2024年04月11日更新

監修記事

和室を増築する費用は?

和室を増築する、または離れとして新しく作る場合、目安としてどの程度の費用がかかるのでしょうか?1階を改築する場合と2階を改築する場合、リフォームの際に必要となる建築確認申請など、和室を増設する際に注意する点についてご紹介していきます。

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増築では施工箇所によって価格が変化する

既存住宅を改築して部屋を増やす場合、家屋のどこに新しい部屋を作るかによって価格は変わってきます。

これは、1階と2階では工事の際に必要な作業が変わってくることが理由です。

1階に増築する場合、工事は基礎打ち、柱建て、外壁張り、内装工事となりますが、2階に増築する場合、まず1階部分の強度を調査し、2階部分を作っても問題無いか確認しなければいけません。

また、2階に増築するためには、1階部分の屋根を撤去する費用もかかりますし、高所での作業となるため、安全のために足場の設置も必要です。

和室を増築する費用は?

和室を増築するために必要な費用は?

増改築で和室を増やす場合の費用は、部屋の広さを6畳とした場合、1階部分なら約200万円が相場です。

2階に設置する場合は建物の構造や強度などによって多少変化しますが、約300万円が相場となります。

和室の場合、内装に畳を設置するため、フローリングを用いる洋室に比べて高くなるイメージがありますが、一般的な畳を使用する場合、洋室とほとんど施工価格は変わりません。

ただ、国産の畳表を使い、細部にまでこだわった畳を使用する場合は、畳の価格差で和室の方が高くなることもあります。

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離れに和室を作る場合の費用

庭などに土地があり、増築ではなく離れとして新築する場合の費用は、6畳の部屋を作った場合、約250万円が相場といわれています。

離れの建築については、新築と同じように坪単価で計算されますので、この場合の坪単価は約75万円です。

ただ、離れの場合は、木で構造を作る在来工法で建てるか、工場で作られた部材を組み合わせて建てるプレハブ造りにするかによって価格が大きく変わり、プレハブの場合は約200万円が相場となります。

また、離れの場合は照明などの電化製品を使用するために、新たに電柱などから電気配線を引き込む工事も必要となるため、電気工事費用として約10万円を見ておきましょう。

もし、水道などを使用したい、トイレを設置したいという場合は、使用する設備によってさらに施工価格が追加となります。

板の間付きの和室を増築する場合の費用と相場

戸建住宅の1階部分に板の間付きの和室を増築する場合の費用は、6畳で約280万円が相場となります。

畳のみで増築した場合に比べてやや費用は割高ですが、これは床材が2種類であることが理由です。

畳のみまたは板の間のみの場合は床の基礎工事は1種類で済みますが、板の間と畳を利用するために基礎工事も2種類必要となるため、費用が追加となります。

その他の工事、増築部分の基礎工事や壁などの内装、電気工事については、他の工事と同様の流れとなりますので、費用的な違いはありません。

施工期間については床面の工事に多少手間がかかるため、畳のみの場合に比べて約1週間長くなります。

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和室を増築するメリットとは?

板の間付和室の増築費用ってどれくらい?板の間のメリットも解説

畳のみで床を仕上げた場合に比べ、板の間を追加した場合は費用や施工期間などのコストが増加してしまいます。

しかし、和室に板の間を増築することでさまざまなメリットを得ることができるのです。

例えば、壁側を板の間にしておけば、仏壇やタンスを設置した際に畳が傷むのを防ぐことができますし、板の間部分と畳の間に段差を設けて小上がりの板の間にすることで部屋に重厚感が生まれます。

また、和室の窓側を板の間にすることによって洗濯物を部屋干しするスペースとして活用することもできるでしょう。

洗濯物を室内干しすると、湿気が洗濯物の真下に降りてくるため、畳の上では畳が湿気を吸ってしまいます。

そこで、この部分を板の間にすることによって湿気が畳にあたるのを防ぐことができるのです。

さらに、冬場や梅雨時などの結露が気になる時期でも窓から畳までの距離を離すことができるので、湿気の影響を抑えられます。

その他にも、和室に4畳程度の板の間を増築すれば、和室でベッドを使うことができるようになるのもメリットです。

足腰が弱くなると布団から起き上がるのが大変ですが、和室に板の間を増築してベッドスペースにすることで就寝および起床の際に体への負担を和らげることができるでしょう。

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増改築リフォームで和室を作る際に注意することは?

和室に限らず、既存住宅を増改築リフォームして新しい部屋を作る場合、家屋の床面積がどれだけ増加するかによって建築確認申請という手続きが必要となることがあります。

この建築確認申請という手続きは、役所に建築を行って良いか確認してもらう手続きで、増築箇所の床面積が10平方メートルを超えた場合が対象です。

6畳の和室を増改築して新設した場合、面積は10.9平方メートルとなりますので、建築確認申請が必要となります。

建築確認申請では、増設部分の設計書、建物の強度計算など、さまざまな書類を用意しなければなりません。

設計書はともかく、強度計算については必要な情報を計測して計算を行えば経験がなくても作成することはできますが、ミスがあった場合、申請が却下される可能性もあるため、できればプロの建築士などに依頼した方が良いでしょう。

建築確認申請の費用は、申請費用が約3万円、手続きの代行及び書類の作成費用を建築士に依頼した場合は、約30万円となります。

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増築と離れの新築はどちらがおすすめ?

庭などの土地が余っているケースで考えると、既存住宅を改築して部屋を増設する場合と、離れを作る場合ではどちらがおすすめなのでしょうか?

1階部分を増改築リフォームして部屋を増やす場合、施工価格は最も安くなります。

ですが、増改築の場合は既存建物と新しく増築した部分とで見た目が変わってしまうため、建物の外観バランスが悪くなってしまうのです。

これを避けるためには、できる限り増築部分のデザインを既存住宅に近いものにし、既存家屋の外観については屋根と外壁の再塗装を行い、カラーリングを統一すると良いでしょう。

ただ、塗装によるリフォームを並行して行う場合、施工価格が追加で約80万円かかりますので、離れを建てた場合とコストはあまり変わらなくなります。

離れについては、既存住宅の見た目に影響しないというメリットがありますが、移動のために屋外に出る必要があるため、天候が荒れていると、体が濡れてしまう可能性があるのがデメリットです。

屋根付きの渡り廊下や、既存住宅の軒下を通過できるような移動ルートを用意すればある程度この問題は改善できますが、しっかりとした渡り廊下を作る場合の施工価格は、5平方メートル程度のものでも約80万円が目安となります。

また床面積が増えれば、建物表題変更登記も必要で不動産税にも影響がありますが減税対策などの手法もありますので確認しておきましょう。

離れへの移動手段として、渡り廊下を設置するか、既存の建物の屋根伝いに移動できる設計にするかお悩みの方は、まずリフォーム会社に相談して、予算や施工後の使い勝手など、さまざまな点を考慮して選ぶと良いでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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