2024年10月03日更新

監修記事

カーポート修理は火災保険が適用される?条件や申請方法、注意点を解説

台風や大雪でカーポートが壊れた場合、修理費用が心配になりますよね。「火災保険が適用されるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。実は、条件を満たせば火災保険を使って修理費用を支払える可能性があります。
この記事では、カーポート修理に関する火災保険の利用条件や申請手順、注意点などを解説します。火災保険についてくわしくなり、急なトラブルにも落ち着いて対処できるようになりましょう。

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カーポートの修理で火災保険が適用になる条件

火災保険でカーポートは修理できる?保険適用の条件などを分かりやすく解説!

ここでは、カーポートの修理代が火災保険で補償される条件について解説します。

適用条件を満たしている場合は、火災保険が適用される可能性があるためしっかり確認しましょう。

【条件1】建物が補償対象である

カーポートの修理に火災保険を適用するためには、まず「建物」が保険の補償対象である必要があります。

火災保険では契約時に補償対象を設定する必要があり、専用住宅の場合は以下の3つから選択します。

専門住宅の補償対象
  • 建物のみ
  • 家財のみ
  • 建物と家財

カーポートやガレージは、「家財」ではなく「建物」として扱われることが一般的です。

家財とは、自分で動かせる家具や家電などを指し、カーポートのように固定されているものは「建物」に分類されます。

したがって、火災保険でカーポートの修理を申請する場合は「建物」が補償対象に含まれているかを確認することが重要です。

【条件2】被害の原因が補償対象である

カーポートの修理に火災保険を適用するためには、被害の原因が補償対象であることが重要です。

火災保険は、火災だけでなく台風や大雪などの自然災害も幅広くカバーしています。

例えば、台風によるカーポートの損傷は、風災補償の対象になることが一般的です。

ただし、どの災害が補償対象になるかは契約内容によって異なります。

まずは保険契約を確認し、対象となる災害や事故が含まれているかを確かめることが重要です。

被害原因が補償対象である場合は、火災保険が適用できる可能性があります。 

>>火災保険のくわしい情報はこちら

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カーポートの修理に火災保険を適用できるケース

ここでは、火災保険の適用が可能なケースと具体例を見ていきましょう。

【ケース1】台風でカーポートの屋根が飛んだ

台風でカーポートの屋根が飛んだ場合、火災保険の風災補償を適用できる可能性があります。

風災とは、台風や強風によって発生する被害を指し、特にカーポートの破損で多いのが屋根材が飛ばされるケースです。

一般的なカーポートは風速10m/sから15m/s程度に耐えられるよう設計されていますが、大型台風では風速25m/s以上になることもあり、屋根が飛ばされたり、支柱が曲がったりすることがよくあります。

こうした被害は風災として認められ、火災保険で修理費用をカバーできる場合が多い傾向にあります。

ただし、保険の適用範囲や条件は契約内容によるため、台風被害が発生した際は、早めに保険会社に連絡し確認することが大切です。 

【ケース2】カーポートの柱に車が衝突した

カーポートの柱に車が衝突した場合、カーポートの修理代が火災保険で補償される可能性があります。

カーポートは愛車を守る上で欠かせない存在ですが、その一方で車による柱への衝突や損傷といった被害が発生しやすい場所とも言えます。

このようなカーポートの被害は、保険契約において「建物外部からの衝突」として補償の対象になりり得ます。

しかし、一部の保険会社では補償の対象外になることもあるため、加入している火災保険の補償内容を確認しましょう。

自動車側の損傷は、火災保険で補償されない

自動車本体の損傷については自動車保険でカバーされるため、火災保険では対象外となります。

【ケース3】大雪によってカーポートが傾いた

大雪によってカーポートが傾いたり、破損した場合、火災保険の雪災補償を適用できる可能性があります。

雪災とは?

雪が原因で発生した災害のこと

例:カーポートの屋根に雪が積もることで重みがかかり、構造がゆがむ

このような雪災によるカーポートの被害は、積雪地域以外の雪の降ることが比較的少ない地域で多く見られる傾向があります。

万が一のために、雪災補償を契約に含めておくと安心でしょう。

【ケース4】雹でカーポートの屋根がへこんだ

雹によってカーポートの屋根がへこんだ場合、火災保険の雹災補償が適用できる可能性があります。

雹災とは、降雹によって生じる損害をいいます。

カーポートの屋根に雹が衝突すると、破損やへこみが発生することがあります。

特に、古いカーポートでは波板やアクリル製のパネルなど、比較的脆弱なものが屋根に多く採用されているため、雹の衝撃で簡単に穴が開いてしまいます。

また、直径5mm以上の氷の塊が高速で降ってくるため、雹はカーポートに大きなダメージを与える可能性が高くあります。

屋根が破損すると、その下に停めている車にも影響が出るため注意が必要です。

車自体の損傷は、火災保険ではなく自動車保険に相談しましょう。

【ケース5】洪水や土砂崩れでカーポートが倒れた

洪水や土砂崩れによってカーポートが倒れた場合、火災保険の水災補償が適用できる可能性があります。

水災補償は、洪水やゲリラ豪雨などの水害による損害をカバーするものです。

カーポートは「付属建物」に該当するため、付属する建物の損害が30%を超えたり、建物自体が床上浸水した場合に補償対象となる可能性があります。

ただし、すべての火災保険が水災補償を含んでいるわけではないため、自分の契約内容を確認しておくことが大切です。

自宅周辺の水害リスクは、国土交通省のハザードマップなどで確認できます。

必要に応じて水災補償を付帯することを検討しましょう。

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カーポートの修理に火災保険を適用できないケース

ここでは、カーポートの修理が火災保険で補償されないケースについて解説します。

【ケース1】経年劣化によるカーポートの修理

経年劣化によるカーポートの修理は、火災保険の補償対象にはなりません。

火災保険は、予期しない事故や災害に対する補償を目的としています。

しかし、長期間の使用によって生じる錆や腐食、摩耗などは、偶然の事故ではなく予測可能な現象です。

そのため、経年劣化は補償対象外と判断されます。

【ケース2】建物が補償対象外

火災保険の補償対象が「家財」の場合、カーポートの修理代は補償されません。

カーポートは「建物」に該当するため、建物に対して補償を掛けている必要があります。

契約内容を確認し、補償対象に建物が含まれているか確認しておきましょう。

【ケース3】被害の原因が補償対象外

被害の原因が補償対象外の場合、火災保険の申請はできません。

例えば、契約時に水災や風災の補償を外していると、台風による浸水や風による被害があった際に保険金が支払われません。

火災保険は、おもに火災に対する補償が基本ですが、その他の特約を契約するかどうかは個々の判断に委ねられています。

このため、保険契約の内容を事前にしっかり確認し、必要な補償を付帯しておくことが大切です。

【ケース4】免責金額の条件を満たしていない

免責金額の条件を満たさない場合、火災保険金の支払いは受けられません。

免責金額とは、保険申請時の自己負担額をいいます。

免責金額を10万円に設定している契約では、損害額が10万円に満たないと保険金を受け取ることができません。

免責金額の設定は、保険料が安くなるメリットがありますが、事故時には注意が必要です。

保険金請求を行う前に、自分の契約内容や免責金額を確認してきましょう。

【ケース5】製品不良・施工不良

製品不良や施工不良が原因でカーポートに損害が生じた場合、火災保険の補償は対象外です。

設置時のミスや不適切な取り扱いによる損傷の責任は施工業者にあります。

そのため、製品不良や施工不良による損害は、施工業者に相談しましょう。

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カーポート修理における火災保険の申請方法

自然災害によるカーポート被害で火災保険を申請する手順は、以下のとおりです。

STEP
保険会社へ連絡する

まず、被害を発見したらすぐに保険会社へ連絡をしましょう。

被害の発生から3年が経過すると、時効となってしまうため注意しましょう。

STEP
必要書類を準備する

損害部分の写真やカーポート全体の写真、修理見積書、保険金請求書を用意します。

写真は多角的に撮影し、複数枚用意しておきましょう。

また、撮影が危険な場所は、無理をせず修理業者に依頼しましょう。

STEP
保険会社による査定

提出書類をもとに、保険会社による査定が行われます。

査定の結果、全額が支払われることもあれば、一部が支払われない場合もあります。

STEP
保険金の振り込み

査定結果に契約者が合意すると、保険金が指定口座に振り込まれ、請求手続きが完了します。

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火災保険を利用してカーポートを修理する際の注意点

ここでは、カーポートの修理を火災保険で申請する際の注意点を見ていきましょう。

【注意点1】車の修理は自動車保険を利用する

車に対する損害は、火災保険では補償されないため自動車保険を利用する必要があります。

火災保険は建物と家財に特化しているため、車両自体やその損傷については適用外です。

強風でカーポートが倒れたり、雹の影響で車が傷ついた場合でも、火災保険では補償されません。

このような損害を受けた際は、自動車保険会社に連絡をしましょう。

ただし、自動車保険を利用すると等級が下がる可能性があるため、注意が必要です。

特に自損事故の場合、「一般型」の車両保険に加入していないと補償されないことがあります。

事前に自身の保険内容を確認し、適切な補償を受けることが重要です。

【注意点2】被害の発生から3年以内に請求する

火災保険の申請は、被害の発生から3年以内に行う必要があります。

この期限を過ぎてしまうと、火災保険の適用が難しくなります。

損害に気付いたら、すぐに保険会社や代理店に連絡するようにしましょう。

保険金申請には、被害状況を説明するための証拠が求められることが多いため、被害が発生したら、すぐに写真を撮影しておくことが重要です。

時効の3年が近づいている場合は、早めに保険会社やリフォーム会社に相談することをおすすめします。

【注意点3】悪徳業者や詐欺に注意する

カーポート修理を理由に近寄ってくる悪徳業者や詐欺には、特に注意が必要です。

近年、火災保険を利用した詐欺や悪質な商法が増加しており、被害者が後を絶ちません。

詐欺の手口には、「火災保険を使えばカーポート修理が無料になる」といった誇大な宣伝や、「どのような被害原因でも保険で対応できる」といった誤った情報があります。

このようなリスクを回避するためにも、信頼できる業者に修理を依頼しましょう。

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カーポートの修理にかかる金額の目安について

カーポートの修理にかかる金額は、1.5万〜60万円が目安です。

被害状況などによって修理の内容は異なるため、修理の内容ごとにおおまかな金額を覚えておきましょう。

カーポート修理の内容修理金額の目安
カーポートパネルの交換
(1枚のみ)
2.5万~3万円
カーポートパネルの交換
(カーポート全体)
1.5~2万円
(1枚あたり)
アルミ枠の交換2万~20万円
支柱の交換7万~9万円
カーポート本体の交換30万~60万円

パネル単体の被害であれば数万円で修理できますが、被害が大きい場合は修理費用が高額になります

数十万円の出費を防ぐためにも、しっかりと火災保険に加入しておきましょう。

>>カーポートの修理についてくわしくはこちら

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後付けしたカーポートの修理は火災保険が適用できる?

新築時ではなく、リフォームで後付けしたカーポートも火災保険の適用対象となります。 

ただし、カーポートを後付けする際には、事前に保険会社もしくは代理店に連絡することをおすすめします。

契約内容にカーポートの補償が含まれているかを事前に確認しておくことで、万が一の際に適切な補償を受けとれます。

安心してカーポートを使用するためにも、事前確認を徹底しましょう。

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【Q&A】火災保険のカーポート修理に関するよくある質問

カーポートに車をぶつけた場合、火災保険は適用になる?

保険会社や契約プランによって、補償が適用になる場合と適用にならない場合があります。

加入している保険会社に問い合わせをしてみましょう。

カーポートの経年劣化による損害は、火災保険の適用になるの?

基本的には、保険の適用になりません。

火災保険は事故を補償するためにあり、経年劣化は補償の対象範囲外です。

カーポートは火災保険の「家財」に該当する?

カーポートは「建物」に該当します。

「建物」は自分で動かせないもの、「家財」とは自分で動かせるもの、と捉えるとわかりやすいでしょう。

自然災害によるカーポートの損害で車両も被害に遭った場合は、どうしたらいい?

加入している「車両保険」の申請が可能です。

ただし、災害の内容が車両保険の補償内容に含まれている必要があります。

カーポートの雨漏りは火災保険の対象になる?

基本的には補償の対象外です。

雨漏りの原因はなにか?という点で判断がわかれます。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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