地下外壁の防水工事とは?工法や費用相場、漏水対策を解説

地下外壁の防水について、工法・費用・漏水対策を示したサムネイル
地下外壁の防水工事は、地下水や土壌中の水分が建物内へ入るのを防ぐ工事です。後やり工法・先やり工法の違い、工期や費用の目安、漏水時の原因と対処、地下室の断熱方法まで解説します。
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地下外壁防水の工期目安、地下室構築費用、防水工事と断熱工事の坪単価、費用を左右する条件をまとめた図解

地下外壁の防水工法の種類

地下外壁の防水工事は、地下水や土壌中の水分が建物内へ入るのを防ぐ工事です。代表的な工法は、躯体を建てた後に外側から施工する「後やり工法」と、躯体工事の前に防水層を作る「先やり工法」の2種類です。敷地条件によって選べる工法が変わるため、それぞれの特徴を施工順に沿って見ていきましょう。

地下外壁の防水工法について、後やり工法と先やり工法の施工順序や作業スペース、埋め戻しの違いを比較した図解
後やり工法と先やり工法の違い

後やり工法

「後やり工法」は、躯体が完成してから外側に防水層を施工する従来型の工法です。躯体の周囲に作業スペースを確保し、防水層を作った後に土で埋め戻します。躯体完成後に防水作業を行うため、「後やり工法」と呼ばれます。

先やり工法

「先やり工法」は、建物を建てる部分だけを掘削して地下工事を進める「外型枠省略工法」で採用される工法です。掘削した壁面を建物の外型枠として使い、その面に沿って躯体工事前に防水層を作ります。防水層が掘削面に沿うため、後やり工法のような施工後の埋め戻しは不要です。

先やり工法には、次のようなメリットがあります。

  • 工事期間を短縮しやすい
  • 掘削する土の量を抑えやすい
  • 埋め戻しの手間がかからない
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地下外壁の防水工事にかかる期間は?

工事期間は、選ぶ工法と敷地条件によって変わります。一般的には、先やり工法のほうが後やり工法より工期を短縮しやすい傾向がありますが、敷地の形状や地下室の部位によって選べる工法は限られます。目安は5〜20日です。隣地境界との距離や地下室のプランによって大きく変動するため、具体的な工期は専門業者に確認してください。

地下室の用途によって、防水施工のグレードも変わります。居室として使う場合は高い防水性能が求められますが、倉庫などであれば仕様を抑えられることもあります。設計段階で、用途・防水施工のグレード・工期をあわせて検討しておくと安心です。

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地下室構築にかかる費用

地下室を構築する費用は、坪単価で60万〜150万円がひとつの目安です。ただし、山留め工事の有無、地下水位、地盤条件、地下室の広さや用途、防水・断熱の仕様によって大きく変わり、条件によってはこの範囲を超えることもあります。

費用には、防水工事・断熱工事のほか、ボーリング調査、構造計算、山留め工事、残土処理などが含まれる場合があります。ボーリング調査とは、地中に孔を掘って地質を調べる方法です。地下室の設計に欠かせない調査のひとつです。

地下外壁防水の工期目安、地下室構築費用、防水工事と断熱工事の坪単価、費用を左右する条件をまとめた図解
地下外壁防水の工期・費用・グレードの目安
工事項目費用の目安
地下室構築(全体)60万〜150万円(坪単価)
うち防水工事約64,000円/坪
うち断熱工事約28,000円/坪

防水工事・断熱工事の費用は、施工面積や仕様、地下水位、排水ポンプ・止水板の有無などに左右されます。工事一式では外壁防水が90万〜180万円、断熱工事が10万〜60万円程度とされる例もあるため、表の金額は坪単価の目安として確認してください。

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地下外壁の防水工事の注意点は?

地下外壁の防水工事では、敷地条件に合った施工方法を選ぶ必要があります。工期を短くしたくても、必ず先やり工法を選べるとは限りません。隣地境界が近い市街地では先やり工法が適する場合があるなど、条件によって向く工法は変わります。施工方法は、敷地の状況を踏まえて業者と相談しましょう。

また、地下外壁の防水は施工不備があると、後からやり直すのが難しい工事です。完了後に漏水などのトラブルが発生しないよう、下地処理や防水層の納まり、保証範囲まで事前に確認しておくと安心です。

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材料の違いによる防水工事の種類

防水工事は、材料の違いによって主にアスファルト防水、シート防水、塗膜防水の3つに分けられます。

地下外壁防水に使うアスファルト防水、シート防水、塗膜防水と、コーナー部に適した施工方法を比較した図解
地下外壁防水に使う材料の種類と向き不向き

アスファルト防水

アスファルト防水は、液状のアスファルトと防水性の高いシートを積層し、厚みのある防水層を作る工法です。施工方法は、加熱・溶融したアスファルトでシートを重ねる熱工法と、熱を使わずに施工する冷工法に分かれます。熱工法ではアスファルトコンパウンドを200℃以上で溶融するため、臭気や煙への対策が必要です。住宅では、粘着層付きのアスファルトシートやアスファルト系塗膜防水を使う冷工法、トーチ工法が採られることもあります。

ガムロン防水

ガムロン防水は、アスファルト系の防水シートを用いる冷工法のひとつです。合成繊維不織布を基材とする防水材が、地下外壁の防水施工に採用されるケースもあります。

シート防水

シート防水は、合成ゴム系や塩化ビニル樹脂系などの防水シートを張って防水層を作る工法です。シートの種類によって伸縮性、接合方法、下地へのなじみやすさが異なるため、地下外壁では下地条件や納まり、保護層の有無に合わせて選ぶ必要があります。

※ 参考:日本建築学会:JASS 8 防水工事

塗膜防水

塗膜防水は、現場で液状の防水材料を塗り、防水層を作る工法です。ウレタン系、FRP系、ポリマーセメント系などの種類があります。複雑な形状に対応しやすい一方、地下外壁では水圧、下地の含水状態、保護層の有無などを踏まえて材料を選ぶ必要があります。

※ 参考:国土交通省 官庁営繕:公共建築工事標準仕様書・関連情報

曲部やコーナーに適した防水材料

アスファルト防水やシート防水は平らな下地に施工しやすい一方、曲部やコーナー部では納まりに配慮が必要です。コーナー部は、専用の役物、増張り、補強材などで防水層の連続性を確保します。塗膜防水は複雑な形状に対応しやすいものの、膜厚管理や下地処理を丁寧に行う必要があります。

※ 参考:日本建築学会:JASS 8 防水工事

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防水工事の「プライマー」とは

プライマーは、防水工事で下地と防水材料を密着させるための下塗り塗料です。ウレタン防水用、FRP防水用、シート防水用などの種類があります。

ウレタン防水用のプライマー

ウレタン防水用のプライマーは、下地とウレタン防水材の密着性を高めるために使います。1液型・2液型・水性・溶剤型などがあり、既存下地の種類や状態、使用する防水材に合わせて選定します。防水層を塗り替える場合も、清掃や下地処理を行ったうえで、メーカー仕様に沿った施工が必要です。

FRP防水用のプライマー

FRP防水用のプライマーは、FRP防水層やトップコートの改修時に、下地との密着性を高めるために使います。既存面に汚れ、劣化した塗膜、浮きなどがある場合は、清掃や研磨などの下地処理が必要です。使用する材料の仕様書に沿って施工します。

シート防水用のプライマー

シート防水用のプライマーは、下地と接着剤・防水シートの密着性を高めるために使う下塗り材です。材料や下地の種類によって適したプライマーは異なるため、使用する防水シートの仕様に合わせて選定します。

あわせて読みたいプライマーとは?塗装に必要な下塗り塗料の基本知識を解説
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地下室が水漏れした場合の原因と対処

地下室の水漏れは、設備配管の破損、防水層の劣化や施工不良、地下水位の上昇による水圧の増加など、複数の原因で起こります。まず、水が出ている場所、発生する時期、雨天との関係を確認し、専門業者に原因調査を依頼します。原因を特定しないまま表面だけを補修すると、再発するおそれがあります。

地下室の漏水原因として設備配管の不具合と地下水位の上昇を示し、原因調査から薬剤注入、専門業者への相談までの流れを示した図解
地下室の漏水原因と対処の流れ

設備配管からの水漏れ

地中に埋設された給排水管などが劣化・破損し、漏水することがあります。この場合は、配管の破損部分の修繕や交換を検討します。漏水が躯体や室内側に及んでいる場合は、原因調査のうえで止水処理を併用することがあります。

地下水位の上昇による水漏れ

東京都では、過去の過剰な地下水のくみ上げに伴う地盤沈下を受け、地下水の採取規制が行われてきました。地域によっては地下水位の回復・上昇により、地下構造物へ浮力や水圧がかかることがあります。地下室を計画する際は、敷地周辺の地下水位や土質を調査し、構造・防水・排水計画に反映させることが欠かせません。

※ 参考:東京都環境局:地下水・地盤沈下に関する情報

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地下室の断熱工事の方法

地下室の結露対策として有効なのが、土壌に接する面の断熱工事です。快適な地下室を作るうえでも、断熱は欠かせません。地下室の結露は、夏の高温多湿な外気が室内に入り込み、水蒸気が冷やされることで起こりやすくなります。

地下室の結露対策として、鉄筋コンクリート造の外断熱工法と内断熱工法の断熱位置や特徴を比較した図解
地下室の外断熱工法と内断熱工法の違い

鉄筋コンクリート造の断熱方法

鉄筋コンクリート造の断熱方法には、外断熱工法と内断熱工法があります。外断熱工法は、構造体の外側に断熱材を入れ、建物全体を外側から覆う工法です。一方、内断熱工法では、構造部材間の空間に断熱材を詰めて断熱します。

外断熱工法は、内断熱工法に比べて外気の影響を受けにくく、蓄熱を利用しやすい点がメリットです。ただし、地中の温度は地上よりも年間を通じて安定しているため、外断熱工法の利点を生かしきれないこともあります。また、日本では外断熱工法に対応できる技術者が少なく、内断熱工法より費用が高くなりやすい点もデメリットです。予算や地上部分の断熱方法との兼ね合いを踏まえて、断熱方法を選びましょう。

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地下外壁の防水工事に関するよくある質問

地下外壁の防水工事にはどのくらいの期間がかかりますか?

工期の目安は、5〜20日です。先やり工法は後やり工法より短くなる傾向がありますが、敷地の形状や隣地境界、地下室の用途・グレードによって大きく変わります。正確な工期は施工業者への確認が必要です。

地下室の防水工事の費用はいくらくらいですか?

地下室の防水工事は、坪単価で約64,000円がひとつの目安です。ただし、地下水位、施工面積、防水仕様、排水ポンプや止水板の有無、山留めの規模などで大きく変わります。地下室構築全体では坪単価60万〜150万円が目安とされることがありますが、実際の費用は現地調査と見積もりで確認してください。

地下室が水漏れしたら自分で直せますか?

自分での対処は難しい工事です。地下室の漏水は原因の特定が難しく、薬剤注入による止水には高い技術と経験が必要なため、地下室の施工実績が多い専門業者へ依頼してください。

先やり工法と後やり工法はどちらを選べばよいですか?

敷地条件で選べる工法が決まることが多く、自由に選べるとは限りません。隣地境界が近い市街地などでは先やり工法が適する場合があります。工期・掘削量・敷地の制約を踏まえ、業者に最適な工法を提案してもらうのが確実です。

地下室の防水工事はどんな業者に頼めばよいですか?

地下室や地下外壁防水の施工実績があり、現地調査の内容、工法の説明、保証範囲を明確にしてくれる業者を選ぶと安心です。地下室の防水では、地下水位や土質、防水仕様を踏まえた施工経験が欠かせません。施工不備があると後から直すのが難しいため、実績と保証内容を事前に確認してください。

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