目次
畳にリフォームするメリット
畳には、リラックスできる香りや感触だけでなく、調湿効果や断熱性に優れている特徴があります。
ここでは、畳にリフォームするメリットを解説します。
【メリット1】調湿効果が期待できる
畳には湿気を吸収したり、吐き出したりする調湿効果があり、梅雨などに湿気が増えると吸湿してジメジメ感を軽減させます。
一方、室内が乾燥すると、吸収した水分を空気中に放出して部屋の湿度を調整することが可能です。
このように、畳は室内の空気に合わせて調湿効果を発揮し、部屋を快適な状態に保ちます。
【メリット2】嫌なにおいや有害物質を吸着できる
畳は嫌なにおいや有害物質を吸着し、空気を浄化する働きがあります。
有害物質のアセトアルデヒドは、シックハウス症候群の主な原因とされており、頭痛やめまいなどを引き起こすおそれがあります。
い草で作られた畳は、このような身体に悪影響とされる有害物質を吸着しやすく、室内の空気を衛生的に保つことが可能です。
【メリット3】断熱性に優れている
畳は、い草の1本1本に空気を含んでいるため、高い断熱性が期待できます。
い草が冷たい空気を取り込むことで、床下から流れ込む冷気を遮断します。
そのため、気温が低い日に畳の上に直接座っても、腰やおしりが冷えることはないでしょう。
一方、夏は外気を遮断し、室内の温度上昇を抑えます。
このように、畳にリフォームすることで夏は涼しく、冬は暖かい環境で過ごせるため、冷暖房の効率アップにつながる可能性があります。
【メリット4】防音性が高い
畳はクッション性があり、足音や物音を軽減する効果があります。
畳の内部は無数の細かな空洞を持つスポンジ状の構造をしており、この空洞が音を吸収することで防音性を高めています。
たとえば、フローリングの部屋では歩く音が響きやすいのに対し、畳の部屋では足音を抑えることが可能です。
周囲に生活音が響くのを防ぎたい場合は、防音性が高い畳にリフォームすることを検討しましょう。
【メリット5】畳のいい香りでリラックスできる
畳で使われているい草には、フィトンチッドという森の香りと呼ばれる芳香成分が含まれています。
この芳香成分により、畳独特のいい香りでリラックスし、思わず寝転んでしまう人もいるでしょう。
まるで森の中にいるような自然な香りで、森林浴をしているかのような清々しさを感じられます。
畳にリフォームするデメリット
身体や生活環境に良い影響を与える畳ですが、退色やカビが発生するなどのデメリットもあります。
ここでは、畳にリフォームするデメリットを解説します。
【デメリット1】日焼けや酸化で退色しやすい
畳は、日焼けや酸化によって退色が発生する可能性もあります。
鮮やかな緑から徐々に褐色に変化しますが、この変化は畳の劣化ではありません。
人によっては、退色による色の変化を楽しめるでしょう。
畳の退色を抑えたい人は、紫外線をカットする効果のあるカーテンを取り付けるなどの日焼け対策をしましょう。
【デメリット2】ダニが外部から侵入・繁殖するおそれもある
吸湿性に優れている畳は、湿気を好むダニが外部から侵入し、繁殖するおそれもあります。
ダニ対策として、えさとなる髪の毛や食べかすなどを放置せず、こまめな掃除を心がけましょう。
また、畳の下に専用の防虫シートを敷くことで、ダニの侵入対策が可能です。
【デメリット3】高湿度でカビが発生しやすい
畳は継続的に湿度の高い環境に置かれると、カビが発生する可能性もあるため注意が必要です。
最近の住宅は気密性に優れているため、冬に暖房をつけると結露が発生します。
この結露によって湿度が高くなり、カビが発生しやすい環境になります。
カビの発生を抑える対策として、湿気が室内にこもらないように換気が必要です。
【デメリット4】傷がつきやすい
畳はやわらかくクッション性がある反面、傷がつきやすいため、取り扱いには注意が必要です。
たとえば、重い家具を置くと、その重みで畳がへこんだり、変形したりするおそれがあります。
さらに、かたいものを落としたり、ペットが爪を立てたりすると、ささくれや傷ができる可能性もあります。
こうしたダメージを防ぐためには、家具の脚に保護パッドをつける、定期的に家具の配置を変えるなどの対策が有効です。
【デメリット5】定期的にメンテンナンスが必要になる
こまめな掃除や取り扱いに気をつけていても、畳の経年劣化は避けられません。
使用しているうちに色あせや毛羽立ちが発生し、次第に耐久性や見た目が損なわれていきます。
そのため、畳の状態に応じて、表替え・裏返し・交換などの定期的なメンテナンスが必要です。
畳の種類とその特徴
畳には、い草畳のほかに、和紙畳やうす畳などのさまざまな種類があります。
ここでは、畳の種類とその特徴について解説します。
【種類1】い草畳
い草畳は、い草と呼ばれる植物を原料として作られた畳です。
い草畳には複数のグレードがあり、使用する素材の質や本数、品種などで畳の価格は変動します。
- い草独特の香りで癒される
- 高いクッション性で防音効果が期待できる
- 有害物質を吸着に優れている
- 保温、湿度調整の働きがある
- 消臭効果がある
- 紫外線で変色するおそれもある
- 多湿でカビが発生する可能性もある
- ダニが発生するおそれもある
- ほかの素材に比べて耐久性が低い
- 定期的にメンテナンスする必要がある
和室の雰囲気や、い草ならではの香りを楽しみたい人は、い草畳がおすすめです。
【種類2】和紙畳
和紙畳は、一般的に和紙をひねって紐状にしたものが編み込まれて作られています。
紐状の和紙には樹脂コーティングが施されているため、撥水性に優れているなどの特徴があります。
- 豊富なカラーバリエーションで部屋の雰囲気になじむ色を選べる
- 撥水性に優れている
- カビが発生しにくい
- 日焼けで変色しにくい
- 傷がつきにくい
- い草畳に比べてメンテナンス費用が抑えられる
- い草に比べて手触りがかたい
- 経年劣化による汚れやベタつきが気になる場合もある
- 調湿効果がない
- い草畳に比べて本体価格が高い
- 重い家具などを上に置くと変形しやすい
和紙畳は撥水性に優れているため、拭き掃除だけで汚れを落としやすく、お手入れに負担がかかりません。
また、い草畳のような定期的な表替え・裏返し・交換なども必要ないため、将来のメンテナンスの手間を軽減したい人におすすめです。
【種類3】樹脂畳
樹脂畳の多くは、吸湿性炭酸カルシウムやポリプロピレン樹脂で作られています。
樹脂素材が畳に編み込まれているため、優れた耐久性が特徴です。
- 豊富なカラーとデザインから選べる
- 防水性が高い
- 耐久性に優れている
- ダニやカビが発生しにくい
- 熱に弱く、熱いものに触れると溶ける可能性がある
- 日光に長時間さらされると、毛羽立ちや色あせする場合がある
- 重い家具などを置くと変形するおそれがある
- 経年劣化で傷や摩耗が目立つようになる
防水性の高い樹脂畳は、汚れがついても掃除しやすいため、子どもやペットがいる家庭にもおすすめです。
【種類4】うす畳
うす畳とは、通常の畳よりもうすめの厚さで作られた畳のことを指します。
畳の種類 | 厚さの目安 |
---|---|
うす畳 | 15mm |
一般的な畳 | 55~60mm |
畳の強度を保つために硬めの板が使われており、い草畳とはクッション性や踏み心地が異なります。
- 軽量で設置しやすい
- 置き畳としても活用できる
- ほかの素材に比べて安価でリフォームできる
- い草畳に比べてクッション性が低い
- い草が使用された薄畳は耐久性が低い
- ずれやすい
- 表替えができないため、長期の使用は難しい
軽量なうす畳は自分で設置しやすいため、置き畳としても使えます。
ただし、うす畳はい草畳よりも耐久性が低いため、できるだけ長く使いたい人は樹脂製の商品を選びましょう。
【種類5】琉球畳
琉球畳(りゅうきゅうだたみ)とは「七島い(しちとうい)」を原料として作られた畳のことをいいます。
近年では、化学繊維や和紙などで琉球畳の形に似せた畳のことも「琉球畳」と呼ばれる機会が増えています。
- 傷やへこみに強い
- 畳の置き方で雰囲気を変えられる
- カラーバリエーションが豊富で洋室にもなじみやすい
- 縁がないため、部屋に奥行きを感じられる
- 施工の手間や施工時に枚数が必要になるため、費用が高額になりやすい
- 角を補強するための縁が琉球畳にはないため、角が傷みやすい
琉球畳は畳縁がない半畳サイズの畳を市松模様に敷く場合が多く、デザイン性が高いという特徴があります。
さまざまな雰囲気になじみやすいため、リビングの一部に琉球畳を取り入れるなど柔軟な空間作りがしたい人におすすめです。
畳にリフォームする際の施工方法

フローリングから畳にリフォームする場合、置き畳として設置する方法と、既存の床を剝がして畳を新設する方法があります。
ここでは、各施工方法における手順を解説します。
【方法1】フローリングの上に置き畳を設置する
置き畳を設置する方法は難しい作業が少ないため、DIYでも可能な施工法です。
市販の置き畳は半畳サイズが多いため、並ベ方も合わせて考えて置くとスムーズに設置できる。
ホコリやゴミなどが入り込まないように、あらかじめ掃除しておく。水拭きで掃除した場合は、湿気がこもらないようにしっかりと乾燥させてから置き畳を設置する。
フローリングの上に置き畳を直接設置すると、滑るおそれがあるので滑り止め対策がおすすめ。滑り止め対策には、滑り止めシートやマット、両面テープなどが活用できる。
壁に沿って設置するとずれにくい。敷いた後は、ずれ防止でしっかりと押しつけて安定させ、角が浮いていないかも確認する。
置き畳はずれやすく、耐久性がほかの畳よりも劣るため、5年以上の長期的な使用は向いていません。
長期的に使い続けたい場合は置き畳ではなく、い草畳や和紙畳などを選び、専門業者に施工を依頼しましょう。
【方法2】フローリングを撤去して畳を張る
フローリングを撤去して畳を張る場合、施工期間は1〜3日ほどかかり、部屋の広さや下地の状態で工期は変動します。
フローリングや下地の状態、畳のサイズなどを確認する。
釘やビスで固定されている場合は、バールなどで取り外す
フローリング下の状態を確認し、老朽化やゆがみがある場合は補強する。
フローリングを剥がした後、平らな床にするため、合板を固定する。湿気が多い部屋をリフォームする際は、防湿シートや断熱材を敷く。
すき間ができないように微調整をしながら、必要に応じて固定する。
フローリングを撤去して畳を張る場合は、施工後の仕上がりや安全性などを考慮して専門業者に依頼しましょう。
畳にリフォームする際にかかる費用の相場
い草畳の本体価格は0.75万~2万円、フローリングから畳にリフォームする際の費用は6畳の広さで13万円~25万円が相場です。
費用の目安 | |
---|---|
畳本体 ※1畳あたり/い草畳 | 0.75万~2万円 |
フローリングから畳へリフォーム ※6畳の場合 | 13万円~25万円 |
上記の金額はあくまでも目安であり、畳の種類や部屋の広さ、施工業者などで費用は変動します。
そのため、複数の業者に見積りを依頼し、納得できる価格と仕上がりが期待できる業者を選びましょう。
畳にリフォームする際に失敗しないポイント
ここでは、畳にリフォームする際に失敗しないポイントを解説します。
それぞれのポイントを押さえて、満足のいく仕上がりをめざしましょう。
【ポイント1】住環境に合う素材を選ぶ
畳の素材によって特徴や耐久性が異なるため、住環境に合う商品を選ぶことが大切です。
畳本来の風合いや香りを楽しみたい人は、い草畳がおすすめ。
メンテナンスの手間を減らしたい人は、耐久性が優れている和紙畳や樹脂畳が適しているでしょう。
畳を選ぶ際は、最初に自分の住環境や好みを洗い出し、それらに合った素材を選ぶことでリフォーム後の後悔を防げます。
【ポイント2】段差を防ぐために床の高さを均一にする
フローリングから畳にリフォームする場合、床の高さが合わずに段差ができる可能性もあります。
段差があると、つまずきやすくなり、見た目も不自然になります。
そのため、リフォームする際は事前にフローリングと畳の厚さを確認し、必要に応じて下地の高さを調整しましょう。
【ポイント3】湿気がこもりやすい部屋への導入は避ける
畳は吸湿性が高いため、湿気が多い部屋ではカビやダニの発生リスクが高まります。
そのため、湿気がこもりやすい北側の部屋や風通しの悪い部屋では、防湿シートなどを設置しましょう。
また、定期的に換気して、湿気がこもらないようにするのも有効です。
どうしても湿気がこもる部屋を畳にリフォームしたい場合は、い草畳ではなく、水やカビに強い和紙畳や樹脂畳の検討をおすすめします。
【ポイント4】室内の雰囲気になじむデザインを採用する
室内の雰囲気は、畳のデザインで印象が変わります。
畳には伝統的なデザインだけでなく、モダンなインテリアにもなじむカラーや素材もあります。
たとえば、和モダンなリビングに畳を設置する場合、ダークブラウンやブラックなどのシックな色がなじむでしょう。
また、琉球畳のような正方形で縁がない畳を取り入れると、スタイリッシュでおしゃれな空間の演出が可能です。
このように、豊富なデザインから室内にぴったりな畳を選ぶことで、部屋の雰囲気を統一できます。
畳を快適に使うためのメンテナンス方法

畳を快適に使うためには、畳の状態に合わせたメンテナンスが必要です。
ここでは、定期的におこなう畳のメンテナンス方法について解説します。
【方法1】裏返し
畳の裏返しとは、一度畳を剥がし、それをひっくり返して再び固定するメンテナンス方法です。
経年劣化で色あせや傷がついた畳を裏返すことで、新品に近い状態に戻せます。
裏返しの適切なタイミングは、使用開始から3年~5年後が目安です。
ただし、汚れやカビがひどい場合は裏返しでは対応できないおそれもあるため、畳の状態を見極めることが重要です。
【方法2】表替え
表替えは、畳床をそのままにして、畳表と縁を新しいものに張り替えるメンテナンス方法です。
畳床を新しくする必要がないため、新調に比べて費用を抑えられるメリットがあります。
畳の使用年数が5年~10年経年したとき、または畳の表面に日焼けや汚れなどが目立ってきた場合に表替えをおこないましょう。
【方法3】交換
裏返しや表替えでメンテナンスできない古くなった畳は、新しい畳に交換します。
畳表、畳縁、畳床をすべて新しくするため、ほかのメンテナンス方法よりも費用が高額になる可能性があります。
使用年数が15~20年以上経過している、または畳の大きな傷、畳床の糸が切れているなどの劣化が激しいときは交換を検討しましょう。
畳のリフォームにかかる費用相場
畳のリフォームにかかる費用は、各メンテナンス方法によって異なります。
メンテナンス方法 | 費用の目安 (1畳あたり) |
---|---|
裏返し | 0.3万~0.4万円 |
表替え | 0.5万~2万円 |
交換 | 3万~4万円 |
上記の金額は、あくまでも目安になります。
畳のグレードや施工業者などで金額は変動するため、複数の業者に見積りを依頼することがおすすめです。
【Q&A】畳のメリットに関するよくある質問
- 畳の寿命は?
-
寿命の目安は一般的な畳で15年ほど、上質な畳では20年~25年です。
ただし、畳の寿命は、使い方やお手入れの頻度などで異なります。 - フローリングと畳はどちらが良い?
-
どちらが良いかは、生活環境や家族構成などで異なります。
それぞれのメリットとデメリットを比較し、自分の住環境や家族に合うものを選びましょう。畳からフローリングにリフォームする費用は?後悔しないポイントも – 床 – ハピすむ畳からフローリングにリフォームしようと考えたとき、どのくらいの費用がかかるのか知りたい人もいるでしょう。リフォームする際、どのようなポイント… - フローリングに置き畳を設置するメリット・デメリットは?
-
フローリングに置き畳を設置するメリット・デメリットは以下のとおりです。
フローリングに置き畳を設置するメリット- 簡単に部屋の雰囲気を変えられる
- 自分で設置でき、使用しない場合は手軽に撤去できる
- 防音性を高め、周囲に響く足音や生活音を吸収できる
フローリングに置き畳を設置するデメリット- カビが発生するおそれもある
- ずれやすい
- 継ぎ目からゴミが入りやすい
置き畳の設置を検討する際は、メリット・デメリットを把握するだけでなく、住環境に適しているかなども確認が必要です。
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