天井の断熱リフォームは効果的?費用相場や注意点などを徹底解説!

天井 断熱リフォーム

「夏になると2階が暑くて仕方ない」「夜になっても室温が下がらず、空気がこもっているように感じる」近年の夏の猛暑を解決するためには、小屋裏から降りてくる熱気を天井断熱で遮断するのが最も効果的です。リフォームをすれば、真夏も快適に過ごせるようになります。この記事では、天井の断熱リフォームがどのように施工されるのか、費用相場や効果、注意点を詳しく解説します。自宅に最適な天井の断熱リフォームを検討しましょう。

2025年04月14日更新

監修記事
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天井の断熱リフォームにおける施工方法

天井断熱リフォームには、大きく分けて4つの施工方法があります。

天井・屋根の構造や、断熱材の種類によって、施工方法が限定される場合もあるため、自宅に合う施工方法をチェックしましょう。

【方法1】天井に敷き込む

袋入りの断熱材を天井板の上に敷いていく工法です。袋の中には、「グラスウール」や「ロックウール」などの繊維系の断熱材が入っています。断熱材が入っている袋を平面に配置するだけで良いため、費用も安く簡単に施工が可能です。また、断熱材を撤去する際も袋を回収するだけで済むため、メンテナンス性に優れています。

しかし、天井裏の障害物や、袋の形状に左右され、断熱材を隙間なく敷き込むのは非常に難しいものです。グラスウールなどの繊維系の断熱材は、経年劣化により湿気を吸い、沈みやすくなります。長期的な断熱効果が期待できないため、天井の断熱リフォームでは、あまり採用されることはありません。

【方法2】天井に吹き込む

「天井ブローイング工法」と呼ばれる、バラ状の断熱材を小屋裏の空間に吹き込む工法です。紙や木片などを綿状に加工した「セルロースファイバー」を使用します。ブロワーなど専用の機材で、天井板に灰色の雪を降り積もらせるイメージです。断熱材の自重で沈む分も考慮して、通常20cmから30cmほど天井板の上に吹き込みます。小屋裏のスペースが狭くても、施工しやすいのが特徴です。隙間なく施工ができるため、高い断熱性能が期待できます。

ただし、天井にダウンライトを埋め込んでいるなど、引火のリスクがある場合は、綿状の断熱材を使えないケースがほとんどです。湿気に弱い欠点があるため、通気性を確保するなど防湿対策も必要になります。

【方法3】屋根に吹き付ける

「現場発泡ウレタンフォーム」を屋根面に直接吹き付ける工法です。現場発泡ウレタンとは、原液をスプレーガンで吹き付けると、モコモコと膨らんで固まり、屋根面にピッタリと接着します。ウレタンは熱を伝えにくく、隙間なく構造体にくっつくため、高い断熱性能を期待できます。また、固まると防湿性を持つため、繊維系の断熱材と比べ、経年劣化の心配もありません。

しかし、構造体に一度吹き付けると簡単に外れないため、雨漏りの修理などで断熱材を剥がすと、再度断熱施工が必要になります。断熱性能は高いものの、メンテナンス性はあまり良くありません。

【方法4】屋根に断熱パネルを張る

屋根面に沿って、工場生産の断熱パネルを張り付ける工法です。「ウレタン」や「フェノールフォーム」など、高性能な素材の断熱パネルがよく用いられます。

工場でつくられたパネルを現場で張るだけで良いため、施工ムラが起きにくく、隙間ができることもありません。断熱パネルは既製品で品質が良いため、現場施工の断熱材より経年劣化が起きにくく、長く断熱効果が続きます。屋根面に張ることで、小屋裏の空間も含め、建物全体の断熱性能を高められます。また、小屋裏のない勾配天井などにも施工が可能です。

ただし、断熱パネル工法は、断熱効果が高い分、価格も高くなります。また、別途仮設足場の費用も予算に入れておきましょう。

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天井の断熱リフォームにかかる費用

リフォームを検討するにあたって、一番気になるのが費用面です。天井の断熱リフォームの費用は、施工方法や面積に加え「天井を剥がすかどうか」によって大きく異なります。

建物全体の大規模なリフォームや、小屋裏に人が入れるほどのスペースや強度がない場合は、天井を剥がさなければいけません。天井板を剥がす方法の費用は、20坪で50万円から90万円程度が相場になります。

天井の解体作業や復旧作業といった工程が増えるため、人手や工期が多く必要になり、その分コストも高くなります。工期は3〜4日ほどかかるため、リフォーム期間中に仮住まいが必要であれば、滞在費用などが加わる場合も。

一方、天井を壊さずに小屋裏空間に潜り込んで作業する場合は、工程が少ないため、工期も短くコストも抑えられます。費用は20坪で20万円から50万円程度で、天井を剥がすケースと比べて割安です。施工面積によっては1日で作業が完了することもあり、普段どおりに生活しながら、リフォームできます。

天井を剥がすかどうかは、小屋裏の広さや強度、リフォームの規模などによって決まります。そのため、リフォームを検討する際は、きちんと現場調査を依頼して、事前に詳細な見積もりをもらいましょう。

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天井の断熱リフォームで活用できる補助金・助成金制度

リフォームは補助金・助成金を受け取れるケースが多いため、利用できそうな制度がないか確認しておきましょう。

天井の断熱リフォームに適用できる補助金制度は「子育てグリーン住宅支援事業」が挙げられます。助成額は、以下の通りです。

断熱施工箇所助成額
屋根・天井の部分断熱3万円
屋根・天井全体6万円

助成額は、断熱材の種類や使用量によって決まります。施工業者に依頼して、必ず申請してもらいましょう。

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天井の断熱リフォームで期待できる効果

天井の断熱リフォームで期待できる効果は以下の3つです。

季節を問わず、年中快適な暮らしが実現できるでしょう。

【効果1】小屋裏における温度上昇の抑制

天井の断熱リフォームによって最も得られる効果は、小屋裏からの熱気が室内に伝わるのを抑制することです。夏場は屋根が直射日光を受けて、小屋裏空間の温度は約60℃にまで上昇します。天井の断熱が不十分だと、小屋裏の温度が室内にも伝わり、生活する空間で暑さを感じやすくなるのです。

2階は屋根に近く1階からの暖気が上がってくるため、熱気がこもり非常に暑くなります。断熱材の施工不良や、経年劣化、そもそもの性能不足が原因であることも多いため、天井の断熱リフォームは効果的です。

断熱リフォームを実施して、真夏の小屋裏の気温をシャットアウトすると、猛暑でも快適に過ごせるでしょう。

【効果2】室内における温度ムラの抑制

天井の断熱リフォームは、夏の暑さだけでなく、冬の寒さ対策としても非常に効果的です。建物の保温性が上がり、室内の温度差を小さくできます。

冬場に暖房で温めた空気は、上へと登っていきます。その際、2階の天井の断熱性能が低いと、天井から小屋裏・外部へと室内の暖かさが逃げてしまい、寒さを感じやすくなるのです。そのため、天井から熱が逃げないように断熱リフォームをすれば、室温が下がりにくく、一定に保たれます。

また、サーキュレーターなどを使って空気を循環すると、室内の温度差を緩和できるため、快適な室内環境が期待できます。冬場であっても、天井の断熱リフォームの効果は大いに感じられます。温度差をなくし、心地よい生活環境をつくりましょう。

【効果3】光熱費の削減

天井の断熱リフォームをすると、冷暖房を強く効かせなくても良くなり、光熱費を抑えられます。天井の断熱性能が低いと、夏は外気温の影響を受けやすく、冬は天井から熱が逃げやすくなります。これによりエアコンの効きが悪くなり、光熱費が高くなってしまうかもしれません。

実際に天井を断熱リフォームした建物では「夏場は2階に熱気がこもらず、1階との温度差をあまり感じなくなった」「冬は暖房で温めた分、暖かさが長く続く」といった効果が得られます。天井の断熱リフォームを行い、体感が変わったことにより、冷暖房の稼働時間や設定温度も変わります。そのため、省エネ性が高まり、光熱費を抑えることが可能です。

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天井の断熱リフォームにおける注意点

天井の断熱リフォームを検討する際は、以下の3点に注意が必要です。

リフォームを考えるならば、事前に確認しておきましょう。

【注意点1】条件により施工方法が限定される

建物の構造や周辺状況などにより、採用できない断熱の施工方法があります。

たとえば、天井を壊さない施工の場合、天井の点検口がない・小屋裏に人が入れるだけのスペースがないなど、小屋裏に進入できなければ現場調査すらできないケースもあります。また天井が勾配天井(屋根面と平行に天井板がある)の場合は、小屋裏の空間がないため、天井内部に断熱材は施工できません。さらに、専用機材が必要な施工方法では、機材置き場や施工車を停める場所も必要です。建物の前や庭先にスペースを確保できそうか確認しましょう。

リフォームの依頼時には、必ず専門業者に現場を調査してもらい、どの施工方法がベストか判断してもらいましょう。

【注意点2】小屋裏の結露対策が必要

小屋裏で結露が発生すると、湿気による建材の腐食など、建物の劣化を招くおそれがあります。そのため、断熱リフォーム時は「結露対策」が必要です。
特に冬場は、室内の暖かく湿った空気が天井裏に入り込み、外気温に近い小屋裏の温度で冷やされるため、結露が発生しやすくなります。

結露の対策としては「小屋裏換気」が効果的です。屋根と天井の間に外気を取り入れることで、湿気が溜まるのを防ぎます。また、小屋裏の換気による気流が、壁内に伝わるのを防ぐために「気流止め」が必要。断熱材で隙間をふさぐ作業で、断熱効果を高めると同時に結露の発生を抑えられます。

断熱リフォームの施工には、小屋裏の構造が劣化しないよう、換気経路の確保に気をつけましょう。

【注意点3】DIYによるリフォームは危険が伴う

断熱の施工方法の中でも「天井板の上に断熱材を敷き込む工法」は、非常に簡単でDIYも可能です。ホームセンターで、袋入りのグラスウールなどの材料も簡単に手に入ります。

しかし、DIYで断熱リフォームをするのは、おすすめできません。高所作業は危険ですし、経年劣化している小屋裏の構造が、人の体重や断熱材の重さに耐えられるか分からないため、施工時に注意が必要だからです。技術的にも隙間ができないように施工するなど、このような作業に慣れていない人が効果的な断熱施工をすることは難しいでしょう。また、下手な施工をしてしまうと結露が発生し、構造材を腐らせてしまうリスクもあります。

断熱リフォームは、正しい知識と技術力がないと効果は出せません。知識が豊富なリフォームのプロに依頼しましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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