2025年03月12日更新

監修記事

固定資産税はリフォームでどう変わる?変動条件や減税制度などを解説

リフォームを検討するにあたり、固定資産税の変動は気になるポイントのひとつではないでしょうか。リフォームの内容によっては税額が増減することもあるため、事前に影響を把握しておくと安心です。本記事では、リフォームの内容によって固定資産税が変動する条件から、税制改正の最新情報などを解説します。最適なリフォーム計画を立てることで、無駄な税負担を抑えながら快適な住まいを実現しましょう。

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固定資産税とは

固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地・家屋・償却資産を所有している人が、その資産の価格に基づいて市町村に納める税金のことを指します。

課税の対象は土地、住宅などの家屋、事業用の機械設備などの償却資産で、固定資産の所在する自治体が課税主体となります。

税額の計算方法はシンプルで、評価された価格(課税標準額)に標準税率1.4%を乗じて算出します。

地方自治体の標準税率

各地方自治体における標準税率は、条例によって1.4%を超えない範囲で定められます。

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リフォームで固定資産税が変動するケース

リフォーム内容によっては、建物の評価額が変わり、固定資産税に影響する場合があります。

建物の規模や構造、用途が大きく変わるケースでは、自治体による再評価が行われ、税額が増減することもあります​。

【ケース1】増築・減築による床面積の増減

建物の延床面積が増えれば、その分評価額が上がり固定資産税も増えます。

増築工事は役所への建築確認申請が必要なため、完了後に評価額が見直された上で課税床面積が増加します。

逆に一部取壊しによって床面積が減少すれば、評価額が下がるだけでなく税額の減る可能性も考えるでしょう。

【ケース2】建物の用途変更による評価額の増減

建物の用途(居住用・商業用など)が変わると、評価額算定に影響します。

評価額は構造や用途ごとに基準が定められているため、例えば住宅を店舗や事務所に改装した場合、内装仕様や耐久性の基準が変わり、固定資産税が増減することもあります。

【ケース3】大規模な改修による建物価値の増減

耐震補強やスケルトンリフォームなど、建物の主要構造部に及ぶ大規模改修を行った場合も評価額が上がる可能性もあります。

老朽化した建物を最新の仕様に一新すると、耐久性や資産価値が向上し、それに伴って固定資産税が増額されるケースもあります。

例えば構造躯体に手を加えるようなフルリフォームでは、地方自治体が建物の価値を再評価する可能性があることも覚えておきましょう。

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リフォームで固定資産税が変動しないケース

規模や構造に影響しないリフォームであれば、固定資産税は基本的に変わりません。

古くなった部分を修繕したり設備を更新する程度なら、評価額を見直す必要がないと判断されるため、税額への影響は生じません。

【ケース1】老朽部分の補修や設備更新など劣化を防ぐ保全リフォーム

経年劣化した屋根・外壁の補修や水回り設備の交換など、建物を保全するためのリフォームにおいて税額の変動はありません。

古くなった部分を新品に取り替えても、それは資産価値の維持と見なされ、評価額には影響しないためです。単なる老朽化対策の補修であれば、固定資産税は据え置かれます。

【ケース2】間取り変更のない内部リフォーム

室内の模様替えや内装材の交換など、間取りに変更を伴わないリフォームにおいて固定資産税は変動しません。

キッチンや浴室のリニューアル、床や壁紙の張り替えなど、建物の規模・用途に影響しない工事は評価額に反映されないためです。

内部の改装のみであれば税額は現状維持となります。

【ケース3】延床面積が増えないリフォーム

延床面積の増加しないリフォームであれば、基本的に固定資産税額は変わりません。

例えば既存部分の改修や模様替えだけであれば、登記上の床面積に変化がなく、自治体の評価額も据え置かれます。

ロフト設置など法律上床面積に算入されない増築方法もありますが、その場合も課税床面積は増加しないため税額も上がりません。

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固定資産税が下がるリフォームの減税制度

一定の要件を満たすリフォームによって、期間限定で建物の固定資産税が減額される特例制度もあります。

耐震化や省エネ化、バリアフリー化などを促進する目的で設けられており、該当するリフォームでは翌年度分の固定資産税の一部が減額されます。

【制度1】耐震リフォーム

昭和56年(1981年)以前に建てられた住宅を現行の耐震基準に適合させる耐震改修工事を行った場合、翌年度分の固定資産税が2分の1に減額されます。

工事費50万円超や現行耐震基準に適合することなどの一定条件を満たせば、居住部分について120平方メートル相当分まで税額が半減される制度です。

なお、改修によって当該住宅が長期優良住宅の認定を受けた場合は、固定資産税の減額率が2分の1から2分の3に拡充されます。

【制度2】バリアフリーリフォーム

高齢者や要介護者等が暮らす築10年以上の住宅で、段差解消や手すり設置など一定のバリアフリー改修(工事費50万円超)を行った場合、翌年度の固定資産税(居住部分100平方メートル分まで)が3分の1減額されます。

賃貸住宅を除き、改修後の床面積が50平方メートル以上(280平方メートル以下)であること等の条件があります。

【制度3】省エネリフォーム

断熱性の向上や高効率給湯機の設置など、一定の省エネ改修工事(費用50万円超)を行った場合、翌年度分の固定資産税(120平方メートル相当分まで)が3分の1減額されます。

例えば、窓のガラスを複層ガラスリフォーム、壁・天井の断熱リフォーム、太陽光発電システムの導入などのエコリフォームが該当します。

なお、改修によって当該住宅が長期優良住宅の認定を受けた場合は、減額率が3分の2に拡大されます。

【制度4】長期優良住宅化リフォーム

既存住宅で耐震改修や省エネ改修等を行い、増改築後に長期優良住宅の認定を取得した場合、翌年度分の固定資産税が3分の2減額されます(120平方メートル相当分までが対象)

耐久性・省エネ性など住宅の性能を大幅に向上させるリフォームが条件で、賃貸でないことや床面積50~280平方メートルであること等の要件があります。

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リフォームで固定資産税の減税を受けるために必要な申請手続き

STEP
リフォームの減税対象となる条件を確認する

リフォームによる固定資産税の減税を受けるためには、工事の内容や建物の種類が要件を満たしているかを確認する必要があります。一般的には耐震リフォーム、省エネリフォーム、バリアフリーリフォーム、長期優良住宅化リフォームなどが対象になります。また、築年数や工事費用の最低金額が定められている場合もあるため、事前に市区町村の公式サイトや窓口で最新の基準を調べましょう。

STEP
必要な書類を準備する

申請には、リフォーム内容を証明する書類が必要になります。通常は以下の書類が必要とされます。

  • 工事請負契約書の写し
  • 工事完了後の写真
  • 領収書の写し

工事の内容によっては、耐震基準適合証明書や省エネ性能証明書などが追加で必要となります。

STEP
申請書を作成し提出する

市区町村の税務課などの担当窓口で固定資産税減税の申請書を取得し、必要事項を記入します。多くの場合、自治体の公式ウェブサイトからダウンロードすることも可能です。申請書とともに、前のステップで準備した書類を添えて、自治体の指定する方法(郵送または窓口提出)で提出します。提出期限が決められていることも多いため、工事完了後すぐに手続きを進めると良いでしょう。

STEP
自治体の審査を受ける

申請が受理されると、自治体の担当者が書類の内容を審査し、必要に応じて追加の資料提出を求められることがあります。また、現地調査が実施される場合もあるため、スムーズに対応できるようにしておくとよいでしょう。審査には数週間から数か月かかることもあります。

STEP
減税の適用を確認する

審査が完了すると、固定資産税の減税が適用されるかどうかの通知が届きます。減税が承認された場合、翌年度以降の納税通知書で税額の減少を確認できます。もし申請が却下された場合は、その理由を確認し、不備があれば追加の対応を行うことも可能です。

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リフォーム後の固定資産税額を試算する方法

リフォーム後の固定資産税額は、工事内容に応じて増減しますが、おおよその試算は可能です。

建物の評価額は一般に工事費用の50~70%程度が目安とされています。

また、税額はその評価額に標準税率1.4%(自治体により異なる場合あり)を乗じて算出されます。

例えば、500万円相当の増築工事を行った場合、新たな部分の評価額は250~350万円程度となり、固定資産税は約3.5~4.9万円増加する計算です。

正確な税額を知りたい時は自治体か不動産鑑定士へ相談

リフォームの内容が延床面積の増減を伴わない場合は、原則として税額に変化はありません。正確な税額を知りたい場合は、工事前後の図面や見積書を持参のうえ自治体の担当部署に相談するか、不動産鑑定士等の専門家に試算を依頼すると良いでしょう。

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リフォームの固定資産税における税制改正の情報

固定資産税に関するリフォーム減税制度は、税制改正によって適用期限の延長や要件の見直しが行われています。

以下に、直近の税制改正に関する主な情報を解説します。

リフォームの固定資産税における税制改正の情報

【情報1】減税措置の適用期限延長

耐震・省エネ・バリアフリー改修等に対する固定資産税の減額措置は、近年の税制改正で適用期限が延長されています。

例えばこれらの減税制度は当初2022年頃までの適用予定でしたが、その後延長が重ねられ、現在は令和8年3月31日までに行われた工事が対象となっています。

【情報2】要件緩和や拡充

減税制度の適用要件も徐々に緩和・拡充されています。

例として、バリアフリー改修減税では住宅の築年数要件が緩和され、新築後10年超の住宅で対象となるよう拡大されました。

また省エネ改修減税では、長期優良住宅の認定を取得した際、固定資産税の減額率が3分の2に引き上げられるなど、減税内容も充実しています。

【情報3】自治体ごとに制度が異なる

固定資産税減税の制度は全国共通の枠組みですが、細部の運用や周知は自治体ごとに異なる場合がありるため注意しましょう。

中には、耐震改修に対する減税で都市計画税まで減額対象としている自治体や、独自の補助制度を組み合わせて住宅改修を支援している自治体もあります。

また、申請書類の様式や提出期限についても自治体によって異なります。

国の制度を利用する場合でも、お住まいの市区町村の案内に従い、最新の情報を確認することが重要です。

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【Q&A】固定資産税とリフォームに関するよくある質問

外壁のリフォームで固定資産税は変動する?

一般的には変動しません。外壁の塗り直しやサイディングの張替えといった工事は、老朽部分の修繕にあたるため建物の評価額に影響せず、固定資産税は据え置かれます。通常の補修・メンテナンス程度であれば、リフォーム後も税額は変わらないと考えてよいでしょう。

フルリフォームをした場合でも固定資産税は変わらない?

延床面積や構造に変更を伴わないフルリフォームであれば、固定資産税は基本的に変わりません。内部の設備や内装を一新しても、建物の大きさや用途が同じであれば評価額は据え置かれ、税額も従前通りです。ただし、構造躯体の強化など建物の価値向上につながる特殊な改修を行った場合、自治体が再評価を実施してごくわずかに評価額が見直される可能性はあります。しかし一般的には、フルリフォーム後も固定資産税が大幅に増額される心配は不要でしょう。

築30年の建物をリフォームしたら、固定資産税はどうなる?

築30年程度の建物では経年による評価額の下落がかなり進んでいるため、リフォームしても固定資産税は大きく変わらないケースが多い傾向にあります。延床面積に変動がなく、経年劣化に伴い建物を改修するだけであれば、評価額は既に低い水準のままで据え置かれ、税額もほぼ変わりません。

築40年の建物をリフォームしたら、固定資産税はどうなる?

築40年ともなると建物の固定資産税評価額自体が大幅に低下しており、リフォーム後も固定資産税額はほとんど変わらないと考えられます。評価額が既に下限に近い水準になっているため、延床面積を増やさないリフォームであれば税額は据え置きか、経年による微減傾向が続く程度でしょう。耐震補強などのリフォームでは減税特例が適用される可能性もありますが、基本的に築40年の建物ではリフォームしても税負担が大きく増えることはありません。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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