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2021年03月22日更新
実は少ない!マンションの建て替え事例。その理由は?
分譲マンションは、年数が経って建物が老朽化すると建て替えを行う必要があります。しかし、分譲マンションの建て替えはほとんど行われていないのが現状です。何故建て替えはほとんど行われないのか?マンションの立て替えが行われない理由をご説明します。
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- 監修者山崎良平
目次
マンションの建て替えが困難な理由
分譲マンションの建て替えがほとんど行われていないのは、どのような理由があるのでしょうか?代表的な原因をご紹介します。
容積率既存不適格のマンション
建物を建てる際には、建築する時点での建築基準法や規制に沿った設計でなければなりません。
そのため、古いマンションの場合、改正された建築基準法や規制などで定められた容積率が、最初に建築した段階より引き下げられていると、新しい建物は元の建物より狭い面積になってしまいます。
つまり、一部屋ごとの面積が狭くなったり、部屋を増やして売却し、建て替え費用の負担を抑えたりすることができません。
もちろん、最初から容積率に余裕があり、建て替えても元の広さを維持できる場合もあります。
しかし、基本的に分譲マンションは利益を最大限得るために、建築段階で容積率の限界まで建物を建てるのが基本となっているため、土地に余剰があるという物件はほぼ存在しないと考えられます。
建て替え決議の同意を得ることが難しい
分譲マンションの建て替えを行う場合、建て替え費用は入居後の積立金などが充てられます。
しかし、建築にかかる費用は人件費などの経費の増加などにより、当初想定していた額より高くなっていることが多く、このような理由で積立金が不足した場合、居住者が追加で費用を支払わなければなりません。
また、建て替え工事の期間中はマンションに住むことができませんので、一時的に仮住まいを見つけ、引っ越す必要もあります。
金銭的、時間的に余裕のある居住者なら、追加費用の支払いや仮住まいの用意について同意を得ることができるかもしれません。
しかし、分譲マンションでは複数の世帯が入居しているため、全ての世帯に金銭的、時間的な余裕があるとは限らず、全ての世帯について条件等の合意が得られる可能性は低いのが実情です。
また、上の項目でも説明したとおり、規制の変更によって部屋が狭くなってしまうことについても同意を得なければなりませんので、スムーズに建て替えの同意が得られる可能性はさらに低くなるでしょう。
このことも、分譲マンションの建て替えが進まない要因と考えられます。
建て替えを難しくしている資金問題
上の項目で費用面の問題が建て替えを難しくしていると紹介しましたが、実際にマンションを建て替えるとどのような費用がかかるのでしょうか?
マンションの建て替えでは、既存マンションの解体費、新しいマンションの建築費の他に、土地の調査及び設計、建築計画の策定費用がかかります。
また、工事中の固定資産税などの税金も考えなければなりませんし、追加費用を個人的に借り入れる場合は、利息やローン契約手数料などの費用も考慮しなければなりません。
その他にも、仮住まいに関する費用も別途かかり、こちらは契約にともなう礼金及び手数料、引っ越しにかかる費用の他、毎月の家賃も必要です。
住民が負担する費用について
資金のうち、住民が全て負担するのは仮住まいに関する引っ越し費用や物件の契約費用、家賃などです。
合計費用は引っ越し先の距離や広さ、家賃などにもよりますが、マンション建築は年単位で時間がかかるため、安く見積もったとしても約200万円の費用負担が発生するでしょう。
また、もし積立金で建設費用が賄えなかった場合は、この部分についても住民が支払わなければなりません。
建て替えが成功している事例
分譲マンションの建て替えは難しいのが現状ですが、実際に建て替えに成功した事例についてもご紹介しておきます。
建て替えで今より戸数を増やせるマンション
容積率などに余裕があり、戸数を増やすことができる物件は建て替えに成功しやすい傾向があります。
これは、建て替えによって増えた部屋を新たに売り、建築費用の補填を行うことができるのが理由です。
等価交換方式のマンション
等価交換方式とは、マンション所有者が土地を出資し、デベロッパーが建物を建築、完成後居住者と事業者が出資比率に応じた割合で不動産を取得する方式です。
建て替え費用の一部をデベロッパーが出資するため、居住者の費用負担を抑えられるメリットがあります。
しかし、デベロッパーは上で説明しているように戸数増加などによって利益を出す必要があるため、容積率に余裕のある物件以外では用いられることはほとんどありません。
この方式は、マンションだけを建て直すのではなく、周辺の土地を購入して大きなマンションに作り替えたい場合などに用いられています。
人気のエリアにあるマンション
交通の便が良いなどの理由で人気が高いマンションも比較的立て替えが成功しやすい傾向があります。
これは、建て替えによって高額で売却できるため、建て替え費用を負担しても利益が得られる可能性が高いことが理由です。
マンションの建て替えがされない場合、どのようになるのか
前述の通り、分譲マンションの建て替えは現状ほとんど行われていません。しかし当然マンションも長い年月が経てば自然と老朽化が進んでしまいます。
ではマンションの建て替えが行われない場合、一体どのような対策をすれば良いのでしょうか。
一つ目は定期的に大規模修繕を行う方法です。
マンション全体を立て替えるのは確かに難しいのですが、定期的に修繕を繰り返せば建物の寿命を延ばすことができます。
恐らく分譲マンションのほとんどがこのようにして老朽化を防いでいるのではないでしょうか。
もう一つは区分所有権を解消し、敷地売却を行うという方法です。
こちらは、耐震性が不足している旨の認定を特定行政庁から受けたマンションにかぎって利用できる制度となっています。
敷地の売却はマンション敷地売却決議により実施されます。決議によって同意が得られれば、マンションの敷地を一括して買受人に売却することが可能です。
マンション敷地売却制度による事業は権利変換によるマンション建て替え事業などと違い、建物除去後の土地利用については自由となっています。
ただし買受人は代替住居の提供や斡旋の計画について都道府県知事等の認定を受けなければならないとされています。
そのため、敷地売却制度を利用した場合でも、マンションの住民が路頭に迷うようなことはないでしょう。
マンションの建て替えが決まったら
もしマンションの建て替えが決定した場合、住民はどのような行動を取れば良いのでしょうか。
マンションの建て替えに賛成して再入居するなら、工事が行われている期間中に一時的に引っ越しをしなければなりません。
もちろん引っ越し費用も住民の負担となります。賃貸の家賃についても補償されることはありません。
また再入居するまでの期間ですが、着工から竣工までの純粋な建築期間だけでいえば約1年ほどというケースが多いでしょう。
しかし15階建て以上のタワーマンションだと建築期間が2年近くまで掛かることもあります。
では次にマンションの建て替えに反対して立ち退くケースについてです。
マンションの建て替えを行う場合でも、建て替えに参加しない区分所有者の専有部分をその人の意思に反して勝手に壊すことはできません。
そのため、建て替えに参加しない区分所有者に対して、参加する区分所有者が区分所有権および敷地利用権を時価で売り渡すことを請求することができます。
これを売り渡し請求といいます。
こうして売り渡し請求権が行使されればマンション全体が建て替えに参加する人だけになり、ようやくマンションの取り壊しに掛かることができます。
決議により建て替えが決定されてしまうと、賛同しない限りは立ち退きをせざるを得ない状況になります。
分譲マンションの権利を時価で売り渡し、潔く次の住居探しを行うのが賢明でしょう。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
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