目次
天窓(トップライト)とは?
通常窓といえば、建物の外壁に付いているのが一般的ですが、屋根を一部開口して天井に取り付けることもあります。
この天井につけられた窓を「天窓(トップライト)」と呼んでいます。
天窓は外壁に設置された窓よりも太陽光が奥まで届くため、建物の壁面に3倍の採光効果があると言われています。
太陽光には私たちの体内リズムを整えたり、病気の予防になるとされており、天窓を取り付けることで、建物の意匠性向上だけでなく健康面にも良い効果が期待できます。
天窓から雨漏りが発生する原因
【原因1】ゴムパッキンの劣化
天窓から雨漏りする原因で最も多いのは、ゴムパッキンの経年劣化です。
天窓のガラスと枠はゴムパッキンで隙間が埋められており、最新の商品は外に露出しない工夫が施されていますが、一昔前のものは雨風にさらされてしまいます。
そのため、10年程度経過すると、雨風にさらされ続けたことに起因して、ひび割れや収縮が発生します。
このわずかな隙間から雨水が浸入し、サッシ枠を伝って室内に入ってしまうのです。
【原因2】異物の詰まり
天窓を設置する際には、防水紙や、水切りなど室内に水が入り込まない工夫がされています。
ですが、窓周辺に落ち葉やゴミが溜まることで、雨水の流れ方が通常とは異なる場合も発生します。
一時的であれば、防水シートなどで防ぐことが出来るのですが、長く続くことでじわじわと雨水が染み込んできます。
そして、最終的には室内に影響を及ぼしてしまう状態になります。
時間をかけて侵入した雨水の被害は大きくなってしまうことがあり、根本解決するためには大きな工事を要する場合もあります。
【原因3】防水シートの劣化
室内に雨水が浸入しないように、天窓周辺には防水シートが施工されています。
直接雨風にさらされることはなくとも、破れたり穴が空いたりすることもあります。
防水シートの寿命はおおよそ10年と言われており、20年すぎると、上記のような劣化が起こる可能性が高くなります。
防水シートの交換は屋根材を一部剥がすなど、簡単な工事ではないため、劣化する前に対処することが良いでしょう。
【原因4】施工不良
天窓は屋根に開口して設置するため、きちんと施工されていない場合、雨漏りの原因になります。
特に新築時に設置したものでなく、リフォームで設置されたものは施工不良の可能性が高くなる傾向にあります。
リフォームは設置予定のなかった箇所に後から設置するため、部分的な加工と補修が必要です。
きちんと施工するためには確かな技術が必要な工事ですので、信用のできる業者を選ぶことも重要です。
実は雨漏りではなく結露の場合も
天窓から水が落ちてきたからといって、必ずしも雨漏りとは限りません。
室内と室外の気温差によって生じる、結露が原因の場合もあります。
結露も雨漏り同様、建物に悪影響を及ぼす原因ではありますが、雨漏りよりも簡易的な方法で対処できる場合が多いです。
天窓から水が漏れる原因はいくつもあり、判断が難しい場合もあるため、専門家による調査をおすすめします。
天窓における雨漏りの修理方法
ここでは、天窓における雨漏りの修理方法を6つ紹介します。
なお、天窓の位置や建物の立地条件によっては、仮設足場が必要な場合もあるため注意しましょう。
【方法1】天窓周りの掃除
最も簡単な対処法としては、天窓周りの清掃が挙げられます。
異物の詰まりなどが原因で雨漏りしている場合は、この方法で改善することがあります。
ですが、既に室内に雨漏れとしての症状が出ているときは、目に見えない場所で雨水による不具合が起きていることが多く見られます。
清掃により症状が悪化することや、未然に防ぐことはできますが、根本的な解決にはならないため、早めに専門家に相談することをおすすめします。
【方法2】ゴムパッキンの交換
天窓からの雨漏り原因の多くはゴムパッキンやシーリングの劣化であるため、この方法で多くの事象が解決する可能性が高いです。
ゴムパッキンの交換において、シーリングの打ち直しは古い部分を取り除き、新しい物を詰め直す作業を行います。
屋根での作業は危険が伴うことと、シーリングは完全に乾くまで1日程度かかりますので、晴れた日に行うことが良いでしょう。
また、この方法で雨漏りは止まっても下地まで傷んでいる場合は解決にはなりません。
その後は、業者と解決方法を相談しましょう。
【方法3】防水シートの交換
防水シートの劣化であれば、交換することで改善することがあります。
ですが、表から防水シートを確認することはできないため、劣化しているかは屋根材を撤去してみないと分かりません。
屋根材の一部を剥がすということは、天窓周りだけ異なる屋根材になることがあります。
また、屋根を葺き替えたばかりであれば、新しい屋根材を剥がすことになります。
将来的に天窓本体を交換する可能性がある場合は、防水シートではなく、本体交換を検討した方が良いかもしれません。
【方法4】天窓の交換
古い天窓や既に天窓業界から撤退しているメーカーの天窓は、雨漏りしてもアフターメンテナンスができず、適切な補修ができない可能性があります。
その場合は、天窓を交換することも考えましょう。
天窓の交換では、周囲の屋根材を部分的に剥がし、新しい天窓に合わせて開口を調整します。
小さな工事ではありませんが、最新の天窓は雨漏りを起こしにくい工夫がされています。
交換することで、天窓からの雨漏りを起こす可能性は低くなるでしょう。
【方法5】天窓のガラス交換
天窓のガラス交換は、枠を外さなければ出来ないものと、外さなくても出来るものがあります。
なお、枠を外さなければならない場合は天窓の交換と同じ工程になるため、交換も視野に入れて検討するのがおすすめです。
ガラスを交換することで、わずかなひび割れからの雨漏りが原因であれば対応できますし、二重ガラスにすれば結露防止も期待できるでしょう。
【方法6】天窓の撤去・天窓をふさぐ
天窓は太陽光を届きやすくするなど、さまざまなメリットがあります。
ですが、屋根に穴を空けて施工するため、どうしても雨漏りの可能性が高くなってしまうことも事実です。
メリットよりもデメリットを感じることが多い場合は、撤去して天窓をふさぐことも手段のひとつです。
天窓をふさいだ場所に同じ屋根材を施工しても、外にさらされていた屋根材とは色が異なって見えますが、時間がたてば徐々になじんできます。
しかし、どうしても気になる場合は、屋根の部分塗装などを検討しましょう。
【金額別】天窓の雨漏り修理費用
修理内容 | 費用の目安 |
---|---|
周りの清掃 | 20,000~35,000円 |
ゴムパッキンの交換 | 20,000~40,000円 |
ガラス交換 | 60,000~300,000円 |
防水シートの交換 | 130,000~250,000円 |
天窓撤去 | 200,000~400,000円 |
本体交換 | 400,000~600,000円 |
屋根上での工事のため、簡易的な工事以外には新しい商品を荷揚げするための仮設足場が必要です。
そのため、工事の費用が想像以上に高額になる傾向にあります。
【雨漏り修理1】10万円未満
修理内容 | 費用の目安 |
---|---|
周りの清掃 | 20,000~35,000円 |
ゴムパッキンの交換 | 20,000~40,000円 |
10万円未満で出来る修理は、仮設足場を必要とせず、製品代もあまりかからないため、費用の大半を人件費が占めています。
時間も数時間程度で終わるため、行いやすいのも特徴です。
【雨漏り修理2】10~50万円未満
修理内容 | 費用の目安 |
---|---|
ガラス交換 | 60,000~300,000円 |
防水シートの交換 | 130,000~250,000円 |
天窓撤去 | 200,000~400,000円 |
10万円以上の工事には、仮設足場を必要とする工事が多いため、かかる費用も高くなります。
また、工事範囲も天窓だけでなく、周辺の屋根材まで及ぶことが多く、一部屋根材を張り替える必要があります。
採用する屋根材によっても金額が異なりますので、費用にも幅が生まれています。
【雨漏り修理3】50万円以上
修理内容 | 費用の目安 |
---|---|
本体交換 | 400,000~600,000円 |
天窓の交換では、仮設足場や周辺の屋根材の部分交換が必要となり、工事範囲が広範囲に及ぶため50万円以上の費用がかかります。
天窓の雨漏り修理のなかでも最も高額な内容ではありますが、古い天窓を最新の物に変えることで、ゴムパッキンが劣化しにくくなるなどのメリットがあります。
天窓を長く楽しみたい場合は、劣化しにくい最新商品に交換することで、長い目で見た場合のメンテナンス費用は安く済む可能性があります。
天窓の雨漏り修理はDIYでできる?
DIYを行うことで、費用を抑えることができ、工事も自身のタイミングで行えるなどメリットも多くあります。
ですが、天窓の作業は基本高所での作業となるため危険が伴います。
雨漏りしてしまった際、一時的に水を止めるための作業程度であれば行えるかもしれませんが、DIYで行うことは補修までにとどめることが良いでしょう。
天窓は専門業者でも施工不良を起こすことがある程、難易度の高い工事です。
DIYを行ったことで状況が悪化し、余計な費用がかかることにもなりかねません。
天窓に関する工事は専門の業者に任せることがおすすめです。
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天窓からの雨漏りを予防するための定期的なメンテナンス方法
天窓からの雨漏りを予防するためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
しかし、天窓のメンテナンスはすべてDIYでできるわけではありません。
ここでは、自分でできるメンテナンスと業者に依頼すべきメンテナンスに分けて解説します。
自分でできるメンテナンス
天窓からの雨漏りを予防するために、自分でできるメンテナンスは以下のとおりです。
- 窓ガラスの清掃
- 雨樋の清掃
窓ガラスの清掃
窓ガラスの清掃は、研磨剤などの入っていない柔らかい布で水拭きします。
なるべく屋内から作業し、危険がないように注意して行いましょう。
特に、天窓が開閉式の場合は、外に身を乗り出さずに安全な範囲の作業を心がける必要があります。
また、清掃する際にひび割れなどがないか、窓枠のカビなども確認すると不具合の初期段階で対処できることも覚えておきましょう。
雨樋の清掃
雨樋と天窓の雨漏りは関係無いように思われますが、雨樋が詰まってしまうと、雨水が上手く流れずオーバーフローを起こしやすくなります。
オーバーフローした水が天窓から漏れることで、水漏れの原因となるケースがあります。
雨樋に詰まってしまうものは落ち葉だけでなく雪などもありますので、定期的な点検が必要です。
なお、雨樋を清掃する際は安全に注意し、少しでも危険だと感じたら無理せず業者に依頼するようにしましょう。
業者に依頼すべきメンテナンス
天窓のゴムパッキンやシーリングの劣化などは10年程度で起こる可能性が高くなります。
そのため、設置から10年が経過したら、業者やメーカーに点検を依頼することをおすすめします。
メーカーによっては適切なタイミングでメンテナンスすることにより、保証期間が延長される場合もあります。
また、交換部品が製造されているのも10年ほどであるため、部品が廃盤になる前のメンテナンスを心がけしましょう。
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