
目次
床のシロアリ予防・駆除リフォームの費用相場
シロアリ対策にかかる費用は、予防工事・駆除工事・被害調査など、依頼する内容によって異なります。
床のシロアリ予防リフォームの費用相場
シロアリ被害を予防するためには、床下をシロアリが好む環境にしないことが何よりも重要です。
新築住宅のシロアリ防蟻工事
- 1,000〜2,000円/㎡
新築住宅や建て替え後の住宅では、床下や水回り設備の周辺にある木材へ薬剤を塗布したり、床下の土壌に薬剤を散布したりして、地中からのシロアリの侵入を防ぎます。
床下の清掃
- 約800円/㎡
床下に残った木材やビニール片などのゴミを取り除き、シロアリが寄り付きにくい環境を整えます。
床下の湿気対策工事
- 20万〜50万円
湿気対策工事では、土壌から蒸発した水分が床下にこもらないよう、防湿シートや防湿材を敷くことがあります。床下の湿気を抑えることで、シロアリだけでなく、木材やコンクリートに生じるカビや腐食の予防にもつながります。また、点検や清掃をしやすくするため、床下点検口を設置する場合もあります。
床のシロアリ駆除リフォームの費用相場
シロアリ駆除では、主に「バリア工法」と「ベイト工法」が用いられます。費用や効果、施工方法の違いを確認し、被害状況や住宅に合う工法を選びましょう。

バリア工法(薬剤散布法)
- 1,200〜3,300円/㎡
バリア工法は、床下の土壌や木部に防蟻薬剤を散布・塗布し、シロアリの駆除と再侵入の予防を図る工法です。被害箇所や玄関、タイル張りの浴室など、必要な箇所では木材やコンクリートに穴を開けて薬剤を注入します。即効性が期待でき、費用はベイト工法より抑えられる傾向にあります。ただし、臭いや安全上の注意点は製品によって異なります。巣全体の根絶を目指すベイト工法とは仕組みが異なるため、目的に合う工法を選びましょう。防蟻処理の有効期間は5年が目安です。保証期間と再点検の時期も確認してください。
ベイト工法
- 初年度
15万〜30万円/棟 - 2年目以降
点検・管理費が別途発生
ベイト工法は、建物の周囲などにステーションを設置し、シロアリに遅効性のベイト剤を食べさせてコロニーの衰退・駆除を目指す工法です。室内や床下全体に薬剤を散布せず施工できる一方、効果が現れるまでに時間がかかり、定期点検と継続管理が必要です。
料金は「1棟あたり」のほか、建物外周1mあたりの初期設置費と月額・年額の管理費で設定されることもあります。安全性は使用する製品や施工方法によって異なります。小さなお子さんやペットがいる家庭では、設置場所・使用製品・注意事項を施工前に確認しましょう。
床下シロアリ被害の点検費用相場
- 5,000〜8,000円(業者によっては無料)
調査員が点検口から床下に入り、シロアリの食害や蟻道の有無などを調べます。点検口がない住宅では新設工事が必要になり、3万〜5万円の費用が別途かかります。和室の畳を上げて床板を外し、床下へ入れる場合もあります。また、シロアリは床下や土台だけでなく、柱や梁などにも侵入します。そのため、浴室やトイレでは壁や柱を床上から点検することもあります。
シロアリ被害を受けた床下の耐震診断費用相場
- 10万〜40万円
- 自治体の無料診断や費用助成を利用できる場合あり
木造住宅の耐震診断は、建物の現況を調査し、地震に対する安全性と補強の必要性を評価するものです。「現行の建築基準法に適合しているか」を一律に確認する手続とは限らず、一般診断法や精密診断法などで建物の強さや劣化状況を評価します。土台や柱にシロアリの食害が見つかったときは、駆除と部材の補修だけで足りるか、耐震診断や構造補強が必要かを建築士などに判断してもらいましょう。
費用は構造、床面積、診断方法で変わります。2026年度も無料診断や費用助成を行う自治体があるため、契約前に市区町村の窓口へ確認するのがおすすめです。なお、シロアリ駆除そのものが補助金の対象になるとは限りません。シロアリ被害に伴う耐震診断・補強や住宅改修が対象になる場合もあるため、制度の対象工事と申請時期を自治体に確認しましょう。

床下がシロアリの被害を受けている時の症状
シロアリ被害か判断できず不安なときは、駆除業者へ調査を依頼できます。無料調査を行う業者もありますが、住宅が広い場合や遠方の業者へ依頼する場合、外来種のアメリカカンザイシロアリを調べる場合などは、料金が発生することがあります。調査を依頼する前に、床下に現れやすい症状を確認しておきましょう。

シロアリの羽アリを家の周りで見かける
シロアリの羽アリが飛び立つ時期は、種類や地域によって異なります。ヤマトシロアリは主に4〜5月の昼間、イエシロアリは主に6〜7月の夕方から夜、アメリカカンザイシロアリは主に6〜9月の昼間に群飛します。黒アリの羽アリとは異なり、シロアリの羽アリには胴体のくびれがほとんどありません。見分ける際の目安にしてください。
近隣の家でシロアリが見つかった場合でも、駆除工事が原因でシロアリが一斉に自宅へ逃げ込むとは限りません。シロアリは周辺の土中などにも生息しているため、近隣の被害をきっかけに自宅の基礎や床下を点検することは有効です。蟻道や羽アリなどの痕跡があるときは、専門業者に調査を依頼しましょう。
※ 参考:日本しろあり対策協会「隣の家から移ることはあるか」
ドアを閉める時に建付けが悪いと感じる
シロアリ被害によって床下地材の強度が低下すると、床が傾き、ドアの建付けが悪くなることがあります。問題なく使えていたドアが急に閉まりにくくなった場合は、シロアリ被害だけでなく、地盤の不同沈下なども考えられます。原因に応じて修理や駆除が必要になるため、まずは点検を依頼しましょう。
床下や基礎に「蟻道」ができている
「蟻道(ぎどう)」とは、シロアリが泥や食べかすを使って作る通り道のことです。蟻道は筋状の泥のような見た目をしており、住宅の床下や基礎のコンクリートで見つけることができます。蟻道はシロアリの種類や侵入経路を調べる手がかりになります。見つけたら、場所が分かる写真と接写写真を撮り、自分で壊したり殺虫剤を吹きかけたりせず、調査までそのままにしておきましょう。
大量のフンが落ちている(アメリカカンザイシロアリ)
アメリカカンザイシロアリは蟻道を作らないため、蟻道の有無だけでは被害を判断できません。一方、約1mmの粒状のフンは、生息を疑う手がかりになります。フンは生息箇所を特定するための重要な情報になるので、業者が来るまで触れずに残しておきましょう。
シロアリの生態と床下への侵入経路
シロアリを駆除して再発を防ぐには、種類や侵入経路を調べ、被害状況に合う工法を選ぶ必要があります。あわせて、床下をシロアリが侵入しにくい環境へ改善します。
シロアリの生態
シロアリは自然界では枯れ木などを分解する役割を担っていますが、住宅に侵入すると木材を食害します。生態は種類によって異なるため、発生した種類に合わない方法で対処すると、十分に駆除できず被害が広がるおそれがあります。
シロアリの種類
日本には22種のシロアリが生息しています。建物に被害を与える主な種類はヤマトシロアリとイエシロアリです。このほか、乾材シロアリに分類されるアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリの被害も報告されています。
- ヤマトシロアリ
北海道北部を除く日本各地に分布し、湿った木材を加害しやすいシロアリです。 - イエシロアリ
主に神奈川県以西の温暖な海岸地域と千葉県の一部、南西諸島、小笠原諸島に分布し、建物の広い範囲に被害が及ぶことがあります。 - アメリカカンザイシロアリ
海外から持ち込まれた家具や木材などを通じて各地で散発的に被害が確認され、乾燥した木材も加害します。 - ダイコクシロアリ
主に奄美大島以南に分布し、乾燥した木材を加害します。
※ 参考:日本しろあり対策協会「建築物を加害するシロアリの種類と分布」
住宅でシロアリの被害を受ける箇所
シロアリは木材などのセルロースを含むものを主な栄養源としますが、通り道を作る過程で発泡プラスチックや合成ゴム、断熱材などを加害することもあります。コンクリート自体を栄養として食べるわけではありませんが、ひび割れや打ち継ぎ、給排水管周りの隙間を通って建物内に侵入したり、もろい部分に穴を広げたりすることがあります。被害は床下に限らないため、床が沈む場合は柱や土台、壁内、断熱材なども被害範囲に応じて確認しましょう。
※ 参考:日本しろあり対策協会「シロアリはどんなものを加害するか」
シロアリの侵入経路
ヤマトシロアリとイエシロアリは、主に地中から基礎のひび割れや配管周りの隙間、蟻道などを通って建物に侵入します。漏水や結露で湿った木材、風通しの悪い床下は被害が起こりやすい場所です。日本の住宅では、ヤマトシロアリによる床下周辺の被害が多く発生しています。

一方、アメリカカンザイシロアリなどの乾材シロアリは土壌や高い湿気を必要としません。羽アリが飛来したり、被害のある家具や木材が持ち込まれたりして、建物に侵入することがあります。
シロアリ被害を受けた床下で行われる修理
シロアリ被害で強度が低下した床は、床材の張り替えや床下地材の修理だけでなく、シロアリの駆除も必要です。ここでは、被害調査から床の復旧までの流れを解説します。

【1】床材・床板の撤去
フローリングや畳などの床材と床板を撤去して床下が見える状態にし、シロアリの被害を受けていないか、湿気が溜まっていないかなどを目視で確認します。
【2】シロアリの種類と被害範囲の調査
床材と床板を撤去した後、シロアリの種類や生息の有無、蟻道・粒状のフン・侵入経路を確認し、床下地から土台・柱まで被害が及んでいないかを調べます。漏水や結露、腐朽がある場合は、再発を防ぐため、その原因も確認します。
【3】シロアリの駆除と予防処理
調査結果に応じて、バリア工法やベイト工法などを選びます。バリア工法では、床下の土壌や木部に薬剤を散布・塗布し、必要な箇所には穿孔して薬剤を注入します。乾材シロアリでは施工方法が異なることがあるため、種類を確認したうえで駆除方法を決めます。
【4】床下地材と床材を復旧する
シロアリの駆除・予防処理後、食害や腐朽によって強度が低下した根太、大引、土台、合板などを補強・交換します。最後に畳やフローリングを復旧し、床に沈みやがたつきがないことを確認して完了です。床材の張り替え費用は、施工面積、使用する床材、床下地や土台の補修範囲によって変わります。シロアリ駆除費とは別にかかるため、見積もりでは「駆除」「床下地・構造材の補修」「床材の張り替え」の内訳を確認しましょう。
薬剤を使う場合は、製品名・有効成分・認定番号・使用箇所・希釈倍率のほか、施工後の換気や立ち入りに関する注意事項を、施工前に書面で確認しましょう。妊娠中の方や乳幼児、アレルギーのある方、ペット、観賞魚がいる場合は事前に施工業者へ伝え、それぞれに必要な安全対策を確認してください。
※ 参考:日本しろあり対策協会「薬剤認定の流れ」
床下の修理後にシロアリ被害を受けないための対策
床下を修理しても、シロアリが侵入しやすい環境のままでは被害が再発するおそれがあります。駆除と修理を終えた後は、次の対策を続けましょう。

防蟻薬剤の再処理時期を確認する
防蟻薬剤による予防処理は、5年を効果の目安としているものが一般的です。ただし、その間にも漏水や基礎のひび割れ、建物周囲の環境変化が起こることがあります。保証期間中の点検条件を確認し、保証が切れる前後に再点検を依頼しましょう。そのうえで、建物の状態に応じて再施工の要否と工法を決めます。
床下や家の周りにゴミや湿気を溜めない
床下は、ヤマトシロアリやイエシロアリの主な侵入経路であり、被害が起こりやすい場所です。餌となる木材やゴミを床下や建物の周囲に置かないようにしましょう。床下点検口を設け、定期的に清掃・点検できる環境を整えることも大切です。
シロアリが床下に侵入しても放置しておくとどうなるのか?
シロアリが床下に侵入したまま放置すると、床組みや土台、柱などが食害を受け、強度が低下することがあります。被害は壁の内部などへ広がる可能性があり、見えない場所で進むため発見が遅れがちです。
また、漏水や湿気が多い状態では、木材腐朽菌による腐朽も同時に進むおそれがあります。シロアリの駆除だけでなく、被害範囲の確認と水分が生じる原因の調査も依頼しましょう。
シロアリ駆除業者を選ぶ時の3つのポイント
シロアリ駆除業者を選ぶときは、次の3つのポイントを確認しましょう。
「日本しろあり対策協会」に所属している業者
公益社団法人「日本しろあり対策協会」は、使用する薬剤や工法のガイドライン作成、「しろあり防除施工士」の資格認定などを行う団体です。同協会の登録施工業者かどうかは、業者選びの判断材料になります。会員名簿で登録を確認したうえで、有資格者の在籍状況や使用する薬剤・工法、施工範囲、再施工の条件、保証対象を書面で確認しましょう。
ただし、協会への所属だけで料金や施工品質が保証されるわけではありません。同じ調査範囲・工法・保証条件で複数社の見積もりを比較してください。
※ 参考:日本しろあり対策協会「会員名簿」
「しろあり防除施工士」の有資格者が在籍している
「しろあり防除施工士」は、日本しろあり対策協会が認定するシロアリ防除の資格です。資格試験では、シロアリの生態だけでなく、住宅構造などの幅広い知識も問われます。有資格者が在籍しているかどうかは、必要な知識を持つ担当者に相談できる業者を選ぶ際の判断材料になります。
シロアリ駆除工事に保証書を発行してくれる業者
シロアリを駆除しても、雨漏りや結露など、被害を招いた原因が残っていれば再発するおそれがあります。原因の修理まで対応できるか、事前に確認しましょう。また、業者を選ぶ際は、工事保証書を発行しているかを確認します。保証書の有無だけでなく、保証期間・対象範囲・再施工の条件・アフター点検の頻度にも目を通してください。
こんな時はシロアリを疑いましょう
次の症状に心当たりがある場合は、シロアリ被害の可能性があります。専門業者へ点検を依頼しましょう。
- 家の中で羽アリを見た
- 床が浮いたようにふかふかしている
- 床がギシギシと軋む
- 雨漏りや水漏れしている場所がある
- 床下の湿気が多い
- 柱や壁を叩くと空洞になっている音が聞こえる
- 家の周辺に木材が放置してある
- 土台や基礎に土で盛られたような道がある
当てはまる症状がある場合は、写真を撮って発生場所を記録し、専門業者へ相談してください。
床が抜けそうに沈む原因はシロアリ以外にもある
床が沈む原因は、主に以下の4つが考えられます。

- シロアリ被害によって木材の耐久性が低下
- 床材の経年劣化
- 施工不良
- 地盤沈下
原因はさまざまで、症状だけでは判断できないこともあります。原因に合う修理を行うため、まずは床下と床組みの両方を調べられる業者へ調査を依頼しましょう。シロアリ以外が原因だった場合は、床材や床下地の劣化ならリフォーム会社や工務店、漏水なら給排水・防水の業者、不同沈下が疑われるなら建築士や地盤の専門業者へ相談します。
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
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