2024年01月24日更新

監修記事

トタン板外壁の特徴やメンテナンス方法について解説!波板トタンのメリットは?

住宅の外壁に用いられている外壁材のひとつにトタンがあります。このトタン板外壁とは、どのようなものなのでしょうか?トタン板外壁の特徴とメンテナンス方法、症状別の補修方法や他の外壁材へのリフォーム方法についてご紹介します。

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トタン板外壁の特徴について

外壁 トタン 板

住宅の外壁に用いられているトタン板とは、薄い鉄板に亜鉛メッキを施した素材です。

軽量で加工性が高く、安価ということでさまざまな建物に用いられていましたが、近年ではより防錆性を高めたガルバリウム鋼板が主流となっており、新築住宅にはあまり用いられていません。

しかし、2019年現在でもトタンを用いた建物は多く残っているため、リフォームやメンテナンスが必要なトタン板外壁も多く見られます。

ここではトタン板外壁のメンテナンスやリフォームをお考えの方向けに、住宅外壁に用いられているトタン板の種類とそれぞれの特徴をご紹介します。

プリント合板外壁の特徴

「プリント合板外壁」とは、トタン板に木目調などのプリントを施した外壁材のことです。

築年数が古い建物に比較的多く用いられており、金属外壁にもかかわらず木材を用いたような風合いを得ることができるため、人気の高い建材でした。

プリント合板外壁は見た目が良いため、現在でも門扉や玄関の一部や、エアコン室外機の目隠し用途等に用いられています。

亜鉛メッキに加えて塗装も施されているため、トタン板の中では比較的耐久性に優れている建材と言えますが、塗装分のコストが追加で必要なため、価格はやや割高です。

波トタン板外壁(波板トタン)の特徴

波トタン板外壁とは、トタン板を波状に加工して作られる建材です。

波状に加工することにより、縦方向の強度が高まり、外壁として利用した際のたわみや凹みを防ぐことができます。

波トタン外壁には、波の大きさが大きいものと小さいものがありますが、波が大きなものは外壁ではなく倉庫の屋根などへの利用が主流です。

住宅外壁については、波の小さい小波加工が施されたトタン板が主に用いられています。

耐久性については横方向への耐力が小さいため、めくれや剥がれが起こりやすい傾向があり、頑丈な建材とは言えません。

しかし、単価が安く施工も容易なため、定期的な交換を考えるなら、十分外壁材として利用することができるでしょう。

角波トタン板外壁の特徴

角波トタンとは、波トタン板と同じようにトタン板を波状に加工した建材です。

波トタン板との違いは、波の形状が曲面ではなく、曲げ部分が角になっていることです。

通常の波トタン板に比べ、平面部分が多く、強度的には波トタンとほぼ同等ですので、さまざまな建物の外壁に用いられています。

耐久性に関しては、折り曲げて成型されているため、横方向の力に対してもある程度耐えられる傾向があり、波板トタン板より破損しにくいと言えるでしょう。

費用的には波板トタンよりやや割高な傾向があります。

リブ波トタン板外壁の特徴

住宅の屋根や外装に多く用いられているのがこのリブ波トタン板です。

長細いトタン板の両サイドが山折り成型されており、この部分を重ね合わせて施工するため、雨漏りが比較的起こりにくいという特徴があります。

また、1枚板をそのまま張り付ける波板トタンと違い、幅約30cmの板を張り合わせて施工するため、破損した際に部分交換が可能なのもメリットと言えるでしょう。

耐久性については、角波トタン板と同程度、価格についてもほぼ同じ相場で販売されています。

スパンドレールトタン板外壁の特徴

スパンドレールトタン板とは、トタン板を複雑に折り曲げ、固定用の釘やビスが表面に露出しない形状になっている建材です。

表面にビスやネジが露出しないため、隙間からの雨漏りが起こりにくく、複雑に折り曲げられていることから強度も比較的高めとなっています。

ただ、加工が複雑で成形に手間がかかるため、価格はやや割高です。

トタン板外壁のメリット・デメリット

トタン板外壁は、軽量で加工がしやすく、安価という大きなメリットがありますが、強度がやや低いという点はデメリットです。

また、亜鉛メッキによる防錆は、傷が付いた際に鉄より先に亜鉛メッキ部分が腐食して内部へのサビの進行を抑えるという働きがありますが、傷が大きい場合は進行が抑えられず、すぐに内部までボロボロになってしまいます。

しかし、サビについては、トタン板に防錆塗装を施したり、サビが軽微なうちにサビ還元剤を塗布したりすれば、ある程度防ぐことが可能でしょう。
しかし、建材そのものが錆びにくいガルバリウム鋼板やステンレスとは違い、トタン板は対策を施したとしても完全にサビを防ぐことができません。

価格の安さはメリットですが、定期的なメンテナンスや補修にコストがかかる点は、トタン板のデメリットと言えるでしょう。

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トタン板外壁の塗り替え時期について

トタン板に施されている塗装は、どのようなタイミングで塗り替えると良いのでしょうか?代表的な塗膜の劣化についてご紹介します。

変色や退色が見られるとき

トタン板に塗られている塗料の色が施工時に比べて褪せたり変わったりした場合は、塗り替えを行う時期が近いと考えられます。

これは、太陽光に含まれている紫外線によって塗膜の分子結合が分解され、塗装がボロボロになっていることが理由です。

このような状態では、塗膜の防水性能が低下している可能性が高いため、塗装で保護されているように見えていても、トタン部分にサビが発生する可能性があります。

チョーキングや浮きサビ、赤サビが見られるとき

チョーキングとは、塗装表面にチョークのような粉が吹き出してくる症状です。

紫外線などによる経年劣化により、塗料の成分を結合させている樹脂が崩壊して染料成分などが剥がれ落ちることで発生するため、チョーキングが起きている状態では塗膜による保護能力はほとんど残っていません。

そして塗膜の膨らみは、塗膜の奥でサビが発生して塗膜が浮き上がっている症状のことです。

既に塗装内部にサビが進行してしまっている状態ですので、すぐに塗装を剥がしてサビを除去し、塗装し直して表面を保護する必要があります。

また、表面に赤サビが発生している場合も塗り直しが必要です。

この場合は、浮きサビと違い傷や塗装の劣化した部分にのみサビが発生していることが考えられるため、部分的な清掃と再塗装でも対処することができるでしょう。

塗膜に割れ、膨れ、剥離が見られるとき

塗装の成分によっては、劣化が進んでも粉状にならず、フィルム状に剥がれてしまうことがあります。

この状態になると塗装の柔軟性が失われるほど劣化が進んでおり、防水性が完全になくなっている可能性が高いため、早急な塗り直しが必要です。

塗膜の割れについては、剥離と原因は同じですが、剥離に比べると劣化度合いはやや少ない状態で発生するため、多少修繕時期までには余裕があります。

膨れについては塗膜の劣化の他に、内部のサビが原因となっている可能性があるため、原因次第では早急な対処が必要です。

シーリングの破断が見られるとき

トタン板同士の隙間や、ベランダ等の隙間には雨水の浸入を防ぐためにシーリングという樹脂を充填しています。

このシーリングは柔軟性があり、ゴムのように伸び縮みして隙間を埋めていますが、経年劣化によって弾力性がだんだんと失われるため、寿命がくると建物の揺れなどで剥がれたり破断したりしてしまうのです。

こうなると雨水の浸入を防止することができなくなってしまいますので、早めにシーリングの打ち直しを行わなければなりません。

シーリングの打ち直し費用の相場は、既存シーリングの撤去が約1万円から、シーリングの充填が1mあたり約600円から、高所作業の場合は足場代が1平方メートルあたり約800円です。

カビや苔が発生しているとき

湿気が多い場所だったり、通気性が悪い場所だったりする場合、トタン板の表面にカビや苔が発生してしまうことがあります。

軽度のカビや苔の場合は、ナイロンブラシと外壁用洗剤を用いて洗浄すれば除去することができますが、塗装内部にまで侵食が進んでいる場合には塗り替えによる対処が必要です。

また、苔については発生すると長時間外壁材が湿気に晒されてしまうため、トタン内部にサビが発生しやすくなってしまいます。

苔の範囲が小さい場合でも、サビの原因になる可能性がありますので、見つけたらできるだけ早く除去するようにしましょう。

トタン板に腐食や凹みが見られるとき

トタン板にサビや凹みがある場合や、穴が開いている場合は、塗り替えではなくトタン板そのものの交換を考えた方が良いでしょう。

このような状態の場合、サビを除去してもトタン板そのものが薄くなっている、破損していることが考えられるため、再塗装を施しても十分な強度が確保できません。

もちろん、防錆塗装や錆還元剤を利用すればサビの進行や発生を抑えられるので、防水性能も一時的に回復させることができ、外壁内部への雨漏りを防げます。

しかし、あくまでこれらは応急処置ですので、可能ならできるだけ早くトタン板を交換するようにしてください。

塗装の耐用年数について

トタン板外壁に塗装を施した場合、耐用年数はどれくらいなのでしょうか?

塗装の耐用年数は使用する塗料の種類によって変わり、アクリル樹脂塗料なら約5年、ウレタン樹脂塗料なら約8年、シリコン樹脂塗料の場合は約12年、セラミック塗料やフッ素樹脂塗料については、約15年が目安です。

日差しの強さや気温、雨の量などの条件で塗装の耐用年数は変わってきますので、耐用年数を目安に塗装の塗り直しを行う場合には、目安となる年数より約1年程度前倒しで工事を行うと良いでしょう。

環境次第では耐用年数よりも長くもつ場合もありますが、劣化が目に見える段階になると早めの再塗装が必要ですので、スケジュールに余裕を持つことができなくなってしまいます。

耐用年数よりやや早めに塗装の準備を始めていれば、天候や業者選びで施工が遅くなっても、トタン板外壁の傷みが進む前に工事をスタートさせることができるでしょう。

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トタン板外壁の症状別補修方法

外壁 トタン 板

トタン板外壁の補修を行う際には、症状に合わせた方法を用いなければなりません。

そこで、トタン板外壁に発生しやすい症状ごとの代表的な補修方法をご紹介します。

トタン板外壁が比較的健全な状態で行うのは塗装処理

塗装の剥離やチョーキングなどが起きている場合や、軽微なサビや苔、カビなどが発生している場合には、塗装による補修を行います。

古い塗膜を除去して新しい塗料を塗れば、塗装による耐水性を蘇らせることができますし、施工の際にサビを十分に除去しておけば、トタン部分のサビの進行を防ぐことが可能です。

トタン板外壁の塗り替えに適した塗料

トタン板外装は他の外装材と違い、強風などによって振動するため、塗膜が固い塗料を使用すると柔軟性が足りずに割れてしまうことがあります。

トタン板外壁に施工する際には、柔軟性を重視し、シリコン塗料や弾力性を重視したタイプのウレタン塗料を選ぶと良いでしょう。

また、トタン用にサビの発生を抑える下塗り剤や、サビを除去せずにそのまま塗布できる塗料も販売されていますので、自力で補修を行いたいという方は、このような製品の使用をおすすめします。

トタン板外壁の塗り替えに適した季節

塗料は気温が高めで乾燥した気候の方が乾燥が早くなるため、春や秋口などの気候が落ち着いている時期の方が塗装に向いていると言えます。

その他の季節、例えば夏場については、気温が高いことから塗装が乾きやすいのですが、台風やにわか雨、ゲリラ豪雨などが発生しやすいため、工事が予定通り進まない可能性があります。

また冬場は、空気が乾燥しており、雨も少ないため、塗料の乾燥は早いのですが、寒い地域の場合、塗装に残った水分が凍結して剥がれ落ちてしまうことがあります。また、積雪や凍結があると高所作業が難しくなるでしょう。

もちろん、各塗料メーカーは気候条件などで仕上がりが左右されにくい製品を販売しているため、どの季節に塗装を行っても十分な性能を発揮することができます。

ただ、塗装そのものに問題がなくとも、作業が可能かどうかという問題は払拭できないため、塗装リフォームでは、雨や凍結などで作業ができなくなる期間が少ない時期を選ぶことが重要と言えるでしょう。

トタン板外壁の塗装手順

トタン板外壁の塗装手順は、一般的に下記の順番で行われます。

1.古い塗膜を除去する
古い塗装が残ったまま施工すると塗膜が剥がれやすくなってしまうので、剥離剤などを用いて塗膜を除去します。

2.サビがある場合はサビの除去を行う
トタン板の表面にサビが発生している場合には、真鍮ブラシなどを用いてサビを除去していきます。

トタン板の塗装については、サビを除去する際に部材が傷んでしまうことがあるため、機材を用いた除去ではなく、還元剤などを塗布してサビの進行を抑える方法が一般的です。

3.下地の調整を行ってからプライマーを塗布する
サビ対策を施し、凹みなどをパテで埋めたら、塗料の定着を良くするプライマーという下塗り剤を塗布します。

トタン板の防錆については、このプライマーにサビを防ぐ成分が配合されているため、別途防錆剤を塗布する必要はありません。

ただし、金属用プライマーの場合は、一部防錆成分が配合されていないものもありますので、DIYで施工する際には防錆成分が含まれたトタン用プライマーを選ぶようにしましょう。

4.中塗り・上塗りを施す
プライマーが乾燥したら、塗料を用意し、まず中塗りを行います。

中塗りした塗料が乾いたら上塗りを行い、塗装工程は全て完了です。

トタンなどの金属用塗料には、サビが発生した部分を補修する用途向けに、サビ還元、防錆、プライマー、塗料が全て一体化した製品も販売されています。

外壁全体を塗り直すのには向いていませんが、ちょっとしたサビの補修や傷の補修目的なら、このような製品を用いるのも良いでしょう。

変形や劣化があるトタン板外壁は張り替えを行う

トタン板が変形して波打っている場合や、下地から大きく浮き上がっている場合、サビなどで薄くなってしまったり、穴が開いたりしている場合には、トタン板そのものの張り替えが必要です。

トタン板が変形している状態では、外壁材に隙間ができている可能性が高いため、塗装を施しても雨水を完全に防げない可能性が高いですし、穴などの劣化も防水性に大きな影響を与えます。

波板などの大きな1枚板を張り付けるタイプの場合は施工にやや手間がかかりますが、角波トタン板などの複数の板を張り付けて施工するタイプなら、個別に交換することができるため、張り替えても比較的費用は安くですむでしょう。

カバー工法は施工ができない場合もある

トタン板外壁の劣化が進んでいる場合には、ガルバリウム鋼板などでトタン板外壁を覆うカバー工法による補修を行う場合もあります。

しかし、カバー工法は既存の外壁材に被せて施工するため、雨漏りなどで下地の腐食が起こっていると、十分な固定を行うことができません。

このような場合には、既存のトタン外壁材を撤去して下地を修繕し、新しい外壁材を張る工事を行います。

また、外壁に用いているトタンが凹凸が多い波板などの場合、カバー工法を用いると、外壁の厚みが大きく増してしまうため、カバー工法が適用できません。

この場合も、下地に問題がある場合と同じく、外壁材を撤去してから新しい外壁材を張り付けます。

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トタン板外壁を異なる素材の外壁に張り替えるリフォーム

既存のトタン板外壁を、異なる素材の外壁に張り替える場合にはどのようなリフォームが行われるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

トタン板外壁から窯業系サイディングボードに張り替えるリフォーム

「窯業系サイディングボード」とは、粘土などを焼き堅めて作られる外壁材です。陶器でできているため、経年劣化が起こりにくく、高い耐久性を持っています。

トタン板外壁からこの窯業系サイディングボードにリフォームする際には、まず既存の外壁材を撤去して下地を調整し、防水シートを設置して雨漏り対策を施してから新しい外壁材を施工します。

施工費用は、一般的な一戸建て住宅の場合、足場の設置費用、工賃、材料費、既存外壁材の撤去工事費、シーリング打ち、その他雑費で合計約200万円からが相場です。

窯業系サイディングボードは外壁材の中では単価の高い建材ではありますが、耐用年数が長く傷も付きにくいため、長期間建物の状態を保ってくれるというメリットがあります。

トタン板外壁から金属系サイディングボードに張り替えるリフォーム

金属系サイディングとは、鉄の薄板に亜鉛とシリコンなどを配合した強度が高く錆びにくいコーティングを施した建材です。

製品によっては内部に断熱材が取り付けられているため、建物の断熱性を高めることができるのもメリットと言えるでしょう。

また、窯業系サイディングボードと違い、軽量で衝撃に強い特性があるため、地震発生時に外壁が損傷しにくいという点も特徴です。

施工では、既存の外壁材を撤去して下地を調整し、新しい外壁材を取り付ける流れで工事が行われます。

施工費用については、一戸建て住宅の場合、足場の設置費用、工賃、材料費、既存外壁材の撤去工事費、シーリング打ちを含めて約180万円が相場です。

カバー工法が可能な場合については、撤去工事と産廃処分費用が不要となるため、約150万円から施工することができるでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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