外壁の剥がれはDIYで応急処置できる?壁材別に安全な対応を解説

外壁の剥がれを写した住宅の写真と、「外壁の剥がれ 応急処置できる? 壁材別に安全な対応を解説!」という文字が入ったサムネイル画像

外壁の剥がれを見つけたときはDIYで補修せず、剥がれた箇所の周囲に人や車が近づかないようにしてください。室内に雨漏りしている場合は、水受けを置いて家財を移動するなど、安全な範囲で応急処置を行い、早めに専門業者へ相談しましょう。この記事では、壁材別の安全な対応と、専門業者による補修方法を解説します。

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外壁が剥がれる原因

外壁が剥がれる主な原因は、経年劣化・自然災害・業者による施工不良の3つです。

経年劣化・自然災害・施工不良の3つを外壁や住宅のアイコンで示した図解
外壁が剥がれる主な3つの原因

【原因1】経年劣化

外壁が劣化する時期は、外壁材や塗料の種類、施工状態、日射・雨風・塩害などの周辺環境によって異なります。そのため、築年数や前回の塗装からの年数だけでは判断できません。「10年」は点検やメンテナンスを検討する一つの目安ですが、製品ごとの維持管理スケジュールと実際の劣化症状を優先してください。チョーキング・ひび割れ・色あせなどは、経年劣化のサインです。放置すると外壁が剥がれる可能性があるため、早めに専門業者へ補修を相談しましょう。

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【原因2】自然災害

台風や地震などの自然災害で、外壁が剥がれることがあります。特に築年数が古い建物では、被害が広範囲に及ぶケースもあります。被災時は身の安全を確保し、周囲の状況が落ち着いてから建物の被害を確認しましょう。

【原因3】業者による施工不良

新築後や外壁塗装後の早い時期に剥がれが生じた場合は、施工不良のほか、下地の水分や既存塗膜と塗料の相性なども考えられます。剥がれの範囲を写真に残し、施工した住宅会社や塗装業者に早めに調査を依頼しましょう。新築住宅で法律上10年間の責任対象となるのは、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の欠陥です。構造耐力や雨漏りに影響しない表面の剥がれ、または塗り替え工事後の不具合の保証期間は、契約書や保証書で確認しましょう。

※ 参考:国土交通省「新築住宅に関する法制度」

不十分な下地処理

下地処理とは、壁面を高圧洗浄し、残った汚れをケレン作業で除去する工程です。必要に応じて、ひび割れも補修します。下地処理が不十分だと塗装が早期に劣化し、外壁が剥がれやすくなります。

下塗り材の選択が不適切

外壁塗装は、下塗り・中塗り・上塗りの3工程で行います。各工程で適切な塗料を適量使うことが、外壁を長持ちさせるポイントです。下塗り材の選択を誤ると、上塗り塗膜の収縮によって下地ごと剥がれやすくなります。外壁塗料の耐用年数内であっても、剥がれが生じる可能性があるため注意が必要です。

下塗り後の乾燥が不十分

外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの各工程で十分な乾燥時間が必要です。乾燥が不十分だと下地が安定せず、数年後に剥がれや浮きが生じるなど、塗装の耐久性が低下します。塗料のカタログや仕様書に記載された乾燥時間を守ることが重要です。

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外壁の剥がれを放置するリスク

剥がれた外壁を放置すると、雨漏りや腐食、カビ、建物の耐久性低下につながるおそれがあります。

雨漏りから腐食・カビ、建物の耐久性低下へ進むリスクを矢印で示した図解
外壁の剥がれを放置する3つのリスク

【リスク1】雨漏りの発生

外壁材の剥がれや深いひび割れ、シーリングの破断があると、外壁の内側へ雨水が侵入するおそれがあります。ただし、表面の塗膜が剥がれただけで、すぐに室内へ雨漏りするとは限りません。仕上げ材の内側にある防水層や通気層まで劣化していると、壁内の腐食や室内への雨漏りにつながるため、剥がれの種類と下地の状態を調べることが大切です。

【リスク2】腐食やカビの発生

剥がれた外壁から雨水が侵入すると、建物内部に湿気がこもり、腐食やカビにつながる可能性があります。建物の強度低下・健康被害・悪臭などを招くおそれがあるため、早めに補修を検討しましょう。

【リスク3】建物の耐久性が低下

外壁の剥がれを放置し、雨漏り・腐食・カビなどが進むと、建物内部の強度が低下するおそれがあります。地震や大雨などの自然災害で被害が拡大する危険もあるため、専門業者による補修が必要です。

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【壁材別】外壁の剥がれを見つけたときの応急処置

外壁材や塗膜が剥がれている場合は、破片の落下や高所作業中の転落に注意が必要です。自分で剥がしたり、はしごや脚立に上って補修したりせず、まずは破片が落ちそうな範囲へ人が近づかないようにしてください。外壁タイルが浮いたり剥がれたりしている場合も、接着剤などを使ってDIYで補修せず、落下のおそれがある範囲から離れて専門業者に点検を依頼しましょう。室内へ雨漏りしているときは、水受けの設置や家財の移動など、室内で安全にできる対応にとどめましょう。なお、外壁工事や塗装工事では、規模にかかわらず施工業者が工事箇所の石綿(アスベスト)の有無を事前に調査する必要があります。

※ 参考:厚生労働省「小規模工事等の着工前に必要な手続きについて」

人や車を遠ざけ、DIY補修を避け、室内の水受けと家財移動を行い、業者へ相談する4つの応急対応を示した図解
外壁の剥がれを見つけたときの安全な応急対応

【壁材1】モルタル

モルタル外壁が剥がれる主な原因は、次のとおりです。

  • 塗膜の浮き
  • 接着不良
  • ひび割れの進行

モルタルに浮き・剥がれがある場合や、同じ面に多数のひび割れ、下地まで達したひび割れがある場合は、雨水の浸入やモルタルの落下に注意が必要です。剥がれた部分の真下へ人が入らないようにしてください。屋外側からブルーシートを固定したり、ひび割れにシーリング材を擦り込んだりするのは避けましょう。業者にひび割れの原因や浮きの範囲を調べてもらい、状態に合う止水・剥落防止・補修方法を選んでください。

あわせて読みたいモルタル外壁の補修方法とは?よくある劣化の症状と原因・注意点も解説

【壁材2】窯業系サイディング

窯業系サイディングでは、表面の塗膜が剥がれているのか、サイディング本体が欠けたり層状に剥がれたりしているのかで、補修方法が異なります。パテやコーキングで表面を塞ぐと劣化範囲や水分の侵入経路を見落とすおそれがあるため、DIYでの補修は避けましょう。業者の点検を受け、塗膜の部分補修・再塗装、シーリングの打ち替え、サイディングの部分張り替えなどから、状態に合う方法を選ぶ必要があります。

【壁材3】金属サイディング

金属サイディングでは、表面の塗膜が剥がれて鋼板やめっき層が露出すると、腐食が進むおそれがあります。一方、サイディング本体の浮きや外れは、強風で落下・飛散する危険があります。養生シートやシーリング材を自分で取り付けず、剥がれている範囲に人や車が近づかないようにした上で、金属サイディングの施工・塗装に対応できる業者へ早めに相談しましょう。

モルタル・窯業系サイディング・金属サイディングで外壁が剥がれたときの安全な対応を比較した図解
壁材別に見る外壁の剥がれへの安全な対応

剥がれの状態を記録する

安全な場所から、外壁全体と剥がれた箇所をそれぞれ撮影し、発見した日や直前の天候・災害を記録しておきましょう。修理業者への状況説明に役立つほか、自然災害による損害で保険金を請求する場合の資料にもなります。ただし、撮影のために落下しそうな外壁へ近づいたり、脚立・はしごに上ったりしないでください。

安全な場所から外壁全体と剥がれを撮影し、日付と天候を記録する3つの手順を示した図解
外壁の剥がれを安全に記録する手順
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外壁の剥がれを補修する方法

専門業者による補修方法は、塗膜・モルタル・サイディング本体のうち、どの部分が剥がれているかによって異なります。一般的な補修の流れは次のとおりです。

現地調査から事前調査と養生、下地補修、塗装または外壁材交換、仕上がり確認までの5工程を示した図解
専門業者が外壁の剥がれを補修する流れ
  1. 現地調査
    剥がれの種類、範囲、浮き、ひび割れ、シーリングの劣化、雨水の侵入経路を確認する。
  2. 事前調査と養生
    建材の種類や既存塗膜を確認し、必要な事前調査を行った上で、周囲や近隣を養生する。
  3. 劣化部の除去と下地補修
    洗浄だけではなく、状態に応じて密着していない塗膜や脆弱な部分を除去する。ひび割れや欠損は、原因と外壁材に合う方法で補修する。
  4. 塗装または外壁材の交換
    塗膜の剥がれであれば、下地と既存塗膜に適合する下塗り材・上塗り材で仕上げる。モルタルやサイディング本体が著しく損傷している場合は、部分撤去・成形補修・部分張り替えなどを行う。
  5. 仕上がりと安全性の確認
    仕上がりに加え、補修範囲の浮きや漏水、シーリングの施工状態などを確認する。

再発を防ぐには、表面を塗り直すだけでなく、原因と下地の状態に合った補修が必要です。

※ 参考:厚生労働省「小規模工事等の着工前に必要な手続きについて」

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外壁の剥がれを補修する際の費用相場

外壁の剥がれの補修費用は、工事内容によって異なります。主な費用相場は次のとおりです。

外壁塗装60万~150万円、全面張り替え150万~300万円、ひび割れ補修1万~15万円、コーキング補修の費用目安を比較した図解
外壁の剥がれを補修する際の費用相場
工事内容費用相場
建物全体の外壁塗装(延べ床30坪前後・足場代を含む)60万~150万円
外壁の全面張り替え(延べ床30坪前後・足場代を含む)150万~300万円
ひび割れの部分補修(1箇所・足場代別途)1万~15万円
コーキング補修部分補修
800~1,500円/m(足場代別途)
全面打ち替え(延床30坪前後)
20万~45万円(足場代を含む)

上記はあくまで目安であり、実際の補修費用は外壁の剥がれの程度や範囲などによって異なります。

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外壁の剥がれの補修費用を抑えるポイント

補修費用を抑えるには、部分補修の可否を見極め、足場が必要な工事をまとめ、複数社の見積もりを比較することが有効です。

必要な補修箇所の見極め、足場工事の集約、複数社の見積もり比較を示した図解
外壁の剥がれ補修費用を抑える3つのポイント

【ポイント1】必要な箇所だけを補修する

外壁の剥がれが小範囲なら、必要な箇所だけを補修して費用を抑えられる場合があります。ただし、見た目は小規模でも建物内部で劣化が進んでいるおそれがあるため、安易に部分補修を選ぶのは禁物です。劣化の程度を自分で判断するのは難しいため、事前に専門業者へ現地調査を依頼しましょう。

【ポイント2】足場が必要な工事をまとめて行う

外壁の補修では、仮設足場を設置することがあります。足場が必要な屋根工事も同時に行えば、将来のメンテナンス費用を抑えられる可能性があります。築10年以上、または前回の屋根補修から年数が経過している場合は、まとめて工事することも検討しましょう。

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【ポイント3】複数の業者から見積もりを取る

外壁の剥がれを補修する際は、複数の業者から見積もりを取り、費用と工事内容を比較しましょう。相場を把握しやすくなり、価格や提案内容に納得できる業者を選べます。

業者を選ぶときの注意点
価格だけで業者を選ぶと、工事後にトラブルが起きる可能性があるので注意が必要です。顧客対応・施工実績・評判などを確認して、信頼できる業者に補修を依頼しましょう。

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外壁の剥がれを補修する際の注意点

外壁の剥がれを補修する際は、原因と劣化範囲を把握し、下地処理を丁寧に行うことが重要です。

【注意点1】あらかじめ剥がれた原因を特定する

補修前に、剥がれが生じた原因を特定する必要があります。雨水の侵入や下地の劣化が原因なら、表面だけを直しても再発しかねません。原因に応じた根本的な対策を行いましょう。

【注意点2】補修が必要な範囲を確認する

外壁の剥がれは、目に見えない範囲まで劣化が広がっている可能性があります。見落としたまま工事すると、数年後に再び補修が必要になるかもしれません。劣化部分をまとめて直せるよう、外壁全体を点検してもらいましょう。

【注意点3】下地処理を丁寧に行う

外壁を補修する際は、下地処理が仕上がりを左右します。この工程が不十分だと、数年後に再び剥がれるおそれがあります。再発を防ぐため、施工実績が豊富で信頼できる業者に依頼しましょう。

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外壁の剥がれを予防する方法

外壁の剥がれを予防するには、定期点検と適切なメンテナンスを続け、地域の環境に合う外壁材を選ぶことが大切です。

【方法1】定期的に点検する

外壁の劣化を早く見つけるため、日頃から地上の安全な場所で、塗膜の剥がれ、ひび割れ、サイディングの浮き・反り、シーリングの切れなどを目視しましょう。専門業者による点検の間隔は、外壁材や製品の維持管理計画によって異なります。建築時の維持保全計画やメーカーの点検目安を確認し、台風・地震の後や異常を見つけたときは、次の定期点検を待たずに相談してください。

【方法2】適切なメンテナンスを行う

目地材やシーリングの劣化を放置すると、外壁が剥がれる原因になります。シーリングの打ち替えや目地補修を適切な時期に行えば、外壁の耐久性を保てます。建物全体の再塗装も、必要に応じて検討しましょう。専門業者の点検結果を踏まえ、状態に合うメンテナンス方法を選んでください。

【方法3】地域の環境に合う外壁材を選ぶ

新築や外壁リフォームでは、耐久性や防水性に優れた外壁材を選ぶことが、剥がれの予防につながります。外壁に詳しい業者へ相談し、地域の気候や環境に適した製品を選びましょう。

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【Q&A】外壁の剥がれに関するよくある質問

外壁の剥がれを補修する際に火災保険を活用できる?

台風・強風・ひょう・雪などの急激で偶然な事故により外壁が剥がれた場合は、契約内容によって火災保険の補償対象になる可能性があります。一方、自然の消耗や経年劣化、さび、ひび割れなどによる損害は、原則として火災保険の対象外です。また、地震・噴火・これらによる津波が原因の損害は通常の火災保険では補償されず、火災保険に付帯する地震保険の補償範囲となります。災害後は安全な場所から損害箇所の写真を複数枚撮影し、修理業者と契約する前に、加入中の保険会社または代理店へ相談しましょう。

※ 参考1:日本損害保険協会「火災保険は、どのような保険ですか」
※ 参考2:財務省「地震保険は、どのような保険ですか」

あわせて読みたい火災保険で外壁修理はできる?ひび割れが補償される条件を解説

サイディングの隙間を応急処置する方法は?

サイディングの隙間には、補修が必要なシーリングの切れ・剥離だけでなく、部材の継ぎ目や通気・排水のために必要な空間もあります。隙間の役割を判断せずにコーキングで塞ぐのは避け、施工した住宅会社や外壁の専門業者に確認してもらいましょう。

外壁のふくれを補修する方法は?

外壁のふくれは、塗膜と下地の間に水分や水蒸気が入ることや、下地処理の不足、既存塗膜と新しい塗料の相性、外壁内の漏水など、さまざまな原因で発生します。ふくれた部分を塗り直すだけでは再発する可能性があるため、まずは原因の調査が必要です。漏水がある場合は水の侵入経路を直したうえで、密着していない塗膜を除去し、下地と既存塗膜に合う塗料で補修しましょう。

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