リフォーム中の仮住まいはどうする？仮住まいが必要となる工事とは？

リフォーム中の仮住まいが必要になるケースとは？

リフォームの工期や工事内容によって、仮住まいが必要になるケースがあります。以下より、その種類について解説します。

全面的なリフォーム

フルリフォームやスケルトンリフォームといった家全体の改修や構造変更が行われる場合、仮住まいが必要になることがほとんどです。

例えば下記のようなリフォームを行う場合は、生活に不可欠なスペースの大半が使えなくなってしまうため、仮住まいが必要となる場合があります。

• 大規模な増築・減築を行う場合
• 間取りを大きく変更する場合
• 複数箇所の設備を取り替える場合
• 屋根や壁の大半を交換する場合
• 家全体を新築のようにする大掛かりな工事の場合

>>フルリフォームはこの記事から！

生活に不可欠な部分のリフォーム

キッチンやトイレ、浴室などの水回りのリフォームで、長期間これらの設備を使用できない場合も仮住まいが必要になることがあります。

たとえばキッチンの全面改装を行う場合や、浴室やトイレのリフォームを行う場合などは、工事期間中に設備を使用できなくなるため日常生活が不便になります。

そのような場合には仮住まいの活用も検討しましょう。

安全性が確保できない場合

大規模な解体工事や、有害物質であるアスベストの除去工事など、安全性に問題がある工事を行う場合にも、仮住まいが必要になることがあります。

アスベスト除去作業は特に危険で、健康への影響が大きいため、仮住まいでの避難が必要になることが一般的です。

また、老朽化した建物の耐震補強工事も、基礎や構造体を改修する際の安全確保のため、住みながらの工事は難しくなります。

>>アスベストを使用している建物の解体はこの記事から！

騒音・振動が激しい場合

基礎や土間のコンクリートを砕いて撤去する「はつり」工事など、騒音や振動が激しい場合も仮住まいが必要になることがあります。

長期間にわたる騒音や振動は、特に小さな子供や高齢者にとって大きなストレスとなります。また、ペットがいる場合も、騒音や振動によるストレスから守るために仮住まいを検討する必要があるでしょう。

リフォーム中の仮住まいが必要ないケース

一方、以下のように、住みながらリフォームしやすいケースもあります。

生活に大きく影響しない箇所のリフォーム

個室やリビングなど、生活に大きく影響するような設備がない箇所のリフォームであれば、住みながら行える場合があります。

たとえば、子供部屋や書斎などのリフォームの場合、別の部屋があれば仮のスペースとして使うことで対応できます。

また、家具の配置替えや一時的な移動で生活空間を確保できる場合もあります。

短期間であれば、多少の不都合はあっても、工事を行わない部屋でまとまって過ごしたり、就寝することも検討できるでしょう。

外装や外構のリフォーム

屋根の修理や外壁の張り替えや塗り替え、庭の改修などの外装や外構のリフォームであれば、家の中に影響が少ないため、住みながら行えます。

ただし、狭小敷地の場合は、足場設置や工事車両の出入り、アプローチの工事などによって生活に支障をきたすことがあるため、仮住まいが必要な場合もあります。

また外装工事中は窓を開けられなかったり、騒音が発生することもあるため注意が必要です。

部屋ごとの順次リフォーム

大規模なリフォームであっても、一部屋ずつ順番にローテーションしながら工事を進める方法もあります。

たとえば、リビングや寝室をリフォームする場合は、工事が終わっている別の部屋に移動しながら生活を続けることもできます。

ただし、全体を同時にリフォームする方法に比べて、トータルでの工期や費用は多くかかる傾向があるため注意が必要です。

どのくらいのリフォーム期間から仮住まいを検討すべき？

リフォーム期間が1ヶ月以上となる場合は、仮住まいの利用を検討する必要があります。

リフォームを行っている箇所は使用が制限されるため、本来のように生活ができません。

とくに給排水の設備を改修する場合は、キッチンで料理をしたり、トイレを使ったりすることもできないので注意が必要です。

リフォームの期間や工事内容によって、住みながらの工事が可能か、あるいは仮住まいを検討すべきかどうかを判断することになります。

リフォームの際には、工期・工程についてくわしく相談し、工事中にも使用可能かどうかを確認しましょう。

リフォーム箇所ごとの工期の目安

以下に、代表的なリフォーム箇所ごとの工期目安を示しますので、参考にしてください。

キッチン工事で設備が使えない期間

システムキッチンの交換	約2～5日
サイズや間取りの変更、配管の改修をともなう場合	約6日～2週間

キッチンのリフォームでは、上記の工期のほとんどにおいてキッチンが使用できず、家で調理をすることができなくなります。短期間であれば外食やお弁当で対応できますが、許容できる期間を越える場合は仮住まいを検討してもよいでしょう。

>>キッチンリフォームはこの記事から

浴室工事で設備が使えない期間

ユニットバスの交換	約1～3日
サイズや間取りの変更、配管の改修をともなう場合	約4～10日
在来工法浴室からのリフォーム	約2～3週間

浴室のリフォームでは配管工事などが含まれるため、工事期間中は入浴できなくなります。

銭湯など外部の公共浴場を利用する方法もありますが、許容できる期間を越える場合は仮住まいを検討してもよいでしょう。

>>お風呂リフォームはこの記事から

トイレ工事で設備が使えない期間

便器の交換	約1日
サイズや間取りの変更、配管の改修をともなう場合	約2～5日

トイレのリフォームでは便器の交換や配管工事などを行うため、工事期間中はトイレの使用ができなくなります。

トイレは人の生活に必須の設備で、外部の施設に頼ることも難しいため、1箇所しかない場合は数日の工事でも仮住まいが必要になることがあります。

場合によってはリフォーム会社に仮設トイレを用意してもらえることもあるため、事前に確認しておきましょう。

>>トイレリフォームはこの記事から

リビングや個室の工事で部屋が使えない期間

床や壁紙を張り替える場合	約1～5日
間取りの変更をともなう場合	約1～2週間

リビングや個室のリフォームでは、床や壁の張り替え、天井の修繕などが主な工事となります。基本的には工事が終わるまで使用できませんが、施工部分を養生（保護）しながら生活できる場合もあります。また工事中に他の部屋を仮の生活スペースとして利用すれば、仮住まいが不要になることも多いでしょう。

フルリフォームで住まいが使えない期間

間取りや内装・外装のフルリフォーム	約1～4か月
構造体以外を一新するスケルトンリフォーム	約4～6か月

フルリフォーム・スケルトンリフォームでは、家全体の改修や構造変更が行われます。

上記の期間中は生活に必要な設備が使用できないため、原則として仮住まいが必要です。

このようなリフォームの場合は、新築・建て替えと同様に考えて、引越しの準備や仮住まいの契約などを早めに進めることをおすすめします。

外壁や屋根の工事は住みながら行える？

屋根の葺き替え（小規模・簡易な場合）	約4～10日
屋根の葺き替え（構造体の改修をともなう場合）	約2～4週間
外壁の塗り替え	約3日～2週間
外壁の張り替え（サイディング等）	約2～4週間

外壁や屋根のリフォームでは、室内の生活には影響しないため、基本的に住みながらのリフォームが可能です。

しかし足場の設置や、塗装作業などによって騒音や振動、臭いなどが発生したり、家への出入りに支障が出る場合もあるため、工事の進行状況に応じて仮住まいを検討することもあります。

>>外壁塗装の工程はこの記事で紹介

リフォーム中はどこに住む？おすすめの候補とは

リフォーム期間中に利用する仮住まいとして、おすすめしたい候補は以下のとおりです。

• 賃貸アパート・賃貸戸建て
• ウィークリー・マンスリーマンション
• ホテル・ビジネスホテル
• 実家・知人宅

これらの仮住まいにおける候補について、それぞれおすすめしたい理由を解説します。

賃貸アパート・賃貸戸建て

リフォームが1ヶ月以上かかるなら、仮住まいとして賃貸アパート・賃貸戸建てを利用するのがおすすめです。

賃貸アパート・賃貸戸建てをおすすめするのは、立地・広さ・間取りなどの選択肢が多く、家族の人数やライフスタイルに合わせた物件を選べることが理由として挙げられます。

たとえば、足腰に不安のある高齢者がいる場合、1階に寝室がある物件を選んで、高齢者の生活における負担を軽減するなどの工夫が可能です。

このように、物件数が多い賃貸アパート・賃貸戸建ては、家族がストレスを抱えないよう、配慮してあげられるのも魅力。不動産会社などに相談して、リフォーム中のストレスを感じない賃貸アパート・賃貸戸建てを選びましょう。

ウィークリー・マンスリーマンション

1週間から1か月程度の短期間の仮住まいでは、ウィークリー・マンスリーマンションを利用するのもおすすめです。

ウィークリー・マンスリーマンションは、敷金・礼金が不要な場合もあるため、仮住まいの利用にかかる費用を安く抑えられます。

また、家具や家電など最低限の生活必需品がそろっているため、手軽に利用できるのも魅力です。

このように、ウィークリー・マンスリーマンションを仮住まいとして利用すれば、費用の安さや荷物の移動における手間を省けるのがメリット。

もし生活圏内にウィークリー・マンスリーマンションがあるなら、リフォーム期間中における仮住まいとしての利用を検討してみましょう。

ホテル・ビジネスホテル

リフォーム期間が1週間以内であれば、ホテルやビジネスホテルを仮住まいとして利用するのもおすすめです。

ホテルやビジネスホテルを仮住まいとして利用すれば、食事の提供サービスなど、ホテルの便利なサービスを利用できる点がおすすめしたい理由として挙げられます。

たとえば、ホテルでは部屋の掃除やベッドメイキングが行われるため、自分たちで掃除などの家事をおこなう必要がありません。

そのため、仮住まいとして利用するあいだ、非日常的な生活を楽しむこともできます。

このように、便利なサービスを受けながら快適に過ごしたいなら、リフォーム期間中における仮住まいとしてホテル・ビジネスホテルの利用を検討しましょう。

実家・知人宅

リフォーム期間中の仮住まいとして、実家や知人宅を利用させてもらうのもおすすめです。

実家や知人宅をおすすめしたい理由は、以下のようなことが挙げられます。

• 仮住まいにかかる費用を抑えられる
• 日常に近い環境で生活できる

このように、実家や知人宅であれば、日常に近い環境で生活できるので、リフォーム期間中のストレスを軽減できるのが魅力です。

ただし受け入れてくれる両親や知人に、仮住まいとして利用させてもらうことで、迷惑やストレスを与えないような配慮をしなくてはいけません。

リフォーム期間中における仮住まいとして利用する前に、お支払いする食費やルールなどを決めて、お互いがストレスなく生活できるように配慮しましょう。

仮住まいへ引越しする際に必要な手続きとは？

仮住まいへ引越しする際には以下のような手続きが必要です。

電気・水道・ガス等の契約

仮住まいの期間が長くなれば、電気・ガス・水道・インターネットなどを停止する手続きが必要になります。不在中、リフォーム工事に電気や水道を使用する場合には停止する必要もありませんが、工事業者が料金を負担するかどうかも確認しましょう。

また、賃貸アパート等へ入居する場合には、仮住まいでも同様に契約手続きが必要になります。事前に契約手続きを行い、入居日までに使用できるように手配しておきましょう。また、退去時には解約手続きも忘れずに行うことが大切です。

郵便物の転送

郵便物の転送手続きをしておくと、仮住まいでも重要な郵便物を受け取れます。郵便局のウェブサイトや窓口で転居手続きを行い、新しい住所に郵便物が届くように手配しましょう。

また、リフォームが完了して自宅に戻った際に、再度転居手続きを行うことを忘れないようにしましょう。

リフォーム中の仮住まいにかかる費用

リフォーム中において、東京都台東区の仮住まい（マンスリーマンション）を、3か月間利用した場合にかかる費用の目安は、以下のとおりです。

費用項目	費用目安 ※家族3人での利用を想定
マンスリーマンション賃料	1,008,000円 （336,000円×3か月分）
清掃費など初期費用	43,000円
和布団セットレンタル料	24,600円 （8,200円×3人分）
Wi-Fiモバイルルーター利用料	12,000円 （4,000円×3か月分）
引越し費用	200,000円 （100,000円×2回分）
合計	1,287,600円

このようなマンスリーマンションの賃料などは、利用するエリアによって金額が大きく変動します。

実際にリフォーム期間中の仮住まいを利用する際は、自宅の近くにおけるマンスリーマンションで費用を計算しましょう。

家賃・宿泊費

仮住まいで最も大きな費用が、家賃や宿泊費です。賃貸アパートでは毎月の家賃がかかり、ウィークリー・マンスリーマンションの場合は毎週・毎月の利用料金が発生します。

ホテルやビジネスホテルでは宿泊費が日々発生し、いずれの場合も立地や広さなどによって大きな違いがあります。

敷金・礼金・仲介手数料

賃貸アパートや賃貸戸建てでは敷金や礼金、仲介手数料が発生することもあります。敷金は退去時に返還されることもありますが、礼金は返還されません。

ただし、最近は敷金礼金ゼロの物件も増えています。仲介手数料は不動産会社に支払う費用で、家賃の1ヶ月分程度が一般的です。

引越し費用

仮住まいが賃貸アパートや戸建て住宅の場合、往復で2回分の引越し費用がかかります。

引越し業者の料金は季節や距離、荷物の量によって異なるため、事前に見積もりを取り、費用を確認しておきましょう。また、引越し業者を利用しない場合も、レンタカーやガソリン代などの費用が発生します。

光熱費・通信費

電気・ガス・水道・インターネットなどの光熱費や通信費が発生します。

賃貸アパートやウィークリー・マンスリーマンションでは、これらの費用が家賃に含まれている場合もありますが、別途支払う場合もあります。事前に契約内容を確認しておきましょう。

その他の費用

仮住まいに駐車場がない場合、近隣の貸駐車場を利用する必要があります。仮住まいの広さが十分でない場合、大型家具や季節用品を一時的に保管するためのレンタル倉庫を利用することもあります。

また、ペットを飼っている場合には、ペットホテルやペット可の物件を探す費用も考慮しておきましょう。

リフォーム中の仮住まいを選ぶときの注意点

仮住まいを選ぶ際には、以下のようなポイントに注意しましょう。

通勤・通学に支障はでないか

仮住まいからの通勤や通学をする際「何度も電車を乗り換えする必要がある」など、通勤・通学に支障がでないかを、仮住まいの契約をする前に検討しましょう。

1〜6か月ほどの期間でも、通勤や通学に支障がでると、体調やリフォーム後の生活に影響がでてしまうことも。

そのため、家族の仕事や学業に支障がでないように、できる限り自宅や仕事先・学校から近い仮住まいを確保する必要があります。

また、仮住まいの近くにスーパーや病院など、生活に必要な施設が揃っているかどうかも、あらかじめチェックしましょう。

工期が延びても対応可能か

賃貸アパートやウィークリーマンションを契約する際は、リフォームの工期が予定よりも延びた場合にそなえて、契約の延長が可能であるかを確かめておきましょう。

リフォーム中の仮住まいにおいて、契約の延長が難しい場合は、別の仮住まいを探さなければいけません。

別の仮住まいへの引っ越しが必要になれば、荷物の運搬費や初期費用などがプラスでかかってしまうため、費用がかさんでしまうことも。

そのような費用をかけないためにも、リフォーム中の仮住まいを契約する際は、リフォームの工期が伸びても契約を延長できるかを確かめておく必要があります。

騒音・異臭トラブルの有無

リフォーム中に利用する仮住まいで、騒音・異臭トラブルが起きていないかを事前にチェックしましょう。

短期間の仮住まいとしての利用でも、騒音・異臭トラブルがあれば、家族がストレスを抱える原因になります。

リフォーム中にそのようなストレスを抱えなくて済むように、騒音や異臭のトラブルがないか、不動産会社などにあらかじめ話を聞いておくことが大切です。

住民票の移動は必要ない

リフォーム中における1年以内の一時的移転であれば、住民票を移す必要はありません。

一般的に、リフォームは1年以内に工事が終わることが多いため、住民票の移動は不要です。

リフォーム中の仮住まいを選ぶ際のポイント

リフォーム中の仮住まいを選ぶ際のポイントについて解説します。

家族人数に合った間取りを選ぶ

リフォーム中の仮住まいを利用する際は、家族の生活にあった間取りや広さが確保されている物件を選びましょう。

たとえば、子供がいる家庭では、子供が遊ぶスペースが十分にあるのも重要。リフォーム中でもストレスを感じることなく、子供が元気に生活できるように配慮することも大切です。

また、ペットを飼っている場合は、ペット可のアパートを探す必要があります。

大型犬の場合は、一緒に暮らせる賃貸物件が限られるため、早めに探し始めることが重要です。

このように、リフォーム中の仮住まいであっても、家族がのびのびと生活できるような物件を選びましょう。

荷物が多い場合はレンタル倉庫も借りる

リフォーム中の仮住まいを利用する際、移動すべき荷物が多い場合は、レンタル倉庫の利用も検討しましょう。

たとえば、東京都でレンタル倉庫を利用する場合の金額は以下のとおりです。

レンタル倉庫の種類・広さ	費用相場 ※1か月間のレンタル
屋内型・1畳	7,000円〜
屋内型・2畳	1万5,000円〜
屋外型・1畳	5,000円〜
屋外型・2畳	1万円〜

もしレンタル倉庫を利用するなら、レンタル倉庫の利用料金も予算に含めてリフォームのプランを検討しましょう。

車を所有しているなら駐車場の確保も

リフォーム中の仮住まいを利用する際、車を所有しているなら駐車場の確保も必要です。

東京都で月極駐車場を利用する場合の費用は以下のとおり。

駐車場の種類	費用相場 ※1か月の料金
平面式	2万5,000円〜
機械式	3万3,000円〜

このように、車を所有しているなら、駐車場の利用料金もかかります。

リフォーム中に仮住まいを利用する際は、あらかじめ近くの駐車場を利用できるか、どれほど費用がかかるかも確かめておきましょう。

設備が整っている物件を選ぶ

リフォーム中の仮住まいにおいて、日常生活と比べたときの、急激な環境変化を避けるため、設備や環境に問題がないかを確認しましょう。

たとえば、以下のような点をチェックする必要があります。

• エアコンや暖房設備が整っているか
• エレベーターなどのバリアフリー設備が充実しているか

仮住まいの利用にかかる費用のほかに、仮住まいの設備が充実しているかという点もチェックすることで、リフォーム中であっても快適に生活できます。

できるだけ日常に近い環境で生活できるよう、仮住まいにおける設備もあらかじめチェックしておきましょう。

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