目次
外壁タイルの種類はどのようなものがある?
外壁タイルの種類は、素材や大きさ、デザインなど豊富なバリエーションがあります。また、高級感のあるものからナチュラルテイストなものまで、デザイン性の幅も広くあります。
その中でも今回は、代表的な外壁タイルの種類やデザインをいくつか紹介していきます。
素材については「磁器質」「せっ器質」「陶器質」があります。磁器質は水に強く、耐久性が高い素材で、外壁タイルに最も向いています。
形状については「平物タイル」「ユニットタイル」「役物タイル」などがあります。平物タイルは一般的な正方形や長方形のもので、それらを複数並べて連結したものをユニットタイルと言います。役物タイルとは建物の角など特殊な形状をしたものです。
サイズについては「小口平タイル」「50角タイル」「二丁掛タイル」「45二丁タイル」「ボーダータイル」などがあります。それぞれにサイズや形が違い、外壁に使用した際のデザイン性や高級感に違いが出てきます。
45二丁タイルは、外壁タイルの中でも最も単価が安く、30cm角のユニットタイルになっているものが一般的です。また、施工性もよく工事費用も安くなるので、マンションなどでは使われることが多い製品となります。
このように外壁タイルには素材や形状、サイズにより様々な製品があります。これらのタイルの組み合わせで自由自在に外観をデザインすることができます。
外壁タイルの耐用年数はどのくらい?
外壁を守る外壁タイルはいつまでもつ物なのでしょうか。一般的に言われる耐用年数や、外壁タイルの製品による違いなどを紹介していきます。
戸建て住宅などでよく使われるサイディング材は、耐用年数は約30年と言われています。しかし、約10~15年に一度は表面の塗装や防水工事などメンテンナンスをきちんと行なうことが条件です。
何もメンテナンスをせずに放っておいて、サイディング材の力のみで30年も40年も維持することはできません。定期的にメンテナンスを行なうことで、本来の耐用年数まで維持できるようにすることが大切です。
またマンションなどで見られる「吹き付けタイル」の外壁も同様に、約8年以内に経年劣化で耐用年数を迎えるので、再塗装や防水工事といったメンテナンスを行なう必要があります。
外壁タイルの中で最も強いのが、磁器質の焼いたタイルです。このタイルは素材の力だけで約30~40年という長寿命を実現することができます。タイルも経年により汚れてきますので、汚れは定期的にメンテナンスする必要があります。
また、施工時の不備や防水対策の不備、地震などの揺れによりタイルが割れることがあります。このような場合には、打診検査により割れや浮きが生じているタイルを張り替えることをお勧めします。
そのまま放置していると、将来的には落下する危険性や建物内部への水の侵入など、様々なリスクが考えられます。定期的に検査を行なうことが大切です。
マンションの外壁タイルは剥離する?
マンションの外壁タイルは、定期的なメンテナンスがとても大切になります。外壁がタイルだと何もしなくて大丈夫、と思っている方も多いと思いますが、それは大きな間違いです。
外壁タイルでメンテナンスを怠るとタイルの剥離につながり、最悪の場合、落下するといった危険性があります。外壁タイルは経年劣化や施工時の不備、地震などによる揺れが原因でタイルは劣化します。
タイル自体へのひび割れや浮きが発生し、そのまま放置していると自然と落下してしまいます。実際にマンションの外壁タイルが劣化により落下し、下を歩いていた歩行者にあたり大きな問題になったこともあります。
外壁タイルは約10年に一度、または屋根の防水メンテナンスに合わせてチェックする必要があります。タイルのひび割れの目視確認や簡易的な打診検査で、タイルの劣化具合はある程度把握できます。
タイルに明らかなひび割れがある場合や、タイルが浮いている状態であればその部分だけ張り替えることをお勧めします。このような定期的なメンテナンスにより、建物の劣化や大きなトラブルを防ぐことができます。
マンション外壁のメンテナンスはどのようなタイミングで行えば良い?
マンションの外壁がタイル仕上げの場合、メンテナンスはどのようなタイミングで行えば良いのでしょうか?
タイル仕上げ外壁は外壁材の耐久性が高く、見た目の劣化も起こりにくいため、補修のタイミングがわかりにくいと言われています。
そのため、定期的に外壁の状態を確認し、タイルの浮きや割れ、目地のひび割れなどの目視で確認できる損傷があったらメンテナンスのタイミングです。
また、一見損傷がないように見えても、地震等で建物が大きく揺れた場合などは内部でタイルと下地が剥離をはじめている場合がありますので、リフォーム業者などによる打音検査等で剥離を検査しておくと良いでしょう。
タイル剥離落下による人身事故などはますます増える傾向にあります。
定期的な打診検査(1平方メートルあたり約300円~約500円)をお勧めします。
マンションの外壁タイルは塗装できるの?
マンションの外壁タイルは経年により色褪せてきて、そのままにしていると目立ってきます。そのような場合に、外壁タイルを塗装することができるのでしょうか。
マンションの外壁タイルでも、塗装をすることはできます。タイル自体の耐久性はそのまま何もしなくても維持できるのですが、経年と共にどうしても色褪せや汚れなどが気になってきます。
こういったマンション外壁タイルの見た目を保つためのメンテナンスとして、タイルの上から塗装することをお勧めします。タイルの上から塗装をするメリットや注意点を紹介していきます。
外壁タイルの塗装をすることで、美観を保つことができます。また、タイルの目地は定期的にメンテナンスが必要ですが、外壁タイルの塗装をすることで目地の保護にもつながります。
注意点として、タイル用の塗料を選ぶことです。下地との相性が合わないと塗料が剥離し、より美観を損なうことになります。また塗料はクリアー塗料がお勧めです。
外壁タイルの塗装はDIYで出来そうなイメージですが、プロの業者に任せることをお勧めします。
タイル外壁のメンテナンスではどのような工事を行うのか?
タイル仕上げのマンション外壁をメンテナンスする際には、全面的にタイルを張り替える場合と、部分的な補修を行う場合とがあります。
それぞれのメンテナンス範囲ごとに、工事の種類と工事期間、費用について見てみましょう。
部分的な補修を行う場合
一部分のタイルが剥がれていたり、割れていたりする場合は部分補修を実施します。
タイルの浮きや剥がれについては、タイルを一度除去し、下地を調整して貼付ける場合と、タイルに穴を開け、アンカーピンを挿入して固定する方法が一般的です。
費用は下地調整等を行う場合は1平方メートルあたり約6,000円、アンカーピンで固定する方法はピン1カ所あたり約1,000円からが相場です。
施工期間については修繕を行う範囲にもよりますが、約1週間が目安となります。
また、外壁全体の洗浄を行う場合については、高圧洗浄機を用いて洗浄する場合が1平方メートルあたり約300円から、バイオ洗剤を用いた高圧洗浄なら単価は約1,000円から、酸性の洗剤を用いた洗浄の場合は約400円からです。
洗浄のみを行う場合の工期については、マンションの大きさにもよりますが、約1週間が目安となります。
下地補修を含むメンテナンスを行う場合
タイル下地の劣化が進んでおり、タイルのみを補修するだけでは十分な対策とならない場合には、タイル下地の補修を行います。
タイル下地の補修では、下地に塗られたモルタルを除去し、新しいモルタルを塗布した上でタイルを貼りなおしますが、ALCパネルの場合は状況によってパネルそのものの交換が必要です。
ALCパネルとは、軽量発泡コンクリートのことで、軽量で施工が容易なためにマンション等で広く用いられていますが、コンクリートに比べて圧縮強度に劣るため、やや破損しやすいとされています。
もしALCパネルが破損していた場合には、パネルの交換を含めたメンテナンスが必要です。
費用についてはタイル張り替えが1平方メートルあたり約6,000円から、ALCパネルの交換については工事方法によって鉄筋の溶接等の大がかりな施工が必要となるため、リフォーム会社に見積もりを依頼すると良いでしょう。
タイルそのものに損傷がなく、目地のひび割れがある場合には、目地の補修工事を行います。
目地の補修を行う場合の費用は、マンションの大きさにもよりますが、1棟で約40万円が相場です。
目地のひび割れなどがなく、保護のみを行う場合については、1平方メートルあたり約1,200円が相場となります。
施工期間については、下地調整と張り替えのみの場合は約1週間、ALCパネルの交換については状況によって大きく工期が変化するため、現地調査の上で見積もりを依頼すると良いでしょう。
建物全体の補修を行う場合
建物全体のタイルのメンテナンスを行う際には、まず足場を設置して全体的な検査を行っていきます。
足場の設置費用については、1平方メートルあたり約700円が相場です。
検査の結果、修繕が必要な部位が見つかった場合は下地の補修やタイルの固定、落下防止工事等を行い、必要なら洗浄も行います。
費用については部分補修や下地を補修する際と単価は同じですが、建物全体の作業となるため、施工会社によっては値引きが受けられることもあるようです。
また、現状で問題がない場合でも、将来的なタイルの剥離等のリスクを抑えるために、全面に落下防止加工を施す場合もあります。
これは「JKセライダー」というもので、繊維を混入させたアクリル樹脂を表面に塗布し、タイルにはアンカーピンを打ち込む工法です。
「JKセライダー」の施工については、1平方メートルあたり約15,000円が相場となります。
施工期間については足場の設置から撤去まで含めて約1カ月が目安となりますが、JKセライダー工法を実施する場合はアンカーピンの設置などの作業に時間がかかるため、約2カ月かかる場合もあるようです。
外壁タイルの補修工事を行う際に注意することは?
マンションの外壁工事を行う場合、タイルの剥離に伴うほこりの飛散や工事の騒音、足場と防音シートの設置による日当たりの悪化等の問題が起こります。
そのため、施工の際にはあらかじめ管理組合や管理会社と協力して入居者に工事の期間や騒音、工事のスケジュール等について周知しておくことが重要です。
また、近隣への騒音についても同様に管理組合や施工会社から告知しておくと良いでしょう。
施工の際には防音シートを設置してある程度騒音に配慮しますが、それでも完全に防音を行うことは難しいため、トラブルを避けるためにも周辺住民への配慮が重要となります。
賃貸マンションの外壁修繕を行う際には、管理組合の負担が大きくなりがちですが、施工会社や管理会社と協力し、できる限りトラブルにならないようこまめな告知や挨拶を行っておきましょう。
外壁タイルの補修工事費用を安く抑えるポイントは?
全面的なメンテナンスを行った場合、どうしても費用が高くついてしまいます。
ですので、施工を依頼する前に雨漏りやタイルの劣化および破損が見られた場合には該当箇所をしっかり記録しておき、実施する工事の種類を選ぶことで費用をある程度抑えることができるでしょう。
また、施工箇所によっては足場を使用しない無足場工法を導入することである程度費用を抑えることができます。
しかし、無足場工法では対応できない場合もあるため、施工を依頼する際には無足場工法が利用できるかどうか相談しておくと良いでしょう。
新築マンションの場合、外壁タイルの浮きについては建築後2年間アフターサービスの対象となるため、定期的な診断の実施も重要です。
外壁タイルが破損した際の修繕費用はどのくらい?
外壁タイルは比較的耐久性の高い製品ですが、経年劣化や地震など様々な要因で破損することはあります。ひび割れや剥離、欠損など状態により修繕方法も異なってきます。それぞれにどのくらいの修繕費用が必要か紹介していきます。
タイルにひび割れがあったり、欠けている、すでに落下している場合は張り替えが必要になります。目地を切り、既存のタイルを剥がして、下地調整から新しいタイルを張り替える作業になります。
タイル張り替え工事費用:約500円/1枚
この費用はあくまで概算であり、張り替える枚数や現場の状況、タイルの種類により費用は異なります。足場代などは別途必要となります。
タイルを打診検査した上で、浮きが確認された場合はタイルの目地からエポキシ樹脂を注入し、修繕します。施工不良などによる広範囲での浮きについては、タイルをいったん剥がして下地調整からやり直す必要があります。
タイルの浮き修繕工事:約500円~約900円/1カ所
これは簡易的な浮き修繕工事費用の相場ですので、大規模な浮きの場合は含みません。また足場代などは別途必要となります。
タイルの表面的な微細なひび割れ程度であれば塗装でメンテナンス可能です。タイルの修繕が全て終わると、保護という意味でクリアー塗装をすることをお勧めします。
クリアー塗装工事費用:約3,000円/平方メートル
足場代などは別途必要となります。
このようにタイルの修繕工事には足場が必要になる場合があります。マンションの外壁タイル修繕工事に伴う足場代の相場も紹介します。
足場代:約800円~約1,200円/平方メートル
タイルの状態により修繕方法は異なります。また、足場代など補足的な費用もかかってきます。外壁タイルの修繕時期が近づいてきた際には、一度専門業者に現地確認をしてもらい、最もよい修繕時期や方法を提案してもらうようにしましょう。
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