目次
トタン外壁とは?
トタンと言うと古い家のイメージがありますね。それもそのはず、トタン建築は明治39年につくられたのが始まりです。屋根材や外壁材として広く普及し、工場やガレージ、家の外壁にも利用されてきました。
トタンは鋼板に亜鉛をメッキしたもので、軽量で安価ですが、錆びやすいことや断熱性が低いことが欠点です。錆びてしまうと見た目が悪いだけでなく、次第に剥がれてしまったり雨漏りの原因にもなってしまいます。
古くなったトタンをほかの外装材に張替えて、新築のような外装によみがえらせましょう。外壁リフォームにおすすめの外壁材の特長と、その価格や施工費用の相場をまとめました。
住宅外壁の種類
住宅の外壁は主に、モルタル外壁、タイル外壁、ALC外壁、そして近年最も主流となっているサイディングボード外壁があります。
モルタル外壁
砂とセメントに水を調合して練り合わせたものを、左官職人により塗り固められた外壁で、昭和50年代の住宅に広く普及していました。
職人の技によって、さまざまな仕上がりを表現できます。耐震性、耐火性に優れていますが、経年によるクラック(ヒビ)が発生することが欠点です。定期的なクラック補修や外壁塗装が必要です。
タイル外壁
粘土や陶土を高温で焼成した板状の外壁材で、耐久性や耐火性が高いことからマンションなどにも多く使用されています。デザインやカラーが豊富で高級感のある外装に仕上がりますが、他の外壁材に比べて高価です。
外壁塗装なども不要で、無機質素材のため劣化することはありませんが、目地材や目地のコーキングは劣化するので定期的なメンテナンスが必要になります。
ALC外壁
へーベルハウスで採用していることで有名なALC外壁とは、軽量気泡コンクリートのことで、通常のコンクリートの四分の一の重量と言われています。
コンクリートの耐火性も持ち合わせつつ、気泡を含むALCは断熱性にも優れています。しかし、水に弱く塗装が剥がれると劣化も早まるので、定期的な外壁塗装が欠かせません。
サイディングボード外壁
近年、最も主流となっているのがサイディングボード外壁です。サイディングとは外壁に張る仕上げ材のことで、窯業系サイディングと金属系サイディングが多く使われています。
工場で成型されたサイディングボードを外壁に張るので、施工期間が短く工事費用も安くなることがメリットと言えます。
窯業系サイディングボード
窯業系のサイディングボードは、セメント質や繊維質の石や粘土などを原料とした外壁材です。現在の新築住宅のうち約7割が窯業系サイディングの外壁だと言われています。
原料に圧力をかけて釜で成形しますが、その際に型をつけることで、レンガ風やタイル風、木目調、石積み調などさまざまなデザインをつくることができます。
金属系サイディングボード(ガルバリウム鋼板)
金属系サイディングの代表格がガルバリウム鋼板です。亜鉛メッキのトタンに対して、ガルバリウム鋼板はアルミニウムが55%、亜鉛43.4%、シリコンが1.6%の割合で金属メッキされています。
ガルバリウム鋼板は軽量で、窯業サイディングの約3分の1と言われています。また、錆びにくいことが利点で、トタンの3~5倍の耐食性があります。
デザイン性においては「倉庫みたい」「トタンみたい」と敬遠される方もいますが、今ではカラーバリエーションも豊富で、独特な質感はモダンでスタイリッシュな外装に仕上がります。
トタンの張替えには施工が簡単なサイディングがおすすめ
トタン外壁の張替えには、工事が簡単なことからもリフォームにも適しているサイディングボードがおすすめです。
まず、既存のトタンと下地を取り外し構造躯体の骨組みだけの状態にします。張替えは重ね張りとは異なり、構造躯体の補修や補強と新たな下地をつくることで、見た目だけではなく壁の質、機能、強度を上げることにもなります。
また、古いトタン外壁では断熱材を使用していないケースもあります。断熱材を入れ防水シートを張った上からサイディングボードを施工し、継ぎ目にシーリング材を打ち込みます。その際に木部構造体の劣化のチェックなどを行い必要に応じて耐震補強なども検討されるとよいでしょう。
トタンを他の外壁材に張替える工事価格の相場
外壁の面積や外壁材の価格によっても変わってきますが、一般的に外壁リフォームの費用の相場は、重ね張りで約150万円~、張替えで約200万円~と言われています。
窯業系サイディングボード:約4,000~6,000円/1平方メートル
金属系サイディングボード(ガルバリウム鋼板):約3,000~5,000円/1平方メートル
タイル:約8,000~1万5,000円/1平方メートル
ラスモルタル塗り:約4,000~5,000円/平方メートル
ALCパネル:約5,500~8,000円/平方メートル
足場設置費用:約600~800円/1平方メートル
施工価格:約2,500~3,000円/1平方メートル
既存外壁材の撤去費用:約1,000円/1平方メートル
シーリング打ち込み:約5万~10万円
運搬費や諸経費:約10万~20万円
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屋根のリフォームもセットで行う場合
外壁リフォームの際には、足場を組むことから屋根も同時にリフォームを行うと、合理的で費用も割安になります。足場の設置費用を、外壁のみの場合と屋根も同時に行う場合で比較してみましょう。
30坪の住宅の場合の足場設置費用(単価:600円として)
外壁のみ:118.8平方メートル×600円=71,280円
外壁と屋根:187.8平方メートル×600円=112,680円
以上のように、足場設置費用の差は約4万円程度です。
屋根のリフォームする費用の相場は
屋根のリフォームは、塗装、重ね葺き、葺き替えになります。それぞれのリフォーム費用の相場は以下の通りです。
屋根塗装:約50~100万円
重ね葺き:約100~120万円
葺き替え:約120万円~
トタンの基礎知識について
外装材として使われることの多いトタンですが、トタンを含む波板には様々な種類のものがあります。ここでは波板の数種類をピックアップしてそれぞれの特徴をご紹介します。
トタンとは
トタンとは鉄板の表面を亜鉛でメッキしたもののことをいいます。近年では屋根材としての使用頻度は徐々に少なくなってきているようですが、まだまだ多くの方に利用されています。
このトタンの一番のメリットは何かと言うと、他の屋根材と比較して価格が安いということです。もちろん経年劣化はありますが、設置当初は雨漏りの心配もなく少ない費用で屋根を設置することができます。
逆にデメリットは降雨時に雨音がうるさいことや、外見が安っぽくなってしまうことです。
また、表面の亜鉛メッキが傷ついて剥がれてしまった場合、内側の鉄板が錆びて穴が空いてしまうことがあったりと、他の屋根材に比べて耐用年数が短いというデメリットがあります。
トタンは波板の一種です
建築外装材の波板は素材によって複数の種類に分類されますが、ここではトタン以外の3種類についてご紹介します。
塩ビ波板
硬質塩化ビニル樹脂製の波板は他のタイプよりも安価で手に入りやすいです。また、柔軟性があり加工が簡単であるため、素人でも扱いやすい建材であると言われています。
塩ビは紫外線により劣化してしまうので、直射日光が当たる場所では耐用年数が短くなります。そのため、日陰で雨風をしのぐ目的で使用されるケースが多いようです。
塩ビ網入り波板
硬質塩化ビニル樹脂波板の中に強化ガラスでできた網状の繊維を挟み込み、強度を増したものでガラスネット波板とも呼ばれています。通常の塩ビタイプの波板の耐用年数が約2~3年であるのに対し、こちらのガラスネット波板は約5~7年の耐用年数があります。
色は透明で光を通すためある程度採光が必要な場所、たとえば車庫などでよく使用されます。
ポリカ波板
ポリカーボネート波板は安価で耐久性が高いことが特徴で、様々な場所で広く利用されています。塩ビタイプの波板よりは価格が高いですが、耐用年数は約10年とガラスネット波板の2倍の耐久性を持ちます。
また、ポリカ波板は紫外線を通さないため小屋や車庫の屋根としては優秀ですが、農業用の温室の屋根などには向きません。
ポリカ波板には裏表があるため、設置する際はシールを目安に裏表を間違えないよう気を付けましょう。
トタンなど波板の形状について
トタンを含む波板は形状によって小波、大波とそれぞれ別の言い方をします。
小波
波同士の間隔が約32mm、谷の深さが約9mmで一般的に波板と言うとこちらの小波のことを指すことが多いようです。
大波
波同士の間隔が約76mm、谷の深さが約18mmと小波の2倍近くの厚みを持ちます。大きな倉庫や工場などの屋根材として主に使用されています。
外壁のトタンリフォームにかかる費用相場とは
外壁のトタンリフォームに掛かる費用相場についてご説明します。
同じトタンに張り替える場合
既存のトタンと同じものに張り替える場合は、まず既存のトタンを剥がします。その場合の撤去費用が1平方メートルあたり約800~1,200円が相場です。
新たに張り付けるトタンの種類によって張り替えの費用は異なりますが、外壁の面積からおおよその費用を試算することが可能です。
サイディングに張り替える場合
サイディングとはサイディングボードとも呼ばれている外壁の仕上げ材の一つです。近年新たに建築されている住宅の外壁には、ほとんどこのサイディングが使用されています。
多くのサイディングは工場で成形され、現場ではシーリング等を使用してサイディングを外壁の下地に張り付けていきます。
そのため、塗り壁と比べるとサイディングは施行が簡単で工期もあまりかかりません。また、工事費も安く耐久性も高いため、よく使用されているようです。
サイディングには主に窯業系サイディングと金属系サイディングに分類されます。それぞれの違いについて見ていきましょう。
窯業系サイディング
窯業系サイディングはセメントや粘土、繊維質の原料を元にして作られます。これに強い圧力をかけて成形するため密度が高く、耐震性・耐火性・遮音性に優れた壁材となります。
また、窯業系サイディングは成型時の圧力をかける際に型押しすることによってレンガやブロックのような模様を自由に付けることができます。
費用は1平方メートルあたり約3,000~5,000円が相場のようです。
金属系サイディング
金属系サイディングの特徴は何といっても軽量で扱いやすいことです。重さは窯業系サイディングの約3分の1とも言われ、壁の面積が広い倉庫や工場などで利用されています。
また、金属系サイディングは金属でありながら錆びにくいという特徴もあります。金属系サイディングの主な原料はガルバリウムで、表面をアルミニウムや亜鉛でコーティングされているため耐久性が高くなっています。
費用は1平方メートルあたり約4,000円が相場のようです。
その他(樹脂や木材)
上記以外のサイディングも存在します。たとえば樹脂を使用したものがありますが、こちらは主に塩化ビニ-ルを原料としています。
塩ビは防水性が高く、金属でもないため腐食や錆の恐れがありません。しかし、塩ビは紫外線を浴びることで劣化してしまうので、表面を塗装してコーティングする必要があります。
樹脂サイディングの費用は1平方メートルあたり約6,000~10,000円が相場のようです。
他にも木材を使用したサイディングもあります。木材なので他のサイディングと比べると防水性はやや劣りますが、木ならではの温かい印象やぬくもりを感じられます。
費用は1平方メートルあたり約6,000~8,000が相場のようです。
トタンの外壁をおしゃれにリフォームする方法はあるのか
最近ではあまりトタンを外壁とした住宅を見ることは少なくなりましたが、トタンの外壁をおしゃれにリフォームする方法はあるのでしょうか。
ここではトタンリフォームのポイントの一例をご紹介します。
トタン外壁にありがちな失敗
トタンは他の壁材よりも比較的安い費用で手に入るため、壁材として利用することもあります。しかし、風雨にさらされることによって色あせや汚れが目立つようになったり、錆びてしまうことがあります。
また、トタンは昭和時代に良く使用されており、安っぽいイメージや工場や倉庫のような無機質なイメージを持つ人も少なくないのではないでしょうか。
近代住宅では、ほとんどの外壁がサイディングを利用しているたので、トタンの外壁では街並みから浮いてしまうという心配もあります。
トタンでもおしゃれに張替えるポイント
ネガティブなイメージも多いトタンですが、そのようなトタンでもポイントさえ押さえておけば、おしゃれに張り替えることも可能です。
昭和の時代と比べると、近年はデザイン性の高い様々な色やデザインのトタンが市場に出回っています。一色のトタンで統一するのではなく、明るい色と濃い色を組みあわせることによってデザイン性を高めるという方法があります。
壁材としては安価でありふれたトタンですが、組み合わせ次第では十分今の街並みにも映えるおしゃれな外壁とすることができるでしょう。
diyはおすすめしない
トタンは年月が経つごとに劣化してしまいます。表面の色褪せ程度であれば塗装し直せば一見綺麗になりますが、トタンそのものが新品になるわけではなく、残りの耐用年数は着実に減少していきます。
色あせがあるということはトタンの素材の金属部分がむき出しになるということであり、金属の腐食は進んでいるため、トタンも劣化していると考えられます。
このような状態になると、トタンを張り替えることをおすすめします。トタンの張り替えはdiyでもできなくはないのですが、専門業者へ依頼した方がよいでしょう。
なぜなら、トタンの張り替えは高所作業となるため、慣れない素人が作業すると思わぬ怪我やトラブルの原因となってしまう可能性があるからです。
また、トタンのつなぎ方を誤ってしまうと降雨時にそこから浸水し、雨漏りの原因となり得るだけでなく、せっかく張り替えたトタンの寿命を早めてしまう恐れもあります。
外壁のトタン貼替えをリフォーム業者に依頼する際の最適な選び方について
トタンの張り替えをリフォーム業者へ依頼する場合、どの業者に依頼すべきか迷ってしまうこともあるかもしれません。そのような時には次のポイントに注意して業者を選びましょう。
取り扱う素材の種類が多い
多くの素材を扱っているリフォーム業者であれば、それだけ依頼主の要望を実現できる可能性があります。
素材の種類数という制限がある中で、妥協してリフォームするのでは満足のいく外壁にはならないでしょう。
施工実績が豊富
施行実績が豊富な業者は、それだけ工事の技術を持っていると考えられるため、仕上がりに期待できます。また、依頼主が気付かないような新たなアイデアや他での施行事例を紹介してくれるかもしれません。
最適なプラン提案を受けるために
リフォーム業者へプラン提案を依頼する際には、リフォーム範囲や予算などを明確にし、希望のデザインをイメージできる写真や図面をそろえおきましょう。
業者からの提案をたたき台にしてプランを煮詰め詳細を変更して行くことで、より希望に近いリフォームを実現させましょう。
なぜトタンは外壁材として選ばれているの?
近年、住宅外装材としては少なくなりましたが、古くから外壁材として多くの家屋に使われてきたトタンは、なぜ選ばれてきたのでしょうか。
溶融亜鉛メッキ鋼板の特徴
溶融亜鉛メッキ鋼板は、鉄の素地の上に亜鉛でメッキが施され、その合金化反応により密着性が高くなっている素材です。一般的に「トタン」と聞いて真っ先に思い浮かべるものが、この溶融亜鉛メッキ鋼板です。
多少の衝撃や摩擦でメッキが剥離することはあまりなく、メッキが剥離しないということは、その分錆びにくい素材であると言えます。
このように優れた密着性による錆びにくさが溶融亜鉛メッキ鋼板のメリットです。
また、様々な外壁のサイズに合わせてメッキができるので、施工しやすいのも特徴です。10m以上の大きなサイズでも対応が可能だと言われています。
さらに、どのような形のものでも均一にメッキが施せるという特性もあり、変形型の壁の場合であっても施工することができます。
そして何よりも安価であるというメリットがあります。さらに錆びにくいので長期に渡ってメンテナンスをしなくてもよいという点も魅力です。
様々な環境の違いで多少耐久性は異なりますが、他の防錆法の製品と比べると最も長持ちする経済的なトタン製品だと言えるでしょう。
金属系サイディング建材の特徴
金属系サイディング建材は、鉄製の金属板の上に発泡系の樹脂断熱材を施工してつくられているもので、近年ではガルバリウム鋼板が用いられているタイプの人気が高まっています。
メリットとしては、金属としての風合いや質感がありながら高性能の樹脂断熱材を施しているので断熱性に優れているというところです。
また軽くて施工しやすいという点や、耐凍害性に優れており寒冷地にも適しています。そして安価である点もメリットです。
ただデメリットとして塩害に弱く、衝撃で凹んだ場合に部分的な補修がしにくいという点があります。
またデザインや色がそれほど多くないという点も挙げられます。
しかし、金属系サイディングは、重厚感やメタリックな雰囲気があり、他の外壁材にはない魅力があります。外壁が傷ついた時に早めにメンテナンスを行えば、あまり経費もかからずに補修ができますのでなるべく早い段階で施工業者に相談すると良いでしょう。
トタン外壁材にはどのような種類があるの?
一般的なトタン外壁材としてよく見られるものは、木目調のプリントされているものや波状になっているものではないでしょうか。しかしトタン外壁材には、このほかにも様々な種類のものがあります。
プリント鋼板
トタン外壁に木目調などのプリントを施しているもので、種類も比較的多くモダンなデザインのものもあります。
波トタン
波トタンには大きく分けて小波タイプと大波タイプがあります。近年では一般的な住宅の建物よりも、倉庫などに使用されることが多くなっています。
小波タイプのトタンは、昭和の頃には一般の住宅でもよく使用される外壁材でした。また大波タイプは、主に倉庫などで現在でも使用されています。
波トタンは、強度があり安価であることがメリットで錆びても塗料も塗りやすく補修が容易にできます。
角波トタン
角波トタンは、強度がありリ-ズナブルなので主に倉庫や工場、店舗などで使用されることが多いタイプです。
ただ錆びてしまった箇所の塗り替えの補修をする時には、塗りムラができないよう、塗り継ぎをする場所の塗装や補修に注意を払う必要があります。
スパンドレールトタン
スパンドレールトタンはビスや釘頭が見えにくい仕様になっているトタンで、外壁にも使用されますが、その多くはガソリンスタンドなどの広い天井などで使用されています。
形状が特殊なため、塗装にはある程度の技術が必要です。
リブ波トタン
リブ波トタンは波トタンのように均一な間隔で凹凸があるのではなく、平面の幅が広く波の凹凸の幅が狭いタイプのトタンです。
和風の建物の外壁材として今でも使用されおり、塗り替えの際には釘部分に塗りムラが発生しやすいため注意が必要です。
トタン外壁のメンテナンスと耐用年数との関係とは?
トタン外壁は、塗装している塗料の種類や施工の仕方によって耐用年数やメンテナンスが必要な年数が異なります。
しかし塗り替えや張り替えなどのメンテナンスは、耐用年数に満たなくとも、外壁を定期的に点検して、塗装のはがれや傷などが見られた場合には早急に行うようにしましょう。
トタンの塗装に使用される塗料には様々なものがありますが、一般的に需要が多いのは、ウレタン塗料です。ウレタン塗料の耐用年数は、約5年から約10年と言われています。
またその他にもフッ素塗料などのハイグレードなものも使用できます。
ただトタンの外壁では、サビに弱いことが一番の問題となります。トタンの外壁材が錆びてしまった場合には塗装だけでは対処できないケースがあるのです。
その場合には張り替えが必要です。トタン外壁の張り替えをする時には、材料費だけでなく今使用している外壁材の撤去や足場の設置、さらに養生などの費用がかかります。そのため塗装する場合よりも費用は高くなります。
サビの発生が見られたらできるだけ早めに対処し、補修費用がかさまないようにすることをおすすめします。
トタン外壁リフォームの流れとかかる費用相場
トタンの外壁の張り替えリフォームは、次のような工程で行われるのが一般的です。
トタン外壁リフォームの流れ
【1】足場設置
リフォームを行うのが1階の場合でも高所になる所が広範囲にあるため、安全性の確保のために足場を設置します。足場があると安定して作業できるため、より確実で効率的に作業を行えるようになります。
【2】既存のトタン外壁材の撤去
張り替えの際には既存のトタン外壁材を取り除きます。留めてあったボルトをはずすなどしてトタンの外壁材をすべて撤去します。
【3】下地処理
既存のトタン外壁材を取り除いたら、外壁材下の防水シートや骨組みなどにヒビや破損している部分がないかを点検して、破損などが見られた場合には補修をします。
万が一雨水が外壁材の中に浸入しても室内まで浸透しないようにしっかりと補修をしておく必要があります。
次に外壁材を張る準備として防腐処理のされた杉材などを用いてトタンを固定するための胴縁をつくります。胴縁に用いられる素材の中には、やや高価ですが樹脂製で木材のように腐食することのないものもあります。
また、サッシなどの周辺には、水切りという施工が行われます。
【4】トタン外壁施工
使用するトタン外壁材をサイズに合わせて、専用のはさみなどでカットして加工し、壁にはめ込みます。固定できたら胴縁部分にビスを打ち込み固定します。
また既存の外壁を取り除かず、既存外壁の上に新しい外壁材を重ね張りするという施工も可能です。工事の期間を短縮できますが、既存の壁が破損や老朽化によって飛び出したりへこんだりしている場合にはかなり難しい作業となります。
【5】足場の解体
トタン外壁材を張り終えて、問題の箇所がないかなどの点検が終了したら養生を取り外します。その後は足場を解体して作業は完了です。
トタン外壁リフォームにかかる費用の相場
トタン外壁のリフォームでは、外壁の面積や外壁材に使用する素材の種類によって価格もかなり変わってきます。
外壁のリフォームの費用の相場としては、トタン外壁を既存の物の上に重ね張りする工事でおよそ約100万円から、すべて新しいものい張り替える場合は約150万円程度とされています。(約40坪の2階建て)
トタンの外壁を張るリフォームにかかる各費用相場の詳細は主に次のものです。
【トタン外壁材費】
張り替えるトタンの材料費としては、1平方メートルあたり約1,500円から約3,000円程度が相場でしょう。
【解体撤去費】
既存外壁材を解体して撤去する費用の相場としては、1平方メートルあたり1,000円程度です。
【足場代】
足場の設置費用は、1mあたり約800円程度です。しかし設置場所の難度や持ち込む足場資材の運搬の程度、設置人数によってかなり費用に差が出ます。
【諸経費や資材の運搬費】
トタン外壁材やその他の部品、工具などの運搬費や諸経費でおよそ約10万円から約20万円程度は必要でしょう。
【施工費と人件費】
トタン外壁の施工費としては、1平方メートルあたり約3,000円が目安ですが、人件費は工期の長さなどによってかなり差があります。効率的に作業してもらえるように施工日の調節などをあらかじめしっかりと相談しておきましょう。
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