
一戸建ての耐震補強にかかる費用は?補助金制度の活用と法改正の影響も
「一戸建ての耐震補強を検討しているものの、費用がわからず踏み出せない」と悩んでいませんか。工事費は、建物の状態や補強範…

基礎のひび割れ補修費用は、ひび割れの幅・深さ・長さ・原因や、採用する工法によって変わります。この記事では、基礎のひび割れ補修費用に加え、耐震診断を検討したい住宅の特徴を解説します。

ここでは、基礎のひび割れ補修と耐震補強に使われる主な工法、費用の目安を解説します。
基礎のひび割れ補修費用は、ひび割れの幅・深さ・長さ・原因や、採用する工法によって変わります。

| 基礎のひび割れ補修工法 | 費用相場 |
|---|---|
| 表面を覆うシール工法 | 5,000~10,000円/箇所 |
| Uカットシール工法 | 4,000~15,000円/m |
| 低圧でエポキシ樹脂を注入する工法 | 10,000~30,000円/m |
工事箇所が少ない場合でも、出張費や最低工事料金が別途かかることがあります。基礎のひび割れ補修は、雨水の浸入を防ぎ、損傷部分を一体化するための工事です。工法によっては強度の回復も見込めますが、住宅全体の耐震性能が必ず向上するとは限りません。ひび割れの原因が不同沈下や基礎の強度不足にある場合は、ひび割れの補修に加え、耐震診断に基づく補強が必要です。

ひび割れに沿って特殊な器具を取り付け、ゴムチューブの圧力でエポキシ樹脂を時間をかけて低圧注入する工法です。
ひび割れに沿ってU字型またはV字型の溝をつくり、プライマーを塗布したうえでシーリング材や樹脂モルタルなどを充填する工法です。ひび割れの動きや幅、施工部位に合わせて材料を選びます。
基礎補修を依頼する業者は、ひび割れの幅・深さ・原因を調査し、補修だけで済むか、耐震診断や基礎補強が必要かを説明できる会社を選びましょう。見積もりは2~3社から取り、工事範囲、工法、使用材料、数量、保証内容、追加費用の条件をそろえて比較すると判断しやすくなります。原因を十分に確認せず表面だけを塞ぐ提案や、調査前に大がかりな工事を勧める業者には注意が必要です。
※ 参考:住まいるダイヤル「リフォームは複数の見積書を取って比較」
ひび割れを埋める補修だけでは十分な耐震性を確保できない場合に、炭素繊維やアラミド繊維のシートを樹脂で基礎表面に接着して補強する工法です。ひび割れや欠損を補修し、下地を整えてから施工します。使用できる材料や施工仕様は工法ごとに定められているため、材料だけで判断せず、耐震診断の結果に合う工法を選ぶことが重要です。
アラミド繊維シート補強は、1㎡あたり2万~4万円が目安です。炭素繊維シートを含めた総工事費と工期は、施工面積、基礎の形状、床下への入りやすさ、下地補修の範囲などで変わります。古い品番の価格や材料単価だけで総額を判断せず、現地調査後の見積もりを確認しましょう。
基礎コンクリートの増し打ち工事は、既存基礎の側面などに新たな鉄筋コンクリートを設け、アンカー筋などで一体化する補強方法です。無筋基礎の補強に採用されることもありますが、建築士などが既存基礎や地盤の状態、建物からかかる力を確認し、補強範囲と配筋を検討します。
基礎補強全体の費用は50万~150万円がひとつの目安ですが、増し打ちの長さ・高さ・厚さ、掘削や床下作業の有無によって大きく変わります。工期にも数日から数週間以上の幅があるため、住宅の規模だけで費用や工期を一律に判断することはできません。

基礎のひび割れ補修に利用できる補助金は、工事の目的や自治体によって異なります。表面的なひび割れ補修だけでは対象にならない場合がありますが、耐震診断の結果に基づく基礎補強を含む耐震改修であれば、自治体の補助制度を利用できる可能性があります。対象となる建築時期、補助率、申請期限、工事着手前の申請要否は地域ごとに異なるため、工事の契約前に建物所在地の自治体へ確認しましょう。
※ 参考:国土交通省「補助金・支援制度について」
基礎にひび割れがあっても、必ずしも耐震基礎補強工事が必要とは限りません。ただし、建築時期や基礎の構造、ひび割れの状態、建物の傾きによっては、耐震性を詳しく調べる必要があります。補修方法を決める前に耐震診断を検討したい住宅の特徴を見ていきましょう。

1981年5月31日以前の旧耐震基準で建てられた木造住宅は、現在求められる耐震性を満たしていない可能性があります。ただし、建築時期だけでは基礎補強の必要性を判断できません。まずは耐震診断を受け、基礎・壁・接合部などの状態を確認しましょう。
旧耐震基準は、震度5強程度の地震でほとんど損傷しないことを検証する基準です。新耐震基準では、震度6強~7程度の地震でも倒壊・崩壊しないことが要件に加わりました。阪神・淡路大震災では、旧耐震基準の建物に被害が集中しています。また、1981年6月以降に建てられた木造住宅でも、接合部などの仕様が明確化された2000年以前の住宅は、リフォーム時に耐震性を確認しておきましょう。
※ 参考1:国土交通省「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」
※ 参考2:国土交通白書2021「阪神・淡路大震災」
不同沈下とは、地盤の一部が不均等に沈み、建物が傾いたり基礎に負担がかかったりする状態です。不同沈下が進むと、基礎だけでなく、外壁に斜めのひび割れが現れることもあります。基礎のひび割れだけでは、不同沈下の有無や進行状況を判断できません。亀裂が増える、床や柱が傾く、ドアや窓が開閉しにくいなど、複数の症状が見られる場合は、早めに建築士や住宅診断の専門家へ相談しましょう。
既存住宅状況調査では、基礎に生じた幅0.5mm以上のひび割れや、床・柱の6/1,000以上の傾斜などが確認項目とされています。ただし、これらは調査で確認する劣化事象の基準であり、数値だけで不同沈下や倒壊の危険性を断定するものではありません。ひび割れの幅・深さ・方向・進行状況を調べ、原因に応じた補修方法を選ぶことが大切です。


古い木造住宅には、鉄筋の入っていない無筋コンクリートの基礎が使われている場合があります。ただし、建築年だけでは無筋基礎かどうかを断定できません。図面の確認や鉄筋探査を行い、ひび割れ・欠損・劣化の状態とあわせて耐震診断を受けましょう。必要な補強範囲や工法は住宅ごとに異なるため、診断結果をもとに、増し打ちや連続繊維シートなどの補強方法を検討しましょう。
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