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断熱壁紙の効果
断熱壁紙は、断熱・遮熱機能を備えた壁紙や内装材の総称です。ただし、壁内に施工する断熱材と同等の性能が得られるとは限りません。日本遮熱株式会社の「トップヒートバリアー 省エネクロス50※」は、厚さ0.1mmの内装用遮熱材で、メーカー試験では輻射熱を88%阻止するとされています。なお、88〜98%という数値は、床・壁・天井などに遮熱材を施工する「一部屋遮熱システム」の性能値です。
効果は製品や施工範囲、建物の断熱状態、日射条件によって異なるため、用途に合う製品を選ぶ必要があります。断熱・遮熱機能のある壁紙は、壁面の冷たさを和らげ、冬でも暖かい室内環境を保つ補助になります。

断熱壁紙にリフォームするメリット
断熱壁紙には、工事の手軽さや室内環境の改善などが期待できます。主なメリットは次の4つです。
【メリット1】手軽に断熱リフォームできる
断熱・遮熱機能を持つ壁紙やシートは、壁を解体して断熱材を入れる工事よりも、施工の手間や範囲を抑えやすい点がメリットです。ただし、既存壁紙の上から貼れるか、接着剤や下地処理が必要かは製品によって異なります。賃貸住宅では、貼ってはがせる商品でも、貸主や管理会社の承諾を得てから施工してください。
※ 参考:国土交通省「賃貸住宅標準契約書」
【メリット2】快適な室内環境が保てる
断熱・遮熱機能のある壁紙や内装材は、壁面から伝わる熱や冷たさを和らげ、冷暖房時の体感を改善することがあります。ただし、窓・床・天井から出入りする熱の影響が大きい住宅では、壁紙だけで室温を大きく変えるのは困難です。窓の断熱やすき間対策と組み合わせると、効果を感じやすくなります。
【メリット3】室内の温度差対策を補える
住宅の断熱性を高めて部屋間の温度差を小さくすることは、ヒートショックのリスク軽減に役立ちます。ただし、断熱壁紙だけで十分とは限りません。脱衣所や浴室を暖めるなど、室温管理もあわせて行ってください。熱中症を防ぐには、断熱・遮熱だけでなく、エアコンの使用やこまめな水分補給も欠かせません。
※ 参考1:厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト」
※ 参考2:国土交通省「断熱改修等による居住者の健康への影響調査」
【メリット4】電気代の節約になる
断熱・遮熱機能のある壁紙や内装材で壁面からの熱の出入りを抑えられれば、冷暖房の負荷が軽くなり、電気代の節約につながります。ただし、効果は製品性能や施工面積、建物全体の断熱性、冷暖房の使い方によって変わります。より大きな節電効果を求めるなら、窓・天井・床の断熱改修も検討してください。
断熱壁紙にリフォームするデメリット
断熱壁紙は手軽に取り入れられる一方、施工場所や範囲によっては期待した効果を得られないことがあります。以下のデメリットを踏まえて、施工方法や範囲を検討することが重要です。
【デメリット1】下地の状態や施工方法によっては結露・カビのリスクがある
断熱壁紙そのものが、必ず結露やカビの原因になるわけではありません。しかし、結露・カビがある壁にそのまま施工したり、壁の構成に合わない透湿性の低いシートを貼ったりすると、壁面や壁内に湿気がこもるおそれがあります。施工前に結露・漏水・カビの有無を確認し、下地を十分に乾燥させてください。湿気が多い部屋では、施工後も換気や除湿を続けましょう。
※ 参考:国土交通省「評価方法基準」
【デメリット2】壁紙だけでは十分な断熱効果を得にくい場合がある
断熱壁紙は壁面の表面温度や体感の改善には役立つものの、部屋全体の断熱性能を大幅に高めるものではありません。窓や未施工部分からも熱が出入りするためです。目的や予算に応じて施工範囲を決め、必要に応じて窓の断熱や壁内への断熱材施工を組み合わせてください。

断熱壁紙のリフォームにかかる費用
一般的な壁紙の張り替え費用は、量産品が1㎡あたり1,100〜1,500円、機能性壁紙が1㎡あたり1,400〜1,850円です。6畳の壁・天井を張り替える場合は4万〜7万円が一例ですが、施工面積や下地補修、廃材処分の有無によって変動します。専用の遮熱シートや断熱パネルは、一般的な壁紙と材料・施工方法が異なり、価格を公開していない商品もあります。製品を指定したうえで見積もりを取りましょう。

DIYで断熱壁紙にリフォームする方法
DIYで施工できる商品を使う場合は、製品ごとの施工説明書を確認したうえで、次の手順を目安に進めます。

- 施工できる下地か確認する
既存壁紙の上から施工できるか、接着剤が必要か、凹凸やカビがないかを確認する。 - 壁面を清掃し、十分に乾燥させる
汚れやホコリ、水分が残っていると、はがれや浮きの原因になる。 - 壁面を採寸し、材料をカットする
柄合わせや重ね代など、製品の指定を確認して余裕を持たせる。 - 施工説明書に沿って貼る
粘着タイプは剥離フィルムを少しずつはがし、スキージーなどで空気を抜きながら貼る。のり付けタイプは、指定の接着剤と待ち時間(オープンタイム)を守る。 - 端部を整えて圧着する
余分な部分をカットし、継ぎ目や端部をしっかり圧着する。
DIYで施工できる断熱壁紙は手軽ですが、壁紙だけで住宅全体の断熱性能を高めるのは困難です。より高い効果を求める場合は、次に紹介する断熱リフォームも検討してください。
断熱壁紙以外で室内の断熱効果を高める方法
断熱壁紙より高い効果を求める場合は、壁や天井への断熱材施工が選択肢になります。ここでは、部屋単位でも行える2つの方法を紹介します。断熱材の選定や施工には専門知識が必要なため、経験豊富な業者に依頼してください。

【方法1】壁や天井の内側に断熱材を施工する
室内の断熱性を本格的に高めるなら、壁や天井の内側に断熱材を施工する方法が有効です。必要な厚さを確保して適切に施工すれば、壁紙よりも高い効果が期待できます。窓や床もあわせて改修すると、冷暖房効率の改善につながります。
2026年は、一定の要件を満たす壁・天井・床などの断熱改修が「みらいエコ住宅2026事業」の対象になる場合があります。断熱壁紙を貼るだけの工事は、原則として躯体の断熱改修には該当しません。対象住宅、断熱材の性能・使用量、ほかの工事との組み合わせなどに条件があるため、登録事業者に確認しましょう。
※ 参考1:みらいエコ住宅2026事業 公式サイト
※ 参考2:みらいエコ住宅2026事業「改修後の住宅の性能等」


【方法2】壁の上から直接断熱材を張る
大掛かりな工事を避けながら断熱性を高めたい場合は、既存壁の上から断熱材を張る方法があります。室内側から施工できる断熱パネルなどが販売されています。こうした製品は「壁に貼る断熱材」や「貼るだけの断熱材」と呼ばれることもありますが、下地処理や仕上げ材の施工が必要な製品もあるため、施工条件を確認してください。

断熱材を張った後は新しい壁紙も貼るため、断熱性能が高まると同時に見た目も一新できます。

【Q&A】断熱壁紙のリフォームに関するよくある質問
賃貸住宅で断熱壁紙にリフォームしても大丈夫?
賃貸住宅では、原状回復できる商品でも無断施工は避けてください。契約によっては、壁紙の変更などの模様替えに貸主の書面承諾が必要です。契約書を確認し、施工範囲や退去時の扱いについて、貸主または管理会社の承諾を得てから進めましょう。
※ 参考:国土交通省「賃貸住宅標準契約書」
断熱壁紙にカビが生えないようにするには?
施工前に壁面の結露・漏水・カビを確認し、下地を十分に乾かしてください。施工後は、換気扇やエアコンの除湿機能で湿度を管理します。カビや結露を繰り返す場合は、断熱欠損や雨漏りなど根本原因の調査を専門業者に依頼しましょう。
壁内の断熱材リフォームにかかる費用はいくら?
壁の内側に断熱材を施工する費用は、1㎡あたり0.5万〜1.5万円が目安です。壁の解体・復旧、下地補修、仕上げ材の張り替えを含むかによって総額は大きく変わります。断熱材の種類や厚さ、建物の構造、施工範囲も確認したうえで見積もりを比較しましょう。

断熱材の性能はどう比較する?
断熱材の性能は、素材名だけでなく、製品の熱伝導率と施工厚さから求める熱抵抗値で比較します。熱伝導率は小さいほど熱を伝えにくいものの、同じ種類でも製品や区分によって数値が異なります。硬質ウレタンフォームやフェノールフォームなどには、熱伝導率が0.019〜0.024W/(m・K)程度の高性能品があります。施工部位に必要な厚さや防火性、湿気への対応も含めて選びましょう。

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