目次
【DIY編】和室の断熱リフォーム3つの方法|畳下・窓の寒さ対策
できるだけ費用を抑えて、和室の断熱リフォームをしたい場合、DIYは有力な選択肢のひとつです。自分でできる断熱リフォームは、主に3つの方法があります。
材料や道具は、ホームセンターやインターネットで簡単に手に入るため、手軽な施工から試してみましょう。
【方法1】畳の下に断熱シートを敷く
畳の下に断熱シートを敷けば、和室の冬の寒さをやわらげられます。
和室の床下には、外気が通る基礎パッキンや通気口があり、冬は足元から冷えを感じやすくなります。そのため、床下から上がってくる冷気を断熱シートで遮断すると、寒さの軽減が可能です。
使用する断熱シートは、こたつやホットカーペットの下に敷く「アルミ製のマット」や「断熱性に特化した専用の床下用断熱シート」などがおすすめです。その上に透湿防水シートを重ねれば、畳の下のカビ対策をしながら防風性も高められるでしょう。
透湿防水シートは通常、湿気を逃がす側に透湿性を持たせるため、床合板の上に敷く場合は向きに注意が必要です。検討する際には、商品に記載された施工方法をよく確認しましょう。
シート1枚を敷くだけでは劇的な断熱効果は望めませんが、断熱シートは低コストで施工も簡単なため、ある程度の寒さの改善が見込めます。
【方法2】畳の下に断熱材を入れる
畳の下に断熱材を入れると、断熱シートよりも断熱性能が高いため、床下から冷えが伝わるのをより防げます。
たとえば、グラスウールやロックウールなどの繊維系の断熱材は、安価で販売されているため手に入りやすく、DIYでよく使用されます。ただし、湿気を吸いやすく、経年劣化で断熱効果が落ちやすいのがデメリットです。
一方、スタイロフォームやウレタンなどボード状の断熱材は、耐水性があり劣化しにくいため、畳の下に入れるのにおすすめです。カッターで簡単に切れ、取り扱いも難しくありません。
また、断熱材は断熱シートに比べ厚さがあるため、畳の下に十分なスペースがあることが前提となります。畳を戻した際に、高さが変わらないよう注意しましょう。
根太(ねだ:床板を支える角材)の高さや構造によっては、厚みのある断熱材を入れると畳が浮いてしまう可能性もあります。畳下の構造(根太の高さなど)を確認し、適切な厚みの断熱材を選びましょう。
【方法3】窓に断熱シートを張る
窓に断熱シートを貼ることで、部屋の温度を保ちやすくなります。
和室が寒くなる原因は床下からの冷気だけではなく、窓から室内の熱が逃げてしまうことも大きな要因のひとつです。
断熱シートを窓ガラスに張ると、窓との間に空気の層ができて、熱の出入りを防げます。しかし、断熱シートが使いたい窓ガラスに対応していない場合、ぴったりと張れず効果を最大限に発揮できません。そのため、購入する前に必ず建物の窓ガラスの種類で使用可能か、商品の注意書きを必ず確認しましょう。
また、緩衝材(プチプチ)を張る方法もあります。厚みのあるタイプで、断熱専用の商品を選ぶのがおすすめです。
緩衝材(プチプチ)は安価ですが、専用の断熱シートに比べて効果が低い場合もあります。また、人によっては見た目が気になるケースもあるため、検討の際にはこのような点も考慮しましょう。
DIYによる畳下の断熱リフォームの手順
ここでは、低コストかつ手軽に施工できる、DIYによる畳下断熱リフォームの手順を解説します。DIYによる畳下の断熱リフォームに必要なものは、以下のとおりです。
- タッカー(建築用の大きなホチキスのような道具で、木材などに針(ステープル)を打ち込んでシートなどを固定します)
- タッカー用の針(ステーブル)
- カッター
- 定規
- マジック
- 養生テープ
- バール(釘抜きや、テコとして物を持ち上げる際に使う金属製の工具です)
- ほうき(清掃用)
- 遮熱透湿防水シート(太陽からの放射熱を反射する遮熱機能がついた透湿防水シートのこと。夏場の熱気対策にも効果が期待できます)
- 気密テープ(断熱材やシートの継ぎ目、隙間を塞ぎ、空気の漏れ(気密性)を防ぐための専用テープ。粘着力が高く、耐久性があります)
床下空間に高さの余裕があれば、シートと合わせてボード状の断熱材も充填すると効果的です。畳の下に入れる断熱材によって費用が異なりますが、断熱材を使用せず、遮熱性のある透湿防水シートだけを敷く場合、1万円以下で施工できます。
まず畳を剥がして、邪魔にならないスペースへ避けておきましょう。和室の畳は、床に対してぴったりのサイズで作られているため、初めの1枚は簡単に剥がせません。畳の隙間にバールなどを差し込み、引っ掛けて持ち上げましょう。戻す時に困らないよう、畳の場所や向きを養生テープにマジックで記入して畳に貼っておくと便利です。畳の下は普段掃除をしないため、かなり埃や砂が溜まっています。次に張るシートが砂と擦れて破れてしまうおそれがあるため、ほうきでゴミを取っておきましょう。
遮熱透湿防水シートをカットして、気密テープで仮止めしていきます。シートの種類によっては、透湿させる方向(室内側/室外側)が決まっているものや、遮熱面など表裏があるため、商品の説明書をよく確認して正しい向きで施工してください。
壁際からの冷気や湿気の侵入を防ぐため、畳の厚みを計算して端の立ち上がり部分を数センチ残します。透湿防水シートは張っている途中でヨレてくるため、1畳仮止めしたらタッカーで固定するのがおすすめです。タッカーを使用する際は、打ち込みすぎない、シートを破らないようにするなどに注意しましょう。
なお、畳の上に敷く断熱シートも市販品でありますが、湿気がこもりカビが発生するリスクがあります。湿気対策として、透湿性のあるシートを畳の下に張りましょう。
透湿防水シートのつなぎ目と端の立ち上がり部分を、全て気密テープでとめます。気密テープの処理を疎かにしてしまうと、シートの隙間が冷気が通り道となり、室内に入ってきてしまうためです。また、テープを貼る際はしわにならないようにしっかりと押さえて密着させることが重要です。
透湿防水シートの上からボード状の断熱材を充填する場合は、断熱材のつなぎ目も気密テープでとめましょう。最後に畳を戻したら完成です。畳を戻す際に、シートを強く擦ると破れるおそれがあります。破れたら気密テープを張って補修してください。
【プロ編】確実な効果を求めるなら専門業者へ|和室断熱リフォームの方法
根本的な寒さの改善には、大掛かりなリフォームが必要なケースもあります。専門業者に依頼してリフォームする場合の主な方法は以下の3つです。
寒さが深刻であれば、確実に断熱効果を得るため、プロへの依頼も検討しましょう。
【方法1】床下に断熱材を入れる
和室の底冷えがひどい場合は、床下から直接断熱材を入れるリフォームが効果的です。床下に作業スペースがあれば、床を剥がさず下から断熱材を入れられるため、冷気の侵入を防げます。
床下に潜って断熱施工ができれば、床を解体する手間がないため費用を抑えられ、工期も短くなります。工期は3日ほど、8畳の和室で約10〜15万円が施工費用の相場です。
上記の費用相場はあくまで目安であり、正確な費用については見積もりが必要です。
特に、築年数が経過している家では床下の断熱材が足りなかったり、まったく使われていなかったりするケースもあります。建物の構造などによっては、人間が床下に入れない場合もあり、その際は床を剥がして施工することになるため、心配な場合は専門業者にリフォームを相談しましょう。
【方法2】内窓や高性能な窓を設置する
和室の断熱には、寒冷地でもよく採用されている、内窓の設置が効果的です。内窓とは、既存の窓の内側に新たに取り付けて窓を二重にすることで、冷気を遮り部屋の温度を保てるものです。
内窓の設置は、壁や外観を大きく変えずにリフォームできるため、工期が短く費用を抑えられます。1日で工事が完了することが多く、費用相場は約4万円〜です。窓の大きさやサッシ・ガラスの種類や性能によって費用が異なります。
上記の費用相場は、窓のサイズや種類によって大きく変動します。
また、内窓の設置や窓の交換を検討する場合は、既存の窓枠に適合するものであれば、樹脂製サッシや複層(ダブル・トリプル)ガラスを選ぶのもおすすめです。費用はかかりますが、断熱性の向上に加え、結露の大幅な軽減も期待できます。
内窓などの窓リフォームでは、国の補助金制度を活用できる場合があるため、費用負担を軽減できる可能性があります。最新の情報を確認し、業者に相談してみましょう。
【方法3】壁・天井に断熱材を充填する
和室の断熱性を部屋全体で高めたい場合は、壁や天井の中に断熱材を入れるのがおすすめです。発泡ウレタンなど密着性のある断熱材を使用すれば、気密性も高められ、外気の侵入を軽減できます。
ただし、壁や天井に関する工事は、壁の下地や天井板を剥がす必要があるため、DIYでやるのは難しいでしょう。専門の業者に依頼するのがおすすめです。
施工範囲によりますが、費用は約8万円〜、工事期間は2日〜1ヶ月ほどかかります。確実な効果が得られるため、長く快適に過ごしたい人にはぴったりの方法です。
壁一面なのか、部屋全体なのか、また使用する断熱材によって費用は大きく変わります。
適切な防湿・気密処理を行わないと、壁内部で結露が発生し、カビや構造材の腐食につながる恐れがあるため、信頼できる専門業者に依頼することが重要です。
DIYで和室を断熱リフォームするメリット
DIYで和室の断熱リフォームをする場合、以下のようなメリットが挙げられます。
【メリット1】コストを抑えられる
和室の断熱リフォームをDIYでする最大のメリットは、費用を大きく抑えられる点です。
専門業者に依頼すると高額になりがちな断熱工事も、自分で資材を購入し作業することで、数千円〜数万円程度に抑えられる場合もあります。最近では、ホームセンターやネット通販で手軽に材料が手に入るため、チャレンジしやすいのも魅力です。
普段からDIYをする人は、タッカーなどの基本的な道具を持っている場合も多いでしょう。断熱リフォームに必要な建材を調達するだけでいいため、お値打ちに断熱リフォームができます。
【メリット2】自分のペースで進められる
和室の断熱リフォームをDIYですれば、自分のペースやスケジュールに合わせて作業できます。
忙しい日々の中でも、余裕のある夜の時間や、週末の休みを使って少しずつ進められるため、無理なく取り組むことが可能です。
たとえば、専門業者に頼む場合、施工日を調整して工事に立ち合う必要があります。スケジュール調整の手間が煩わしい人にとっては、DIYでやった方が楽に感じるかもしれません。
DIYで和室を断熱リフォームするデメリット
DIYで和室の断熱リフォームをする場合、以下のようなデメリットが挙げられます。
【デメリット1】断熱効果が十分に得られない可能性がある
DIYで和室を断熱リフォームする場合、十分な効果を得られないことがあります。断熱材を適切に施工するためには、専門的な知識や技術が必要だからです。
たとえば、隙間なく断熱材を設置しないと、そこから冷気が入ったり、熱が逃げたりしてしまいます。断熱欠損(断熱材の隙間)があると、そこがヒートブリッジ(熱橋)となり、効果が半減するだけでなく、結露の原因にもなりかねません。
また、発泡ウレタンなど一部の断熱材は、そもそも専用の機材が必要で、プロでないと施工できないことも多いのです。確実に断熱効果を感じられるようにするためには、専門業者に依頼するのが得策です。
【デメリット2】時間と体力が必要
DIYで和室の断熱リフォームをする場合、どうしても時間と体力が要ります。これは、材料の準備や施工の過程において、かなり労力が必要になるためです。特に腰に負担がかかる作業なので、無理は禁物です。
たとえば、床下の簡単な断熱施工であっても、重たい畳を何枚も取り外して運び出し、作業後に元に戻す手間がかかります。和室の広さや、施工する人数にもよりますが、1日で終わることは少なく、数日かかるケースもあります。
そのため、時間に余裕がない人や、体力に自信がない人にとっては、DIYによるリフォームは負担が大きいかもしれません。結果として、専門業者に依頼したほうが、短時間で効率的に、かつ確実に断熱リフォームができるでしょう。
【デメリット3】作業中にケガなどの危険がともなう
DIYで和室の断熱リフォームをする場合、作業中にケガをするリスクがあります。カッターやタッカーなどの工具を使うため、誤って手を切ったり、刺したりする事故が起きるかもしれません。
また、高い場所での作業や、壁を壊す作業が必要な場合、転落や打撲の危険もあります。安全に作業を行うためには、事前準備と正しいやり方での施工が求められます。特にDIYの経験が少ない人は、作業前にしっかりと道具の使い方や注意点を学ぶことが大切です。
慣れない作業での無理は禁物です。少しでも不安を感じたら、専門業者への依頼を検討しましょう。
省エネ・断熱・太陽光リフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。
そのような方こそハピすむの一括見積もり比較を活用しましょう!
大手ハウスメーカーから地場の工務店まで、審査を通過した1000社以上の中から、まとめて見積もりを依頼できます。
また、ハピすむでリフォームされた方には最大10万円分の「ハピすむ補助金」もご用意しています。
詳細はこちら>>>ハピすむ補助金プレゼントキャンペーンの流れ