2024年11月05日更新

監修記事

コンクリート塗装が必要な理由とは?床壁塀をおしゃれに仕上げる塗料

コンクリートへの塗装は、ただ見た目が美しくなるだけでなく、耐久性を高めるメリットもあります。もし劣化箇所があれば、塗装の前にプロの手で補修してもらいましょう。この記事では、コンクリート塗装の費用や手順を解説し、床・壁・塀のおしゃれな空間づくりに役立つ塗料の種類も紹介します。これらを参考に、コンクリート塗装に対する不安を解消しましょう。

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コンクリートに塗装が必要な理由


コンクリートに塗装が必要な理由は2つあります。

コンクリートは頑丈な素材ですが、その風合いと耐久性を維持するためには、塗装によるメンテナンスが必要不可欠です。

【理由1】建物における外観の維持や美しさ向上のため

コンクリートには水分を蓄えやすい性質があり、徐々にシミやカビなどが発生します。とくに、日当たりが悪く湿気の多い場所にあるコンクリートは、黒っぽい汚れが目立つでしょう。

コンクリート塗装の前には、塗料が密着するように汚れをきれいに洗浄します。また、水に強い塗料でコンクリートを塗装すれば、長期間にわたり美しい見た目を維持できるのです。

【理由2】劣化した箇所を補修するため

年数の経ったコンクリートには、ひび割れや欠けなどの劣化症状が発生します。劣化の原因は、気候や建物の立地条件などによっても異なります。

コンクリートの劣化原因
  • 塩害
  • 凍害
  • 中性化
  • 科学的腐食
  • 摩耗

たとえ小さなひび割れでも、そこから雨水が侵入し、雨漏りや内部腐食へと被害が拡大してしまうので、長期間放置してはいけません。

コンクリート塗装をする際は、必ず劣化部分を補修してから塗装作業に入ります。さらに、塗装することでコンクリートの表面に塗膜(塗料の保護膜)が形成されるので、外部からのダメージを軽減できるのです。

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コンクリート塗装の寿命と塗り替え時期

コンクリート塗装は定期的に塗り替える必要があります。

コンクリート塗装のメンテナンス時期

コンクリート塗装の施工箇所によって、メンテナンス時期はさまざまです。

さらに、同じ施工箇所でも、使用する塗料の種類で耐用年数が異なるため、塗り替えの間隔に開きがあります。

施工箇所塗り替え時期
3〜10年
3〜20年
5〜10年

塗り替え時期はあくまでも目安で、建物の立地条件や使用状況によって前後します。気になる劣化症状があれば、専門業者へ相談するようにしましょう。

コンクリート塗装の劣化症状

適切なメンテナンス時期は、コンクリート塗装の劣化症状からも判断できます。

【劣化症状1】ひび割れ

コンクリートの代表的な劣化症状がひび割れ(クラック)です。気温の変化や乾燥によるコンクリートの収縮が主な原因で、放置すると雨漏りなどの被害が出るリスクもあります。

なかでも、構造クラックと呼ばれる「幅0.3mm以上、深さ4mm以上」の深刻なひび割れは、早急に補修しましょう。

【劣化症状2】カビやコケの付着

水分を吸収しやすいコンクリートは、湿気を好むカビやコケが繁殖しやすい素材です。

黒く変色したコンクリートは美観を損ねるだけでなく、塗膜の劣化や剥がれを早める原因となります。

【劣化症状3】鉄筋の露出やサビ

経年劣化でコンクリートが弱アルカリ性から中性に変化すると、鉄筋にサビが発生しやすくなります。また、ひび割れなどから雨水が侵入し、内部の鉄筋がサビることもあります。

鉄筋がサビてしまうと、構造の強度を維持できなくなるため、補修が必要です。

【劣化症状4】塗装の剥離や浮き

コンクリートに含まれていた水分が蒸発し、塗膜との間に溜まってしまうと、表面に膨らみが生じます。そこから塗装が剥がれて劣化が進んでしまうので、一度塗装を剥がして再塗装しなければなりません。

前回の塗装から1年以内でこの症状が出た場合、施工時の洗浄や乾燥が不十分だった可能性もあるため、施工業者に保証内容を問い合わせましょう。

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コンクリート塗装のメリット

コンクリート塗装における3つのメリットを紹介します。

【メリット1】美しい外観が維持できる

古くなったコンクリートにはカビやコケが付着し、見た目が悪くなってしまいます。

そこで、コンクリート塗装の前に汚れを洗浄し、耐久性に優れる塗料で長期間美しさを保てるように塗装するのです。

美観が維持されることで、アパートやマンションの空室率も改善するかもしれません。

【メリット2】防水性が高まる

コンクリートは水が染み込みやすいので、防水性の高い塗料で保護します。

防水性が高まることで、鉄筋のサビや塗膜の劣化を防げるようになるでしょう。

【メリット3】外壁の劣化や変質を防ぐ

劣化している箇所があれば、塗装の前に修繕します。定期的なメンテナンスにより、建物寿命も延びるのです。

さらに、屋外のコンクリートを塗膜で保護することで、紫外線や雨風のダメージを最小限に抑えられます。

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コンクリート塗装のデメリット

コンクリート塗装のデメリットや注意点も確認しておきましょう。

【デメリット1】不適切な塗装で劣化が進行する

コンクリートは非常にデリケートな素材です。コンクリート塗装前の下地調整不足や、コンクリートと相性の悪い塗料の使用で、劣化が進行してしまうかもしれません。

施工を依頼するときは、専門的な知識や資格を持つ、塗装の専門業者に依頼するようにしましょう。

【デメリット2】定期的なメンテナンスが必要になる

コンクリート塗装は、効果が永久に続くものではありません。使用した塗料の耐用年数や、コンクリートの劣化状態を確認し、適切なタイミングで塗り替えを行う必要があります。

塗り替えのたびに費用がかかるのでデメリットに感じるかもしれませんが、早めに補修することで劣化の進行を抑え、コンクリートの寿命が延びるのです。

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コンクリート塗装の費用相場

施工箇所ごとに、コンクリート塗装のポイントと費用相場を解説します。

駐車場や屋内のコンクリート床、打ちっぱなしコンクリートの外壁、コンクリートを使用したブロック塀など、塗装を検討する際の参考にしてみてください。

コンクリート床の塗装

コンクリート床の塗装は、耐摩耗性と耐衝撃性を重視しているのが特徴です。

一般的に、「アクリル系塗料」「エポキシ系塗料」「ウレタン系塗料」の3種類から、使用する場所に適した塗料を選びます。

なかでもエポキシ系塗料は、耐薬品性や美観性にも優れており、工場などの床に最も使用される塗料です。耐久性と密着性が高いので、屋内ガレージの床にも使用できます。

塗料の種類塗装費用
(1平方メートルあたり)
耐用年数
アクリル系2万円~3~6年
エポキシ系4万円~5~10年
ウレタン系7万円~7~10年

耐久性が高い塗料ほど、塗装費用も高くなる傾向にあります。

コンクリート壁の塗装

コンクリート壁の塗装では、防水性や耐候性が求められます。また、コンクリートの風合いを活かすために、無色透明な仕上がりも人気です。

塗料の種類塗装費用
(1平方メートルあたり)
耐用年数
撥水剤
(撥水効果がある)
1,500円~3~7年
クリア塗料
(表面を保護し風化を防止する)
3,000円~5~15年
弾性塗料
(ひび割れを抑制し水の侵入を防ぐ)
2,000円~10~12年
コンクリートの外壁塗装における費用相場

30坪前後の戸建て住宅なら、外壁塗装費用は60〜90万円

撥水剤は比較的安いですが、耐用年数が短いのでこまめなメンテナンスが必要です。

クリア塗料が最も割高ではありますが、耐候性に優れており、コンクリートの風合いを残せるのが魅力でしょう。

>>撥水剤の基礎知識はこちら
>>クリア塗装の基礎知識はこちら

コンクリート塀の塗装

コンクリート塀の塗装は、「コンクリートを塗り上げた塀」か「ブロック塀」かで、塗装のポイントが異なります。

コンクリートを塗り上げた塀は、細かなひび割れが発生しやすいので、弾力性のある塗料を使用することが多く見られます。

一方ブロック塀は、ブロックに空いている無数の穴に水が染み込みやすいので、透湿性の高い塗料を選定します。透湿性とは、水の侵入を防ぎつつ、内部の湿気を逃がす性質のことです。

塀の種類塗装費用
(1平方メートルあたり)
耐用年数
コンクリートを塗り上げた塀3,000円~5~10年
ブロック塀3,000円~3~5年

コンクリートを塗り上げた塀よりも、水を吸いやすいブロック塀の方が耐用年数は短くなります。

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コンクリート塗装の施工手順

ここでは、コンクリート塗装の基本的な施工手順を確認しましょう。

STEP
塗装面の汚れをしっかり取る

ブラシや高圧洗浄などで、コンクリートの塗装をする部分の汚れ・カビ・コケを落とす。

サビがある場合は研磨する。

STEP
養生・補修をする

塗料をつけたくない場所に、マスキングテープなどを貼る。

ひび割れなどの劣化箇所があれば補修する。

STEP
下地材を塗る

塗料との密着性を高めるために、下地材をしっかり塗る。

塗り終わったら乾燥させる。

STEP
塗装材を塗る(1回目)

均一になるようにローラーなどで塗り、しっかり乾燥させる。

STEP
塗装材を塗る(2回目)

同じ塗料で2回目を塗り、再度乾燥させる。

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コンクリート塗装をDIYするときの注意点

コンクリート塗装は、ただ塗料を塗って終わりではありません。コンクリート塗装のDIYを検討している方は、塗装の前に注意点を確認しておきましょう。

ただし、DIYで失敗すると大掛かりな修繕工事が必要になるので、基本的には塗装の専門業者に依頼することをおすすめします。

【注意点1】劣化している場合は修復を行う

コンクリートの劣化箇所がそのままだと、見た目が悪いだけでなく、塗料が密着せずに剥がれてしまいます。必ず下地調整をしてから塗装を始めましょう。

例えば、ひび割れが発生している箇所には、セメント系の補修材を注入し硬化させます。

DIY用の補修材もありますが、あくまでも応急処置として使用するものなので、深刻な劣化症状があればプロに依頼するようにしましょう。

>>コンクリートのメンテナンスをプロに依頼するなら

【注意点2】コンクリートに適した塗料を正しく使用する

コンクリートに適さない塗料で間違った塗装をしてしまうと、コンクリートの劣化が進んだり、塗膜が浮いてきたりするかもしれません。

塗料のチェックポイント
  1. 対応素地(施工できる素材)
  2. 希釈率(塗料と水を混ぜる割合)
  3. 乾燥時間(塗料の乾燥に必要な時間)

塗装を成功させるには、塗料に関する知識や施工技術が必要です。DIYでの塗装は失敗するリスクが高いので、念入りに下調べをして慎重に行いましょう。

【注意点3】高所の塗装は事故のリスクが高い

コンクリート壁や塀の塗装では、必ず高所作業の安全対策を講じるようにしましょう。

塗装業者が2階以上の建物を塗装する際には、金属製の足場を設置します。足場は職人の安全を守ると同時に、作業効率を高めるために必要です。

DIYではしごを使っての塗装はかなり危険なので、高所作業は無理せず塗装業者に依頼するようにしましょう。

>>高所作業をプロに依頼するなら

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コンクリートのおしゃれなデザイン塗装の種類

コンクリートには、おしゃれなデザインの塗装方法があります。

マットスプレーの特徴・仕上がり

出典:MAT

マットスプレーは、コンクリート床を壊さずに、タイル調や敷石調などにイメージチェンジできるのが特徴です。

工期も短く、滑り止め舗装材としての効果があるため、駐車場から車が出たあとはお庭の一部としてデザインされます。

複数色を吹き分けたり、ステンシル目地やテープ目地などをつくったり、デザイン性の高さが特徴です。

ジョリパットの特徴・仕上がり

出典:アイカ工業

ジョリパットは塗り壁材の一種で、モルタル下地の上に直接塗って使用します。伝統的な和風模様など、177ものパターンから自由にデザインを選べるのも魅力の一つです。

既製品の外壁材とは違い、現場で自由な模様を仕上げられます。

ベルアートの特徴・仕上がり

ベルアートは塗り壁材の一種で、ローラーやコテ、ガンや刷毛などを使い、さまざまな塗り壁調に仕上げられます。独自性のある格調高いデザインの装飾も可能です。

弾力性と耐久性に優れ、塗装が剥がれにくいため、外壁を長く保護できるでしょう。

ソックリートの特徴・仕上がり

ソックリートは、コンクリートの上からセメント塗材を塗ってデザインやカラーを変えるので、比較的工期が短くすみます。

タイルより厚みがないため、既存の建築物の邪魔をする心配も不要です。

耐久性に優れており、日常の汚れは家庭用の高圧洗浄で直接噴射しても剥がれません。

MPC塗料の特徴・仕上がり

MPCとは、コンクリートに文字や図案を入れることのできるコーティング材です。コンクリートの表面を保護し、塗装面の強度を高める効果があります。

施工する下地に応じて、施工方法を変えながら床や壁などに使用できます。

素材がやわらかく、施工性が高いため、会社のロゴや好みのフレーズを使用するなどのデザインが可能です。

モールテックスの特徴・仕上がり

モールテックスは2mm〜3mmと薄塗りで、防水性・強度を出せる左官材料です。

機能性だけでなく、デザイン性にも優れ、標準色だけで64種類の色があります。

写真は、人気のモルタル色で全面を仕上げて、圧迫感のないおしゃれな空間を演出しています。

セメント系左官仕上げの特徴・仕上がり

セメント系左官仕上げは、職人がコテなどを使って多彩に仕上げる壁塗り工法です。

伝統的なデザインから今風のデザインまで、多種多様な道具を使い、他の壁材では出せない立体感を作り上げます。

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コンクリート塗装におすすめの塗料

コンクリート塗装におすすめの塗料を6つご紹介します。

撥水剤

撥水剤は水を弾く効果があるので、屋外の壁や塀の塗装におすすめです。

【大同塗料】アクアシール200S

出典:大同塗料

「アクアシール200S」をコンクリートに塗布することで、通気性を持たせながら雨水などの侵入を防げます。防汚性にも優れており、コンクリートのおしゃれな意匠性を維持することができます。

【菊水化学工業】シランコートL

「シランコートL」は打ちっぱなしコンクリートやモルタル素材に浸透し、撥水層をつくります。また、遮塩性にも優れているので、コンクリート劣化の原因となる塩害を防ぐのに効果があります。

クリア塗料

クリア塗装では、コンクリートの風合いを活かしながら、建物保護が可能です。

【大同塗料】ユカクリート

出典:大同塗料

「ユカクリート」はコンクリート床の素地をそのまま活かせるので、店舗や廊下などの打ちっぱなし仕上げに最適な商品です。艶有・艶消を選べます。

【日本ペイント】ピュアライド UVプロテクト 4Fクリヤー

「ピュアライド UVプロテクト 4Fクリヤー」は、強力に結合した分子構造と紫外線吸収剤の働きにより、高い耐候性を発揮します。また、サイディングボードの美しさを保てる低汚染性も魅力です。

弾性塗料

弾性塗料の高い伸縮性により、コンクリートのひび割れを防ぎます。

【関西ペイント】シリコンテックス

「シリコンテックス」はマンションから戸建て住宅まで、幅広く使用できる弾性塗料です。気温の変化や雨風に強く、長期の耐候性や防カビ防藻性に優れています。

【日本ペイント】DANシリコンセラR

「DANシリコンセラR」は、ひび割れへの追従能力に優れる粘度の高さが特徴です。耐候性や耐汚染性もあるので、長期間外観の美しさを保ちます。標準色は28色で、艶の加減も選べます。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】久田麻里子

2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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