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未登記建物はリフォームローンを組む際に登記が必要
未登記建物をリフォームするためにリフォームローンを組みたいなら、事前にお住いの法務局で登記をする必要があります。
とはいえ、すべての建物が登記をできるわけではありません。
まずは、登記が必要な建物・登記をしなくてもよい建物の違いを見ていきましょう。
登記が必要な建物
以下に示す未登記建物の場合は、リフォームローンの組む前に登記手続きが必要です。
- 一戸建て住宅
- マンション
不動産登記法では、土地に定着していて簡単には移動できないもの(定着性)であり、屋根や壁などで外気が遮断されるもの(外気分断性)のある建物について、登記が必要だと定められています。
一戸建て住宅などが未登記建物の場合、リフォームする際に必ず登記申請が必要になると覚えておきましょう。
登記をしなくてもよい建物
以下に示す建物は、登記をせずにリフォームが可能です。
- 簡易倉庫・納屋
- カーポート
- ビニールハウス
- 天井高1.5m未満の建物(ロフトなど)
メインで居住していない建物の場合、リフォームが必要になった場合でも登記の必要がありません。
たとえば、両親などから未登記建物を相続したときには、それが登記すべきものなのか、不要なものなのかを判断しましょう。
また、自身で判断できないとお悩みなら、リフォーム業者などに相談するのがおすすめです。
未登記建物だとあとから判明するケース
そもそもどのような状況で未登記建物を保有することがあるのか、イメージできない方もいるでしょう。
今後、未登記建物と出会う可能性も考えられるため、ここではよく起こるケースを解説します。
【ケース1】建物を購入したが未登記だった
中古の建物などを購入する方のなかには、未登記建物と出会う可能性があります。
古い建物の場合、未登記のまま売却する人もいるので、購入の契約段階で未登記だと気づくケースも少なくありません。
また、自己資金だけで建物を建てた人から建物を購入した場合、以前の所有者が住宅ローンなどを通さずに建物を保有するため、登記されていないこともあります。
新しい建物のほとんどは登記をされていますが、中古の建物を購入する際には、登記をされているのか確認しておくとよいでしょう。
【ケース2】古い建物を相続したが未登記だった
両親などから古い建物を相続したとき、なかには未登記建物がまぎれている場合があります。
以下の条件にあてはまる建物だと、未登記建物のまま相続するかもしれません。
- 新築時、購入費用を両親が現金で支払った
- 権利登記をしないまま家を所有している
- 両親の死後、登記に関する資料を残っていない
なかでも税金に関わる「表題登記」は登記の義務がある一方、令和3年の法改正があるまで権利登記は任意でした。
現在も任意のままだと思い込んでしまい、登記されないまま放置されている建物も少なくないので十分に気をつけましょう。
また「面倒だから」という理由で、未登記建物になっている建物も少なくないので、相続する際には事前確認が欠かせません。
未登記建物を所有する際の注意点
リフォームローンを組んで、自宅のリフォームに対応しようと考えている人は、未登記建物ならではの注意点があります。
【注意点1】リフォームローンの融資を受けられない
リフォームローンは、登記された建物しか適用できません。
なぜなら融資の条件に「登記」といった社会的な信用に関連する項目が設けられているためです。
未登記建物の場合は事前に、登記を済ませておく必要があります。
登記手続きには時間がかかるので、リフォームを検討する前に登記の有無を確認しておくとよいでしょう。
【注意点2】売却時に買い手がつきにくい
住む予定がない建物を相続して売却を考えている人は、未登記建物のままだと買い手がつきにくいことに気をつけましょう。
登記は、建物の権利などを示す重要な証明であることから、未登記建物のように権利などを証明できない建物だと「なんらかの問題がある」とみなされ、売却しても売れにくくなります。
最終的には売却価格を下げなければならず、思うような利益を出せない場合もあるので事前に登記を済ませておくとよいでしょう。
【注意点3】相続の手続きに時間がかかる
未登記建物の場合、法務局に以下のような情報が登録されていないことが多く、相続の手続きが遅れてしまうケースもあります。
- 図面
- 評価証明書
以前の建物所有者が図面などを紛失していると、新たに測量といった作業が必要になるかもしれません。
相続税の計算などにも時間を要するため、未登記建物を所有している方は早めに登記を済ませておくのがよいでしょう。
【注意点4】未登記のままだと過料が科せられる
購入・相続した建物が未登記建物だと知りながら、3年以上登記をしないまま放置すると、10万円以下の過料が科せられるおそれがあります。
正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。遺産分割(相続人間の話合い)で不動産を取得した場合も、別途、遺産分割から3年以内に、遺産分割の内容に応じた登記をする必要があります。
引用:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
令和3年に法律が改正されたことにより、今まで任意だった権利登記が義務化されています。
不要な出費を抑えたい方は、早めに登記を済ませておきましょう。
未登記建物を登記するメリット
未登記建物の登記を済ませることには、以下のメリットがあります。
- リフォームローンを組みやすくなる
- 売却価格を高く設定できる
- 相続手続きがスムーズになる
- 過料が科されなくなる
つまり「未登記建物を所有する際の注意点」で解説した内容を、まるごと解決できるのが登記のメリットです。
未登記建物を購入した方、相続しようとしている方は、リフォームをするタイミングで登記手続きを始めてみてはいかがでしょうか。
未登記建物でリフォームローンを受けるための対処法
未登記建物をリフォームしたい場合の対処法は、親名義なのか、それともまったく別名義なのかで2パターンに分かれます。
所有建物に合うパターンをチェックして、未登記の問題を解決しましょう。
【パターン1】親名義の未登記建物
両親から未登記建物を相続した場合の対処法は、以下のとおりです。
【対処法1】親が売買した未登記建物を購入する
一度両親が未登記建物を売買し、適正価格で直接購入することにより登記の手続きをしやすくなります。
贈与税や相続税の負担を減らしつつ登記手続きに進めるため、自己資金があるなら、これがもっとも課題の少ない方法です。
ただし名義変更もせずにリフォームをすると、親から贈与されたとみなされ、贈与税が発生することとなります。
【対処法2】親から未登記建物を贈与してもらう
未登記建物の所有者である親から無償で建物を譲り受ける「贈与」で、登記手続きに進む方法もあります。
ただし贈与の場合には、贈与税がかかることに注意しなければなりません。
未登記建物を贈与された場合には、土地や建物に設定されている「相続税評価額」をもとに税額を計算します。
都心部などニーズの強い建物だと、高額な贈与税が発生するかもしれません。
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【対処法3】親の未登記建物を代物弁済として名義を変える
子が親に金を貸していて、それを証する書類があるなら「代物弁済」として建物の名義を変更できます。
主に土地・建物などの現物で弁済できるため、未登記建物を受け取ったあとに、法務局で登記手続きを済ませる流れです。
【パターン2】親名義ではない未登記建物
古い建物の購入など、親名義ではない未登記建物を所有している場合にできる対処法は、以下のとおりです。
【対処法1】建物表題登記をする
親名義ではない未登記建物の場合は、建物の購入から始まります。
正当な手続きを経て未登記建物を購入したら、以下の書類を集め、法務局で建物表題登記をしましょう。
- 所有権証明書
- 住所証明書(建築主様全員の住民票、戸籍の附票など)
- 建物図面、各階平面図
古い建物だと図面が残っていないこともあるので、測量会社や土地家屋調査士に依頼して図面を作成してもらいます。
なお所有権証明書は、以下に示す書類のうち「2種類」を提出することで証明が可能です。
- 確認済証
- 検査済証
- 建築請負人の工事完了引渡証明書
- 固定資産税課税台帳登録事項証明書
- 建築請負契約書および工事代金領収書
- 火災保険証書
- 敷地所有者の証明書 (敷地を借りている場合)
- 隣地居住者の証明書
【対処法2】所有権保存登記をする
前述した登記簿を作成したら、次に所有権保存登記の手続きへと進みます。
司法書士に依頼することが多く、未登記建物の所有権を取得した日から1ヶ月以内に申請するのが一般的です。
ただし実際には、何十年も未登記になっていた建物でも、図面や書類が整えば受理してもらえると言われています。
未登記でリフォームローンが融資してもらえない場合は、正式な手順を経て登記をするのがよいでしょう。
建物を増築した場合の未登記部分はどうする?
すでに登記を終えている建物について、増築といったリフォームで新しく未登記の部分ができた際には、1ヶ月以内に増築登記を済ませましょう。
増築登記を済ませることにより、固定資産税や都市計画税が正しく課税されます。
未登記のままにすると、あとから過料が科せられるので放置せずに登記を済ませなければなりません。
リフォームを伴う建物購入をするために「住宅ローン」を利用する人は、契約条件に登記の項目が設けられている点に注意が必要です。
契約書を交わしたのにもかかわらず、登記をせずに放置すると住宅ローンの融資が打ち切られる場合もあるので、確実に登記を済ませましょう。
リフォームローンを組む際に必要な登記の手続きと費用
未登記建物について、リフォームローンを利用する際に必要となる登記手続きの内容と費用を解説します。
【1】表題登記
表題登記は、まだ登記されていない土地や建物(未登記建物)を登記する手続きです。
表題登記を自身で対応する場合は5,000円~1万円程度、土地家屋調査士といったプロに任せた場合には8~10万円程度かかると言われています。
【2】所有権保存登記
所有権保存登記は、不動産の所有権が誰にあるのかを登記する手続きです。
なお所有権「移転」登記なら5~10万円ですが、未登記建物の場合は新たに所有権を保存するため移転には該当せず、20万円程度の費用がかかると覚えておきましょう。
【3】抵当権設定登記
抵当権設定登記とは、万が一住宅ローンなどを返済できない場合に建物を売却してお金を回収することへの同意を示す証明です。
費用は「債権額の1000分の4(0.4%)」となり、債権額が高くなるほど費用負担が増していきます。
また、司法書士に依頼する場合には、別途5~10万円程度の費用がかかります。
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【Q&A】未登記建物のリフォームローンに関するよくある質問
- 未登記建物の登記手続きは自分でできる?
-
未登記建物の登記手続きは、専門知識があり必要書類を自分で用意できるなら、自分で対応することも可能です。
ただし、手続き書類の準備や申請書の作製には時間がかかるため、司法書士といったプロに相談することをおすすめします。
- 未登記の建物を放置するとどうなる?
-
未登記建物を放置したままでいると、法律違反として10万円以下の過料が科せられるおそれがあります。
建物を所有して1ヶ月以内に手続きをするのが一般的ですので、未登記建物を所有した際には、段取りを決め、法務局で登記手続きをしましょう。
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