目次
耐震補強工事の必要性
まず、日本の地震がどのくらい多いのか、地震により倒壊してしまった家にはどんな特徴があるのかをご紹介します。
地震の多い日本
内閣府の平成22年度版防災白書によれば、2000年から2009年までの間で、日本付近で発生したマグニチュード6の地震は、全世界の約20%の割合を占めています。
近年でも、2011年の東日本大震災をはじめ、2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震など、甚大な被害を及ぼす大地震が頻繁に起こっています。
日本は海洋プレートと大陸プレートの境界にあるため、プレートが沈む込むことで発生する「プレート境界型巨大地震」やプレートの運動による「内陸域の地殻内地震」などが発生しやすいのです。
地震で倒壊してしまう家の特徴
地震で半壊・全壊してしまった家の多くは、築年数が古く、建築基準法が1981年に定めた「新耐震基準」を満たしていなかったという特徴があります。
例えば、2016年の熊本地震では、旧耐震基準の建物702棟のうち225棟が倒壊、一方、新耐震基準の建物1042棟のうち80棟が倒壊と大きな差があったと国土交通省が発表しています。
新耐震基準は「震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと、震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しないこと」が条件ですが、旧耐震基準ではこの基準はありません。
1981年以前に建てられた家は、旧耐震基準に基づいており「震度5程度の地震で倒壊しないこと」という条件を満たすのみ。新耐震基準と比較すると低い基準となっていることがわかります。
そのため、築40年以上の古い建物に住んでいる場合、今後おこりえる大地震に耐えるため、耐震補強工事をしておくことが、自分と家族の命や生活を守るために必要といえます。
一戸建ての耐震補強工事の流れ
耐震補強工事はまず、今住んでいる家の耐震性を診断するところからスタートします。
この章では、耐震診断の内容、補強工事の内容についてご紹介します。
まずは耐震診断で耐震性をチェック
耐震診断は、地域の役所等で無料で配布されている「簡易耐震診断マニュアル」を元にして、ある程度は自分で確認することができます。
ですが、より精度と信頼の高い診断をするためにはやはりプロによる耐震診断が必要です。
耐震診断は「国土交通大臣登録耐震診断資格者講習」の受講を終了した耐震診断資格者が行います。
耐震診断には、主に「一般診断法」と「精密診断法」の2つがあります。
一般診断法は建物を壊さず、基礎や土台、柱の状態を確認します。
また、図面から建物に必要な耐力壁(筋交いや、構造合板がある壁)の長さを調査し、総合的な耐震性を判断します。
精密診断法は、調査が必要な場所に穴をあけて目で確認したり、サンプルを取るために切り込みを入れて行います。
基礎や土台のバランス、耐力壁の筋交いが基準どおり施工されているかなどを診断し、具体的にどんな耐震工事が必要かを判断します。
一般診断では耐震性があると判定されていても、精密診断を行ったら耐震基準を満たしていなかったという場合もあるため、築年数が古い建物の場合は初めから精密診断を行う方が良いでしょう。
耐震補強工事
写真提供:藤建設
ここからは、耐震補強工事の種類について詳しくご紹介します。
基礎の補強
住宅を支えている基礎がしっかりと耐震構造になっていなければ、倒壊の可能性も高くなります。
例えば、基礎が鉄筋の入っていない「無筋コンクリート」やブロックで作られた基礎の場合、基礎と建物が一体化していないので、水平方向の揺れに弱く倒壊の可能性が高くなると言われています。
この場合は、すでにある基礎を抱き合わせるように、外側にコンクリート基礎を作る補強工事を行います。
既存の基礎と新しいコンクリート基礎はしっかりと鉄筋で結束しておきます。
また、コンクリート基礎にクラック(ひび)が入っている場合、樹脂を充填し強固に基礎を固める修繕工事を行います。
クラックが大きければ、樹脂で固めた上からコンクリートを打ち増しします。
壁の補強
間仕切り壁に代表されるように、筋交いや構造用合板がない壁は、水平方向の揺れに弱いため「耐力壁」にすると耐震性が増します。
筋交いとは、壁の内側に強度を強くするために柱間に斜めに取り付ける部材で、構造用合板は筋交いの間にさらに合板を入れて強度を強くする補強工事です。
耐震診断の結果、耐力壁の数が不十分である場合、必要な箇所に筋交いを増やしたり、新しい壁を増やしたりすることもあります。
壁を増やすと暮らしにくくなる場合は、耐力壁の代わりに「コボット」という金物と「ブレース」という斜め金属部材を天井と床を補強するかたちで取り付けるなど工夫をして補強工事を行います。
柱の修繕
柱が腐っていたり、シロアリ被害を受けている場合は、柱の入れ替えは行わずに、腐敗部分だけ新しい木材に取り換える修繕を行います。
接合部分には耐震用金具を使います。
新しく木材を使用する時は、腐敗防止処理、シロアリ防止処理を行うことで、再発を防ぎます。
また、廊下やバルコニーに面する柱は、外側に鉄筋コンクリートを打ち増しして柱の厚みを増やし、地震の時に柱が変形することを防ぐ補強工事を行うこともあります。
屋根の補強
屋根が瓦やセメント瓦など重量のある素材でできていると、重心が上にあることで揺れが大きくなったり、瓦が崩れて地面に落ちたり、屋根自体が崩れたりする可能性も高くなります。
軽量な屋根材に変えることで、耐震性が改善されるでしょう。
コロニアル、ルーガなど、樹脂を混ぜた繊維と軽量セメントで作られた軽量素材や、最も軽く雨風にも強いと言われている金属屋根が有効とされています。
一戸建ての耐震補強工事の費用
一戸建ての耐震補強工事の費用相場は、100万〜200万円です。ただし、建物の築年数や現在の劣化状況によって、費用や工期が大きく変動します。
ここからは各工事箇所の費用について解説していきます。
耐震診断の費用相場
耐震診断の費用相場は、12万〜25万円です。
耐震診断は既存の建物の構造的強度を調べ、地震に対する安全性を判断する上で必要不可欠な調査です。
ただし建物の大きさや築年数、劣化の具合によっても費用が大きく変わる可能性があることを覚えておきましょう。
基礎の耐震補強工事の費用
基礎の耐震補強工事の費用相場は、10万〜70万円です。
基礎の耐震補強工事はひび割れの補修などの軽微な工事から、コンクリートの増し打ちなどの規模の大きな工事まで様々な工事内容があり、費用も大きく異なることから、このような費用相場となっています。
壁の耐震補強工事の費用
壁の耐震補強工事の費用相場は、25万〜70万円です。これは総額で、補強する壁1箇所につき10万〜15万円です。
壁の補強工事には窓などの開口部を小さくし補強する工事や筋交い、構造用合板、耐震補強金物などを使用して補強を行う工事があります。
3尺スパン(910cm)での補強が一般的となっており、補強する壁量によって費用は大きく変わります。
柱の耐震補強工事の費用
柱の耐震補強工事の費用相場は、40万〜100万円です。
柱の耐震補強工事は現在の柱に金具を用いて補強する工事と、柱や金具を追加する補強工事があります。
柱を追加する場合には大掛かりな解体が必要になるため、費用が高価となります。
屋根の耐震補強工事の費用
屋根の耐震補強工事の費用相場は、60万〜120万円です。これは一般的な住宅(屋根面積が約60平方メートル)の場合の概算です。
屋根の耐震補強工事は主に屋根の軽量化が挙げられます。
使用する屋根材によっても費用は大きく変わりますが、費用相場は1平方メートルあたり1万〜2万円となっています。
ただし下地の状況や屋根形状によっても費用が大きく変わるので覚えておきましょう。
一戸建ての耐震補強工事の優先順位・費用・工期一覧
ここからは一戸建て住宅における耐震補強工事の優先順位や大まかな費用相場、工事期間について解説していきます。
優先順位をつけるメリットについて紹介するだけでなく、一般的な優先順位を費用相場なども踏まえてわかりやすく表にまとめていますので、耐震補強工事を検討している方は参考にしてみて下さい。
一戸建ての耐震補強工事の優先順位
一戸建ての耐震補強工事をする上で大切なのが「優先順位を明確にすること」です。
現在耐震性の弱い部分を優先的に耐震補強を進めることで、万が一大規模地震が発生した際にも避難経路を確保できるなど、ある程度の耐震性を持たせることが可能になります。
また耐震補強工事は全てを行おうとすると、どうしても費用が高額になってしまいます。
そのため予算の都合上補強工事ができないというケースも少なくありません。
このような場合でも優先順位を決めて、優先度の高い工事から進める事で、予算に応じた耐震補強工事を行いやすくなります。
以上のことから耐震補強工事の優先順位を決めることは、非常に大きなメリットがあると言えるでしょう。
一戸建ての耐震補強工事の優先順位・費用・工期の一覧表
耐震補強工事の費用相場、工事期間を下記の表にまとめましたので、まずは表を見ていきましょう。
※優先順位の高い工事から順に記載しています。
内容 | 劣化の修繕(腐敗や蟻害など) |
---|---|
費用 | 約5万〜100万円 劣化具合や範囲によって大きく異なる |
工期 | 約1週間〜1ヶ月 規模による |
内容 | 壁の補強(配置の見直し、壁自体の補強) |
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費用 | 約25万〜70万円 劣化具合や壁面の広さにより異なる |
工期 | 約10日〜1ヶ月 規模による |
内容 | 柱、土台の補強 |
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費用 | 約40万〜100万万円 劣化具合や使用する金具などの数により異なる |
工期 | 約10日〜1ヶ月 規模による |
内容 | 基礎の修繕 |
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費用 | 約60万〜100万円 工法や広さにより異なる |
工期 | 約1ヶ月 規模による |
内容 | 屋根の修繕・軽量化 |
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費用 | 約80万〜150万円 劣化具合や規模による |
工期 | 約10日〜2ヶ月 規模による |
耐震補強工事の優先度は現在傷んでいる部分の補修が最も高く、工事期間が長いものほど優先度が低くなっています。
これは傷んでいる箇所が最も地震による影響を受けやすいことを示しており、傷みの具合によって費用や工期が大きく変わることを見てとることができます。
また基本的にこの優先度は建物が倒壊しないようにするため、構造的に重要な部分ほど優先度が高くなっています。
工事期間が長い箇所も確かに重要な部分にはなりますが、他の箇所から比べれば倒壊のリスクが低いことから優先度が低くなっています。
これを踏まえて、耐震補強の一番の目的は「大規模な地震が起きた際にも人命を守れる家にすること」を理解しましょう。
一戸建ての耐震補強工事はどのくらい効果があるの?
耐震補強工事の有効性を解説する前に、建物の地震への強さを示す指標として耐震等級というものがあるのをご存知でしょうか。
耐震等級は1〜3に分かれており、数字が大きくなるほど地震に強い建物であることを意味します。
耐震等級1は震度6〜7クラスの地震に直面しても倒壊及び崩壊しない程度の耐震性を持っており、人命を優先した建物になっています。
耐震等級2は耐震等級1の1.25倍の耐震性を有しており、人の集まる学校や公共施設はこの耐震等級2以上の耐震性となっています。
耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の耐震性となっており、消防署や警察署など災害発生時の救助活動や復旧活動の拠点となる建物の多くがこの耐震等級3となっております。
耐震等級1の建物は倒壊しないことを基準としていますが、損傷についての基準はないことから一定の損傷は許容しています。
実際に大型地震の際には、耐震等級1の建物は半壊などの損傷を受けている場合が多く、耐震等級3の建物は被害が無い場合が多くなっています。
そのため、現在ではより高い耐震性を持たせるため戸建住宅においても耐震等級3を基準にしている場合が増えています。
これを踏まえて耐震補強工事の有効性について、考えていきたいと思います。
実際のところ、耐震等級を3まで上げるような工事を行った場合には、倒壊の危険性を著しく下げることができます。
また現在の建物が耐震等級1にも該当していない場合には、耐震等級を1まで上げるだけでも建物の崩壊を防げる可能性が高まるので、効果があると言えるでしょう。
一戸建ての耐震補強工事の費用は築年数も目安のひとつ
耐震補強工事は築年数によって、必要な工事の内容が大きく変わります。
そのため、耐震補強工事の費用は築年数も目安にすることができるのです。
ここでは耐震基準がどのように分けられているのか、耐震基準毎に耐震補強工事にかかる費用相場についてを紹介します。
耐震基準の変遷
木造建築は大きく以下の3つの耐震基準によって分けられています。
・1981年より前の耐震基準
1981年より前の建物は旧耐震基準と呼ばれている耐震基準に則った建物になっています。
旧耐震基準は震度5強レベルの地震に耐えられる建物という基準になっており、それ以上の地震がきた場合には倒壊してしまう可能性があります。
地震大国でもある日本ではよく発生しているレベルの震度であることから、耐震基準としては弱く、さらに強い耐震性を持つように改正されています。
旧耐震基準の建物に耐震補強を施す際の工事費用は約150万円〜約200万円が相場となっています。
・1981年〜2000年に建てられた81-00新耐震基準
1981年〜2000年に建てられた建物は新耐震基準と呼ばれている耐震基準に該当しています。
この基準は従来の旧耐震基準よりも壁の量を増やすことで、耐震性を向上させるように定められており、震度6〜7の地震で倒壊しないことを前提とした基準です。
旧耐震基準よりも地震には強くなっていますが、バランスの良い耐震基準となっておらず2000年に再度改正されていることから、耐震性はそこまで高くないと言えるでしょう。
この時期の建物で耐震補強工事を行う場合、工事費用の相場は約120万円〜約160万円となっています。
・2000年〜現在までの現行耐震基準
現在の耐震基準がこの現行耐震基準で、新耐震基準を元に基礎の形状や接合金具の対策、耐力壁の配置を地盤の強さをもとに決める耐震基準です。
現行耐震基準では新耐震基準同様に震度6〜7の地震でも倒壊しないことが前提となっており、バランスを見直されていることから、安心感のある耐震基準と言えます。
そんな現行耐震基準の建物に耐震補強工事を行う場合、費用相場は約100万円〜約130万円となっています。
一戸建ての耐震リフォームをするのにDIYは可能?
結論から申し上げると、DIYでの耐震補強工事は基本的に不可能です。
屋内で家具の転倒や扉の開き止めなどを設置するような耐震対策はDIYでも可能ですが、家の倒壊を防ぐための耐震補強工事は建物ごとに必要な工事内容が変わります。
またどのような工事が必要なのかを判断する際にも高度な専門知識が必要です。
独自の判断で耐震補強工事を行っても、思うような効果が得られない場合もあることから、DIYでの耐震リフォームはおすすめできません。
一戸建ての耐震補強工事を行う際の業者選びの注意点は?
耐震補強工事を行う業者にも悪徳業者が存在しています。
見分けるポイントとして工事費用が極端に安い場合や、不安を煽ったり、アポなし訪問をして営業をするような強い営業をかける業者は要注意です。
悪徳業者が補強工事を受注をする方法で多いのが、飛び込み営業を行って、時間をかけずに現場調査をして施主の不安を煽りながら、安い費用を提示して即契約を結ぶというものです。
他の業者との費用比較や契約内容について考える隙を与えないような業者の場合には注意しましょう。
このような業者を選ばないために大切なのが、工事費用の相場を知ることです。
工事費用の相場は複数業者に対して同じ工事内容の見積もりをとって比較する「相見積もり」によって工事費用の相場を知ることができます。
リフォーム会社紹介サービスのハピすむでは、独自の審査基準をクリアしている品質の高い施工業者のみを斡旋しており、品質の高い業者同士の相見積もりを無料で行うことができます。
品質の高い工事を費用を抑えて実現できるため、耐震補強工事においても活用することで大きなメリットになります。
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戸建て住宅の耐震リフォームが必要とされる理由とは
戸建て住宅に耐震リフォームを行う事例が増えてきていますが、何故耐震リフォームが必要とされているのでしょうか?
日本では1995年に発生した最大震度7の阪神淡路大震災、2004年に同じく震度7を記録した中越地震、2011年に大規模な被害を起こした東日本大震災、2017年の熊本地震など、震度5を超える地震が頻繁に発生しています。
また、太平洋側を震源とする南海トラフ地震の可能性も長年指摘されており、もし実際に南海トラフ地震が発生した場合には東日本大震災を超える被害が起きるとも考えられているのです。
耐震基準による被害の減少度合いを見てみると、2017年の熊本地震では、1981年以降に実施された新耐震基準を元にした建物は被害が少なく、全壊半壊率が約1%だったというデータがあります。
そのため、古い建物を耐震リフォームして新耐震基準に適合した建物にしたり、新しい建物に耐震リフォームを施したりすることによって耐震性を高め、より地震に強い家づくりをする方が増えているのです。
戸建て住宅の耐震診断ではどのような工事を行うのか?
断熱+耐震工事例(施工:バレッグス)
耐震補強工事、耐震リフォームといっても工事の内容はさまざまです。
建物の部位ごとよって必要となる工事は変わりますし、建物の構造や状態などによっても工期や工事内容も変化します。
そのため、自宅の耐震補強工事の際にどのような作業が行われるのかわかりにくいのが現状です。
そこで、木造や鉄筋コンクリート、鉄骨といった戸建て住宅で広く用いられている建築方法別の耐震補強工事についてご紹介します。
木造戸建て住宅に行われる耐震補強工事の内容と費用相場、工期について
木造戸建て住宅の耐震リフォームでは、柱の入れ替えや耐力壁の設置、筋交いの追加、屋根のリフォームなどが行われています。
柱の入れ替えとは、既存の柱を撤去して新しい柱に交換する工事です。
費用は柱の大きさなどによって変わりますが、1本約10万円が相場で、工期は1本なら約2日となります。
耐力壁の設置や筋交いの追加は柱同士を繋ぐことによって横揺れ耐性を増す方法で、家全体に施工する場合の費用の相場は約80万円、工期は約2週間が目安です。
屋根については金属瓦などの軽量な屋根材に葺き替える工事となり、費用は約140万円が相場となり、工期は約3週間となります。
鉄骨戸建て住宅の耐震補強工事と費用相場、工期について
H鋼などを構造材に用いた鉄骨戸建て住宅については、元々高い耐震性があるため、耐震診断を行っても耐震補強工事が必要ない場合も多いようです。
耐震リフォームが必要な場合については、木造の場合と同じく筋交いを追加したり、外壁部分に鉄骨を追加したりするといった工事を行います。
費用や工期については、使用する部材の量や施工箇所の状態などによって大きく変わるため、詳細な情報が知りたい場合にはリフォーム会社に見積もりを依頼すると良いでしょう。
鉄筋コンクリート戸建て住宅の耐震補強工事の工事内容と費用相場、工期
鉄筋コンクリート構造の戸建て住宅については、柱に鉄板を溶接して強度を高めたり、筋交いを柱の間に追加したりするといった工事が行われます。
鉄筋コンクリート造の建物では内壁に石膏ボードなどが良く用いられていますが、このボードを地震に強いものに交換する方法も一般的です。
費用については建物全体をバランス良くリフォームする必要があるため、全体リフォームとなる事例が多く、1平方メートルあたり約2万円が相場となっています。
しかし柱のみを補強したり、ボードのみを交換する事例もあり、耐力壁への交換については約80万円が相場です。
工期については、耐力壁への交換だけなら約2週間が目安ですが、全体リフォームの場合については約1カ月が目安となります。
耐震補強工事の費用相場をまとめると
【基礎工事】
・増し打ち補強工事 ¥45,000~60,000-/M
・新設工事 ¥50,000-/M
【内壁工事】
・¥100,000~150,000-/1か所/巾910mm
※筋交い又は、構造用合板による補強
【外壁工事】
・¥140,000~180,000-/1か所/巾910mm
※筋交い又は、構造用合板による補強
【屋根工事】
・鋼板等への葺き替え ¥15,000~25,000-/㎡
全体の工事を換算すると
平均¥1,500,000-~となります。
耐震診断、耐震リフォームでは補助金や減税を受けることができる
戸建て住宅の耐震診断や耐震リフォームについては全体的に工事を行うとどうしても多くの予算が必要となります。
そのため、予算の都合で本来耐震補強工事が必要な建物であるにもかかわらず、工事ができないという事例もあるのです。
もし、費用が捻出できないことによって耐震基準に満たない建物に住み続けることになった場合、建物が倒壊して住民だけでなく周辺への被害も起こってしまうでしょう。
特に住宅密集地域では倒壊によって道が塞がれた場合、消防や自衛隊、警察などが現場に移動できなくなるため、被害が拡大してしまうかもしれません。
このような問題を解決するために、各自治体では耐震診断および耐震補強工事に必要となる費用の一部を助成する制度を実施しています。
補助額は自治体によって変わりますが、耐震診断ならほぼ全額、耐震改修については上限がありますが、半額近く補助される場合もあるようです。
また補助金以外にも耐震改修を行うと、所得税が減税される制度も実施されています。
これは、対象となる建物に耐震改修を施した場合に費用から補助金を引いた額の10%、最大25万円が所得税から控除される制度です。
どちらの制度も対象となるのは新耐震基準が施工された昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅に限ります。
対象外の建物については減税のみが受けられ、施工費用の10%、最大20万円までが控除される仕組みです。
2つの制度を組み合わせることで耐震リフォームの費用をある程度抑えることができますので、耐震補強工事をお考えの方はお住まいの地域の役所に問い合わせてみると良いでしょう。
耐震リフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。
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