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2023年02月17日更新

監修記事

家に防音室を設置するリフォーム工事を行う場合のポイントを解説

好きな音楽鑑賞や楽器演奏の音漏れを気にせず楽しみたい場合、防音室が欲しくなります。今回は、防音室検討に必要な基本的知識のほか、防音室の種類や施工方法、費用などについて詳しく解説します。

この記事では防音室の設置を検討している方に向けて、防音室を作る際の費用や注意点などについて解説するとともに、ハピすむを活用するメリットについてご紹介します。

防音室の仕組みとは?

防音室を作るにあたって、まずはその仕組みがどのようになっているかについて解説します。

音の伝わり方について

音は、空気が振動し、その振動が鼓膜に届くことによって認識できます。

これは空気伝搬音と呼ばれており、音が空気中を伝わって耳に届きます。

音の発信源から離れれば離れるほど音のレベルは下がり、途中に壁などの遮蔽物があると、ある程度の音を遮ってくれます。

人の話し声やテレビの音は空気伝搬音に該当するので、マンションなどの場合にはコンクリートの壁の効果により、隣の家にその音が聴こえることをある程度抑えられます。

防音室の仕組みについて

防音室は、おもに吸音材と遮音材という材料により防音効果を発揮しています。

遮音材とは、音が壁や天井を通過して向こう側に届かないように遮ることを目的とした材料です。

遮音材が音を跳ね返してくれることで、音を通過させない仕組みになっています。

吸音材とは、空気中に伝わる音の振動を熱エネルギーに変換して音を減らしていく材料です。

一般的な防音室には、室内の音が完全に聴こえなくなるレベルまでの防音は、残念ながら期待できません。

あくまでも「音を減らす」という概念で防音室は作られています。

防音グレードについて

防音性とは、建物自体の遮音性能と防音室の遮音性能を足し合わせたものです。

防音室には、防音レベルに応じた様々なグレードがあり、大きく分けるとスタンダード防音とプレミアム防音の2種類があります。

スタンダード防音は、天井や壁、床、ドアなどに防音材料、あるいは防音仕様のものを用いて、部屋の中でやや大きい音を出したい時などに高度な防音性能を発揮します。

プレミアム防音は、プロのニーズに応えられるレベルの防音性能があり、本格的な大音量を出すためのグレードになります。

家に防音室を設ける工事を行う前に知っておきたいこと

この章では、防音室を設ける場合に知っておきたい基本情報をまとめます。

地域の環境基準を調べておく

防音室を設ける場合の基準にもなるのが、地域の環境基準です。

環境基準は、環境庁や都道府県が定めるもので騒音基準が含まれています。

騒音基準では、用途地域ごとに昼間と夜間の時間帯別に、守るべき音の大きさを定めています。

特に第一種住宅地域では、音に対する基準値が厳しくなります。

住居のある地域の環境基準を調べて、外に漏れる音が基準値以下になるように防音室を設けることを検討します。

騒音基準を定める音の単位は、デシベル(db)で表します。

たとえば、第一種住宅地域では昼間で55デシベル以下と定められているのが一般的です。

演奏する楽器ごとに発生する音の大きさは異なる

演奏する楽器ごとに発生する音の大きさは異なります。

音の大きさは、音の波における波の幅の大きさに比例しており、この波の幅の大きさによって音の圧力が変化し、音の大きさは音圧によって決まります。

具体的な楽器ごとの音の大きさは数値化して後述します。

遮音性能を表す遮音等級という数値がある

演奏する楽器ごとに求められる遮音性は異なり、その遮音性能を表す遮音等級という数値があります。

遮音等級とは、建物の遮音性能のレベルを表す指標です。

壁やサッシなどの遮音性能と床の遮音性能それぞれに等級があります。

具体的な遮音等級の数値は後述します。

防音室には固定遮音構造と浮遮音構造の2種類がある

音には種類があり、空気の振動が耳に伝わる音と、壁や床が振動することで伝わる音があります。

そのため防音室には、音の種類にあった遮音構造が必要になります。

固定遮音構造

固定遮音構造は、空気振動による音の遮音に効果がある構造です。

固定遮音構造では、外壁や間仕切り壁に騒音を遮断する材料を使用します。

たとえば、遮音効果のあるコンクリートの壁の室内側の仕上げに吸音材を取り付けるような方法です。

浮遮音構造

浮遮音構造は、壁や床が振動することで伝わる音を遮断する構造です。

振動による音の伝搬は、壁を厚くしても防ぐことが難しい音です。

そのため、振動による音を防ぐ浮遮音構造が利用されます。

浮遮音構造は、固定遮音構造の内側に浮いた箱があるイメージの防音室です。

内側の部屋の壁と建物の間に防振ゴムなどがはいっており、建物本体に振動が伝わらないようにしています。

音の大きさと聞こえ方の目安は?

防音室を作る上で、どのくらいの防音対策が必要になるのかを知ることが必要です。

音の大きさと聞こえ方の目安について解説していきます。

デシベルと音の聞こえ方について

音の大きさはデシベル(db)という数値で表されます。

デシベルと音の聞こえ方について、表にまとめて解説していきます。

また、地域や時間帯によって騒音の基準が各都道府県の条例で定められていますので、若干の違いがあることをご了承ください。

デシベル(db)音の聞こえ方
10無音に近い
20ささやき
30郊外の深夜
40図書館
50換気扇
60乗用車の車内
70セミの鳴き声
80電車の車内
90カラオケ店内
100電車のガード下
110クラクション
120ジェット機
130落雷

楽器などを演奏した際の音の大きさについて

楽器を演奏したりする時に出る音の目安を表にまとめてご紹介します。

デシベル(db)音の種類
10無響室
30コンサートホール内部
80ピアノ
90バイオリン
100クラリネット
110サックス
120トランペット
130ドラム

遮音等級について

遮音等級について表にまとめてご紹介します。

一般的な遮音等級の目標値はD-50~D65です。

遮音等級ピアノ・ステレオ等の大きい音TV、会話等の一般発生音
D-65通常聞こえない聞こえない
D-60ほぼ聞こえない聞こえない
D-55微かに聞こえる通常聞こえない
D-50小さく聞こえるほとんど聞こえない
D-45かなり聞こえる微かに聞こえる
D-40はっきり聞こえる小さく聞こえる
D-35よく聞こえるかなり聞こえる
D-30とても良く聞こえる話の内容が聞き取れる
D-25うるさいはっきり聞き取れる
D-20かなりうるさいよく聞こえる
D-15非常にうるさい筒抜け状態

家に防音室を設ける方法とその費用は?

家に防音室を設ける方法および施工費用について解説していきます。

施工費用はあくまで目安であり、施工範囲が広くなればなるほど高額になります。

また、日中か夜間のどちらで利用できるようにするかによっても、費用が変動します。

防音パネルを設置する方法

防音の種類費用(万円)
防音パネルの設置2万5千円~4万円(1畳)

防音パネルだけであれば、賃貸住宅でも設置が可能です。

部屋自体を改装して防音室にする方法

防音の種類費用(万円)
部屋の防音リフォーム100万円~500万円(6畳)

部屋そのものを改装して防音室にするには施工費用は高くなりますが、遮音等級を上げられるメリットがあります。

防音ブースを設置する方法

防音の種類費用(万円)
防音室の設置160万円~300万円(6畳)
防音室の施工230万円〜350万円(6畳)
設置型防音ブース240万円〜300万円(6畳)

防音ブースを設置する方法は、最も手軽な方法で費用もかからないことがメリットです。

家に防音室を設ける工事の施工方法

次に、防音室を設ける工事の施工方法を確認します。

固定遮音構造の防音室の施工方法

先述のように、固定遮音構造は外壁や間仕切り壁に騒音を遮断する建材を使う方法です。

外壁は、木造よりもコンクリート造の方が遮音できます。

壁内には、吸音材や遮音シートを入れ空気層を設けることで遮音します。

また、防音間仕切り壁とし、天井についても遮音天井、床も遮音床とします。

さらに、窓は二重窓、サッシは気密性の高い防音サッシ、扉も防音扉にします。

浮遮音構造の防音室の施工方法

浮遮音構造の防音室は、振動による騒音を遮断する高性能な防音室です。

遮音性能のある外壁や間仕切り壁の内側に、もうひとつ遮音性能のある箱を作るイメージです。

内側の箱の固定には防振ゴムなどを使用して、振動が外側の箱に伝わらないよう施工します。

防音室では、換気扇や空調の配管なども音の伝搬の原因となることがありますので、注意が必要です。

防音性能のある換気扇を設置し、空調の配管は防振ハンガーなどを利用して吊ります。

家を新築する際に防音室を設ける場合の施工方法

それでは、実際に新築住宅に防音室を設ける場合、どのような施工を行うのでしょうか。

まず、どの程度の遮音能力のある防音室にするかで工事の内容は異なります。

基本は、部屋の壁・天井・床を防音性能のあるもので施工します。

より遮音性能を上げる必要があるのであれば、先述の浮遮音構造の防音室にします。

特にドラムや重低音が響くアンプなどを使用する場合は、浮遮音構造にするのが一般的です。

また住宅は木造であることが多くなりますが、2階に防音室を設ける場合は注意が必要です。

防音室は、遮音するために防音シートなどを貼り付けていくほか、浮遮音構造にする場合は部屋の中にさらにもう一つ部屋がある状態になり重くなります。

そのため構造上耐えられなくなることも考えられますので、専門家に必ず構造計算や検討を依頼してください。

また、防音室の階下の部屋の用途も確認しておきます。

階下の部屋は、防音室を使っているときには使用の少ない部屋や水回りにするプランがよいでしょう。

防音室を設けるリフォームをする場合の施工方法

リフォームで防音室を設ける場合は、壁面や床に防音シートと吸音材を貼りつける方法が一番簡単ですが、それだけでは効果はそれほど高くはありません。

窓からの音漏れも大きくなりますので、二重窓とするほか防音サッシに交換することが望ましいです。

ほかに、壁面や床の遮音性能を高めたのちに、浮遮音構造とするとさらに防音効果が高くなるでしょう。

リフォームで防音室を設ける場合は、部屋が狭くなり天井が低くなることを避けられません。

ほかに比較的気軽に防音室を設置できる方法として、ヤマハやカワイなどの音楽メーカーが用意する防音ブースの購入があります。

防音ブースは組み立て式の防音室になり、部屋の中に小さな小部屋を置くイメージです。

サイズや防音性能などさまざまなものが用意されています。

マンションに防音室を設ける場合も、基本的にはリフォームと同じ内容です。

短期間で設置できる楽器メーカーの防音ブースが検討されることが多くなります。

特にマンションでは、階下には他人が住んでいますので、音漏れや振動に注意します。

重低音のスピーカーやドラムなどの振動による音を遮音するのは難しいため、これらの音については防音室を設けても音漏れを防ぐのは難しいでしょう。

家に防音室を作る上での注意点

家に防音室を作る上での注意点について解説していきます。

賃貸物件の防音工事は管理規約を確認する

賃貸物件で防音工事を行う場合には、管理規約を必ず確認してください。

賃貸物件には占有部分と共用部分があり、窓などの共用部分ではリフォームができないケースがあるからです。

窓は、自室の外にある共有部分という位置付けになっているため、防音室の設置には窓や窓枠も工事する必要が出てきます。

リフォームができる場合であっても、管理組合の許可が必要なこともあります。

防音室設置の目的を明確にする

何のために防音室を設置するのか、目的を明確にすることも重要なポイントです。

防音室の目的を明確にして、資材選びや防音設計をするべきです。

目的に合わない防音室を設置してしまったことにより、後から後悔することもあるので注意が必要です。

熱や湿気対策を検討する

防音室は、気密性が高く、熱や湿気がこもりやすいため、防音仕様の空調設備の設置を検討することをおすすめします。

特に、湿気は楽器にとって大敵であり、室内にカビが生えることもあるので空調設備の設置は必須です。

施工実績の豊富な業者に依頼する

防音室を作る上で防音設計など専門的な知識が必要となることから、施工実績の豊富な業者を選ぶべきです。

ハピすむを利用することで、全国1000社以上の業者の中から最適な業者を選ぶことができるためおすすめです。

こちらから無料で簡単に見積もりが出来ますので、ぜひハピすむのリフォーム費用の無料相見積もりをご利用ください。

家に防音室を作るメリット

家に防音室を作るメリットについてご紹介します。

周囲を気にせず楽器を演奏できる

防音室を作ることで、時間帯や周辺環境を気にせず楽器を演奏することができます。

楽器の練習をする際には、防音室が必須といえます。

映画やゲームを大音量で楽しむことができる

ホームシアターなどを設置して余暇時間を充実させたり、ゲームなどを大音量で楽しむことができます。

周りに迷惑をかけずに楽しみたい方には防音室がおすすめです。

テレワークに活用できる

外部からの騒音を気にせず、静寂な環境下で集中してテレワークを行うことが可能になります。

ただし、あまり静寂すぎても集中力は上がらない場合もあることに言及しておきます。

家に防音室を作るデメリット

逆に、家に防音室を作ることで発生するデメリットについてもご紹介します。

性能や工法に応じてコストがかかる

遮音等級を上げようとすると、性能や工法によってはコストがかかることがあります。

予算の範囲内に抑えたい場合には、遮音等級のレベルがどのくらい必要なのかをしっかりと把握しておくことが必要です。

床の補強が必要になる

防音室を設置すると、その荷重によっては床が抜けてしまう場合もありうるので、床の補強が必要だと考えておきましょう。

また、日本古来の建材である畳には吸音効果があるため、床材として使用するのもおすすめな素材です。

空調の音がうるさい

熱や湿気がこもることから、空調設備が必須の防音室ですが、空調の音がうるさく感じられることがあります。

とくに録音をしたい場合は、空調を全て切っておくことも必要です。

家に防音室を設ける工事を依頼する業者の選び方

次に、防音室を設ける場合にどこに工事を依頼するかを解説します。

住宅建築と音響の知識や経験がある業者を選ぶ

防音室の設置には、音についての専門的な知識が必要です。

また、配管などの設備機器からの伝搬や、ほんの小さなすきまからの音漏れも考えられることから、経験豊富で確実な施工ができる業者を選びます。

まず防音室を得意とする業者数社に見積もりを依頼し、業者ごとの特徴を把握して決定するとよいでしょう。

また、メンテナンスやアフターフォローもチェックポイントになります。

設計事務所はリフォーム費用を抑えてくれる傾向にある

防音室を得意とする設計事務所も多く、高度な専門性をもって設計から施工管理までを請け負ってくれるところもあります。

総合的な設計力があることから、アイデアと工夫によって防音室を設ける費用を抑えてくれる場合もありますので、設計事務所も検討してみるとよいでしょう。

防音リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?

ここまで説明してきた防音リフォームは、あくまで一例となっています。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】岩納年成

大手ゼネコン会社にて、官公庁工事やスタジアム、免震ビル等の工事管理業務を約4年経験。
その後、大手ハウスメーカーにて注文住宅の商談・プランニング・資金計画などの経験を経て、木造の高級注文住宅を主とするビルダーを設立。
土地の目利きや打ち合わせ、プランニング、資金計画、詳細設計、工事統括監理など完成まで一貫した品質管理を遂行し、多数のオーダー住宅を手掛け、住まいづくりの経験は20年以上。
法人の技術顧問アドバイザーとしても活動しながら、これまでの経験を生かし個人の住まいコンサルテイングサービスも行っている。

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