マンション外壁タイルの劣化症状と修繕方法は?打診調査や費用相場も解説

マンション外壁タイルの劣化症状と修繕方法を示すサムネイル
マンションのタイル外壁は耐久性が高い一方、目地やコーキングが劣化すると浮き・剥離が進みます。剥離したタイルを放置して落下事故が起きた場合、管理組合が損害賠償責任を問われる可能性もあるため、計画的な点検と修繕が欠かせません。 定期報告制度の対象となるマンションでは、おおむね10年に一度、落下のおそれがある外壁部分を全面打診・赤外線調査などで確認する必要があります。この記事では、タイル外壁の種類や耐用年数、劣化症状、打診調査の周期、補修工法、費用相場、落下事故時の責任までを解説します。
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マンション外壁タイルの劣化範囲と落下リスクから小規模修繕または大規模修繕を判断する図解
大規模修繕と小規模修繕の判断

マンションのタイル外壁の種類

外壁タイルは、吸水率の違いから磁器質タイル・せっ器質タイル・陶器質タイルに分類されます。なお2008年のJIS改正(JIS A5209)で吸水率の区分はⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類へと整理され、おおむね磁器質=Ⅰ類、せっ器質=Ⅱ類、陶器質=Ⅲ類に対応します。

タイルの種類(JIS区分)吸水率外壁適性
磁器質タイル(Ⅰ類)3%以下◎
外壁に最適
せっ器質タイル(Ⅱ類)10%以下○
外壁に使用可
陶器質タイル(Ⅲ類)50%以下△
主に内装向き

吸水率が低いほど水が浸透しにくく、凍害にも強いため、マンションの外壁には磁器質タイル(Ⅰ類)が最も適しています。ここでは、それぞれのタイルが持つ特徴を解説します。

【種類1】磁器質タイル

石英や長石などを1250℃の高温で焼いて作られた磁器質タイル。このタイルは耐久性が高く、水に強いのが特徴です。吸水率はわずか3%以下で、湿気や寒暖差に強く、特に雨の多い地域や寒冷地に適しています。耐久性・耐水性が高いので、外装はもちろん、水まわりの壁や床に使われていることが多いタイルです。また、表面は透明感があり美しい仕上がりになるため、高級感のある印象を与えます。

【種類2】せっ器質タイル

せっ器質タイルは、長石や粘土などを約1200度で焼いて作られています。素地は硬く、耐久性に優れています。吸水率は10%以下と言われ、磁器質タイルよりも耐水性が低いタイルです。せっ器質タイルを使用した建物は、素朴で自然な風合いになり、あたたかい雰囲気をつくり出します。

【種類3】陶器質タイル

陶器質タイルは、陶土や石灰などを1,000度前後で焼いて作られるタイルです。表面に細かな穴が多く、水を吸いやすい特徴があります。吸水率が高いため外装には向きにくい一方、加工しやすく、さまざまな形状やサイズに対応しやすいため内装でよく使われます。

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マンションのタイル外壁の耐用年数

タイル外壁の耐用年数は、20~40年が目安です。

タイルの種類耐用年数
磁器質タイル30~40年
せっ器質タイル30~40年
陶器質タイル20~40年

ただし、耐用年数は建物の立地環境や自然災害の影響によって変わります。

また「タイル本体が長寿命=メンテナンス不要」ではないという点にも注意が必要です。タイルそのものは30年以上もちますが、タイルを固定する目地モルタルや、伸縮目地のシーリング(コーキング)の寿命は5〜10年程度しかありません。この目地やシーリングが先に劣化して雨水が浸入することで、タイルの浮き・剥離が進行します。

そのため、おおむね7〜10年に一度はシーリングの打ち替えや劣化診断を行い、後述する築10年超の「全面打診調査」や12〜13年周期の大規模修繕と合わせて計画的にメンテナンスすることが、タイル外壁を長持ちさせる鍵になります。劣化を確認したい場合は、専門業者に「打診検査」を依頼し、必要であれば補修を検討しましょう。

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マンションのタイル外壁の施工方法

タイル外壁の施工方法は、主に湿式工法と乾式工法に分けられます。それぞれの特徴を見てみましょう。

【方法1】湿式工法

湿式工法は、昔からよく採用されている伝統的な工法です。モルタル・コンクリート・漆喰などを現場で水と混ぜ合わせ、下地の上から手作業で仕上げます。

  • メリット
    手作業でおこなうため、外壁の仕上がりに個性が出る
    カビやダニの繫殖を防止できる殺菌作用がある
  • デメリット
    工期が長い
    手作業でおこなうため、施工費用が高くなる場合もある
    高い技術力が求められる

湿式工法は施工期間が長く、費用もかかりやすいため、現在は採用されるケースが限られます。一方で、素材感を活かしたあたたかみのある外観や、手仕事ならではの個性を出しやすい工法です。

【方法2】乾式工法

乾式工法は、工場で製造されたパネルや合板などの既製品を現場で組み立てる工法です。現在の外壁では主流な施工方法で、主に外壁でサイディングボードを採用するときに使用されています。

  • メリット
    工期が短い
    技術力は関係なく、一定の品質で仕上げられる
    施工費用を抑えられる場合がある
  • デメリット
    仕上がりに個性が出にくい
    つなぎ目が気になる場合がある

乾式工法は湿式工法とは異なり、乾燥期間を設ける必要がないため、施工期間を短縮できます。

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マンションにタイル外壁を採用するメリット・デメリット

マンションの外壁にタイルを採用すると、次のようなメリット・デメリットがあります。

  • メリット
    耐久性が高い
    将来におけるメンテナンスの頻度や費用が抑えられる
    防火性が高い
    デザインの種類が豊富で高級感を出しやすい
  • デメリット
    施工費用が高い
    経年でタイルが剝離する場合もある
    施工期間が長くなる場合もある
    高い技術力が必要

タイル外壁の施工には、サイディング外壁よりも高い技術力が求められます。経験の少ない業者に依頼すると、数年でタイルがゆがんだり剝離したりするおそれがあるため、施工実績が豊富な業者を選びましょう。

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マンションのタイル外壁の劣化症状

マンションのタイル外壁で見られる主な劣化症状は、「浮き・剥離」「亀裂(ひび割れ)」「コーキング(目地)の劣化」の3つです。なかでも浮きは剥離・落下に直結する危険な症状で、亀裂は雨水の浸入による雨漏りや下地の腐食を招きます。いずれも早期発見・早期補修が重要です。

マンション外壁タイルの浮き・剥離、亀裂、コーキング劣化と落下リスクを示す図解
外壁タイルの主な劣化症状

【劣化症状1】外壁タイルの剝離

タイルを固定する接着剤やモルタルが劣化すると、タイルが剝離します。放置すると落下して通行人にあたる危険性があるため、タイルの剝離が発覚した際は早めに修繕しましょう。

【劣化症状2】外壁タイルに亀裂

亀裂から雨水が浸入すると雨漏りを引き起こす可能性があります。亀裂から発生した雨漏りによって防水性が低下するため、定期的な点検と修繕が重要です。

【劣化症状3】コーキングの劣化

外壁のコーキングが劣化すると、タイルの浮きや剝離につながります。すでに浮き・剝離が見られる場合は、目地まわりの劣化が進んでいる可能性もあります。建物の耐久性にも関わるため、定期的に点検しましょう。

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定期報告対象のマンションでは「外壁の全面打診調査」が必要

マンションのタイル外壁で確認しておきたいのが、建築基準法(定期報告制度)にもとづく外壁調査です。定期報告制度の対象となる建物では、手の届く範囲の打診や目視による調査に加え、おおむね10年に一度、落下のおそれがある外壁部分を全面的に打診・赤外線調査などで確認する必要があります。

マンション外壁タイルの通常調査と10年に1回の全面打診・赤外線調査の流れを示す図解
全面打診調査と定期調査の周期
調査の種類周期の目安内容
通常の定期調査6か月〜3年以内に1回手の届く範囲の打診・目視など
全面的な外壁調査10年に1回落下のおそれがある部分を全面的に打診・赤外線調査などで確認

打診調査では、専用の打診棒でタイルを叩き、音の違いから浮き(下地から剥がれた状態)を確認します。浮いているタイルを放置すると剥離・落下につながるため、見つかった場合はすみやかな補修が必要です。

近い時期に外壁改修や全面調査を行う予定がある場合は、調査時期の扱いが変わることがあります。大規模修繕と全面的な外壁調査を同じタイミングで実施できるか、管理会社や調査資格者、特定行政庁に確認しておきましょう。

※ 参考1:国土交通省「建築基準法に基づく定期報告制度について」
※ 参考2:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」
※ 参考3:国土交通省「定期報告制度における赤外線調査による外壁調査ガイドライン」

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タイル補修は「大規模修繕」「小規模修繕」のどちらで行う?

マンションのタイル外壁補修は、劣化の範囲によって「大規模修繕」と「小規模修繕」を使い分けます。修繕積立金の使い方にも関わるため、それぞれの違いを確認しておきましょう。

マンション外壁タイルの劣化範囲と落下リスクから小規模修繕または大規模修繕を判断する図解
大規模修繕と小規模修繕の判断
区分タイミング・周期タイル補修の位置づけ
大規模修繕おおむね12〜13年周期足場を組み、全面打診調査・浮き補修・シーリング打ち替え・必要に応じた張替えをまとめて実施
小規模修繕劣化を見つけたとき随時部分的な浮き・剥離・ひび割れを、無足場工法やゴンドラで個別に補修

国土交通省の長期修繕計画ガイドラインでは、大規模修繕の周期はおおむね12〜15年が目安とされています。前述の全面打診調査(築10年超)と外壁改修を一体化できるため、多くのマンションが12〜13年で大規模修繕を実施し、その中でタイルの浮き補修を行います。

一方、大規模修繕を待たずに剥離や落下のリスクが見つかった場合は、小規模修繕で先行して補修します。安全に関わる劣化は周期を待たずに対応するのが原則です。いずれの場合も、長期修繕計画と修繕積立金の残高を踏まえて、管理組合で計画的に判断しましょう。

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マンションのタイル外壁の修繕方法

タイル外壁の劣化は建物の安全性に直結するため、早急な修繕が必要です。マンションの主な補修工法は、浮きを固定する「アンカーピンニング(注入)工法」、傷んだタイルを交換する「張替え工法」、外壁全体を覆って剥落を防ぐ「ピンネット工法(外壁複合改修)」の3系統に分けられます。

部分的な浮き、割れ欠け、広範囲の浮きに対応するアンカーピンニング、張替え、ピンネット工法を示す図解
症状別に見る外壁タイルの修繕工法
工法適した状態特徴
アンカーピンニング(エポキシ樹脂注入)工法部分的な浮き浮き部に穴をあけて樹脂を注入し、ピンで下地に固定。浮き面積や浮き代に応じて部分注入・全面注入を使い分ける
張替え工法割れ・欠け・広範囲の剥離傷んだタイルを撤去して新しいタイルに交換。予備タイルがないと色差が出やすい
ピンネット工法
(外壁複合改修)
浮きが広範囲・潜在的な劣化アンカーピンと繊維ネット+仕上げ材で外壁全体を一体化し、将来の剥落も予防する全面改修

適した工法は、打診調査でわかる浮きの範囲や程度によって変わります。ここからは、劣化症状ごとの修繕方法を確認します。

【方法1】タイルが剥離した場合

主な修繕方法として「アンカーピンニング工法※」があります。剝離した範囲が小さい場合は、この工法で補修することで工事規模や費用を抑えられます。一方、剝離が広範囲に及ぶ場合は、全体的な張り替えが必要になることもあります。

※ 剝離したタイルの目地に穴をあけて、接着剤を注入してアンカーピンで固定する方法のこと

【方法2】タイルに亀裂が生じた場合

修繕方法は、亀裂の大きさや深さによって異なります。小さく浅い亀裂であれば、接着剤で補修できることがあります。一方、亀裂が大きい場合や深い場合は、タイルの部分撤去・交換が必要です。下地まで傷んでいるときは下地補修も必要になるため、事前に専門業者へ現地調査を依頼しましょう。

【方法3】コーキングが劣化した場合

タイル外壁のコーキングが劣化している場合、コーキングの打ち替え※1や打ち増し※2で修繕が可能です。劣化の状態や修繕が必要な範囲に応じて、適した方法を選択しましょう。

※1:劣化したコーキングをすべて除去し、新しいコーキングで隙間を埋める方法のこと
※2:既存コーキングの上に新しいコーキングを重ねて施工し、隙間を補修する方法のこと

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マンションのタイル外壁の修繕にかかる費用相場

マンションのタイル外壁修繕の費用は、修繕内容や施工面積で異なります。代表的な単価の目安は次のとおりです。

修繕内容費用相場
タイル張り替え15,000〜25,000円/㎡
浮き補修
(アンカーピンニング)
400〜900円/箇所
コーキング打ち替え900〜1,500円/㎡
コーキング打ち増し500〜900円/㎡
全面打診調査数百円〜/㎡
(足場・赤外線の有無で変動)

マンションで費用に最も影響するのは足場代です。高所の補修には足場が必要になることが多く、その分だけ小規模補修でも費用がかさみます。

だからこそ、足場を組む大規模修繕のタイミングで打診調査・浮き補修・シーリング打ち替えをまとめて行うのが効率的です。外壁タイル補修は、劣化範囲や足場の有無によってまとまった費用になりやすいため、長期修繕計画と修繕積立金の残高を見ながら準備しておきましょう。

費用は、劣化状況・面積・地域・工法によって変動します。見積もり段階では調査できる範囲が限られ、足場設置後に想定以上の劣化が見つかることもあります。追加費用に備え、余裕をもった資金計画を立てておきましょう。

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マンションの外壁タイル補修の費用を抑えるポイント

マンションの外壁タイル補修では、調査の進め方や工事のタイミングによって費用を抑えられる場合があります。

【ポイント1】劣化部位を把握しておく

タイル外壁の劣化状態を把握しておくと、必要な修繕方法を選びやすくなります。劣化が一部にとどまっていれば、部分補修で済み、費用を抑えられる可能性があります。不必要な工事を避けるためにも、劣化している場所と状態を事前に確認しておきましょう。

【ポイント2】補修部位によっては無足場工法を検討する

補修が必要な部位に手が届く場合、無足場工法で足場代を削減できることがあります。しかし、他にも目視で確認できない場所が劣化している可能性もあるため、事前に現地調査を専門業者に依頼しましょう。

【ポイント3】大規模補修では補助金制度を活用する

マンションを大規模補修する場合は、自治体の補助金・助成制度を活用できることがあります。

大規模補修で活用できる制度の例
  • 劣化診断の補助事業
  • 共用部分改修費用の補助・助成制度

ただし、外壁タイル補修そのものが対象になるか、管理組合が申請できるか、募集期間内かどうかは自治体によって異なります。補助金の活用を検討する際は、地方自治体のホームページや窓口で利用条件、補助金額、申請期限を確認しましょう。

【ポイント4】専門業者による定期的な点検を実施する

修繕費用を抑えるためには、専門業者に定期的な点検を依頼しましょう。タイル外壁の劣化部位を早期発見することで、工事の規模が小さくなり、費用を抑えることが可能です。新築マンションの場合は保証期間内であれば、保証が適用される可能性もあります。

【ポイント5】複数の業者から見積もりを取る

タイル外壁の修繕を検討する場合は、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。複数の業者から見積もりを取得すれば、工事費用が適切かどうか判断できます。

業者選びの注意点
費用だけで判断せず、施工実績・口コミ・顧客対応なども含めて総合的に比較しましょう。

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タイルの落下事故と管理組合の責任

マンションのタイル外壁では、剥離したタイルが落下し、通行人や住人、車などに被害を与えた場合の責任にも注意が必要です。建物の管理者である管理組合が、工作物の管理責任(民法717条)を問われる可能性があり、損害賠償や訴訟に発展するおそれもあります。

施工不良が原因の場合は施工業者に請求できることも

劣化の原因が施工不良であれば、施工会社や売主に補修を求められる場合もあります。ただし、請求できるかどうかは、契約内容、アフターサービスの範囲、施工不良の内容、引渡しからの年数によって変わります。

  • アフターサービス期間内
    保証書やアフターサービス基準で対象になっていれば、無償補修を受けられる可能性があります
  • 新築住宅の基本構造部分に関わる不具合
    構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分に関わる不具合は、引渡しから10年間の責任を問える場合があります
  • 保証期間を過ぎている場合
    施工者側へ請求できるかは個別判断になり、管理組合の負担で修繕するケースも多くなります

責任の有無や請求の可否は、浮き率や劣化の進み方、保証内容によって判断が分かれます。落下事故を未然に防ぐためにも、定期的な打診調査と早期補修を徹底し、トラブル時は専門家(建築士・弁護士や住まいるダイヤル※1等の相談窓口)に早めに相談しましょう。

※1:住まいるダイヤル「住宅紛争審査会による住宅紛争の解決に向けた手続」
※ 参考:e-Gov法令検索「住宅の品質確保の促進等に関する法律」

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マンションのタイル外壁を修繕する際の注意点

マンションのタイル外壁を修繕するときの注意点を解説します。

【注意点1】入居者に工事内容を事前に告知する

マンションの大規模修繕工事では、以下のような問題が起こる可能性もあります。

マンションの大規模修繕工事で発生しやすい問題
ほこりの飛散
工事による騒音
仮設足場の設置による日当たりの悪化

マンションの入居者や近隣住民に工事のお知らせをしないと、上記のようなトラブルに発展する可能性があります。そのため、施工前に入居者や近隣住民に対して、工期・工事内容・騒音などを周知しておくことが大切です。

【注意点2】同じ種類のタイルが用意できない場合もある

通常の補修では既存と同じタイルを使いますが、廃盤や日焼け、経年劣化による色の変化で、完全に同じものをそろえられないことがあります。その場合は似たデザインのタイルで代用したり、必要に応じて特注で製作したりします。特注タイルは製作に時間がかかり、費用も増えやすいため、余裕をもって計画しましょう。

【注意点3】実際の補修費用が見積もりより高くなる場合がある

最終的なタイルの補修費は、見積もりよりも高くなる場合があります。タイル補修の費用計算では、実際の作業量に応じて請求する「実数精算方式」が一般的です。実数精算方式では、補修したタイルの数や範囲に基づいて費用が確定します。

大規模修繕ではタイル補修の費用は概算で計算されるため、実際に足場を組んで劣化状況を確認するまで、正確な数量や範囲が把握できません。このため、追加費用が発生し、見積もり額と最終的な請求額が異なるケースもあります。

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【Q&A】マンションの外壁タイルに関するよくある質問

マンションの外壁タイルの打診調査は義務ですか?

建築基準法の定期報告制度の対象となるマンションでは、外壁タイル等の調査が必要です。手の届く範囲はおおむね6か月〜3年以内に打診や目視などで確認し、落下のおそれがある部分はおおむね10年に一度、全面的な打診・赤外線調査などで確認します。対象建物かどうか、調査時期や外壁改修予定との関係は、管理会社や特定行政庁に確認しましょう。

※ 参考:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」

外壁タイルの浮き率とは何ですか?

建物全体のタイルのうち、下地から浮いている(剥がれかけている)タイルの割合のことです。築年数から概算する方法が使われることもありますが、浮き率は施工方法、方角、雨がかり、過去の補修状況によって大きく変わります。自己判断せず、正確な数値は打診調査や赤外線調査などで確認しましょう。

マンションのタイルが剥離・落下した場合、だれの責任になりますか?

外壁タイルが剥離・落下して第三者に被害が出た場合、建物の管理状況によっては管理組合が責任を問われる可能性があります。一方で、施工不良や材料不良が原因と考えられる場合は、売主・施工会社・管理会社などに補修や損害賠償を求められることもあります。請求できるかどうかは契約内容や保証期間、不具合の内容で変わるため、管理組合だけで判断せず、建築士や弁護士、住まいるダイヤル※などに相談しましょう。

※ 住まいるダイヤル「電話相談」

補修費用は管理組合と区分所有者のどちらが負担しますか?

外壁タイルは共用部分にあたるため、原則として管理組合が修繕積立金から負担します。バルコニーや玄関扉まわり、窓枠まわりなどは、共用部分であっても特定の区分所有者が専用使用している部分として扱われることがあります。日常的な使用・管理の範囲や補修費用の負担は管理規約で決まるため、まずは管理規約と使用細則を確認しましょう。

※ 参考:国土交通省「マンション標準管理規約」

外壁タイルと吹き付けタイルのちがいは?

大きなちがいは「施工方法」です。外壁タイルは石材や磁器質のタイルを張って仕上げるのに対し、吹き付けタイルはコンクリート面に合成樹脂やモルタルなどの素材をスプレーで吹き付けて仕上げます。費用や仕上がりも異なるため、施工方法を選ぶときは業者に相談しましょう。

外壁タイルは塗装できますか?

可能です。塗装によってタイル本体や目地を保護できます。タイルのデザインを残したい場合は、透明なクリア塗装を選ぶ方法もあります。

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