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2021年06月10日更新
地震対策リフォームにかかる費用は?詳しい工事内容も解説
日本に住んでいる限り避けられない大地震。東日本大震災や熊本地震などの大地震がきっかけでご自宅の地震対策を強化したいと考える方も増えてきています。この記事では大地震に備えた耐震リフォームの工事内容や費用についてご紹介します。
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- 監修者樋田明夫
目次
地震対策として行うリフォームが脚光を浴びているのはなぜ?
近年幾度となく発生する地震や度重なる地震災害による危機感から、地震対策のために住宅をリフォームする人が増えています。
近い将来、大地震が発生するとも言われており、命を守るためのリフォームは急務だと言われています。家を守ることは、そこに住む人の命を守ることであり、災害発生時でも住む場所が確保できるということでもあります。
また、近年、法律の面からも地震対策が強化されています。
1981年、2000年と耐震基準法の改正が行われており、特に2000年の法改正ではそれまで設計者によって任されていた部分が明確化し、規定されることでさらに耐震性が向上しました。
また、耐震性能の基準が「耐震等級」で表示されるようになったため、耐震性能が判断しやすくなり、住宅購入やリフォームする際の基準がより明確になっています。
そして、1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅には、国をあげて地震対策リフォームを促進しており、耐震診断や耐震改修費用について補助金を給付する制度も用意されています。
今後発生する可能性のある大地震に備えて、被害を最小限に抑えるためにも地震対策リフォームを行うことは重要であると言えます。
地震対策のリフォーム「耐震」「制震」「免震」の違いとは?
地震対策のリフォームを行う際、「耐震」「制震」「免震」という言葉を耳にします。
この3つにはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの意味や違い、リフォーム費用の目安などについてご紹介します。
「耐震」「制震」「免震」とは?
「耐震」「制震」「免震」のそれぞれの主な意味は以下の通りです。
・耐震:地震による揺れに耐えること
・制震:地震による揺れを吸収すること
・免震:地震の揺れを受け流し、建物に伝えにくくすること
上記のように、地震に対してどのように作用するのかが異なります。地震対策リフォームではそれぞれの特徴を考慮し、どの方法が一番ふさわしいのかを検討した上で選ぶことが大切です。
「耐震」「制震」「免震」の地震の揺れに対する違いとは?
「耐震」「制震」「免震」の特徴がそれぞれ異なることをご紹介しましたが、次に地震の揺れに対して具体的にどのような対策を施すのかについて見ていきましょう。
・耐震:筋交いを入れるなどをして建物を補強し、地震の揺れに耐えられるようにする
・制震:建物内部にダンパーや錘などの制震部材を組み、地震の揺れを吸収する
・免震:基礎と建物の間に免震装置を設置して地盤と切り離し、地震の揺れを直接建物に伝えないようにする
それぞれに共通するのは「何らかの部材や装置を今ある骨組み等にプラスすること」です。ただ、「耐震」「制震」「免震」のどれを選ぶかによって、部材の種類や設置する場所などが異なります。
「耐震」「制震」「免震」のリフォーム費用相場と規模
「耐震」「制震」「免震」のリフォーム費用相場と規模は以下の通りです。
【耐震リフォーム費用相場と規模】
耐震リフォームでは、屋根・外壁・基礎・内壁などを補強したり張り替えるなどをしてリフォームするのが一般的で、小規模な工事で済むものから大規模な工事が必要になるものまで幅広くあります。
耐震リフォームを行う場所は耐震診断の結果や予算などによって異なります。
<耐震リフォームの費用相場>
・外壁の場合:約13万円〜約15万円/幅910mm
・内壁の場合:約9万円〜約12万円/幅910mm
・屋根の場合:約1万5,000円〜約2万円/平方メートル
・基礎の場合:約4万円〜約5万6,000円/平方メートル
【制震リフォームの費用相場と規模】
制震リフォームでは、壁の内部に錘やダンパーなどの制震部材を組み込む必要がありますが、免震リフォームよりは小規模の工事で済む傾向にあります。
<制震リフォームの費用相場>
約50万円〜約100万円
【免震リフォームの費用相場と規模】
免震リフォームは、基礎と建物の間に免震装置を設置する必要があるため大規模な工事になることがほとんどです。
また、施工には高度な技術が必要なため扱っている業者も少なく、一般住宅の地震対策リフォームとしてはほとんど普及していないようです。一般住宅に組み込む場合、建物全体の構造にもかかわる部分が多く、新築時から採用を考慮して設計される場合がほとんどです。リフォームでという場合は建て替えとなると思われます。
<免震リフォームの費用相場>
約300万円〜約600万円
地震対策のリフォーム・リノベーション
地震対策のリフォーム・リノベーションをする際には、大地震に耐えられるよう、基礎や壁など耐震性を高めるために行うべき耐震補強工事がいくつかあります。ひとつずつご紹介します。
基礎の耐震補強工事
地震対策のリフォーム・リノベーションでまずポイントとなるのは、基礎の耐震補強工事です。建物の基礎は住宅を支える重要な部分であるため、強化することで耐震強度を高めることができます。
木造平屋建ての一戸建てなど、鉄筋コンクリートが入っていない基礎の場合は、鉄筋コンクリートと木造の基礎を一体化させたり、基礎にひびがある場合は改修工事を行い強度を高めます。
古民家や築50年以上の古い建物の場合、束石で作られた基礎の上に柱が乗っているだけで、連結されていなかったりする場合もあるため、築年数を確認することも大切です。
また、長い年月で土台となる地盤の沈下が起こり基礎が埋没しているケースも。地盤が緩んでいるといくらその上に強固な基礎を築いても柱が外れたり、地盤ごと家が傾いてしまう場合もあります。
このような場合は、土台となる地盤を整えたうえで古い基礎の上に新しく基礎を作り、床下にコンクリートを流し込む補強を行ったりと状況に合わせた工事が必要です。
壁の耐震補強工事
住宅耐震リフォーム・リノベーションのアンケートでは、9割の方が内壁の耐震補強工事が大切だと回答している調査結果もあるように、建物の倒壊を防ぐためには壁が大切なポイントです。
建物の壁は、建物自体の耐震性を決める重要な部分で、いくら基礎がしっかりとしていても壁が「耐力壁」でない場合は倒壊の危険性が高まります。
間仕切り壁は横揺れに弱いので、構造用合板を耐力壁として使用したり、斜めに木材を取り付ける「筋交い」を入れて補強を行います。
壁の補強はむやみに行っても意味がなく、必要な箇所に必要な補強がされていることがポイントです。正しい位置に耐力壁を設置することで地震に対する抵抗を強めます。
接合部分の耐震補強工事
柱と梁の接合部分、住宅の構造を問わず耐震性を決める重要なポイントです。大規模地震で倒壊した住宅の多くが、柱や梁の接合部分が原因と言われています。
住宅の土台と基礎を接合する「アンカーボルト」の本数を増やすことで倒壊の可能性を低くすることができます。接合部分に金物が使用されていない場合は、ホールダウン金物で補強をすることで柱の抜けを防げます。
他にも、接合部のつなぎ目がまっすぐな「継手」や斜めのつなぎ目である「仕口」が正しく接合されているかを確認し、金物を使って補強を行うことで強度を高めることができます。
耐震リフォームで必要な耐震基準への理解と耐震診断
耐震リフォーム・リノベーションを行う際には、現在お住まいの建物がどこまでの耐震基準を満たしているかによって補強工事の規模が異なります。専門家の耐震診断を受け、耐震基準の確認と耐震リフォーム・リノベーションの計画を立てましょう。
新耐震基準と旧耐震基準
耐震基準は1981年6月に大きな改定が行われました。1981年以降の基準は「新耐震基準」、それ以前は「旧耐震基準」と区別されています。
新耐震基準では、旧耐震基準ではなかった「震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しない」「震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しない」という基準が新たに設定されました。
実際に、1995年の阪神・淡路大震災などで新耐震基準で作られた建築の倒壊率は、旧耐震基準で作られた建築よりも低かったというデータもあります。それほど、耐震基準は重要な指標になります。
また、木造住宅の耐震基準は2000年にも改正が行われました。阪神・淡路大震災で多くの木造住宅が倒壊したことを受け、耐震基準をより細かく、強固にすることが目的です。
具体的には、新築時の地盤調査の義務化、壁の配置バランス、柱や筋交いに使用する金物の種類の明確化などより細やかに基準が設定されています。
そのため、ご自宅が1981年以前に建てられたのか、1981年~2000年に建てられたのか、2000年以降に建てられたのかで、耐震リフォーム・リノベーションするべき場所の多さが異なってきます。
ご自宅の建物がいつの耐震基準で作られているかどうかは、建築申請・建築基準法遵守により交付される「建築確認済証」の交付日で確認することができますので、調べてみることをおすすめします。
耐震診断の大切さ

しかし、新耐震基準で作られた建物であっても、経年劣化は進んでいるため油断は禁物です。耐震リフォーム・リノベーションの際には、専門家による耐震診断を受け正しく状態を把握しましょう。
また、日本建築防災協会のホームページでは「誰でもできる我が家の耐震診断」が公開されています。
この耐震診断では、建築された年月と対応している耐震基準を確認するだけではなく、災害に合った経験の有無、増築経験の有無、傷み具合、建物の平面図などから耐震度を診断することができます。
今すぐ耐震状態を知りたい、専門家の耐震診断を受ける前に状態を知りたい場合にとても便利です。我が家の耐震状態を知っておけば、家具の位置など地震対策を取っておくこともできます。
耐震診断を受ける方法は?
耐震診断を行うためには設計図書が必要となります。
具体的には構造図・意匠図・構造計算書などです。
また検査済証や確認済証、建築確認申請図も重要です。
耐震診断の費用は、木造一戸建て住宅の場合は5万円~15万円が目安です。
ただし耐震診断は多くの自治体で費用の助成が受けられます。
耐震診断を行っている業者を紹介してくれることもあるので、まずは各自治体に相談に行ってみましょう。
耐震補強工事を行う場合の助成金、補助金について
耐震診断を受けて耐震補強工事を行う場合、自治体によって違いはありますが助成金・補助金を受けることができます。
たとえば東京都中央区では工事費用の半額(限度額300万円)の補助金制度を利用することができ、上手に使えばかなりお得に工事を行うことができるでしょう。
ただし補助金を受けるためには各自治体が定めている条件を満たす必要があります。
耐震補助金対象家屋となる条件は各自治体によって異なりますが、一般的には築年数・建物の構造・建物用途によって決まります。
築年数は多くの場合、1981年5月31日までに建築確認を受けた木造住宅というのが条件となります。
なぜなら1981年5月31日以前の建物は旧耐震基準で建てられているからです。
建物構造については木造軸組み工法で2階建て以下の建物が補助金対象です。
建物用途は戸建住宅であれば特に問題ありませんが、賃貸住宅で所有者と居住者が異なる場合は所有者が耐震診断をすることが条件になります。
他にも高齢者と同居していることや市民税・固定資産税などの滞納または未納のないことなどがよくある条件として挙げられます。
なので耐震補強工事を検討されている方はお住まいの地域で指定されている条件がどのようなものなのか、一度確認してみてください。
地震対策リフォーム・リノベーションにかかる費用と工期の目安
それでは、地震対策のリフォーム・リノベーションの費用と工期はどのくらいを目安にしておけばよいのでしょうか。木造建築と鉄筋コンクリート建築での費用と工期をご紹介します。
木造住宅の耐震リフォーム費用と工期
木造住宅の耐震リフォーム・リノベーション費用は総額で約180万円~約300万円が相場と言われています。旧耐震基準の木造住宅は工事箇所が多くなるため、より高くなると考えておきましょう。
耐震を高めるための耐力壁への補強工事を行う場合は、必要な内壁を一度取り壊し、斜めに補強木材を入れる筋合い作業となり、1間(約180cm)あたり約25万円が相場です。
また、工期は約1週間~約2週間が一般的です。基礎や壁、接合部分を工事するため、内装一部を取り壊して補強工事を行い、再度内装工事をして元に戻すため時間はかかります。
大規模な耐震工事を行う場合は、自宅に住むことは難しくなります。しかし、何かあった際に現場からの連絡が入り、現場で確認したり相談したりすることもあるため、近くの知り合いの家やウィークリーマンション、ホテルなどに宿泊すると便利でしょう。
直前になって宿泊場所を探すと見つからないこともあるため、耐震リフォーム・リノベーションの工期が決まったらすぐに宿泊場所を手配しておくのがおすすめです。
鉄筋コンクリートの耐震工事費用と工期
鉄筋・鉄骨コンクリートの建物は、木造住宅より耐震性が高いとされていますが、施工完成度や経年劣化などから、一概にそうとも言えない場合もありますので注意が必要です。
特に1981年以前の旧耐震基準で施工されている場合は、鉄筋の数量が足りていない場合もあるため、大規模な補強工事が必要とされています。
鉄筋コンクリート造住宅の地震対策リフォーム・リノベーション費用の目安は、1平米あたり約1万5,000円~約5万円が相場。建物の構造や階数によっても異なります。
補強工事は、柱を銅鉄板で補強したり、鉄筋コンクリートの壁を増設する、屋根を軽い素材にするなどが主流になっており、平米数の他、工事を行う壁の枚数や柱の本数で費用が決まります。
費用相場は、柱に銅鉄板を巻き付ける補強工事は1本あたり約50万円~約200万円、鉄筋コンクリートの壁の増設は1枚あたり約150万円~約300万円が一般的です。
補強工事を行う面積が広くなればなるほど、単位当たりの価格は割安になりますが、専門家に相談し、必要な箇所を見極めて補強工事を行うことが大切です。
耐震リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきた耐震リフォームは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!
この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
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そんな方は、簡単に無料で比較見積もりが可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
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一生のうちにリフォームをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

株式会社フレッシュハウス
樋田明夫フレッシュハウスでリフォームの営業担当を長年経験し、数々のリフォームコンテストでの受賞実績を持つ。現在はフレッシュハウス本社における営業戦略室の室長として、大規模リフォームから通常のリフォーム物件まで幅広く対応中。

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