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目次
レンジフードとは何か?
レンジフードとは、コンロ上部に設置されている排気設備のことです。ステンレス製のフードで覆われているためすっきりした見た目ですが、内部には換気扇が設置されています。
レンジフードの役割は調理中に発生する油煙やにおいなどを屋外に排出し、室内をきれいに保つことです。そのため、レンジフードがないと部屋中に調理中のにおいが充満し、家具などが油で汚れてしまいます。
換気扇の故障原因と耐用年数はどのくらい?
換気扇はおおよそ10年~15年が耐用年数です。
10年を過ぎると、不具合が生じてくるケースが多く、対応する部品の生産がストップするなど徐々に部品交換なども行いづらくなります。
換気扇は使う機会が多いものですので、壊れてしまう前に交換や、メンテナンスを行うことが良いでしょう。
また、故障の原因の多くはモーターやスイッチ破損です。
スイッチは操作の度に触るため、接触が悪くなったり、スイッチ自体が取れてしまうことがあります。
モーターは経年でホコリなどが蓄積することが原因です。
モーターに支障があると、異音がすることがあるため、普段聞きなれない音がしたらメンテナンスを行いましょう。
換気扇の選び方とは?
ファンの種類を確認する
換気扇のファンには「プロペラファン」「シロッコファン」「ターボファン」の3種類があります。
交換する際には、今ついている換気扇のファンが3つのどれに当たるか、知っている必要があります。
特にターボファンは交換できる種類が少なく、金額もやや高い傾向にあります。
また、プロペラファンから他2つに変更する場合には、専用の部材などが必要であるため、きちんと揃っていないと交換できないという事態になりかねません。
また、マンションの場合には決まった機種を選ばなければならない場合もありますので、注意が必要です。
サイズを確認する
換気扇のサイズは横幅は60㎝、75㎝、90㎝の3種類があります。
換気扇のみの交換であれば、横幅のサイズを変えることは難しいため、きちんとサイズを把握しましょう。
また、高さ方向のサイズも重要なポイントです。
基本的には、同じサイズを設置すれば問題ありませんが、高さにより選べる換気扇が限られることもあります。
換気扇の形状を変更する場合には、奥行きも変わることがありますので、使いにくくないか、事前に把握することも行うと良いでしょう。
必要な機能を確認する
一昔前の換気扇は、料理中の臭いを外へ出してくれる機能が主で、吸ってくれる強さを変えられる程度でしたが、現在の換気扇にはそれ以外の機能が付いている機種もあります。
掃除を助けてくれる「自動洗浄機能」や、そもそもファンのお手入れが一定期間不要な機種であったり、コンロと連動して作動するものもあります。
新しい換気扇を選ぶ際、最新の機能に目移りしてしまうこともあると思いますが、機能が付いている機種ほど高価格帯である傾向にあります。
機能をしっかり吟味し、必要なものを選びましょう。
換気扇の種類にはなにがある?
スリム型
最新の機種に多い形状で、掃除がしやすいのがポイントです。
高さ5㎝程の薄い板状の部分の上に、奥行き40㎝程度のモーター部分がおさまった箱形状がついています。
シロッコファンが搭載されている機種が多く、シンプルな機能のものから高性能な機種まで幅広くラインナップされています。
予算に合わせて選ぶことができるため、設置することができれば、選びやすい形状です。
ブーツ型
昔から今まで多く普及している形状です。
手前が斜め上を向いている形状で、煙を集めやすい形状と言われています。
このタイプに最新性能が搭載されているケースは少ないですが、値段が安い傾向にあり、扱いやすいタイプです。
高さがある程度ある形状であるため、低い天井の住宅には設置することが難しいですが、スタンダード形状と呼ばれることもあるほど、昔から良く取り扱われている形状です。
浅型
ターボファンは、ほぼこの浅型である場合が多いです。
モーターやファン部分が高さ20㎝程度の中に納まっているため、低い天井のキッチンにも設置できることがポイントです。
元々浅型が設置されているキッチンには、換気扇の設置に関わる法律を考えると、浅型しか設置できない場合があります。
ただし、掃除をする際には真上を向く必要があることや、機種が少ないこと、機能もシンプルなものしか無いことを考えると、どうしても選ばなければならない場合を除いて、他の形状を設置する方が良いでしょう。
換気扇の取り付けタイプを紹介
壁面取付タイプ
換気扇の背面が壁についている取り付けタイプです。
ターボファンでもシロッコファンでもある取付タイプで、壁付けキッチンに採用されている取付方法です。
設置の際には、必ず設置面に下地が必要ですが、比較的簡単に設置できるため、工事時間が短く、費用も安くなる傾向にあります。
多くは吊戸棚の奥行きに合わせて、パネルなどで排気ダクトを隠すデザインが多いですが、中には、排気ダクト部分のみを隠したスタイリッシュなデザインもあります。
横壁取付タイプ
キッチンの左右いずれかが壁に面している「ペニンシュラ型」に設置される取付タイプです。
排気ダクトを隠す筒状の部分が左右どちらかに偏っており、壁面取付タイプよりもスタイリッシュに見えることが特徴です。
ただし、ホコリが積もりやすい形状でもあるため、こまめな清掃が必要でしょう。
この取り付けタイプはスリム型が多く、ファンもシロッコファンのみです。
取り付けるキッチン形状も限られるため、あまり見かけない形ではありますが、取付タイプの1つとして覚えておきましょう。
天井取付タイプ
どの壁にも面することがない取付タイプで、天井から吊るして設置します。
アイランド型に採用されるタイプで、換気機能が重要視されるため、高機能であることが多いです。
また、天井からボルトで吊るして設置することが多いですが、機種によってボルトの位置が異なることがあり、工事の際に新たにボルトを設けることで、工事が複雑になることがあります。
高機能でかつ工事が複雑であるため、全体的な金額は高くなる傾向にあり、予算には余裕をもつことが大切です。
換気扇の最新機能を紹介!
ノンフィルタータイプ
従来の商品には、穴の開いたフィルターが付いており、その穴に油汚れがつまっていまい、掃除が大変ということが多くありました。
油汚れがなるべく付着しないように、市販のカバーなどを付けているご家庭もあるのではないでしょうか。
最新機種にはこのフィルターがありません。
整流板という板に油を含んだ煙をぶつけ、キャッチした油はオイルトレーに溜まる構造でオイルトレーは一定期間の間に掃除すれば良いので、掃除が格段に楽になっています。
自動洗浄機能
最新の換気扇は、整流板という煙を受け取る部分の先に、吸い込む風を生み出すファンがあります。
このファン部分は整流板で油をキャッチしているとはいえ、汚れてしまう部分で、年に数回は手入れをする必要があります。
外して洗う作業は手間ですが、自動洗浄機能が付いている換気扇を選べば、お湯をセットし、ボタン1つで洗浄が完了します。
この機能が付いている換気扇はまだ少ないですが、常に清潔に保ちたい方にはおすすめです。
ワンタッチ着脱できるファン
自動洗浄機能は便利ですが、機種も少なく高額帯の商品です。
そのため、手に入れやすい価格でファンの掃除を楽にしたいという方には簡単に取り外しが出来る、ワンタッチ着脱機能が付いた機種がおすすめです。
この機能が付いていないと、ファンの取り外しに工具が必要なケースがあります。
油で汚れてしまったファンを工具を用いて外すというのはかなりの重労働で、年に数回のこととはいえ億劫に感じてしまうでしょう。
ワンタッチ機能が付いていれば、ファンについているボタンで着脱ができますので、掃除の手間は少し楽になるはずです。
コンロと連動する機能
換気扇は料理の度に使うため、消し忘れてしまうこともあるでしょう。
ですが、このコンロとの連動機能がついているものは、コンロのオンオフに応じて換気扇も作動するため、うっかり消し忘れてしまうことを防ぐことができます。
ただし、この機能が付いている換気扇を使うためには、コンロ側も連動機能に対応している必要があります。
コンロ側で対応できなければ、この機能がある換気扇を付けても作動しませんので、注意が必要です。
換気扇はDIYで交換可能?
換気扇交換を業者へ頼むと工事費だけで10万円以上かかることもあり、DIYで設置できないかと考える方もいると思います。
ですが、換気扇を交換するためには、屋内での電気配線工事が必要になるケースが多く、その場合は電気工事の資格が必要です。
そのため電気工事が必要な場合、DIYで換気扇を交換することは極めて難しいと言えるでしょう。
換気扇はきちんと取り付けしていないと上手く煙を吸わないなど、トラブルが発生することもあります。
また、換気扇本体の重さは軽くても10㎏以上、重くて30㎏近くある機種もあるため、持ち上げての作業は難しく、万が一落下してしまった場合には大きな事故になりかねません。
安全のためにも、きちんとした金額で業者に依頼することをおすすめします。
換気扇の取り外し方、取り付け方は?
取り外し方はこう
まずは、換気扇のブレーカーを落とします。
その後、フィルターなど工具を使わなくても外せる部分は外していきましょう。
次に、電源に繋がっているコンセントや、配線、排気ダクトを外していきます。
電気が通っていない状況にし、ダクトを隠している幕板部分を工具を使って外していきます。
見えてきたファン部分を外し、最後に本体が壁面に固定されていますので、ビスを外して本体を取り外せば完了です
下地を確認する
換気扇には機種によって適した下地が決まっています。
既存で付いていたものと形は変わらなくても、ビスの位置が異なる場合があり、新しい換気扇に下地の位置を合わせる必要があります。
換気扇周りは火を使うため、下地は燃えにくい石膏ボードの裏側に埋め込むことが理想です。
また、下地の木のパネルは厚さ12mm以上のものにしましょう。
新しい換気扇を設置する
適切な高さを守って、本体を設置します。
この時は決して1人で作業することはせず、2人で作業するようにしましょう。
1人は本体を下から支え、もう1人が壁にビスで本体を固定していきます。
ビスは四隅にある場合、対角線上に固定していくと本体の水平が保たれやすいためおすすめです。
全てのビスを固定したら、必ず水平器などを使い水平か確認してください。
排気接続をする
天井の排気ダクトと、本体の排気口を接続します。
接続部分はアルミテープなどできちんと固定しましょう。
また、マンションの場合には排気内の結露を防ぐため、断熱材をダクトに巻きつけることも必要な場合があります。
電源を繋ぎ、試運転をした後排気ダクトを隠す前幕板を戻して、設置完了です。
換気扇の修理や交換に掛かる費用
工事内容 | 費用相場 |
換気扇交換 | 15~40万円 |
プロペラファン換気扇から交換 | 18~33万円 |
部品交換 | 1万円~ |
換気扇の交換費用は本体の性能によって値段が大きく異なるため、どのグレードの機種を選ぶかによって上下します。
一般的な機能のブーツ型であれば、本体は10万円程度で済みますが、高性能な天井取付タイプなどを選んだ場合には30万円程度がかかる場合があります。
工事価格も、難易度により異なるため、上記のような費用相場となっています。
また、プロペラファンの換気扇から交換する場合は、外壁に開いている穴へ別売り部品の取り付けや、下地の設置などが必要になるため、プラス3万円ほどかかります。
換気扇を丸ごと交換しないメンテナンスの場合には、部品代、出張費、作業料などがかかるため、1万円は最低でもかかると言えます。
換気扇交換の際の注意点とは?
設置高さに気を付ける
換気扇には、法律で決められた設置高さがあります。
それは、「加熱機器から80㎝以上」というものです。
この場合の加熱機器とはIHやガスコンロを指し、設置の際にはこの基準を守る必要があります。
ただし、80㎝ぴったりで設置すると、キッチン高さを65㎝とした場合、145㎝となるため少々低く感じるでしょう。
最新のスリム型を設置した場合は、コンロを使う際に頭をぶつける可能性があります。
使う人の身長なども考慮して、高さに注意して設置しましょう。
交換するレンジフードのサイズに注意する
換気扇の横幅サイズは、60㎝、75㎝、90㎝の3種類です。
換気扇は、間を空けずにぴったり納めることが一般的であるため、サイズは間違えないように注意しましょう。
キッチン全てを交換する場合、レンジフードの大きさは加熱機器の天板サイズで決めることが一般的です。
加熱機器は60㎝又は75㎝の2種類があり、60㎝には全てのサイズの換気扇が採用できますが、75㎝には換気扇サイズは75㎝又は90㎝と決まっています。
吊り戸棚のサイズなどにも影響してきますので、キッチンプランを決める際には十分検討しましょう。
必要な機能をしっかり考える
最新の換気扇には、様々な便利機能が付いています。
機能は後付けできないものですので、設置の際に選ぶ必要がありますが、せっかくだからと機能を付けすることもおすすめできません。
いろいろな機能が付けば付くほど、高額になってしまいます。
迷ってしまったら、換気扇の寿命はおおよそ10年ですので、差額を年数で割って1年当たりの値段で考えてみることをおすすめします。
マンションで交換するときに特に注意すること
マンションに設置されている換気扇には、排気だけでなく、吸気の役割を持っている「同時給排気型」の場合があります。
これは、マンションは戸建てよりも気密性が高く、排気ばかりをおこなっていると、部屋の中の空気が負圧になり、外から空気を取り込もうとする働きが生まれます。
そうすると、玄関ドアが開きづらくなったり、窓の隙間から風が吹き込み音を立てるなどの現象が起きやすくなってしまいます。
同時給排気型の換気扇には、排気のダクトだけでなく、吸気のダクトも付いているため、一般的な換気扇を選ぶと吸気のダクトが余ってしまいます。
マンションの場合、勝手に排気のみの換気扇にすると規約違反になる場合がありますので、既存の品番を調べ、同時給排気型だった場合には必ず適した換気扇を選ぶようにしましょう。
レンジフードの交換事例
手入れのしやすいフィルターレスに交換した事例
工事内容 | ブーツ型からスリム型への交換 |
費用 | 13万円 |
施工期間 | 3時間 |
フィルターの付いたブーツ型から、フィルターレスの換気扇に交換した事例です。
フィルターは網目に油が入り込んでしまうと、完全に落し切るのは難しく、フィルターを部分交換する場合もあります。
また、フィルターを通しても油が取り切れないため、ファンの部分も油で汚れてしまい、故障の原因にもなります。
フィルターレスにしたことにより、施主希望通りの手入れがしやすい換気扇になりました。
カラーもマットなシルバーにしたことで、指紋なども付きづらく、スリム型の直線的なフォルムでキッチン全体が新しくなった様に感じます。
油で黄ばんだ換気扇もすっきり綺麗になった事例
工事内容 | ブーツ型からスリム型への交換 |
費用 | 7万円 |
施工期間 | 2時間 |
黄ばんでしまった換気扇を新しいスリム型へ交換した事例です。
換気扇は古くなってくると上手く煙を吸い込むことができず、換気扇の外へと漏れてしまうことがあります。
油を含んだ煙ですので、付着すると油汚れが蓄積され、事例の様に本体の外側にまで汚れがついてしまうことがあります。
定期的な清掃で防げることもありますが、10年以上の商品は経年劣化もしますので、新しい換気扇に交換することが良いでしょう。
プロペラファンからシロッコファンへ交換した事例
工事内容 | プロペラファンからスリム型への交換 |
費用 | 16万円 |
施工期間 | 1日 |
プロペラファンの換気扇からスリム型へ交換したことにより、性能が格段にアップした事例です。
プロペラファンは吸い込みの力が弱く、既存のように囲いを付けても煙を効率的に吸うことは難しいです。
交換後のスリム型はシロッコファンですので、整流板と本体の間で隙間風の様なイメージの気流を作り出し、煙を吸ってくれます。
油も、オイルトレーに溜まる仕組みですので、清掃性もアップしました。
光沢のあるシルバーは高級感も演出してくれます。
換気扇のおすすめメーカーを紹介
TOTO「ゼロフィルターフードeco」
油を弾く、撥油コートをまとったファンが回転し、煙の中の油を弾き飛ばすことにより、10年間手入れ不要のファンとなっています。
ファンへの油の付着は換気量の低下にも繋がりますが、手入れが手間であることが難点でした。
その点、この商品は手入れが不要であるため、長期間快適に使うことができます。
普段のお手入れは、整流板とオイルパックに溜まった油を拭き取るだけです。
整流板は外すとかなりの重みがありますが、奥と手前の両方で開閉できるため、吊り下げたまま手入れをすることができます。
クリナップ「洗エールレンジフード」
ファンとフィルターが一体となった新構造のファンフィルターをボタン1つで洗浄できる換気扇です。
洗浄は簡単で、本体についた給水トレーに40~45度のお湯をセットし、ボタンを押した後、10分待つだけで完了します。
洗浄に使ったお湯は本体の排水トレーに溜まっていて捨てることができるため、汚れが本体に残ってしまうこともありません。
ファンの汚れ以外は、2か月に1度本体を拭き取り清掃すればよいため、この製品を採用することで掃除の頻度は確実に減るでしょう。
LIXIL「よごれんフード」
ファンの前に円盤状のディスクがあり、高速回転することで油をオイルトレーに落とすため、ファンまで油汚れがほとんど届かない構造になっています。
この仕様により、10年間ファンのお手入れは不要となっており、ディスクも水が作用して汚れを落とす「親水性塗装」が施されているため、力を入れて洗う必要はありません。
普段のお手入れは整流板と、3か月に1度のオイルトレーとディスクの清掃のみです。
また、「風量おまかせモード」で調理状況を判断し、取り逃していた煙を吸う機能もあります。
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