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フローリングの部屋が主流となった日本の住宅
従来の日本の住宅は、居室と言えば畳の和室で、板の間は廊下や縁側、台所、洗面所だけでした。
畳は日本の気候に合うとされ、現代でも和室を好んでいる方もたくさんいます。
しかし近年の新築住宅やマンションでは、フローリングの部屋が主流となり、和室のない家も少なくありません。
住宅自体が欧米化して、日本家屋と呼ばれる家が少なくなっている背景もあります。
ダニが繁殖しやすい畳
畳は湿気が多いとダニが発生することがあります。
昔のような木造の家なら風通しも良く、日本の風土に合った畳は快適なものでしたが、気密性の高くなった近年の住宅では、ダニ問題に影響を与えるようになったことは否定できません。
また畳は定期的に裏返したり張替えたりしなければなりませんが、フローリングはそれほどのメンテナンスを必要とせず、お掃除も楽でダニの心配がないことが最大のメリットです。
和室から洋室への移り変わり
和室中心から洋室中心の家への移り変わりの中で、いきなりフローリングが登場したわけではありません。
まず昭和初期に絨毯やカーペットが一大ブームを巻き起こします。
保温性やデザイン性に優れたカーペットは、畳の上に敷くだけで和と洋が融合されおしゃれな洋室へと生まれ変わりました。
しかしカーペットも畳と同様、ダニの温床となる欠点があります。
1985年頃はバブル絶頂期にあたり、高級志向型マンションが多く建てられました。
都心部には「億ション」と言われるようなマンションもありましたが、1部屋は畳の和室があり、洋室もフローリングではなくカーペットが主流だったようです。
1981年に建築基準法改正によって「新耐震基準」が始まったことから、現在でも中古マンション購入は、1981年以降に建築されていることを目安とする方も多いでしょう。
平成に入るとフローリングが広く普及し始めます。畳やカーペットのようにダニの心配がなく、シンプルでおしゃれなフローリングの登場でさらに洋室の人気が高まりました。
表面加工された丈夫でメンテナンスの簡単な複合フローリングは工場で生産され、マンションや建て売り住宅に多く採用されるようになります。
それ以降、畳やカーペットだった部屋をおしゃれでダニの心配がないフローリングにリフォームする事例が増え続けています。
カーペットからフローリングに張り替えるリフォーム費用はこちら
フローリングに張り替える前に知っておきたいこと
まずはフローリング材にはどんなものがあるのかを知ることです。
フローリング材の種類と特長、価格相場を把握した上でリフォームを検討しましょう。
畳からフローリングに張替える方法や施工料金など、それぞれの内容について詳しくご説明します。
フローリングの種類
フローリング材の種類は数多く、価格の幅も広いです。
畳からフローリングに張替える場合は、どんなフローリング材を選べば良いか迷いますね。
戸建住宅とマンション、選ぶフローリング材は同じで良いのでしょうか。
フローリング材は日本農林規格において、単層フローリングと複合フローリングに分けられています。
それぞれメリットとデメリットがありますが、フローリングにリフォームするお部屋によっても向き不向きがあると言えます。
複合フローリングとは
複合フローリングは、基板となる1枚または複数枚の板を張り合わせた合板の表面に、薄い板や化粧シートを貼って仕上げたフローリング材です。
合板材の表面に張る板は、厚さ約2mmの挽き板、ごく薄い0.3mm程度の突き板、化粧シートに分けられます。
値段に比例する複合フローリングの機能性
複合フローリングは「キャスターに強い」など強度に重点を置いた商品や、耐水性があり水回りにも使用できるものなど、機能性に優れたものが多くあります。
優れた機能を持つフローリングほど値段も高くなるようです。
気温や湿度の変化にも影響を受けにくく、板が反ったり膨張・収縮も起こしにくいので、施工しやすいことも特長のひとつです。
床暖房に対応しているのも複合フローリングです。
畳からフローリングに張替えるのなら、床暖房にするチャンスでもありますね。
複合フローリングのデザイン性と値段の関係
複合フローリング材は商品数も多く、低価格なものもあることがメリットでもあります。
より自然の木目に近いのは、挽き板・突き板・化粧シートの順になり、金額も比例していると言えます。
最近ではデザイン性が向上し、柄や色も豊富です。
オーク材、チーク材、パイン材など天然木に見える柄も数多く揃い、無垢の風合いを感じられる本物に限りなく近いものもあります。
マンションで複合フローリングに張替える場合
マンション用の遮音タイプ直貼りフローリング材などがありますが、これはコンクリートの上に直張りするフローリング材です。
畳からフローリングにする場合は、畳を剥がすと段差が出来るため、直張り用は使用できません。
また、マンションで使用するフローリング材は遮音性能基準が定められている場合もあるので、選ぶ時には注意が必要です。
まずは管理規約を確認するか、管理組合に相談してください。
遮音タイプはフローリングの基材に、軽量床衝撃音や重量床衝撃音を防ぐクッション性のある材質が使われています。
複合フローリング材の値段の相場はいくら?
それでは、複合フローリング材の値段の相場はいくらくらいなのでしょうか?相場的には安価なもので6千円前後、高価なもので3万円前後と価格の幅が広いです。
リフォームするお部屋の用途によって、複合フローリング材の機能などを考慮しながら選ぶと良いでしょう。
フローリング張り替えをしてくれるリフォーム会社を探すには
自分が住んでいる地域で畳からフローリングに張り替えしてくれるリフォーム会社を知りたい場合は、リフォーム会社紹介サービスを使うと良いでしょう。
リフォーム会社紹介サービスの「ハピすむ」は、お住まいの地域やリフォームのニーズを詳しく聞いた上で、適切で優良なリフォーム会社を紹介してくれます。
運営会社のエス・エム・エスは、東証プライム上場企業なので、安心してご利用いただけます。
単層フローリング
単層フローリングとは一枚の木材を成型、または縦方向に継ぎ合わせた一層構造のフローリングで、主に無垢材を使ったものを指します。
無垢材とは、天然の木を必要な大きさに切り出した無垢の状態の木材で、その自然の風合いやぬくもり、木の香りを感じられることから、近年では人気が高まっています。
無垢材の調湿性と膨張収縮性
空気は湿度上昇と温度変化のバランスにより結露を起こします。
無垢材には湿気を吸収してくれる効果があり、結露発生の原因となる湿度の上昇を抑える効果が期待できます。
室温25度の8畳の部屋において、室内の空気の飽和水蒸気量は、4mmの厚さの檜が1平方メートルの広さと同等だそうです。
つまり無垢材フローリングは、お部屋が乾燥していれば水分を放出し、反対に湿度が高ければ水分を吸収するという作用があるのです。
そのため、天然木であることから気温や湿度の変化による反りや、膨張・収縮などが起こることもあります。
反りや膨張収縮は、無垢材の樹種によって変わってきます。
木材の含水率1%によって、どれぐらいの膨張・収縮があるかを示す膨張収縮係数があります。
木材は丸太を水平に切る板目と、丸太の中心に向かって切る柾目がありますが、膨張収縮係数は木材の切り方によっても変わり、柾目は板目の約半分程の数値です。
フローリングには板目も柾目もありますが、多少の反りや膨張・収縮は無垢材を使用する上で避けられない現象です。
夏は膨張し冬は収縮する無垢材も、生きていると思えば愛着が湧きますね。
無垢材の硬さ
住まいのフローリングとして無垢材を使用する場合、その木の持つ硬さも知る必要があります
。木の硬さは、日本工業規格において「ブリネル硬さ」という指標で定められています。
針葉樹は広葉樹より柔らかく、杉やヒノキ、パイン材が挙げられます。
柔らかいので素足で歩く心地良さがある反面、硬い物を落とすと凹んだり傷がついてしまいます。
広葉樹ではウォールナット、オーク、メープル、チークなどが一般的です。
強度があるので、針葉樹に比べ傷がつきにくいと言えます。
無垢材の木目
無垢材の良さは、天然の木目柄にあります。
樹種によって木目の特長がそれぞれありますが、板目と柾目でも模様は変わってきます。
また、節目は無い方が金額が高くなる傾向にあります。
無垢材の値段の相場はいくら?
以下の無垢材はいずれも材木店による1枚板の参考価格です。
ウォールナット
節目なし・無塗装 | 約2~3万円前後/平方メートル |
節目あり・無塗装 | 約2万円前後/平方メートル |
オーク
節目なし・無塗装 | 約2万円前後/平方メートル |
節目あり・無塗装 | 約1万円前後/平方メートル |
メープル
節目なし・無塗装:約1万円前後/平方メートル
パイン
節目なし・無塗装:約6,000円前後/平方メートル~
木曽ひのき
節目なし・自然オイル塗装仕上げ:約1~2万円前後/平方メートル
徳島杉
節目なし・自然オイル塗装仕上げ:約7,000円前後/平方メートル
無垢材は1枚ずつ色味や木目模様が違うので、同じ樹種でも金額がまちまちです。
また、塗装仕上げされているものは、無塗装よりも高くなります。
畳からフローリングへ。施工料金はいくら?
近年のマンションでは、畳の下はコンクリートになっている事が多いです。
畳の厚さが約4~5cmなので剥がすと段差が生じます。
そのため隣の部屋や廊下の高さに合わせる加工が必要になります。
フローリングの施工は二重床工法と直貼り工法が主に用いられますが、段差を解消するための下地造作は二重床工法で施工します。
二重床工法は、根太や支持柱などで敷居との高さを合わせ、ベニヤなどの下地合板を捨て貼りし、その上にフローリング材を貼る工法です。
下地造作は最も大切な作業で、専門性を必要とします。
フローリングを張った時に床が水平になることや、家具を置いても床が沈むことなどがないようにしっかりした土台を作る工事です。
またわずか数cmの段差でも、高齢の方や小さなお子さまには転倒の危険性が高まりとても危険です。
床の基礎になる重要な工事なので安全性や耐久性を考えてプロの施工業者に依頼してください。
依頼するリフォーム会社にもよりますが、下地造作とフローリングを張る作業を、それぞれ別の職人が行う場合もあります。
6畳分のフローリングを張替えるリフォームとして、工事費用の相場は畳の処分費や運搬費を含め、約10万円~15万円前後でしょう。
平米辺り1万円程度の価格のフローリング材を使用すると、工事費用込みで約13万円~15万円前後になります。
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断熱材を入れたり床暖房で寒さ対策
せっかくフローリングにリフォームするなら、断熱材を入れたり床暖房で冬も暖かい床にしたいですね。
複合フローリング材は床暖房に対応しているものが多くあります。
畳を剥がした状態に、断熱材、12mm厚程度の下地合板、12mm厚程度の床暖房、12mm厚程度の仕上げフローリング材の順に施工します。
電気式床暖房には床暖房と仕上げ材が一体になっているパネルタイプがあります。
12mm厚程度の下地合板の上に、12mm厚程度の仕上げ材一体型の床暖房を張ります。
床暖房にかかる費用は?
床暖房システムには温水式と電気式があり、さらに温水式は電気を熱源とするヒートポンプ式とガス式があります。
温水式床暖房にする場合は、床下への配管工事が必要となるため、大掛かりなリフォームになります。
賃貸マンションでは、現状復帰が簡単な電気式床暖房がおすすめです。
リフォームが可能かどうか賃貸管理会社や不動産会社に相談してみましょう。
温水式床暖房
床暖房、熱源機、断熱材の材料費に加え、床の下地施工と配管工事費、畳の処分費用を合わせると、6畳の部屋で約50~70万円前後かかるでしょう。
電気式床暖房
温水式床暖房に比べると、施工が簡単な電気式は材料費と施工費、畳の処分費用に加え、電気工事も必要です。
6畳の部屋で約25~30万円前後を見積もっておくと良いでしょう。
床暖房リフォームのメリット・デメリットはこちらの記事で解説しています
防音材で階下への配慮をしたリフォーム
マンションの小さなお子さまがいる家では、階下への物音が心配ですね。
物を落としたり、子どもが走り回ったりする足音だけでなく、ピアノの音も床を伝わって階下に聞こえることがあります。
マンションの管理規約により、使用する材料や施工方法が決められている場合がありますので、それに基づいて工事を行う必要があります。
マンション用の防音フローリングもありますが、さらに性能を高めたいのであれば、防音材を敷く方法があります。
ゴム素材の防音材は遮音効果や制振効果があり、フローリングの下に敷くことで階下への物音を防ぐことができます。
厚さは3~20mm程度があり、厚いほど防音効果がありますが値段も高くなります。
畳を剥がして敷居との高さを調整する段階で、防音材の厚さを決めると良いでしょう。
防音材マットの参考価格
サイズ910×910mm | |
---|---|
3mm厚 | 約1,000円~ |
5mm厚 | 約2,000円~ |
10mm厚 | 約4,000円~ |
15mm厚 | 約6,000円~ |
20mm厚 | 約8,000円~ |
フローリング以外の床材をDIYでリフォームするのは可能?
畳をフローリングに張替えるには、それなりの費用がかかることが分かりました。
なるべく費用をかけずにリフォームしたいという方もいると思います。
DIYで簡単に張替えることは可能でしょうか。
既設の床材の上から貼ることが可能なクッションフロアやフローリングシートなどは、施工が簡単なことから、DIYでリフォームする例も多く聞きます。
賃貸マンションでも、クッションフロアやフローリングシートを上貼りする程度のリフォームなら賃貸管理会社や不動産会社も了承するケースが多いようです。
しかし、クッションフロアもフローリングシートも畳の上には貼ることはできません。
前述のように畳を剥がすと、敷居との高さを調整するための床の下地造作が必要であることには変わりはないのです。
基礎となる床の下地造作はとても重要で、水平でないとのちのち床に不具合が生じます。
しっかりとした土台をつくるためにも、畳を剥がすリフォームの場合はどんな床材でもDIYで張替えることは避けた方が良いでしょう。
フローリング張替えに付随するリフォームと施工金額
和室を洋室にリフォームするためには、フローリングに張替えるだけではなく、押入れをクローゼットにしたり、襖をドアに変えたり、お部屋全体をトータルでリフォームすることになると思います。
壁紙・天井の張替えと押入れをクローゼットにリフォームする場合、プラス約20万円~25万円前後を予算として考えておくと良いでしょう。
床・フローリングリフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。
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