
断熱リフォームの費用相場は?窓・壁・床・天井の工法と補助金【2026年】
断熱リフォームの費用相場は、内窓が3万〜20万円/箇所、床下断熱が0.8万〜2万円/㎡、外断熱が1.5万〜3万円/㎡、天井裏断熱が…

床の断熱リフォームは、既存の床を剥がさず床下から断熱材を入れる場合、20坪で20万~50万円が目安です。ただし、住宅の構造や床下の状態によって適した工法と費用は異なります。この記事では、戸建て・マンションで採用できる工法の違いと、費用・効果を踏まえた選び方を解説します。
戸建てで床の断熱リフォームをする場合は、主に3つの方法から選べます。それぞれにメリット・デメリットや向き不向きがあるため、住宅の構造や床下の状態に合う方法を選びましょう。

戸建ての床断熱リフォームで最も一般的なのが、床下断熱です。床組みの間に断熱材を敷き詰め、床下から伝わる冷気を遮ります。施工できる業者が多く、新築だけでなく既存住宅のリフォームにも対応しやすい点がメリットです。主な施工方法は、次の2つです。

ボード状やマット状の断熱材を床組みの間に入れる方法です。工場で成型された製品を使いますが、構造材との間に隙間があったり、断熱材がたわんだりすると、本来の性能を発揮できません。配管まわりも含め、隙間なく固定する施工品質が重要です。費用は素材によって異なり、比較的安価な断熱材を選べば工事費を抑えやすくなります。
ウレタン断熱材を吹き付ける方法は、複雑な形状にも連続した断熱層をつくりやすいのが特徴です。ただし、吹付け材の種類や厚さ、下地の状態、施工品質によって性能が変わります。吹付け材だけで気密層になるとは限らず、結露やカビを防ぐには、気密・防湿・換気を含めた計画が必要です。専門設備と技術が必要なため、対応できる業者や費用を比較して検討しましょう。
基礎断熱は、基礎の立ち上がりなどに断熱材を施工し、床下空間を室内側の熱的境界に取り込む工法です。基礎の内側・外側、または両側に施工する方法があり、必ずしも基礎コンクリート全体を覆うわけではありません。床下換気口を設ける床断熱とは納まりが異なり、基礎の気密・防湿・防蟻や床下の空気循環を一体で計画する必要があります。既存住宅でも施工できる場合はありますが、床下や基礎の状態によって適否が異なるため、断熱改修に詳しい業者へ現地調査を依頼しましょう。
室内側から施工する方法では、既存の床を剥がして断熱材を入れます。床材の張り替えと同時に行えば、工事を別々に依頼するより費用を抑えやすいでしょう。ただし、床の撤去を伴う大がかりな工事となるため、床下から施工する方法に比べると工期が長く、費用も高くなる傾向があります。
マンションの床断熱では、ボード状の断熱材を施工する乾式工法や、発泡ウレタンなどを吹き付ける湿式工法があります。既存床の撤去が必要になるケースが多いため、床材の張り替えと同時に検討すると効率的です。ただし、床スラブなどの共用部分や他の住戸に影響するおそれがある工事は、管理規約に基づく承認や届け出が必要になることがあります。断熱材の厚さや床材の遮音性能に関するルールも含め、計画前に管理規約と使用細則を確認しましょう。
※ 参照:国土交通省「マンション標準管理規約」
床の断熱リフォームにより、足元の冷えを和らげ、結露やカビを抑える効果が期待できます。
床断熱リフォームにより、冬場の足元の冷えを和らげる効果が期待できます。床下や基礎に断熱材を施工すると、床下から室内へ伝わる冷気を抑えられるためです。暖房をつけても足元が冷える住宅では、室内をより快適に保ちやすくなります。

床の断熱リフォームでは床表面の温度が下がりにくくなり、適切な気密・防湿・換気と組み合わせることで、結露やカビの抑制が期待できます。ただし、断熱材を追加するだけで床下の結露を防げるわけではありません。床下に湿気や雨漏り、漏水、換気不足などの問題がある場合は、断熱工事の前に原因を調査し、必要な対策を行いましょう。
床の断熱リフォームにかかる費用は、工法によって異なります。施工面積や断熱材の種類・厚さ、床下の作業性、既存断熱材の撤去、防湿・防蟻処理の有無によっても変動します。
| 断熱工事の工法 | 費用相場 |
|---|---|
| 床下断熱(断熱材を入れる方法) | 20万~50万円(施工面積20坪/既存床を剥がさず床下から施工) |
| 床下断熱(ウレタン吹き付け) | 3,000~9,000円(1㎡あたり/施工する厚さや床下の状態により変動) |
| 基礎断熱 | 30万~60万円(施工面積20坪/基礎の内側・外側や防蟻処理の有無により変動) |
| 室内の床断熱 | 70万~120万円(施工面積20坪/既存床の撤去・処分、新しい床材、断熱材の施工を含む) |
見積もりを比較する際は、養生、床下点検口の新設、既存断熱材の撤去、防湿・防蟻処理などの付帯工事と、消費税が含まれているかを確認しましょう。
床の断熱リフォームには、主に次の断熱材が使われます。断熱性能は素材名だけでなく、製品ごとの熱伝導率と厚さによって決まります。施工箇所や床下の湿気、必要な防火・防蟻性能を踏まえて選びましょう。

| 断熱材 | 特徴 |
|---|---|
| 硬質ウレタンフォーム | ボード状の製品と、現場で吹き付けて発泡させる製品がある。断熱性能に優れ、吹付けタイプは複雑な形状にも連続した断熱層をつくりやすい。ただし、製品の種類によって熱伝導率や透湿抵抗が異なる。 |
| フェノールフォーム | 断熱性能はトップクラスだが、価格は比較的高め。長期安定性や耐火性にも優れている。 |
| 押出法ポリスチレンフォーム | ボード状の断熱材で、床断熱や基礎断熱などに使用される。耐水性と施工性に優れている一方、可燃性があるため、使用部位に応じて防火上の納まりを確認する必要がある。 |
| ビーズ法ポリスチレンフォーム | 一般に「発泡スチロール」と呼ばれる素材。施工性が高く、耐久性・耐衝撃性・耐水性に優れている。 |
| グラスウール | 広く利用されている繊維系断熱材。吸音性・不燃性に優れ、適切な防湿・気密施工を行えば、長期間にわたって断熱性能を維持できる。水蒸気を通しやすいため、施工箇所に応じた防湿層や気流止めが重要。 |
| ロックウール | 岩石を原料とし、耐火性・耐熱性に優れている。一方、重量があり、施工しにくい点がデメリット。 |
| セルロースファイバー | 古紙が原料のエコな素材。施工がしやすく調湿性があり、防音性能にも優れている。 |
| ウール | 調湿効果に優れており、アレルギーの心配が少ないのがメリット。保温と速乾性もあるが、価格は高め。 |
| インシュレーションボード | 木質素材をボード状に加工したもの。調湿性や消臭効果が期待でき、環境に配慮した断熱材として使用されている。 |
床の断熱リフォームでは、湿気対策と隙間のない施工が重要です。工法や施工業者を選ぶ前に、次の注意点を確認しておきましょう。
床の断熱リフォームでは、工法に合った湿気対策が必要です。床断熱では床下が断熱層の外側になるため、既存の床下換気が有効かを確認し、床下が湿っている場合は地面への防湿シートや防湿コンクリートなどを検討します。床下換気扇はすべての住宅に必要な設備ではなく、配置によっては空気が滞留することもあるため、床下の状態を調査してから判断しましょう。基礎断熱では床下を室内側として扱うため、外気を取り入れる床下換気口ではなく、基礎の防湿・気密と床下の空気循環を計画します。

床の断熱リフォームでは、断熱材と構造材の間に隙間をつくらない施工が欠かせません。隙間があると、十分な断熱性能を発揮できないためです。配管・配線まわりや高低差のある場所も、気密性を保てるよう丁寧に納める必要があります。依頼先を選ぶ際は、複数の業者を比較し、床断熱の施工実績や施工方法を確認しましょう。

床下の断熱リフォームをDIYで行うことは可能ですが、基本的にはおすすめできません。床材を剥がすか、狭い床下へ潜って作業する必要があり、慣れていない人には難しいためです。また、断熱性能を確保するには、断熱材を隙間なく固定して気密性を保たなければなりません。十分な知識や経験がなければ、専門業者へ依頼するのが安心です。
床断熱リフォームの工期は、工法や断熱材によって異なりますが、1日〜3週間が目安です。既存の床を剥がさず床下から施工する場合は、最短1日で完了することもあります。一方、床を剥がして床材の張り替えも行う場合は、6日〜3週間かかるでしょう。施工面積によっても変わるため、見積もり時に具体的な工期を確認してください。

2026年8月18日現在、床の断熱リフォームで利用できる国の主な補助制度は、以下の2つです。
※ 参考1:既存住宅の断熱リフォーム支援事業「トータル断熱」
※ 参考2:みらいエコ住宅2026事業「対象要件の詳細」
※ 参考3:みらいエコ住宅2026事業「躯体の断熱改修」


床下の断熱材が不要かどうかは、住宅の断熱方法や構造によって異なるため、一律には判断できません。床断熱は足元の冷えや床からの熱損失を抑えるのに有効ですが、隙間やたわみがあると十分な効果を発揮できません。なお、シロアリ対策で特に注意が必要なのは、基礎の外側に断熱材を施工する基礎外断熱です。断熱材の内部や継ぎ目が侵入経路になるおそれがあるため、防蟻性能のある断熱材を選び、継ぎ目や配管まわりへの防蟻処理と点検しやすい納まりを計画しましょう。
床下の断熱材は後から施工できますが、すべての住宅で同じ方法を採用できるわけではありません。床下の高さや点検口の位置、床組みの劣化、シロアリ被害、漏水、湿気の状態を事前に確認しましょう。床下から作業できる場合は既存床を剥がさずに施工でき、作業空間を確保できない場合や床材も更新する場合は、室内側から床を剥がして施工します。劣化や湿気の問題が見つかったときは、補修や防湿対策を先に行うことが大切です。

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