目次
外壁をきれいに保つ必要性とは?
外壁クリーニングが必要な理由は下記のとおりです。
- 見た目が悪くなる
- 劣化が早くなる
- 汚れが落ちにくくなる
- 家本体の劣化にもつながる
近年では、外壁本体の性能も高く、セルフクリーニング機能があるため、汚れにくくなっています。ですが、立地や箇所によっては早期に汚れてしまうことがあるのです。
汚れを放置していると、外壁本体の劣化が促進され、耐久性の低下やひび割れ、内側への雨水の侵入など、深刻な問題につながるかもしれません。
家を長持ちさせるためにも、簡易的でもいいので、1〜2年ほどの周期で外壁クリーニングをしましょう。
外壁掃除の効果
外壁掃除を行うことで、下記のような効果が得られます。
- きれいな見た目が維持できる
- 住宅の異常にすぐに気づける
- 放置するより寿命が伸びる
きれいな見た目を維持するのはもちろんですが、住宅の異常にすぐ気づけるのも外壁掃除の効果といえます。
例えば、強風など原因で外壁に飛来物があり、ひび割れたとします。定期的な掃除をしていると、いち早くひび割れに気づくことができ、大ごとになる前に補修ができます。掃除をしていなければ、このひび割れが放置されることになり、もっと深刻な問題につながるかもしれません。結果的に、住宅の寿命を伸ばすことに直結するのです。
悩んだ末に建てたマイホームであれば、なおさらきれいな見た目は維持したいでしょう。毎日とはいわず定期的な外壁掃除を行いましょう。
外壁の汚れの原因とメカニズム
外壁の汚れや種類は下記のとおりです。
汚れの種類 | 原因 |
黒ずみ | チリやホコリの付着 |
雨だれ | 雨とともに流れた汚れ |
油よごれ | キッチンなどの換気口からの空気 |
カビ・コケ・藻 | 多湿でジメジメとした環境 |
チョーキング(白化) | 外壁の劣化 |
それぞれの症状や原因について、詳しく解説します。
黒ずみ・雨だれ
外壁汚れで特に多いのは、黒ずみや雨だれです。チリやホコリ、排気ガスなどが外壁に付着することで汚れるのが原因です。特に淡色系のサイディングの場合に目立ちます。
発生しやすい環境下は下記のとおりです。
- 交通量の多い道路に面している
- 近くに工場がある
- 都心部に建っている
雨だれは、外壁の凹凸が激しい外壁で発生しやすい症状です。凸の部分に汚れが溜まり、雨で汚れが流れて、流されきれなかった汚れが雨だれとして残ります。また、コーキングから流出される油成分(シリコンオイルや可塑剤)が原因で、汚れが付着し、雨だれ汚れとして残るケースもあります。
カビ・コケ・藻
湿度が高いジメジメとした環境でカビやコケ、藻は繁殖します。住宅でいうと、下記のような環境下で発生します。
- 北面の日差しが当たりにくい場所
- 草が生い茂っている場所
- 高い塀があり風通しの悪い場所
黒ずみ汚れと同様に、凹凸の激しい外壁の場合、水が溜まりやすいため、フラットな外壁に比べてカビやコケなどが発生しやすいです。
カビやコケは放置してしまうと、外壁の深くまで根を張り、除去するのが大変になります。上記で紹介したような環境下の場合、定期的な確認と掃除を怠らないようにするのがいいでしょう。
チョーキング現象
チョーキングとは、外壁の塗装が劣化し、塗料に含まれる顔料が、粉になって外壁表面から流出する現象です。
チョーキングが起きている外壁は、見た目はきれいでも、表面に触れると白いチョークの粉のようなものが付着します。
チョーキングは紫外線による劣化が原因で発生するため、下記のような環境下で発生しやすい症状です。
- 日当たりのいい南面
- 西日の強い面
- 日陰ができにくい2階以上の面
また、チョーキングは外壁だけでなく、外壁の隙間にあるシーリング材も劣化してしまうため、定期的な確認が必要です。
チョーキングが起きているということは、外壁そのものの耐久力が失われているため、クリーニングではなく、早急な再塗装や張替えリフォームが必要です。
外壁洗浄を業者に依頼したときの費用相場
外壁クリーニングを業者に依頼したときの費用相場は下記のとおりです。
洗浄方法 | 費用相場(m2あたり) |
高圧洗浄 | 200円〜300円 |
バイオ洗浄 | 300円〜600円 |
外壁塗装 | 1500円〜5000円(塗装のみ) |
これらは洗浄、塗装のみの費用相場なので、場合によっては下記のような費用も発生します。
必要工程 | 費用相場(m2あたり) |
足場設置工事 | 600円〜800円 |
飛散防止の養生 | 200円〜300円 |
以上をふまえ、「木造2階建て(35坪)の建物」で外壁洗浄をした場合の費用内訳は下記の通りです。
工事内容 | 費用 |
高圧洗浄 | 3万円〜4.5万円 |
足場設置 | 9万円〜12万円 |
飛散防止ネット設置 | 3万円〜4.5万円 |
合計 | 14万円〜21万円 |
高圧洗浄は黒ずみや雨だれなどの汚れを落とすのに効果的ですが、排気ガスや油などのしつこい汚れやカビ、コケがある場合は薬品を使用したバイオ洗浄が必要になります。バイオ液を使用することで、外壁に付着した菌を死滅させ、カビなどの再発生を防ぐのです。
外壁塗装に関しては、塗装工程に合わせて、外壁洗浄や足場養生なども行います。そのため一般的には、一戸建て35坪の住宅で70〜100万円が費用相場となります。
外壁掃除を自分で行う方法
外壁掃除は、小さい範囲であれば、ご自身ですることができます。汚れによって清掃方法が異なりますので、下記を参考にして行いましょう。
汚れの種類 | 清掃方法 |
黒ずみ、雨だれ | ブラシなどで水洗い |
排気ガス、油汚れ | スポンジや中性洗剤を使う |
カビ、コケ、藻 | 専用洗剤を使う |
チョーキング(白化) | 塗装や壁の張り替えを行う |
ここからは、外壁掃除に必要な道具や汚れごとの清掃手順について解説します。
外壁掃除に必要な道具とは?
外壁掃除に必要な道具は下記のとおりです。
必須な掃除道具 |
・ブラシやスポンジ ・中性洗剤 ・バケツ ・ホース ・ゴム手袋 ・ふきん |
外壁表面を傷つけないよう、ブラシやスポンジは柔らかいものを使用しましょう。
あったら便利な道具 |
・家庭用高圧洗浄機 ・歯ブラシ ・外壁専用洗浄剤 |
高圧洗浄機は水の飛散や圧力の調整に注意しましょう。歯ブラシは部分的なしつこい汚れを落とすのに便利な道具です。
汚れの種類ごとの掃除方法
ここからは、汚れごとのクリーニングの手順を紹介します。自分でクリーニングをする場合、前述した外壁掃除に必要な道具を使用して、できる範囲で行います。しつこい汚れや高所などの危険がともなう掃除は、業者に依頼しましょう。
黒ずみ・雨だれ
業者に依頼した場合は、高圧洗浄やブラシを使って汚れを落とします。
自分で掃除する場合、ホースや高圧洗浄機で水をかけて、上から下へ汚れを落とします。その後、手の届く範囲でスポンジやブラシを使って優しくこすりましょう。落ちにくい汚れがある場合、洗浄剤や歯ブラシなどを使用して汚れを除去します。
排気ガス・油汚れ
業者に依頼した場合は、バイオ洗浄で一気に汚れを落とします。
排気ガス・油よごれは、水洗いでは落ちにくいため、ご家庭にある中性洗剤を使用しましょう。中性洗剤はぬるま湯で10倍ほど薄めて使うのがポイントです。柔らかいブラシやスポンジで軽くこするように汚れを除去しましょう。その後、洗剤が残らないようしっかりと水で流しましょう。
カビ・コケ・藻
業者に依頼した場合、バイオ洗浄でカビ菌やコケの根を除去します。
自身で清掃する場合、中性洗剤では汚れが落ちきらないことが考えられるため、専用の外壁洗浄剤を使用します。高圧洗浄機をお持ちであれば、使用した方が効果的ですが、圧力を強くし過ぎると壁を傷つけてしまうことも考えられるため、注意しましょう。洗浄後は洗剤をしっかりと水で落としましょう。
カビやコケなどは環境が変われば発生しにくくなります。掃除後、周辺の草を抜いたり、風通しをよくするため荷物を移動させたりするといいでしょう。
外壁クリーニングを自分で行う際の注意点
自分で掃除をするのには限界があり、場合によっては失敗することも考えられます。良かれと思って行ったことで、外壁を傷つけて余計に汚してしまうことも考えられます。また、危険をかえりみず、無理をすることで命に危険が及ぶことも考えられます。
ここからは、外壁クリーニングを行う時の注意点を3つ解説します。
高所作業は無理せず業者へ依頼する
自分で外壁掃除を行う上で、高所での作業は控えましょう。脚立やハシゴを使用して、無理に2階部分などの掃除をしようとすると、落下事故のリスクが上がり、ケガをする恐れがあります。
掃除は手の届く範囲で行い、高いところはモップや柄のついたブラシなどを使用します。どうしても気になる場合は、業者へ依頼し、場合によっては足場を設置して掃除をしてもらうといいでしょう。
ブラシ洗浄で傷つけない
外壁(特にサイディング)の場合、表面に保護剤が塗ってあるのが一般的です。掃除の際、ブラシで強くこすってしまうと、保護剤が剥がれてしまい、余計に汚れやすくなってしまうことが考えられます。
仮に、強くこすってしまって外壁の下地が見えてしまった場合は、早急に業者へ補修の依頼をしましょう。
完全な除去は難しい
自分で掃除をする上で、完全に汚れを除去するのは困難です。特にカビやコケなど、深く根を張っているものは専用洗剤や高圧洗浄が必要になってきます。
定期的な清掃も大切ですが、1〜2年周期で業者へ清掃を依頼し、プロの技で全体をきれいにすることが重要です。
外壁汚れの発生を抑制する方法とは?
外壁は常に外気にさらされているので、掃除をしても時間が経てばまた汚れてしまいます。特に交通量の多い道路に面していたり、近くに工場が多いと、あっという間に汚れてしまいます。
環境によっては半年に1度のペースで掃除が必要になるかもしれません。
そうならないためにも、ここからはメンテナンスサイクルを伸ばすための方法を3つ紹介します。
外壁塗装をする
外壁塗装で高付加価値な塗料を使うことで、汚れが付着しにくくなります。外壁は劣化が進むほど汚れやすくなるので、家を建ててから8年以上たっている場合は外壁塗装を検討しましょう。
機能性の高い塗料の種類は下記のとおりです。
塗料の種類 | 特徴 |
ラジカル塗料 | ・汚れにくい ・防カビ性がある ・比較的安価 |
フッ素塗料 | ・汚れが雨で流れる ・防カビ性がある ・15年以上の耐久性 |
無機塗料 | ・塗料の中で最上級 ・防カビ性が高い ・20年以上の耐久性 |
周囲を風通しの良い状態にする
カビやコケが繁殖する場所では、風通しをよくすることが重要です。室外機やスペアタイヤ、使わなくなった自転車などで風通しが悪くなっている場合は、全て取り除くといいでしょう。
また、付近で草木が生い茂っていると、ジメジメした環境になってしまいます。可能であればそれらを除去することで、カビやコケの繁殖を抑えられるかもしれません。
日頃の点検とメンテナンスをこまめに行う
きれいな外壁を維持するためには、汚れが定着する前に掃除をすることが大切です。汚れやほこりが溜まって固まってしまうと、自身で除去するのが難しくなります。
メンテナンスサイクルとしては、数ヶ月に一度自身で掃除をし、1〜2年に一度業者へ依頼するのがいいでしょう。
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