床に穴が!虫食いの可能性がある症状とは
床に虫食いの被害が生じた場合には、早期の対処が重要となります。早期に発見するための参考となるように、虫食いの可能性がある症状をまとめました。
比較的わかりやすい症状としてあげられるのが、フローリングの表面にキリで開けたような穴が見られる場合です。最初は1カ所だけの穴が、主に春から夏にかけて、少しずつ増えていくことで発見されます。
また、フローリングの表面に小さく盛り上がった粉が見られるのも、虫食いの症状の一つです。粉を除けると1〜2mm程度の円形の小さな穴が発見できます。床材を虫が食べた後の粉や糞が排出されていると言われています。
掃除をしても、床に毎日のように粉が落ちていることによって、発見されることが多いようです。粉の近くに、産卵が終わった成虫の死骸が落ちているケースも見受けられます。
無垢のフローリングは虫食いの被害を受けやすいのか
無垢材(合板や集成材でない一枚板)のフローリングは虫食いの被害を受けやすいと思われがちですが、実際はどうなのでしょうか。
近年の建築材料は、住む人の健康のためにホルムアルデヒドなどの化学物質を極力排除して造られています。また、表面にニスやラッカーなどの塗装仕上げを行わないタイプの床材が増えています。
このため、無垢材に限らず、合板フローリングや柱や梁などにおいても、殺虫剤を使用しない限り虫食いの被害が起こり得るのです。人間にやさしい素材を使用することが、虫食いの被害に繋がるという可能性も否定できません。
また、無垢のフローリングは含水率(木に含まれる水分)を落とすために、加工時に乾燥窯で高温処理が行われているため、薬剤を使用していなくても加工時に生きた虫が混入する可能性は低いと言えます。
ただし、加工時には虫が混入していなくても、保管時や施工後に虫害を受ける可能性があるため、心配な場合には防虫処理を施すとよいでしょう。
穴の主犯は「ヒラタキクイムシ」
木材に害を及ぼす虫にはいくつかの種類がありますが、一般的にはまとめて「キクイムシ」と呼ばれています。床などに穴を開ける虫として有名なのが「ヒラタキクイムシ」で、ヒラタキクイムシ類の代表種の昆虫を指します。
木材を食べて床材や家具などに穴を開けるヒラタキクイムシですが、人間には無害です。
ヒラタキクイムシはどんな虫なのか
ヒラタキクイムシは熱帯から温帯にかけて広く分布し、日本全国に分布しています。ヒラタキクイムシは本州以南に生息し、北海道などの北日本には「ナラヒラタキクイムシ」が多く生息します。
また、外来種の「アフリカヒラタキクイムシ」による被害が西日本を中心に東海地域まで拡大しており、ヒラタキクイムシより生活環境に適応する能力や繁殖能力が高いと言われています。
成虫は体長約2.2〜8mmの茶褐色の甲虫で、主に夜に活動します。4月から8月に発生し、広葉樹の道管に産卵します。暖房によって冬でも暖かい室内の場合には、2月〜3月頃に発生することもあります。
木材を食べるのはヒラタキクイムシの幼虫です。1匹の成虫が産む卵の数は1回に約1〜4個ずつ、一生の間では約50個です。木材を食べて育った幼虫は、翌年の春から夏にかけて、1〜2mm程度の穴を開けて出てきます。
幼虫が木材を食べ進めることによって、木材の内部に空間ができることもあるため注意が必要です。木材から脱出した成虫が、再び侵入することはありません。
ヒラタキクイムシが好きな床材・環境
ヒラタキクイムシは、幼虫が好んで食べるデンプン質を含み、産卵するのに適した道管のある木材を好みます。木造住宅の柱や梁などに用いられる杉やヒノキなどの針葉樹は、道管がないため食べられることはありません。
デンプン質は辺材(樹皮に近い部分)にあり心材(樹木の中心部)にはないため、ラワンに代表される南方産広葉樹や、国産の広葉樹であるナラ、ケヤキ、タモの辺材が食害を受けます。
また、ヒラタキクイムシは、木材中の水分が約7〜30%程度の乾燥した環境でないと生存することができません。このため、内装用の乾燥した木材を使用する場合には注意が必要です。
ヒラタキクイムシの駆除方法
ヒラタキクイムシは、床に開いた穴に専用ノズルで殺虫剤を噴射することで駆除することができます。穴の周辺にドリルなどで小さな穴を開けて、そこから薬剤を噴射するとさらに効果的です。
フローリングに対してJASで認められている殺虫剤は、ホウ素化合物とホキシム、フェニトロチオン、ピリダフェンチオンの4種類です。薬剤の選択や散布方法など一度はDIY店の専門家に相談する事をおすすめします。
薬剤による駆除は、床材の深いところにいる幼虫に対しては難しく、幼虫が表面近くに移動する11月以降と成虫に羽化する3月から4月頃が有効とされていますが、処理をするべき場所を特定するのは容易ではありません。
ヒラタキクイムシの成虫は5月頃に現れ、木材の中に卵を産みます。孵化(ふか)した幼虫は10月末まで乾材を食べて孔を開けます。そのまま越冬し春が来ると再び乾材を食べて5月頃にさなぎから成虫となって羽化します。
産卵から成虫になるまでに約1年のサイクルがあるため、殺虫剤噴射後約1年間の観察期間が必要です。また、一度だけの薬剤噴射で完全に駆除を行うことは困難であるため、繰り返し噴射する必要があります。
被害が進行すると完全に駆除することが難しくなるため、早期発見することが重要となります。大規模な被害の場合には、専門業者に相談されることをおすすめします。被害の程度に応じて、熱処理や殺虫剤処理が行われます。
ヒラタキクイムシはデンプン質が豊富な新しい木材を好むため、古い木材は食害されにくく、築後約3〜4年程度で発生しなくなるのが一般的です。
ヒラタキクイムシの予防対策
ヒラタキクイムシの発生を予防するには、殺虫剤の噴射が有効です。あらかじめ床材の表面に殺虫剤を噴射しておくことで、メスの産卵を防止することに繋がります。駆除を行った後の穴に噴射しておくのもよいでしょう。
さらに、床材の表面にニスや塗料、木材防腐剤を塗ることも、ヒラタキクイムの予防に有効です。継続的に予防を行うことが重要です。
また、ヒラタキクイムシは広葉樹を好むため、床の材料を広葉樹でなく針葉樹の素材にすることも予防に繋がります。針葉樹は柔らかくて傷がつきやすく反りやすいというデメリットを考慮した上で床材を選ぶとよいでしょう。
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