二重床にリフォームすることで同じように遮音性を高めることができます。

二重床にかかる費用の相場は10平方メートルあたり8万円~11万円です。
二重天井と併用することで、より高い防音効果を得られます。

防音性を高めるリノベーション費用についてはこちら>>

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天井の防音には2種類ある

マンションや戸建て住宅でも2階建て以上の建物に住んでいる場合、上からの音は下に気になるほど伝わるが、下の音は上にそれほど伝わらないと感じたことがあるのではないでしょうか。

天井の防音には2種類あるということです。

まずは、室内から上階に漏れる音を防ぐという効果です。
基本的に話し声やテレビなどの音は、空気を介して伝わりますので、それほど上階などへ伝達することはありません。

逆に上階からの音の中でも、足音やドアなどの建具を動かす音というのは下の階によく伝わります。
これは、音が建物の床や壁といった躯体を通じて伝達しているからなのです。

このような躯体を通じて伝わる音については、下の階の天井に防音対策をしても、軽減することは出来ても、完全に防ぐことは難しくなります。

上からの音を防音するには

上からの音を防音するためには、いくつかの方法があります。
ただ、戸建て住宅や賃貸住宅によっても出来ることと、出来ないことがあります。
どのようにすればいいのか紹介していきます。

上からの音を防音する方法として挙げられるのが、上の階の床をカーペットやクッションフロアなどの吸音素材の床に変更してもらうという方法です。
しかし、賃貸住宅などの場合はこの方法は困難になると思います。
戸建て住宅の場合は、このような方法で上の階の床材を変更することで、ある程度改善することも可能です。

賃貸住宅や分譲マンションの場合にはどうすればいいのでしょうか。
上の部屋を自由にリフォーム出来ない場合は、天井での防音対策を検討する必要があります。
それでも100%防音することは出来ませんが、天井に防音対策をすることで、上の階からの音は大幅に軽減することができます。

上に音が漏れないように防音するには

上の階に音が漏れないように防音対策をする方法はいくつかあります。

音が漏れやすい開口部などを塞ぐということです。
しかし、これは不可能ではありませんが、現実的ではない方法となります。

開口部を塞ぐことは出来なくても、開口部のガラスを単層ガラスから複層ガラスに変えることで、防音対策にもなります。

また、サッシ自体を二重サッシにリフォームすることでも、防音対策につながります。

次に、壁や天井などに防音材を使用するという方法です。

室内側の壁に吸音材や遮音材を施工することで、音を吸収したり、遮る効果があります。

最も費用や工事期間はかかりますが、完全に音を遮るなら本格的な防音リフォームを行ない、防音室を造る方法があります。

ホームシアターの設置や楽器を演奏したい場合には、このような選択肢もあります。

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マンションや賃貸住宅でもできる天井の防音対策は?

賃貸住宅では退去をする時に、借りた状態に部屋を原状回復して返すことが必要となります。
そのような賃貸住宅でも退去時の費用などを考慮した上で、可能な防音対策について紹介していきます。

まず防音マットは、比較的容易な防音対策となります。
床に敷くだけですので、退去する際にトラブルになることは考えにくいです。
よく移動する場所だけでも敷いておくと良いかもしれません。

天井ではないですが、カーテンや遮音ボードや吸音パネルもマンション・賃貸住宅での防音に役立ちます。
最近のカーテンは防音効果のあるものが多数販売されています。カーテンは各部屋に必須の家具ですから、付けるなら防音性能のあるカーテンを選ぶことで、簡易的な防音対策となります。
ホームセンターなどで販売されている遮音ボードや吸音パネルも、賃貸住宅での防音対策に役立ちます。壁にビスで固定しなくても、家具の後ろに立て掛けるだけで、壁を通じての音を軽減することができます。

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DIYで天井を防音する方法とは?

天井の防音をDIYでする方法としては、天井に吸音材や遮音材といった素材を使う方法があります。
現在の天井の上から施工可能ですので、DIYでも施工することは可能です。
ただし、高所での作業になるので、安全などに配慮する必要があります。
最近、防音材の中にはカラーバリエーションが豊富な商品も多数あります。
また、カッターなどで好きなサイズに簡単にカットできますので、素人でもサイズ調整など容易に出来ます。

天井裏に懐がある場合には、天井裏に吸音効果のある材質のものを敷き詰めるという方法もあります。
点検口がない場合には点検口を開ける必要がありますし、天井裏の懐に余裕がない場合には難しくなります。

どちらにしても、より効果的な防音効果を期待するのであれば、専門業者に依頼することをお勧めします。
DIYでも形としては出来ますが、音は小さな隙間などからも漏れます。
プロにお任せする方が効果は期待できます。

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天井を防音するには、どんな材料があるのか?

天井の防音対策ができる素材には色々な材料があります。

ここでは、特に代表的なものを特徴などと合わせて紹介していきます。

代表的なものにグラスウールがあります。

グラスウールの吸音ボードとは、表面にクロスなどの仕上げを一切せず、グラスウールそのままを板状に形成した吸音材です。

防音効果はもちろん断熱材としての効果もあります。

ライズ吸音ウールというポリエステル系の素材もあります。

吸音性に優れているだけではなく、安全性、環境性、断熱性、耐熱性、透水性など多くの面で優れたところの多い素材となります。

またウレタンスポンジ吸音材は、反響音の防止に優れており、防音工事などで幅広く使われている内装仕上用の吸音材です。

スポンジ素材なので扱いやすく、意匠性にも優れており、多彩なデザインがあります。

このような遮音材や吸音材の中には、両面テープで接着出来るものや、熱で接着可能なものなどもあります。

これらは賃貸住宅などで使用すると、退去の際の不安もなく防音対策ができます。

それでも期待するような効果が得られない場合は、リフォーム業者に依頼することをお勧めします。

建物の構造や開口部の位置や数などにより、期待する防音効果のための対策を提案してもらいましょう。

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用途に合わせた防音材

防音材にはいくつかの種類があります。

それぞれの用途に合わせた防音材を使うことによって、防音効果を高めることができます。

ここでは用途に合わせた防音材についてご紹介します。

天井裏に充填する吸音材

二重天井や天井裏に空間がある場合は、音が太鼓のように響く太鼓現象という状態を引き起こすことがあります。

太鼓現象は音が発生した反対側に、衝撃音がより大きく伝わってしまう現象です。

それを防ぐために、天井裏に吸音材を充填します。

天井裏に充填する吸音材としては、グラスウールを板状にしたGW吸音ボード、グラスウールのロールタイプがあります。

また、フリースにも使用されるポリエチレンテレフタレートを主要原料としている「ライズ吸音ウール」は施工した時に粉塵が発生せず、人体に優しい吸音材です。廃材を資源ごみとしてリサイクルでき、地球環境にも優しい吸音材だといえます。

天井の遮音性能を高める防音下地材

天井の遮音性能を高めるには、高性能な防音下地材を使用します。

高性能な防音下地材とは、高質量、高密度な素材であることです。

「高性能防音シートZS」は、音の透過を減らし、振動が伝わるのを低減できるように開発された防音下地材です。

足音や扉の開閉音、楽器の音など、衝撃音を減らして音の不安を少なくしたい場合におすすめします。

天井の遮音・防振構造に使用

天井の遮音のために建物全体を変えることは難しいですが、仕上げ側と下地側の縁を切ることによって天井の遮音、防振効果を上げることができます。

「音パット」は、工場での騒音を防止するために長年研究、開発された防音下地材です。

仕上げ側と下地側の縁を切る「浮き構造」で、振動を削減し防振効果を上げることができます。

他の防音下地材と比べて、軽量で施工がしやすいという点が特徴です。

また、振動を削減するため、振動として伝わりやすい低音域にも効果があります。

天井面の内装仕上げ材として貼れる吸音材

天井面の内装仕上げ材としても貼ることができる吸音材もあります。

「ガラスクロス額縁貼りグラスウール(GC吸音ボード)」は、昔から多く出回っている吸音材の一つです。

グラスウールはガラス繊維から成型されたもので、吸音性、耐久性、耐火性に優れています。

そのグラスウールにガラスクロスを額縁貼りすることで、内装仕上げ材として貼れるようになっているので施工が簡単なのです。

また「サウンドSタイル吸音板」も、高密度のグラスウールをボード状にして、厚手のガラスクロスを額縁貼りした内装仕上げ材です。

音楽室やシアターホールにも使われるほど、防音効果は高いとされています。

遮音材と吸音材の組み合わせ

防音効果を上げるために必要とされている、遮音材と吸音材を組み合わせた防音ボードも人気があります。

「サウンドSタイルⅡ防音ボード」は「サウンドSタイル吸音板」をさらにグレードアップしたものです。

高密度のグラスウールボードの裏面に、遮音効果のある「防音マットZS」を貼り合わせてあるため、遮音材と吸音材の両方の良さを組み合わせて防音効果を上げています。

天井面の振動を抑える

天井の振動を抑えて、音の伝わりを軽減させることのできる防音材です。

高性能不燃制振材「カルムーンシート」は軽量で薄型にもかかわらず、高い振動吸収性能を持っています。

金属層と制振樹脂層からなっていて、樹脂層が振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収します。

樹脂層自体に粘着性があるため、施工も簡単なところがメリットです。

「制振シート 音ピタン」は振動エネルギーを吸収して、振動や音の伝わりを軽減することができます。

シート状になっていて、貼るだけで振動を抑えることができるので施工も簡単です。

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防音対策を行うことでどのくらい効果があるのか

それでは、防音対策を行うことでどのくらいの効果があるのでしょうか。

ここでは吸音材を用いた場合と遮音材を用いた場合について、それぞれどのくらいの効果があるのか見ていきます。

吸音材を用いた場合

吸音材は室内に反響した音を吸音する効果がありますが、吸音材だけを天井に貼り付けても、それほどの効果はないと言えます。

天井裏に吸音材を充填することで防音効果を上げることができます。

また、吸音材と遮音材をうまく組み合わせることによって、防音効果は高まります。

遮音材を用いた場合

遮音材は室内の音を遮って外に漏れないようにする働きがあります。

これは空気を伝わる音が振動するより前に、音を跳ね返すことによって遮音しているのです。

つまり遮音材は音を遮るかわりに、音を反射させることになり、反射した音は室内の壁を伝わって更に増大してしまいます。

これでは室内で跳ね返った音が、ただ響き渡るだけになり防音効果は小さいでしょう。

そのため吸音材と組み合わせることによって、防音効果を高めることができます。

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防音性の高い建築構造

鉄筋コンクリート、鉄骨、木造といった建築構造を防音性の高さから見てみると、最も防音性の高いものは鉄筋コンクリートです。

その次に鉄骨、そして木造という順になります。

鉄筋コンクリートが最も防音性が高いのは、構造的に密度が高く、音を遮る遮蔽性が高いためです。

鉄骨は木造よりは密度が高いですが、鉄筋コンクリートほどではないと言えます。

しかし鉄筋コンクリートなどの防音性の高い構造でも、築年数が古い建物や、安価な賃貸の場合、建物の外周のみをRCで作り、隣家との境界を通常の鉄骨や木造の間仕切りで仕上げている可能性があります。

このような場合は防音効果は低いといえます。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】岩本祐子

atelier comado

岩本 祐子

大学卒業後、建築設計事務所にて主に住宅、公共建築、店舗、マンションの設計に10年以上関わる。
住宅においては、基本設計から監理業務まで一連のフローに携わる。
その後大手インテリア関連企業にて7年間インテリアとリノベーションをメインに業務の幅を広げる。
現在代表をしているatelier comadoでは、インテリアコーディネート、リノベーション、住宅設計をメインに活躍中。

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