リフォーム前に知っておきたい結露の主な原因について
カビや腐食の原因となる結露には、窓や押入れに生じる表面結露と、通常目にすることができない壁の中に生じる内部結露の2種類があります。それぞれ、どのような原因で結露が生じるのか見ていきましょう。
表面結露の原因について

冷たい水よりもお湯の方が、砂糖などの粉末を多く溶かすことができます。それと同じように、空気も暖かい空気の方が水分を多く含むことができます。この空気が含むことのできる限界の水分量を、飽和水蒸気量といいます。
断熱性の悪い窓だと、いくら室内を温めても、窓ガラスは冷たいままです。この窓ガラスに水分をいっぱいに含んだ空気が触れると、たちまち空気が冷えて飽和水蒸気量が減るため、余分な水分を吐き出してしまいます。この吐き出した水分が、結露です。
押入れでも、室内は暖かいのに、押入れは冷えた状態です。この押入れの中に室内の暖かい空気が入り込むと結露が生じてしまいます。皮肉なことに昔の木造住宅は、常にすきま風が入ってきており、空気が同じ位置にとどまることなく適度に流れていたので、かえって結露は生じなかったのです。
内部結露の原因について

壁の中に生じる内部結露は、柱や土台を腐敗させる原因となるので問題は深刻です。結露の生じるメカニズムは、表面結露と同じです。壁内に暖かい空気が入り込む隙間があれば結露が生じることになります。
そのうえ、内部結露は冬の暖房の時期だけとは限りません。真夏の暖かい空気が壁内に入り込むと、冷房効果で冷やされた壁に触れて結露が生じるのです。
結露対策に有効なリフォームの内容や費用について
それでは、表面結露や内部結露を防ぐにはどのようなリフォームを進めればいいのでしょうか。結露対策のリフォームのポイントと費用についてみていきましょう。
結露対策になる窓のリフォーム
窓の結露を防ぐリフォームには、主に「二重窓(内窓追加)」と「樹脂製サッシへの交換」という2つの方法があります。結露リフォームの費用は、掃き出し窓1カ所あたり10万〜28万円程度が一般的な相場です。以下の比較図で、それぞれの工法の費用や工期、特徴を確認できます。

上記2つの工法のうち、結露対策として特に多く採用されているのが二重窓(内窓)です。窓に生じる結露を防ぐには、室内の空気が触れるガラス面を冷やさないことが求められます。その対策として最も有効な方法が、既存窓の内側にもう一枚窓を設ける内窓です。
二重窓にすることで、窓の間に介在する空気層が断熱の役割を果たして、内側の窓が冷えることはなくなります。また室内の空気も外窓には直接接触することがなくなるので、結露を完全に防ぐことができるのです。
またアルミサッシは、アルミの熱伝導率が高いために、窓枠にも結露が生じることがあります。内窓を取り付けることにより、窓全体の結露対策が実現できるのです。
二重サッシの場合、結露防止には気密性が最も重要です。窓の取り付けスペースも考慮してきちんと気密性が保てるのかを確認してから工事を進めましょう。結露対策をより効果的にするためには、ガラスはペアガラスとし、窓枠も熱伝導率の低い樹脂製にした方がいいでしょう。
部屋が狭くなるとか、インテリアの関係で内窓に抵抗がある場合には、既存のアルミサッシを樹脂製のサッシに交換するだけで、ずいぶん結露防止効果はあります。最近ではアルミと樹脂の複合サッシもあります。意匠・機能上、アルミと樹脂両方のメリットを備えた好条件のサッシといえます。
二重窓にする場合は、既存の窓が取り付けてある額縁を利用するのが最も現実的です。工事は一カ所の窓を取り付けるのに、およそ2時間を要します。取り付け費用は、掃き出し窓(1800×1700)で一か所あたり12万~17万円(材工共)です。
アルミサッシを樹脂製サッシに取り換える工事は、単に窓だけの交換ですめば、1カ所1時間で完了します。窓枠の交換が必要な場合は、作業時間は1カ所3時間を要します。必ずしもアルミサッシの規格と樹脂製サッシの規格が一致するとは限りません。壁にも及ぶ工事になる場合は、建物の構造を劣化させることになるので、他の対策を模索した方がいいでしょう。
樹脂製サッシに交換する費用は、掃き出し窓(1800×1700)で、一か所あたり10万~28万円(材工共)です。
結露対策になる壁・天井のリフォーム
壁や天井の結露対策には、断熱材を使った断熱リフォームが最も効果的な手段です。
リフォームで壁を断熱する場合、壁内に断熱材を埋めていく「充填断熱」という方法があります。この充填断熱では、いったん内壁を外す必要がありますが、柱と柱の間に断熱材を入れていくので壁が厚くならないという利点があります。ただし、コンセント回りなど細かな作業が必要な部位もあるので、丁寧な仕事をしてくれる施工会社を選択する必要があります。
壁の結露対策リフォームでは、費用と断熱効果のバランスを考えることが重要です。主な工法には「充填断熱」「外張り断熱」「外壁塗装」の3種類があり、それぞれ費用相場と工期が異なります。以下の比較図で、各工法の特徴を確認しましょう。

上記の3つの工法のうち、充填断熱は壁厚を変えずに断熱性を高められる工法として、リフォームでよく採用されています。工期は一部屋につき1週間~2週間かかり、工事期間中は部屋の使用ができません。費用は、壁の面積1平方メートル当たり5,000円~25,000円です。
充填断熱よりも断熱効果が高いのが、外張り断熱です。柱の外側に断熱材を張り、さらにその外側に外壁材を取り付けるので、壁厚が増します。工期は、1カ月~1.5カ月を要します。費用は1平方メートル当たり8,000円~30,000円です。
外断熱をもう少し手軽に行う方法としては、外壁と屋根を塗装をする方法があります。工期は2~4週間です。費用は1平方メートル当たり約5,000円ですが、別途足場代が10万~20万円かかります。しかし、断熱材を充填する方法よりも断熱効果は低いです。
天井の断熱リフォームには、天井裏の構造に応じて2つの工法があります。以下の比較図で、それぞれの費用と特徴を確認しましょう。

天井の断熱は、天井裏が活用できる構造であれば、綿状の断熱材を吹き込む工法が利用できます。工期も4日~1週間で、費用は1平方メートル当たり4,000円~8,000円です。
天井裏が活用できない構造であれば、いったん天井を外して、骨組みの間に断熱材を敷きつめる工法になります。工期は1~2週間で、費用は1平方メートル当たり1万~2万円です。
マンションの結露対策リフォームについて
マンションの場合、戸建て住宅とは異なるアプローチで結露対策を行うケースが多いです。マンションで断熱対策をする場合は、室内の風通しをよくすることが有効な手段となります。具体的に、どういう結露対策があるのか見ていきましょう。
室内窓のリフォームで風通し対策
マンションの結露対策リフォームでは、間仕切り壁に室内窓を取り付ける方法が効果的です。あまり使用しない部屋も室内窓を開放しておくだけで、結露対策になります。
また、クローゼットや押入れの内部は、調湿機能のある仕上げ材を使用すると結露を防ぐことができます。
さらに北側の壁は、冬場非常に冷たくなり壁の結露がひどい状態になりやすいので、通常人が出入りしないような収納スペースは設けない方がいいでしょう。壁の結露が発生しやすい場所では、調湿建材の使用や定期的な換気を心がけることが大切です。


















