2024年08月29日更新

監修記事

業務用キッチンでおしゃれにリフォーム!費用を安くする方法や注意点も

料理好きな人は、自宅でも本格的なキッチンで料理がしたいと思うこともあるでしょう。そんなときは、業務用キッチンを自宅に設置するのもアイデアのひとつです。しかし、業務用キッチンを家庭に設置するには、いくつかの条件をクリアしなければなりません。
そこで今回は、業務用キッチンの特徴やリフォーム費用、自宅に設置する際の注意点などについて解説します。業務用キッチンにリフォームして、自宅でも本格的なプロの味を楽しみましょう!

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業務用キッチンとは?

業務用キッチンとは、レストランやホテルなどの厨房で使われるキッチンのことをいいます。

耐久性の高いステンレス製でつくられており、シンクやガスコンロ、ワークトップ(調理台)などを自由に組み合わせて設置できます。

また、プロの現場で採用されているキッチンのため、火力の強いガスコンロで中華料理をつくったり大きなオーブンでパンを焼いたりと、本格的な料理を楽しめるのが魅力です。

近年は、業務用キッチンのメーカーから家庭向けの製品もラインナップされているため、自宅に導入することも可能になりました。

業務用キッチンと家庭用キッチンの違い

家庭用キッチンと業務用キッチンでは、見た目や形状などに違いがあります。

一般的に、家庭用キッチンにはゴミや水が床に落ちないように、ワークトップにフチがついています。

一方の業務用キッチンは、ゴミや水は床に落とす前提でつくられているので、ワークトップにフチがありません。

また、種類豊富な調理器具を収納する必要がある業務用キッチンは、家庭用キッチンに比べると収納力が高いのも違いの一つです。

家庭用キッチンも収納力が高いものの、それを超えるほどの収納スペースを確保できます。

業務用キッチンを自宅に導入することは可能?

自宅に業務用キッチンを導入することは、可能です。

ただし、業務用キッチンのコンロは家庭用キッチンと比べると火力が強いため、選ぶコンロや仕上げ材、換気扇の設置方法などの工夫が必要になります。

家庭用キッチンと設置方法が異なる点もあるため、リフォームする際は経験豊富なリフォーム会社に依頼するのが得策です。

後ほど業務用キッチンを自宅に設置する際の注意点を解説するので、ぜひ参考にしてください。

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業務用キッチンにリフォームするメリット

ここでは、自宅のキッチンを業務用キッチンにリフォームするメリットについて見ていきましょう。

【メリット1】耐久性が高い

業務用キッチンの大きなメリットは、オールステンレスでできていることです。

家庭向けのステンレスとは違い、長期間の使用に耐えられる厚くて丈夫なステンレスでつくられています。

そのため、鍋を落としたり生地をこねたりと少々ハードな使い方をしても、壊れることはないでしょう。

【メリット2】お手入れがしやすい

丈夫なステンレスでつくられている業務用キッチンは、お手入れがしやすいのもメリットの一つです。

熱い鍋を直接置いたりたわしでゴシゴシ磨いたりしても、傷がつきにくくなっています。

ステンレスは錆びにくい素材のため、万が一水垢や錆がついてもお手入れすればきれいになるでしょう。

【メリット3】デザインがシンプル

業務用キッチンは本格的な料理を楽しむためにつくられたキッチンのため、飾り気のないシンプルなデザインになっています。

シンプルなデザインはスタイリッシュな印象を与えるため、インテリア次第でおしゃれに見せることが可能です。

扉のついていないオープンな収納棚をラインナップしていることも多く、どこに何が置かれているか把握しやすいメリットもあります。

【メリット4】火力の強いコンロを導入できる

火力の強いコンロを導入できるのも業務キッチンならではのメリットです。

火力が強ければ、中華鍋でおいしいチャーハンやチンジャーロースをつくれるでしょう。

パエリアなどの凝った料理をつくるのも楽しみになるはずです。

【メリット5】サイズを自由にオーダーできる

業務用キッチンを取り扱うメーカーのなかには、オーダーメイドキッチンをラインナップしています。

システムキッチンはあらかじめ決められたサイズのなかから選ぶことになりますが、オーダーメイドの業務用キッチンなら1mm単位で寸法を合わせられます。

設置予定の場所に合わせてサイズを調節できるため、より使いやすいキッチンになるのが魅力です。

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業務用キッチンにリフォームするデメリット

使い勝手のよい業務用キッチンですが、残念ながらデメリットも存在します。

ここでは、自宅のキッチンを業務用キッチンにリフォームするデメリットについて見ていきましょう。

【デメリット1】使いこなすのが難しい

業務用キッチンはさまざま機能や設備がある一方で、使いこなすのに工夫が必要です。

たとえば、オープンな棚になっていると調理器具などを出し入れしやすいメリットはあるものの、生活感を隠しにくいデメリットがあります。

給水・排水の配管も露出しているため、収納方法によっては整っていない印象になることも考えられます。

【デメリット2】つなぎ目がある

業務用キッチンはコンロやシンクなどのキャビネットを並べてつくられるため、つなぎ目が生まれます。

つまぎ目があると溝にゴミやホコリが溜まって不衛生です。

溝の掃除は手間もかかるため、業務用キッチンのデメリットといえるでしょう。

【デメリット3】固定されていないため不安定

業務用キッチンは床に据え置く形で設置するため、床に固定されません。

掃除する際に移動させられるメリットはあるものの、固定されていないとなれば地震で動いたり倒れたりする危険性があります。

万が一に備えて、地震対策も行いましょう。

【デメリット4】シンクが深く、低い位置にある

業務用キッチンのシンクは、たくさんの食材や食器、大きな調理器具をしっかり洗えるように深いシンクになっています。

しかし、シンクは低い位置にあり、使用時は腰を曲げる必要があります。

腰痛持ちや足腰が弱い人が使い続けると身体に負担がかかるため、業務用キッチンを取り入れる際は家庭仕様のキッチンを選ぶのがよいでしょう。

【デメリット5】インテリアによっては馴染みにくい

シンプルなデザインの業務用キッチンはインテリアに馴染みやすいものの、テイストによっては合わない場合があります。

たとえば、インダストリアルのような機能性や実用性を重視したインテリアには、オールステンレスの業務用キッチンはマッチします。

しかし、木製を多用したナチュラルなインテリアに配置すると浮いてしまうかもしれません。

業務用キッチンを導入する際は、リビングダイニングの内装材や家具とのバランスも考えるのがポイントです。

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業務用キッチンを自宅に導入する際の注意点

業務用キッチンを家庭に導入する際は、法規制やレイアウトなどに注意しなければなりません。

ここでは、業務用キッチンを自宅に導入する際の注意点をチェックしましょう。

【注意点1】設置条件を守る

業務用キッチンを導入する際は、家庭用としての設置条件を守る必要があります。

安全装置の設置が義務化

家庭で使うガスコンロは、2008年10月から「調理油過熱防止装置」と「立ち消え安全装置」の設置が義務化されました。

業務用コンロは火力が強いため、しっかり排気できるように機器ごとに定められた換気量を満たす換気フードの設置が欠かせません。

コンロは業務用で換気フードは家庭用にすると、条件をクリアできない場合があるので注意しましょう。

また、コンロと壁面との距離や仕上げ剤など細かい条件も守る必要があります。

そのため、業務用キッチンを導入する際はコンロのみ家庭用のものを選んだり、業務用キッチンのなかでも家庭用の製品を組み合わせたりなどの工夫をしましょう。

【注意点2】レイアウトに工夫が必要

業務用キッチンはシンク、ガス台、調理台などを自由に組み合わせて設置します。

そのため、家事動線を意識してレイアウトを考えなければなりません。

既存キッチンと似たような配置にすればあまり問題はありませんが、異なる配置にする場合は、慣れない動線に最初は戸惑うことを把握しておきましょう。

また、作業スペースを広げるために壁付けキッチンからアイランドキッチンにするなら、リビングダイニングを圧迫しないかも配慮することも大切です

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業務用キッチンを自宅に導入する際のリフォーム費用

業務用キッチンを自宅に導入する際にかかるリフォーム費用は、100万〜275万円が相場です。

リフォーム内容費用相場
業務キッチンの本体価格30万〜100万円
業務用キッチンの交換50万〜150万円
内装工事20万〜25万円

採用する設備やグレードによって変動するだけではなく、既存キッチンの撤去や処分にも費用がかかるため、100万円は超えると考えておくとよいでしょう。

また、家庭用キッチンから業務用キッチンにリフォームする際は床や壁の補修も伴うため、ほとんどのケースでは内容工事が必要です。

検討する際は、必ず相見積もりをとろう

同じリフォーム内容でもリフォーム会社によって費用は異なるため、相見積もりをすることをおすすめします。

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おすすめの業務用キッチンメーカー

業務用キッチンを取り扱うおすすめのメーカーは、以下の5社です。

おすすめの業務用キッチンメーカー
  • マルゼン
  • タニコー
  • 北沢産業
  • フジマック
  • シギタ

いずれも業務用のキッチンを中心に販売する会社ですが、なかには家庭用のキッチンを製造しているメーカーもあります。

【メーカー1】マルゼン

マルゼンは、業務用厨房機器の製造・販売、設計・施工を手がけるメーカーです。

主に、ホテルやレストラン、学校などの外食産業や給食向けの厨房設備を取り扱っています。

家庭用のラインナップはないものの、マルゼンの業務用キッチンなら厨房機器を一式そろえられます。

とくにマルゼンのガスレンジは低価格でありながらも、作業効率を高める機能や調理をサポートする機能が搭載されているのが特徴です。

ベーカリー機器もラインナップしているため、家庭で本格的なパンづくりもできます。

【メーカー2】タニコー

出典:タニコー

タニコーは、業務用厨房機器の製造販売や、オーダーキッチンを販売しているメーカーです。

ステンレスの加工技術に優れている会社で、国内にある自社工場で製造しています。

職人が一つひとつ丁寧に手作りしているため、オリジナルキッチンを手がけたい人におすすめです。

【メーカー3】北沢産業

出典:北沢産業

北沢産業は、食品加工機械や調理機器の販売、学校や病院の厨房機器を手がけるメーカーです。

北沢産業の業務キッチンは、オールステンレスにもかかわらず柔らかくマットな雰囲気のデザインが特徴。

オールステンレスキッチンならではの機能性を備えつつ、リビングに馴染む業務用キッチンを実現できます。

【メーカー4】フジマック

出典:フジマック

フジマックは「業務用厨房設備」を数多く手がけており、海外にも自社製品の販売経路を持つメーカーです。

プロ仕様の家庭用オーダーメイドキッチンもラインナップしており、インテリアに馴染むデザインが豊富にそろっています。

扉・取っ手・収納の種類も多数あり、自分好みにカスタマイズしやすいのもフジマックならではといえるでしょう。

【メーカー5】クリナップ

クリナップは、誰もが知る家庭用キッチンの老舗メーカーです。

これまで数多くのシステムキッチンを手がけてきた経験をもとに、業務用キッチンもラインナップされています。

ワークトップやシンクはもちろん、キッチンの骨組みであるキャビネットもステンレスになっているのが特徴です。

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業務用キッチンを選ぶときのポイント

安全で使い勝手のよい業務用キッチンにするためには、選ぶときのポイントを押さえておく必要があります。

ここで、3つのポイントを見ていきましょう。

【ポイント1】ガスコンロは一般家庭用を導入する

業務用キッチンは火力の強いガスコンロを導入できるのがメリットですが、家庭用としての設置条件を満たしていない場合があります。

多少火力は落ちてしまうものの、ガスコンロは一般家庭用を導入するのがおすすめです。

一般家庭用のガスコンロを選べばレンジフードや内容の使用制限もかからないためカスタマイズしやすく、全体的なコストダウンにもなります。

統一感を重視するのであれば、ステンレス素材のガスコンロを選ぶのもよいでしょう。

また、安全性が高くお手入れのしやすいIHを導入するのも選択肢のひとつです。

【ポイント2】インテリアの一部になるデザインを選ぶ

業務用キッチンを導入する際は、インテリアとの相性も考えましょう。

床や壁がコンクリートや塩ビタイルでできた空間とは違い、一般住宅では木目フローリングやフロアタイルの上に業務用キッチンを配置します。

そのため、インテリアによってはステンレス素材の業務用キッチンが浮く可能性があります。

せっかく業務用キッチンを導入するなら、インテリアの一部になるようにデザインしたいものです。

業務用キッチンの素材を変えることは難しいため、導入を機に内装リフォームをしてもよいでしょう。

【ポイント3】使いやすいようにカスタマイズする

業務用キッチンは自由にサイズをオーダーできるので、使いやすいようにカスタマイズできるのが魅力です。

ただし、選択肢が多すぎて決めきれないこともあるでしょう。

業務用キッチンをカスタマイズするときは、こだわりたい箇所をピックアップして優先順位をつけるのがおすすめです。

それでも1からカスタマイズするのは難しいため、経験豊富なリフォーム会社の人のアドバイスをもらいながら決めていきましょう。

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業務用キッチンをおしゃれに見せるテクニック

業務用キッチンは、スタイリッシュでクールな印象を与えます。

そのままでも十分魅力的な見た目ですが、アイテムを用いてコーディネートすることで一風変わったおしゃれな雰囲気に仕上がります。

ここでは、業務用キッチンをおしゃれに見せる3つのテクニックを紹介するので、アレンジしてみたい方は試してみてください。

【テクニック1】木のアイテムをぬくもりをプラスする

ステンレスキッチンに木のアイテムを組み合わせると、ぬくもりがプラスされます。

キッチンの壁に木製ボックスを取り付けたり、調理台に木製板を置いたりすれば、おしゃれながらも実用的なキッチンスペースになるでしょう。

壁に取り付けた木製のボックスには、調味料や小さな観葉植物などディスプレイにもなるものを置くのがポイントです。

木のアイテムをほどよく配置すれば、ナチュラルな業務用キッチンになります。

【テクニック2】壁にタイルを貼る

キッチンの壁には白のパネルを貼ることが多いですが、北欧風やレンガ調のタイルを貼ると色鮮やかなキッチンになります。

カフェ風にはサブウェイタイル、エスニック風であればモロッコタイルなどインテリアに合わせて選ぶとおしゃれになるでしょう。

最近ではタイルシートも普及しているため、簡単にDIYもできるようになりました。

他にも、モザイクタイルやモロッカンタイルなど、形状にこだわってタイル選びをするのもおすすめです。

【テクニック3】配管が見えないようにカゴを置く

業務用キッチンは配管が露出してしまうデメリットがあります。

デザインの一部としてあえて見せるのもアイデアの一つですが、隠したい場合もあるでしょう。

そんなときは、収納カゴを置いて目隠しするのがおすすめです。

編みカゴやスチールカゴなど、好きなデザインを選んでみましょう。

統一感を出すためにステンレスのカゴを用いるのもアイデアです。

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業務用キッチンのリフォームにかかる費用を安くする方法

業務用キッチンのリフォームにかかる費用を抑えつつ、使い勝手のよいキッチンにするにはどうすればよいのでしょうか。

ここでは、費用を安くする方法を3つ紹介します。

【方法1】必要以上の設備や機能はつけない

業務用キッチンの使い勝手をよくするために、ついついオプションをつけてしまうこともあるでしょう。

高機能なキッチンにすると料理の効率がアップして利便性が高まりますが、オプションをつけすぎると場合によっては予算オーバーになることも少なくありません。

費用を少しでも抑えるためには、必要以上の設備や機能をつけないことが大切です。

キッチンをカスタマイズする際は、作業動作をイメージするとよいでしょう。

【方法2】中古の業務用キッチンを選ぶ

中古の業務用キッチンを活用してリフォームするのも、費用を安くする方法の一つです。

中古の業務キッチンは、通販サイトやリサイクルショップで入手できます。

耐久性や機能に問題なければ中古の業務用キッチンでリフォームしても、使用時に影響はあまりありません。

注意点は、生産が停止しているメーカーの業務用キッチンを選ぶと、修理する際に部品が入手しにくいことです。

代替えできる場合もあるかもしれませんが、部品を入手できなかったときは買い替えになるケースもあります。

【方法3】複数の業者に相見積もりをとる

少しでも安く業務キッチンにリフォームしたい場合は、複数の業者から見積もりをとるのがおすすめです。

同じ工事内容でも依頼する業者によって費用は異なるため、価格を比べて納得のいく業者を見つけるのがよいでしょう。

相見積もりでは価格だけではなく、保証内容の違いや施工事例の豊富さなども見比べられるのが魅力です。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】久田麻里子

2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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