2024年04月12日更新

監修記事

床下浸水したらどうする!?床下浸水の定義、緊急にすべき対応とは?

近年増えている台風や豪雨による災害。付近の河川が氾濫するなどしてご自宅の床下が浸水してしまうという事態もありえることです。この記事では床下浸水してしまった際に必ずしなくてはいけない対処、修理に必要な費用を補填する火災保険や公的支援についてご紹介します。

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床下浸水したら、どうする?すべき対処とは

床下浸水したら…!緊急にすべき対応とは?

床下浸水とは、床上まで浸水はしていなくても、住宅の基礎部分に水が浸水してしまっている状態のことです。床下浸水をしてしまったら行うべき対処、注意点をご紹介します。

はじめに行うのは排水作業

床下は住宅の基礎部分だけではなく、電気配管や断熱材などがあり、長時間水に浸っていると火災やカビ発生の可能性もあり大変危険です。

雨水だけではなく流れてきた土砂や汚水が混ざっているため不衛生でもあり、感染症に感染するのリスクもあります。そのため、できるだけ早くしっかりと水を掻き出しすることが大切です。

まず床板を外して床下の作業がしやすい状態にします。自力で床下を外すことが難しい場合は地域の支援団体や業者に依頼をしましょう。

水量を確認し、多い場合は排水ポンプを使用し、少ない場合はバケツなどで水を外に出しましょう。底の方に泥が溜まっている場合はスコップなどで掻き出してください。

泥が残っていると臭いが出るばかりではなく、害虫が発生してしまうこともありますので注意が必要です。泥を掻き出した後は真水で綺麗に洗い流し、スポンジなどで水分を拭き取ります。

扇風機や送風機による乾燥作業

水や泥を掻き出しした後は、扇風機や送風機などを活用し乾燥をさせておきましょう。

梅雨時期や夏など湿気の多い季節は完全に乾燥するまでに長くて1週間程度かかることもあるため、扇風機や送風機を活用し徹底的に乾燥をさせておくことが大切です。

注意点は温風は使用しないこと。床下には電気配管もあるため、熱風で配管が温められ火災や故障の原因となる可能性があります。また、基礎の木材が熱で歪んでしまうこともあります。

はじめは床板を外したまま乾燥させ、ある程度乾燥したら、床下の通気口などに扇風機や送風機を設置し、継続的に乾燥をさせましょう。

カビ・害虫・感染症を防止!消毒作業

床下浸水の対処の最後の工程は、消毒です。浸水した水には泥や汚水、下水も混ざっているため雑菌が大量に含まれており、放置するとカビ・害虫・感染症の原因となる可能性もあります。

床下消毒で一般的に使用される消毒剤は消石灰です。白い粉末で強いアルカリ性を持ち殺菌作用に優れているので、消毒したい箇所に粉末のまま厚さ数ミリ程度になるように振りかけて散布します。

ただし、殺菌作用が強く目や傷口から体内に入ってしまうと大変危険です。吸い込むことも危険ですので、散布の際はプロにお願いをするか、防塵マスク・ゴーグル・手袋を必ず着用しましょう。

また、排水・乾燥・消毒の作業後には、専門業者に依頼して住宅の基礎や基礎周辺が壊れていないか、雨水が流れ込んでくる可能性がないかを確認してもらうことも重要です。

住宅基礎周辺の破損が確認できてもすぐに修理できない場合は、土嚢などで浸水してくる箇所を堰き止めておき、再び床下浸水をしないよう対策しておくことも大切です。

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床下浸水を放置すると…どうなる?

後々大変なことになります!
床下浸水を放置すると起こりうる現象についても知っておく必要があります。必要な対処を怠り放置したらどうなるのか把握し、必要な処置を怠らないようにしましょう。

住宅基礎や配管などへの影響

床下に水を溜めたままにしておくと、住宅基礎の木材が腐敗してしまったり、床を支える床束の釘や鋼製束までもが錆びついてしまい、住宅の強度に大きな影響を及ぼします。

また、床下や壁に断熱材を使用している場合は、少しの吸水であってもカビが発生してしまう可能性が高くなります。発災から時間が経過した後で断熱材のカビが発覚するケースも少なくありません。

さらに、床下には電気配管がある住宅もあり、浸水したままにしておくと火災や破裂の危険性が高まり大変危険です。水道管がある場合は配管が傷み、水が引いた後も水漏れの原因になることもあります。

カビ・害虫の発生の可能性

浸水の量が少なかったりすぐに水が引いたりして床下浸水を放置しまうと、カビが発生し匂いの原因となったり、シロアリ他害虫が発生してしまうことがあります。

床下浸水の時は雨水だけではなく汚水や下水、大量の泥や砂が流れ込んできています。感染症の原因にもなる細菌が含まれているため、このような事態となってしまうのです。

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床下浸水したら火災保険や公的支援制度を確認しよう

床下浸水したら…!緊急にすべき対応とは?

火災保険や公的支援で、床下浸水の対処費用を補填することができる場合があります。床下浸水に関する保険制度や公的支援制度についてご紹介します。

契約コースの確認を!水災に該当すれば保険金対象

多くのご家庭が火災保険を契約している場合が多いと思いますが、契約内容によっては床下浸水も保証の対象となります。

まずは加入している火災保険が豪雨や台風などで浸水・洪水・土砂崩れなどの被害による「水災」に対応しているかどうかを確認しましょう。

火災保険における水災の保険金がおりる要件は、一般的に「建物または家財それぞれの時価の30%以上の損害」「床上浸水または地盤面から45cm超える浸水による損害」となっています。

時価の30%の基準や被害状況が条件に適合するかどうかは保険各社で異なりますので、問い合わせてみましょう。

お住まいの地区の支援制度も有効利用

公的補償には大きく「被災者生活再建支援制度」「災害救助法」の2つがあります。

これらは、地震や暴風、豪雨・洪水・津波・噴火などの自然災害によって 家が全壊・半壊した場合に支援金を給付する制度です。

市区町村10世帯以上、都道府県100世帯以上の住宅が全壊など、被害規模が一定以上となると適応となり、被災した家の住人が申請することができます。

床下浸水の場合は「床上1m未満の浸水」で家が半壊した場合、災害救助法により最大で57万6000円相当が支給されます。

床下浸水した際には、床を外して排水・清掃・乾燥・消毒をしたり、場合によっては排水管や断熱材の交換など多額の費用がかかります。

すぐに対処することは大切ですが、焦らず加入の火災保険や公的補償を確認して、必要な費用を確保することも忘れないようにしましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社KURODA一級建築士事務所 坂田理恵子

株式会社KURODA一級建築士事務所

坂田理恵子

一級建築士、一級施工管理技士。和歌山市で設計事務所に勤務。住宅のリフォームや新築を中心に携わり、女性目線で、家事や掃除、片付けがしやすく暮らしやすい家の提案を行う。

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