ケレン作業とは
ケレン作業とは、主に塗装の現場で行う表面処理作業のことです。塗装前にケレン作業を行うことで、被塗面に付着した錆(サビ)や汚れなどをきれいに落とせます。
塗装工事におけるケレン作業は、下地調整(下地処理)の工程です。
- ひび割れ補修
- ケレン作業
- シーリング補修
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
「ケレン」の意味と語源
あまり聞き慣れない「ケレン」という言葉ですが、その語源は英語の「クリーン」からきているといわれています。塗装する前の素地をきれいにするという意味で、ケレンという言葉が使われているのです。
ケレンが必要なケース
塗装の際に、毎回必ずケレン作業をするわけではありません。
- 塗装する箇所に錆が発生している
- 古い塗装が残っている
- 汚れが残っている
ケレン作業の前に行う高圧洗浄などで付着物などを落としきれなかった場合、ケレン作業が必要になります。
そのため、錆が発生する金属素材だけでなく、劣化した塗装が残っている木製の戸袋などにもケレン作業を行うのです。
また、国の公共建築改修工事標準仕様書にも、コンクリートやモルタルの改修工事における既存下地の処理として、ケレン作業の必要性が示されています。
参考元:公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版|官庁営繕
ケレン作業の目的
ここでは、ケレン作業をする目的を解説します。ケレンの重要性を知り、適切な施工がされているか確認しましょう。
1.塗料をしっかり密着させる
ケレン作業をすることで塗料がしっかり密着します。
まず、下地に錆や汚れなどの付着物があると、被塗面と塗料の間に隙間ができてしまい、塗膜が剥がれやすくなるでしょう。ケレン作業で異物を除去することが重要です。
つぎに、被塗面にわざと細かな傷をつける「目粗し」をします。小さな隙間に塗料が入り込むことで表面積が広くなり、塗膜の密着性が高まるのです。
2.塗装を長持ちさせる
ケレン作業は塗装を長持ちさせるためにも効果的です。
下地に錆やコケが残っていると、塗膜の内側で被塗面の腐食が進んでしまう可能性があります。その影響を受けて塗膜が剥がれたり、構造物にまで被害が及んだりするかもしれません。
ケレン作業で被塗面を清潔にすることで、塗装が長持ちし、建物保護につながります。
3.仕上がりをきれいにする
なめらかで美しい仕上がりにするためには、ケレン作業で被塗面を平らにする必要があります。
一般的な外壁塗装の塗膜は、厚さが0.1mm前後です。下地に付着物があると、その部分だけ塗膜に厚みが出てしまい、色ムラの原因となります。
仕上がりをきれいにするためには、職人の技術だけでなく、下地調整も非常に重要なのです。
ケレン作業の種類とやり方
ケレン作業には4つの種類があります。使用する工具や費用も解説するので、参考にしてみてください。
比較的軽い作業である4種ケレンから、数字が小さくなるにつれ徐々に手間がかかる作業となります。戸建て住宅やマンションの塗装工事では、2種ケレンか3種ケレンを行うことが多いでしょう。
1種ケレン
1種ケレンは、4種類のうち最も強力なケレン作業になります。劣化が激しい既存塗膜を完全に除去する場合に使用され、一般的な戸建て住宅の場合はほとんど該当しません。
物理的な衝撃を加えるブラスト処理や、剥離剤などの薬品を用いることもあります。
1平方メートルあたり、3,000円〜
2種ケレン
2種ケレンでは、ディスクサンダーなどの電動工具を使用して、錆や古い塗膜を除去します。ビルや高層マンションなどの構造物に使用されることが多いでしょう。
ただし、錆や腐食の程度によっては、2種ケレンを行うよりも新しく交換した方がいいケースもあります。ご自身での判断が難しければ、信頼できる業者に相談してみましょう。
1平方メートルあたり、1,500〜3,000円
3種ケレン
3種ケレンは、部分的に発生している錆などを除去し、劣化症状がみられない塗膜はそのまま残すのが特徴です。こちらが、戸建て住宅などで一般的に行われているケレン作業になります。
ディスクサンダーなどの電動工具に加え、ワイヤーブラシなどの手工具も使用することが多いでしょう。
1平方メートルあたり、500〜1,500円
木造住宅では、塗膜が剥がれている木部(戸袋や破風板など)に3種ケレン作業をすることがあります。
4種ケレン
4種ケレンは、下地が比較的良好な場合に行う作業です。塗料の密着性を高めるために、紙やすりや専用スポンジで被塗面を軽く擦って細かな傷をつけます。
1平方メートルあたり、200〜600円
ケレン作業を業者に依頼するときの注意点
ケレン作業は下地調整の重要な工程です。しかし、ケレン作業が適切に行われているかどうかは、塗装後に見ても判断できません。
手抜き工事などを行う悪徳業者を見抜くためにも、ケレン作業を含む塗装工事を依頼する際のポイントを解説します。
見積書の項目を確認する
塗装業者から提出される見積書に、ケレン作業が含まれているか確認することが大切です。
場合によっては、下地調整などの項目に含まれていることもあります。
- 錆落とし
- 下地調整(下地処理)
- 素地調整
- 素地ごしらえ
- 目粗し(目荒らし)
- 研磨紙刷り
見積書にケレン作業に該当する項目がない場合には、ケレン作業の有無を直接業者に確認しましょう。
施工写真や作業報告書で確認する
ケレン作業を含む下地調整の状態は塗装で隠れてしまうため、施工写真や作業報告書を提出してもらうことが重要です。
信頼できる塗装業者は工事進捗の記録をきちんとつけており、事前に頼んでおけば快く提出してくれるでしょう。
また、各工程の施工写真を確認することで、施工前と施工後を比較できます。気になる箇所を見つけた際に業者に相談しやすいのもメリットです。
相見積もりで適正価格を確認する
見積もり金額が安すぎる場合、ケレン作業などの工程を省いている可能性があります。適正価格を知るためにも複数の業者に見積もりを依頼し、その内訳に目を通すようにしましょう。
また、金額だけでなく工事工程や使用塗料などを比較することで、適切な施工方法かどうかを確認できます。
塗装箇所の状態に合った施工を行わないと、施工不良になりかねません。
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