耐震シェルターの価格はいくら?種類別の費用相場や補助金を解説

リビングに設置された鋼製の耐震シェルターと「価格はいくら?」の文字

耐震シェルターの価格は、20万台から300万円を超えるものまで、製品の種類や設置工事の範囲によって大きく異なります。この記事では、耐震シェルターの設置費用や製品例、補助金制度を解説します。

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ベッド型30.5万円から、部屋型25万~150万円、工事込み部屋型275万~363万円、テーブル型41.7万円を比較した図解
家庭用耐震シェルターの種類別価格比較

耐震シェルターとは

耐震シェルターとは、住宅が倒壊するほどの地震が起きた際に、室内に身を守るための空間を確保する設備です。既存住宅に設置できる製品もあり、住宅全体の耐震改修より工期を抑えやすい傾向があります。ただし、工期や在宅施工の可否は、製品の種類、住宅の状態、床補強や内装工事の有無によって異なります。

主な種類は、就寝スペースを守るベッド型と、居室内に安全な空間を設ける部屋型です。部屋型はベッド型より費用と工期がかかる傾向があるものの、寝室など長時間過ごす部屋全体を補強できます。

マンションの居室内に設置できる場合もありますが、すべての住戸が対応しているわけではありません。製品の重量、床の耐荷重、搬入経路、共用部分への影響を確認し、管理規約に従って管理組合や管理会社へ事前に相談する必要があります。工事内容によっては、理事長への申請や理事会の承認が必要です。

※ 参考:国土交通省「居室内の模様替え工事と管理組合への届出」

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耐震基準と耐震シェルター

地震が多い日本では、家屋の耐震対策が欠かせません。1995年に発生した阪神・淡路大震災では、犠牲者の死亡原因の83.3%を、建物の倒壊や家具の転倒による圧死・窒息死が占めました。神戸市のJR三宮駅周辺で行われた調査でも、倒壊した建築物110棟のうち105棟が、1981年の耐震基準強化前に建てられた建物でした。新耐震基準で建てられた建物は、旧耐震基準の建物より被害が少なかったとされています。

新耐震基準は1981年6月1日から適用され、震度5強程度の地震ではほとんど損傷せず、震度6強から7程度の地震でも人命に危害を及ぼす倒壊を生じないことを目標としています。ただし、1981年6月以降に完成した建物が一律に新耐震基準へ適合するとは限りません。建築確認日や耐震診断の結果も確認が必要です。

建築時期は耐震性を判断する目安の一つですが、新耐震基準以降の建物でも、柱の腐食や増改築によって耐震性が低下している場合があります。耐震診断で補強が必要と判断されても、住宅全体の耐震改修は工事が大がかりになり、費用も高額になりがちです。耐震シェルターは、住宅が倒壊した場合でも内部に空間を確保できる構造で、住宅全体の改修に比べて工期と費用を抑えやすく、住みながら施工できる製品もあります。

※ 参考1:内閣府「新天地を安全に暮らそう!」
※ 参考2:国土交通省「マンションの耐震性等についてのQ&A」

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耐震シェルターの種類

耐震シェルターは、主に「部屋型」「ベッド型」「テーブル型」の3種類に分けられます。守れる範囲や設置条件はタイプごとに異なります。

部屋型は居室内、ベッド型は就寝スペース、テーブル型は机の下の空間を守ることを示す図解
耐震シェルターの3種類と守れる範囲

部屋型シェルター

部屋型は、居室の内側に土台を設置して床パネルを敷き、壁パネルと天井パネルを組み合わせて箱状の空間を作るタイプです。床補強が必要な場合もあり、費用は製品や工事範囲によって大きく異なります。製品本体に加えて、運搬、設置、床補強、内装復旧まで含めた総額で比較する必要があります。寝室など、地震発生時にとっさの移動が難しい場所へ設置すれば、夜間の安全確保にもつながります。

ベッド型耐震シェルター

ベッド型耐震シェルターは、鋼製や木製のフレームでベッド周辺の空間を守る製品です。東京都の事例集には、防災ベッドBB-002、安心防災ベッド枠B、耐震ベッド「ウッド・ラック」などが掲載されています。耐荷重、価格、搬入設置費、設置可能な階、工期は製品ごとに異なるため、試験条件と見積もりの範囲をそろえて比較する必要があります。

テーブル型耐震シェルター

地震の揺れを感じたときは、頭を守り、落下物や転倒する家具から離れて、丈夫な机の下などで身を守ることが基本です。ただし、一般的なテーブルが建物の倒壊や家具の直撃に耐えられるとは限りません。テーブル型耐震シェルターを選ぶ際は、公的な事例集への掲載状況、耐荷重試験の条件、固定方法の確認が必要です。東京都の事例集に掲載されている「構-kamae-」テーブルタイプは、2026年度の自治体資料で価格41.7万円、耐重量94.7t以上とされています。

※ 参考1:気象庁「地震について」
※ 参考2:大田区「令和8年度 助成対象となる耐震シェルター等」

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家庭用耐震シェルターの価格相場

2026年8月時点の家庭用耐震シェルターの価格例を、製品タイプ別に紹介します。製品によって税の扱いや、運搬費、設置費、床補強、内装工事を含む範囲が異なるため、条件をそろえた見積もりの比較が必要です。

ベッド型30.5万円から、部屋型25万~150万円、工事込み部屋型275万~363万円、テーブル型41.7万円を比較した図解
家庭用耐震シェルターの種類別価格比較
シェルターの種類費用相場備考
ベッド型30.5万円(税別)+必要な付帯費用から防災ベッドBB-002は本体25万円と組立工事費5.5万円、安心防災ベッド枠Bは41.8万円で搬入設置費などが別途、耐震ベッド「ウッド・ラック」は50万円で搬入設置費が別途です。
部屋型25万~150万円(税別)2026年度の自治体資料には、木質耐震シェルター25万円、剛建46万円、まもルーム95万円、シェルキューブR130万円、耐震健康シェルター命守150万円などが掲載されています。設置費を含むかどうかは製品ごとに異なります。
部屋型(内装・基礎工事を含む)275万~363万円(税込)から安全ボックスは4.5畳275万円、6畳330万円、8畳363万円からです。解体、基礎、鉄骨フレーム、内装、電気工事を含みます。
テーブル型41.7万円「構-kamae-」テーブルタイプは、2026年度の自治体資料で耐重量94.7t以上とされています。

実際の総額は、建物の状態と設置場所によって変わります。自治体の助成を利用する場合は、契約前に対象製品と申請期限を確認し、複数の施工会社から見積もりを取ることが大切です。

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耐震シェルターの設置に活用できる補助金制度

耐震シェルターや耐震ベッドの設置費を助成している自治体がありますが、補助額、対象住宅、世帯要件、対象製品、申請期限は自治体ごとに異なります。

【例1】耐震シェルター等設置助成事業(東京都豊島区)

東京都豊島区では、1981年5月31日以前に建築された2階建て以下の木造住宅に住み、世帯全員が65歳以上または身体障害者手帳1級・2級を持つ方で、住民税の滞納がない世帯を対象に、設置工事費を上限60万円まで助成しています。申請は契約・着工前に行い、2月末までに工事を完了する必要があります。

※ 参考:豊島区「耐震シェルター等設置助成事業」

【例2】耐震シェルター・防災ベッドの設置助成(名古屋市)

愛知県名古屋市では、1981年5月31日以前に着工し、市の無料耐震診断で判定値が1.0未満となった木造住宅を対象に、設置費の2分の1以内・上限30万円を助成しています。非課税世帯は4分の3以内・上限45万円です。こちらも契約・着工前の申請と、同年度2月末までの完了報告が必要です。

※ 参考:名古屋市「耐震シェルター・防災ベッドの設置助成」

自治体への相談から対象確認、申請、交付決定後の契約、工事・完了報告までの流れを示す図解
耐震シェルター補助金の申請手順
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耐震シェルターはDIYで作れるか

耐震シェルターの自作は、おすすめできません。柱や壁の配置には構造上の検討が必要であり、自作では耐荷重や施工品質を客観的に確認することが難しいためです。

自作は耐荷重と施工品質を確認しにくく、専門会社では試験内容と設置実績を確認できることを示す比較図
耐震シェルターを自作せず専門会社へ依頼する理由

また、自治体の助成制度では、評価済みまたは指定された製品だけが対象になる場合もあります。契約前に自治体へ相談し、製品の試験内容と設置実績を確認できる専門の施工会社へ依頼する必要があります。

※ 参考:名古屋市「耐震シェルター・防災ベッドの設置助成」

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耐震シェルターの設置は必要?

日本とその周辺では、マグニチュード5以上の地震が1年間に平均約152回発生しています。これは、2014年から2023年までの気象庁の震源データに基づく数字です。阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震など、大きな被害をもたらした地震も繰り返し発生しています。南海トラフ地震の発生も想定されるなか、日頃から地震への備えが必要です。建物全体の耐震改修が理想ですが、費用や建物の状態によっては実施が難しい場合もあります。その際は、工期や費用を抑えられる耐震シェルターを、身を守るための選択肢として検討できます。

※ 参考:気象庁「世界や日本周辺ではどのくらい地震が起こっているのですか?」

耐震工事は高額

地震対策には住宅全体の耐震改修が有効ですが、東京都が示す木造住宅1棟あたりの改修費用は150万~200万円です。在来工法で、上部構造評点を0.5から1.0へ高める標準的な工事を想定した目安となります。耐震シェルターは、2026年度の自治体資料に掲載された製品では30万円台からあります。ただし、部屋の広さ、材質、内装、床補強、運搬費によっては100万円を超えます。助成制度は自治体ごとに異なるため、契約前に対象工事、補助率、上限額、受付期限の確認が欠かせません。

※ 参考1:東京都「戸建住宅の耐震改修工事」
※ 参考2:国土交通省「補助金・支援制度について」

あわせて読みたい一戸建ての耐震補強にかかる費用は?補助金制度の活用と法改正の影響も

長期間の工事は小さな子どもや高齢者のストレス要因となる

住宅全体を補強する耐震工事は工期が長くなりやすく、騒音や作業員の出入りも発生します。日中の多くを自宅で過ごす高齢者や小さな子どもにとっては、こうした環境が大きな負担になることもあります。生活への影響を抑えたい場合は、短時間で設置できる耐震ベッドや組み立て式の耐震シェルターも選択肢です。一方、基礎や内装工事を伴う部屋型には、10日から2週間程度かかる製品もあります。見積もり時に、工事範囲と生活への影響を確認する必要があります。

耐震工事が難しくても耐震シェルターなら可能な場合も

住宅全体の耐震補強が難しい場合でも、建物に大きな変更を加えず設置できる耐震シェルターなら、導入を検討できることがあります。ただし、施工期間は製品によって異なります。

ベッド型2時間~1日、組み立て式部屋型1日~数日、基礎・内装工事あり10日~2週間の設置期間を比較した図解
耐震シェルターの種類別設置期間

目安は、ベッド型が2時間から1日、組み立て式の部屋型が1日から数日、基礎や内装工事を伴う部屋型が10日から2週間です。工期を抑えたい場合は、搬入、床補強、内装復旧まで含めた日数を見積もり時に確認する必要があります。

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地震用以外の家庭用シェルター

家庭用シェルターは、住宅倒壊時の空間確保を目的とする耐震シェルターだけではありません。放射性物質や有害物質への防護を想定した核・CBRNシェルターや、津波・洪水時の浮揚を想定した水害用シェルターもあります。対象となる災害、構造、気密性、換気設備、試験方法、避難人数は製品ごとに異なるため、耐震シェルターと同じ基準では比較できません。導入前に、想定災害に合う試験結果、維持管理方法、設置場所の安全性を専門会社へ確認する必要があります。

家庭用の津波シェルター(水害用シェルター)の価格は、構造や避難人数、設置方法によって大きく異なります。導入する際は、本体価格だけでなく、運搬費・設置費・維持管理費を含めた総額を専門会社へ確認しましょう。

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