目次
張替えリフォームで多く選ばれるビニールクロスとは?
ビニールクロスはポリ塩化ビニール樹脂でできている壁紙のことです。ポリ塩化ビニールをシート状にして、紙で裏打ちしてあります。
表には様々なテクスチャーのプリント加工や、凹凸感を演出するためのエンボス加工が施されています。木目調、織物調、大理石やレンガ風などの石目調、和紙などの紙模様、プリント柄など、色・デザインがとても豊富です。
ビニールクロスは「ビニール壁紙」とも呼ばれます。また、略して「ビニクロ」と呼ぶこともあります。
特に日本国内では、壁紙のリフォームでの90%以上がビニールクロスです。どうしてここまで市場占有率が高いのでしょうか?第二次世界大戦後の高度経済成長とも密接な関係があると思われます。
ビニールクロスがリフォームで多く選ばれるようになった理由
戦後1955年から73年の約20年、日本は未曽有の高度経済成長期を迎えました。そのような時代背景の中、1960年代に入ってからビニールクロスなどのクロスが登場したのです。
それまで日本では、漆喰や聚楽壁や珪藻土などの湿式工法と呼ばれる土壁が主流でした。しかし、これらは左官業のプロの職人さんしか施工できず、工期も長くかかりました。
そこへ石膏ボードを施工し、糊をつけた後に壁紙を張るという乾式工法が登場しました。施工も楽で、工期も非常に短くできるために、短期間にたくさんの家のリフォームや新築が可能になったのです。
その便利さと利点により、瞬く間に左官による土壁から、様々なクロスへと取って代わることになりました。壁紙リフォームの現場でも、左官職人からクロス職人へと替わることになったのです。
ビニールクロスの欠点でもある有害物質について
ビニールクロスの急速な普及と共に、塩化ビニールという化学物質から発せられる、ホルムアルデヒドなどの有害物質によるシックハウス症候群が社会問題になりました。
2002年の厚生労働省による13種類の有害物質と、室内濃度に関するガイドラインを受け、各メーカーも低ホルムアルデヒドなどの研究により、できるだけ環境にやさしいビニールクロスを開発製造するようになってきています。
また、自主規制として、日本壁装協会が2007年にビニールの壁紙に対する化学物質の規制を設けましたが、有害物質を0(ゼロ)にするということはできないので、問題が解決したというわけではありません。
リフォームで人気の高いビニールクロスのメリットとは?
クロスの張替えリフォームで人気の高いビニールクロスですが、どのようなメリット(利点)があるのか、みてみましょう。
豊富なデザイン
多種多様な色やデザインの中から、好みのクロスを選ぶことができるので、各部屋やトイレ、キッチンなどのイメージに合わせた部屋作りをすることができます。
価格の安さ
ビニールクロスの最大の魅力とも言えるのは、安価であるということです。シンプルな量産品クロスといわれるものならば、かなりコストを抑えてリフォームすることができます。
一般家庭で多く使われている1000番台クロス(機能性があるものや、ハイグレードなもの)であっても、布クロスや紙クロスに比べると比較的安価であるという利点があります。
手入れが楽
ビニールクロスは濡れた雑巾や洗剤にも比較的強いので、毎日の掃除が楽にできるというメリットがあります。
様々な機能
防汚、防水、消臭、耐久、耐薬品、防湿、通気、マイナスイオン、蓄光など、様々な機能を持たせたビニールクロスがあるので、目的に合わせたクロスを選ぶことができます。
ビニールクロスに張替えた場合のデメリットとは?
ビニールクロスは自然素材ではないので、天然の風合いを感じることはできないという欠点があります。その他にはどんなデメリットがあるのかみてみましょう。
通気性・調湿性
ビニールの特性として通気性や調湿性はありません。そのため、カビやダニが発生しやすいという欠点があります。しかし、防カビの機能を持たせた壁紙を選ぶことで、ある程度は改善されます。
補修困難
ビニールクロスは、部分的に補修することが難しいというデメリットがあります。
長持ちしない!
年数が経ってくると、黄ばんできたり、継ぎ目がはがれやすくなったりするという欠点があります。ビニールクロスの場合は10年から15年で張替えるのが一般的だといわれています。
臭いとアレルギー
ビニールクロスは独特の臭いがあるので、臭いに敏感な人は避けたほうが良いでしょう。また、アレルギー物質が含まれているため、アレルギー体質の人は注意が必要です。
産廃処理が必要
ビニールクロスの張替えの際剥ぎ取った廃材は、自治体によっては産廃処理が必要な地域があります。DIYでのリフォームの場合は気をつけましょう。
リフォームする前に考える壁紙クロスの種類について
壁紙クロスは5万種類以上あるともいわれています。
大きく分けるとビニールクロス、紙製クロス、織物クロスとその他のクロスに分類されます。
ビニールクロス
人気の高いビニールクロスは、塩化ビニル樹脂製で、凹凸感を表現したエンボス加工を施したものや、プリント柄を施したものなど、色やデザインが豊富です。
また、消臭や防汚など、多くの機能を持たせたビニールクロスがあるので、部屋によって使い分けることもできます。
価格も安価な「量産品クロス」(スタンダードクロス)と、色柄が豊富で、各機能を持たせた「1000番台クロス」(ハイグレードクロス)があります。
一般の家庭ではほとんどが「1000番台クロス」を採用していますが、部屋によってはシンプルな「量産品クロス」を使用してリフォームをしても良いでしょう。
紙クロス
欧米のクロス張替えでは、パルプを原料とした紙製のクロスが一般的だといわれています。ビニールクロスよりも薄いため、下地処理が重要になります。
織物クロス
平織、綾織り、不織布などの織物でできたクロスです。種類も多く、高級感がありますが、埃がつきやすくメンテナンスは大変です。しかし、最近では埃がつきにくいクロスも登場しました。
織物クロスは、張替えの際に手間がかかってしまうため、施工費は多少高くなります。
その他の壁紙クロス
環境配慮材料のオレフィン樹脂のクロス、紙と珪藻土を原料にした珪藻土壁紙、木やコルクなどの木質系壁紙、金属・ガラス繊維などからできた無機質系壁紙などがあります。
様々な機能を持ったビニールクロスについて
機能性を重視して、目的に合わせたビニールクロスを選びたいという場合、どのような機能を持ったビニールクロスがあるのか、みてみましょう。
防汚効果
ビニールクロスの表面に抗菌フィルムなどを施すことによって、汚れにくく、楽に汚れをふき取ることができます。キッチンなどにお勧めです。
耐久性強化
エバールフィルムなどで表面強化してあります。ペットなどがいる部屋にも良いでしょう。
消臭効果
光触媒と消臭剤の組み合わせで消臭するビニールクロスもあります。生ごみ、煙草、ホルムアルデヒドなどの臭いを軽減することができます。
通気性、吸放湿
親水性高分子ポリマーを利用して、湿度を調整します。水分を吸収、放出したり、通気性を良くしたりする働きがあります。
マイナスイオン発生
天然鉱石を配合して、マイナスイオンを発生させ、森林浴効果が得られるというものです。
蓄光
プリント表面に蓄光インクが施されていて、消灯後約20分間、光り続けます。
ビニールクロスのメリットやデメリットを解説している記事はこちら
ビニールクロスに張替えリフォームするための費用について
ビニールクロスの素材価格は、量産品クロスで1平方メートル当たり約500円~。1000番台クロスは1平方メートル当たり約1000円~となります。
工事費用としては、既存クロスの剥がし費用、廃棄処分費用、養生費、施工費、諸費用などがかかります。
※一般的なビニールクロス代金と工事費込みの価格
・量産クロス:1平方メートル当たり約1000円前後~(工事費込み)
・1000番台クロス:1平方メートル当たり約1500円前後~(工事費込み)
※その他の追加料金としてかかる費用
・家具の移動費:約5000円~約3万円
・エアコン取り外しと取り付け:約1万5000円
・下地処理費用:1平方メートル当たり約1500円~
・駐車場代:実費
6畳間をビニールクロスでリフォームした場合の費用
6畳の部屋の壁と天井(約40平方メートル)をビニールクロスで張り替えた場合は、量産品ビニールクロスで約6万円~8万円(工事費込み)かかります。
また、一般家庭で広く使われている1000番台ビニールクロスだと、約10万円~約13万円(工事費込み)の費用がかかるといわれています。
平米単価とメートル単価の違いと注意点
平米単価とは1m×1m=1平方メートル当たりの単価です。一方、メートル単価はビニールクロスのメートル数の単価となるので、1m×0.9m=0.9平方メートル当たりの単価ということになります。
仮に「1平方メートル当たり1000円」のビニールクロスと、「1メートル当たり1000円」のビニールクロスを比べると、平米単価では1000円で1平方メートルのクロスを張ることができます。
しかし、メートル単価では1000円で0.9平方メートルしかクロスを張ることができません。つまり、メートル単価の方が多少割高になるということです。リフォームする際には注意が必要です。
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