目次
天井の塗装に使われる塗料
外壁の塗装には有機溶剤を使った塗料、または水性塗料が用いられていますが、室内塗装の場合は、できる限り有機溶剤が含まれていないものを使用します。
有機溶剤入りの塗料は乾燥が早く、塗膜が強いという特徴がありますが、室内で使用した場合、臭いの問題や溶剤が揮発することによるシックハウス症候群などの原因となってしまうからです。
屋内、天井などの塗装には水性塗料、特に水性エマルション塗料が主に使われています。
天井用塗料にはどんな種類がある?
屋内用の水性エマルション塗料に使われている樹脂には、アクリル樹脂とウレタン樹脂があり、それぞれ価格と耐用年数に違いがあります。
アクリル樹脂を使用した塗料が最も安価ですが、耐用年数は最大約6年程度と短くなっています。
賃貸向け物件の内装用としては、安価で塗り替えやすいことからアクリル塗料を使うことが多いようです。
ウレタン塗料は耐用年数が最大約9年、価格もアクリルの次に安価ですので、長い間使い続けたい建物などに多く使われています。
この他にもシリコン塗料、フッ素塗料などがありますが、これらは主に外壁に使われているため、内装で使われることは殆どありません。
水性エマルション塗料はどんな塗料?
水性エマルション塗料は、塗料の成分を油分や水分中に満遍なく混合させた塗料で、一般的な水性塗料の大半がこの水性エマルション塗料となります。
水性エマルション塗料の特徴は、水を溶剤として使うことができるため、水道水で濃度を調整できること、臭いが殆ど無いこと、燃えないこと、毒性が少ないことです。
そのため、室内の塗装に使用しても臭いがこもらず、シックハウス症候群などの原因となる揮発物質も出ず、工事中の火花による火災の危険も少なく、安全な塗料として広く利用されています。
ただ、油性塗料と比べると乾燥に時間がかかりますし、塗装面の弱さから、経年劣化によって塗膜が剥がれてしまうというデメリットもあり、定期的なメンテナンスが欠かせません。
天井を塗装リフォームするメリット
天井を塗装リフォームすることには様々なメリットがあります。
まず天井塗装はクロス貼りよりも、デザインや色の幅が広がるというメリットが考えられます。
クロスはデザインや色がある程度限られますが、塗装はデザインも自由自在で、微妙な色合いや質感を出すことも可能です。
そのため施主の好みに合わせて、こだわりの天井塗装が実現するのです。
また賃貸の場合、塗装はクロスに比べて原状回復がしやすいというメリットもあります。
さらに塗料の種類によっては、防音や遮熱の効果があるものもあります。
GAINA(ガイナ)という塗料には、建物の外部や上階からの音の侵入を抑え、内部からの音の漏れを防ぐ効果や断熱や遮熱の効果もあります。
GAINA(ガイナ)を天井に塗装することで、外に逃げる熱エネルギーを封じ込めて、冬暖かい内断熱の効果が期待できます。
天井を塗装リフォームするデメリット
一方、天井を塗装リフォームすることにはデメリットもあります。
天井塗装はクロス貼りよりも、施工後に臭いが残りやすいというデメリットが考えられます。
臭いに敏感な人にとっては気になってしまうかもしれません。
その場合はしばらく窓を開け、換気を行うなどの対処をする必要があるでしょう。
クロスの上から塗装できるものもありますが、下地処理が必要な塗料もあり、その場合は工程が多くなり余分な費用が発生する場合があります。
またクロスの上から塗装した場合、塗料の色が反映されにくいことも考えられます。
そしてクロス貼りに比べて、塗装は乾かすのに時間がかかるため、工期が長くなりがちというデメリットもあります。
天井塗装にかかる費用
天井の塗装にかかる費用は、1平米あたり約1,000円が相場です。
この費用はアクリル塗料を使用し、工賃も含んだ価格のため、下地の調整費用や養生については別料金となります。
下地調整の費用は、ひび割れやへこみをパテで埋める作業が1平米あたり約500円、シリコン樹脂などのコーキング剤で隙間を埋めるシーリング作業が約300円です。
養生費については室内の環境にもよりますが、1平米あたり約5,000円。
一般的な6畳間の場合、天井の面積は約11平米となりますので、天井の塗装リフォームにかかる費用は塗装及び養生、シーリング作業で合計約2万円が目安となります。
この費用はあくまで塗装のみを行った場合の費用ですので、クロスを貼りかえてから塗り直した場合や、足場が必要な場合などは追加費用がかかることに注意してください。
足場の設置費用は、この条件なら約5,000円、廃材の処分費用はゴミの量にもよりますが、約1万円を見ておくと良いでしょう。
天井の材質によって費用はどれぐらい変わる?
室内に使われる材料には、木材や紙、モルタルなど、さまざまな種類があります。
これらの材質の違いによって多少工事内容は変わってきますが、基本的な価格はあまり変わりません。
天井の塗装リフォーム費用を抑える方法
天井の塗装リフォームをする際、なるべく費用を抑えたいですよね。
ここでは天井の塗装リフォーム費用の抑え方についてご紹介します。
相見積もりを取る
天井の塗装リフォームをする際は1社だけでなく、必ず複数の業者に相見積もりを取るようにしましょう。
相見積もりを取ることによって、数社を比較検討できます。
また相見積もりを取っていることを業者に伝えれば、不当な見積もりをされることもなく、適正価格で検討することが可能になります。
自分で複数の業者を探すことが大変な場合は、リフォームの一括見積サイトを利用することをおすすめします。
一括見積サイトでは希望するリフォーム内容や物件の情報を入力するだけで複数の業者の見積もりが取れるので、簡単に自分に合った業者が見つけられます。
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自社施工の業者を選ぶ
天井の塗装リフォームをする際は、自社で施工をしている業者を選ぶことで費用を抑えることが可能になります。
大手のハウスメーカーや工務店などは、実際の施工は外注の下請け業者に依頼する場合が多いです。
下請け業者に依頼すると、同じ施工内容でも中間手数料が余分に掛かる場合が多くなります。
その点、自社で施工をしている業者の場合は中間手数料がかからないので、その分費用を抑えることが可能になるのです。
天井を塗装リフォームする施工手順
実際に天井を塗装リフォームする時の施工手順や全体の流れはどのようになるのでしょうか。
ここでは項目ごとに天井を塗装リフォームする時の施工手順についてご紹介します。
天気の良い日を選ぶ
天井を塗装リフォームする時に大切なことは、天気の良い日を選ぶということです。
クロス貼りに比べると、塗装リフォームは乾くのに日数がかかります。
近年は乾きやすい塗料も出回っていますが、雨の日や湿度が高い時は通常よりも乾きにくくなります。
そのため、なるべく早く乾くように、日程を決める時に天気の良い日を選ぶ必要があるのです。
雨や湿気の多い季節を避けたり、一日の中でもなるべく日中の時間帯を選ぶなどの工夫が必要です。
天井の汚れを落としてきれいにする
まずは塗装をする天井の汚れをしっかり落としてきれいにすることが大切です。
汚れが残っていると、後々塗装が剥げる原因になることもあります。
天井の汚れの落とし方は埃をしっかり取り除いてから、洗剤で拭き掃除をしていきます。
特に天井にカビが発生している部分や、油汚れがひどい部分はしっかり掃除をおこなってきれいにする必要があります。
洗剤で拭き掃除をしたあとは、水分をしっかり拭き取り、完全に乾燥させます。
丁寧に養生をする
天井の塗装リフォームをする時、丁寧に養生をすることが非常に大切です。
養生をしっかりするかしないかで、塗装の仕上がりにかなり差が出てきてしまいます。
養生をする目的は2つあります。
1つは他の部分を汚さないようにするため、もう1つは塗料がはみ出さないようにするためです。
天井の周囲にマスカーを張りめぐらして、廻り縁や壁に塗料がつかないようにします。
マスカーとはビニールと養生テープが一体になったものです。
また床に塗料がつかないように、床一面に養生シートを敷き込み、養生テープで固定します。
塗装場所に合わせた装具で塗る
養生が完了したら塗装をする前の下地処理をします。
パテで亀裂やビス穴をきれいに埋めていきます。
その後下塗りをします。
下塗りは塗料の密着力を高めたり、錆びの防止効果があります。
下塗りが終わったら、中塗りをします。
まず刷毛でローラーが入らない部分を塗っていき、その後ローラーで全体を塗ります。
刷毛にもローラー刷毛やコテ刷毛などいろいろな種類があり、塗装場所に合わせた装具で塗っていきます。
中塗りが終わったら、コーキング剤の一種であるジョイントコークを使って、天井と壁の隙間を埋めていきます。
中塗りがしっかり乾いたあとに上塗りをします。
乾いたら養生を外す
上塗りまでしっかり乾いたら養生を外していきます。
養生を外す時にも作業は丁寧におこないます。
特に天井の周りに張りめぐらしたマスカーを外す時は、塗装部分を傷つけないように細心の注意を払います。
また天井の塗装をすると、床にも塗料がかなり落ちます。
床の養生シートについた塗料は乾きにくいため、床を歩いて養生シートを外す時は、他の部分を汚さないように注意する必要があります。
天井をリフォームするタイミングは?
天井をリフォームするタイミングはどのような時なのでしょう。
どのような変化が出てきたら天井リフォームを検討するべきか、ここでは具体的な事例をご紹介していきます。
天井のリフォームは通常の経年劣化の他に、見た目の変化が現れた時がリフォームを検討するタイミングと言えるでしょう。
例えば、天井の染みや汚れ、変色などです。
特に雨染みがある場合は雨漏りしている可能性があるため、早めに業者に相談する必要があります。
また天井の腐食もリフォームするべき重要なタイミングです。
天井の腐食も雨漏りや湿気によることが多いため、早めにリフォームするべきです。
こうした雨漏りや湿気による染みや腐食は、放置して状態が進んでくると、修復に費用も工期もかさんでくるため、見つけたら早めに対処するようにしましょう。
塗膜の剥がれを塗装で補修できる?
太陽光の当たり方や下地の状態、室内の環境などの要因で一部分だけ天井の塗装が剥がれてしまうことがあります。
このような場合は、剥がれた部分だけの補修も可能です。
塗装の剥がれの補修は、まず剥がれた部分とその周辺にケレンを施し、下地を調整してから周囲の色に合わせて調色した塗料で塗装していきます。
ケレンとはヘラやスクレーパー、サンドペーパーなどを使って既存の塗料を削り落とす作業で、ケレンの出来映えが塗装の強さに大きく影響するため、業者の腕が問われる作業です。
ただ、ある程度色合いは合わせられますが、全く同じ色に調整することはできないため、どうしても多少の違和感は出てしまいます。
もし色のむらが気になるようなら、一部分の補修では無く、全体の塗り直しを考えた方が良いでしょう。
塗装が剥がれた原因を調べておく
天井の塗装が剥がれる原因は経年劣化が多いのですが、まれに雨漏りによる化粧板の変形や躯体内部の鉄筋が錆びて膨張したことが原因となっていることがあります。
このような原因によって塗装が剥がれてしまっている場合は、塗り直してもすぐに駄目になってしまいますし、建物自体がどんどん劣化してしまうので、すぐに屋根の補修も行いましょう。
水漏れが原因の場合、モルタルなら膨らみが、木製なら変形が起こっていることが多いので、気になったときは作業を中断して変形の原因について調べてください。
天井をリフォームする場合に比べて屋根のリフォームは費用が高くなりますが、水分の侵入は建物の寿命を著しく低下させる要因となります。
長く建物を使い続けるためには、気づいた時にこまめなリフォーム、メンテナンスを行うことが重要です。
雨漏りによる染みも塗装でカバーできる
雨漏りによるシミが天井にできた場合も、塗装が有効です。
ただ、通常の塗装ではシミが上手く隠れないので、下塗りに染み止めシーラーという下地剤を塗ってから塗装を行います。
このシーラーはタバコのヤニによる変色も隠すことができるので、タバコによる天井や壁の変色を消したい場合にも再塗装がおすすめです。
天井を塗装リフォームするときの注意点
天井を塗装リフォームするときの注意点には、どのようなものがあるのでしょうか。
具体的に注意点をご紹介します。
天井塗料には種類によって、さまざまな性能の違いがあります。
例えば、防火性能に優れたものや防カビ剤入りのものなどがあります。
塗料を選ぶ時には、自宅のお悩みが解消される種類のものを選ぶとよいでしょう。
天井の色は部屋の雰囲気に直結するため、好みやインテリアに合うように色選びは慎重におこないましょう。
通常、壁の色より明るいトーンにすると、天井が高く、部屋全体も広く見えます。
また天井の材料によっては塗装に向かないものがあったり、下地処理が必要になり費用が余分に発生する場合もあります。
最終的には専門の業者によく相談することをおすすめします。
壁紙・内壁リフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
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