2024年05月13日更新

監修記事

屋根の漆喰補修の費用はいくら?必要ないケースや補修方法も紹介

屋根の漆喰が劣化し、補修を検討中の方もいるでしょう。
しかし「補修費用がわからない」「本当に補修が必要なのかわからない」とお悩みの方も多いはずです。
この記事では、屋根の漆喰の補修費用や補修すべき理由、工事期間の目安などについて解説します。
補修業者に依頼する際の注意点も解説しているので、補修の参考にしてみてください。

まずは
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屋根の漆喰とはどのようなもの?

屋根の漆喰(しっくい)とは、瓦屋根の固定や防水のために用いられる建材のことです。

石灰石や接着剤成分、繊維質の素材を混ぜたものを漆喰と言い、屋根の次の部位に利用されます。

  • 屋根のてっぺんにある「棟(むね)」の隙間
  • 屋根全体に敷き詰められている「瓦(かわら)」の隙間

日本家屋は古くから瓦屋根を採用しており、スレート屋根やガルバリウム鋼板の屋根が普及するまで、ほとんどの家屋が瓦や棟、漆喰を組み合わせた屋根を採用していました。

屋根の漆喰の役割とは?

ここでは、なぜ屋根に漆喰が利用されているのかわからない方向けに、漆喰の役割を2つに分けて紹介します。

家を守るうえで重要な役割をもつ漆喰について、理解を深めましょう。

【役割1】瓦と瓦の隙間を埋めるコーキング

屋根の漆喰には、瓦と瓦の隙間を埋める「コーキング(継ぎ目の詰め物)」という役割があります。

棟や瓦は、雨風から屋根の主部材(木材)を守るために配置するのが原則です。

しかし、ただ並べるだけだと、瓦と瓦、瓦と棟に大きな隙間ができ、雨風を完全に防げません。

そこで用いられるのが、コーキングとしての役割をもつ漆喰です。

漆喰は瓦や棟の隙間を塞いで雨風の浸入を防ぐことができ、屋根の主構造である垂木(たるき)や野地板(のじいた)まで、雨水を浸透させないように対処できます。

木材にとって水分は腐食といった劣化を早める原因となるため、漆喰で隙間を埋めることで家の寿命を延ばせるのが魅力です。

【役割2】瓦のズレ防止対策

屋根の漆喰には、瓦や棟の隙間を埋めて固定する役割があります。

漆喰は塗布する際に水分と粘り気を持っていますが、乾燥すると固くなるのが特徴です。

また、付着した部分から剥がれにくいといった性質があります。

対して瓦や棟は、屋根の下地に銅線や針金で固定されているだけのため、並べても雨風の影響を受けてガタガタと動いてしまい綺麗に固定できません。

そこで、並べた瓦や棟の隙間に漆喰を塗布すれば、瓦と瓦・瓦と棟が付着して動かなくなります。

また時間が経てば乾燥して、多少の雨風に負けない頑丈な屋根ができあがります。

瓦が綺麗に並んで剝がれないのは漆喰で固定されているおかげと言えるでしょう。

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漆喰の補修が必要ないって本当?必要となる状況は?

「屋根の漆喰は、補修が必要ない」と耳にした経験はないでしょうか。

たしかに屋根の漆喰に定期的なメンテナンスは不要ですが、次のような状況が見られた場合には早めに補修するのがおすすめです。

【表面から見える劣化状況】

  • 塗られた漆喰がぼろぼろになっている
  • 瓦がずれて凹凸ができている
  • 漆喰にひび割れ・亀裂ができている

上記のような症状が見られたら、漆喰が寿命を迎えています。

瓦や棟の付着力が落ちていることはもちろん、瓦がズレてできた隙間やひび割れ、亀裂から雨水が浸透するかもしれません。

もし劣化が進行すると、住宅内部に次のような問題が発生します。

また、次項で説明する「補修を実施すべき理由」より、劣化した漆喰を放置すると、主要構造が劣化した場合、さらに補修費・調査費がかかるかもしれません。

「家の寿命を縮めたくない」「補修費用を増やしたくない」と考えているなら、早めに漆喰を補修しましょう。

屋根の漆喰補修を実施すべき3つの理由

屋根の漆喰に劣化や不具合を見つけたら、なるべく早めに補修業者に依頼しましょう。

なかには補修せずに放置しようと考える方もいますが、放置時間が長いほど、自宅でさまざまな問題が起きやすくなります。

具体的なリスクをイメージしていただくために、補修が必要な理由を3つまとめました。

【理由1】屋根材の劣化が進みやすくなる

屋根の漆喰を劣化した状態のまま放置すると、さらに劣化が進み、次の問題を引き起こすおそれがあります。

  • 劣化した漆喰の隙間から雨水が入り込む
  • 漆喰がボロボロと剥がれて瓦の並びが悪くなる

雨風の浸入から木材を守るために設置した漆喰の効果が薄まり、屋根材を傷める要因になるのが特徴です。

最初は小さなひび割れかもしれませんが、次第に亀裂が大きくなり、最終的には漆喰がボロボロと剥がれてなくなります。

漆喰がなくなると瓦が剥がれやすくなるほか、雨水がダイレクトに屋根材を攻撃してしまうので「ひび割れができている」「瓦の表面に漆喰のかけらが散らばっている」という場合には、すぐ補修業者に相談してください。

【理由2】雨漏りの原因になる

劣化した屋根の漆喰を放置すると、隙間から雨風が入り込んで屋根材に水が浸透し、雨漏りが引き起されるとご存じでしょうか。

まず浸入した雨水が天井裏に水たまりをつくり、少しずつ屋根裏の素材が浸水していきます。

また時間が経つと天井の色が薄黒く変色し、ぽつぽつとカビができ、水滴が落ちてくるなど、部屋の内部まで雨水の影響が及ぶでしょう。

さらには、屋根裏の配線に雨水がかかり、漏電やショートを引き起こしたり、木材を腐らせて住宅の寿命を短くしたりと、生活を不便にするのが雨漏りのリスクです。

雨漏りが発生すると、屋根材だけでなく壁紙の交換や、腐った木材の補修など、さまざまな場所に補修費用がかかるかもしれません。

【理由3】害虫・害獣が侵入しやすくなる

屋根の漆喰が劣化して隙間ができると、その隙間から害虫や害獣が入り込むおそれがあります。

屋根裏は風通しが少なく温かい空間ですので、害虫・害獣にとっては楽園のようなものです。

大量に繁殖して家の中に入り込んでくる場合があるほか、天井裏からドタバタと大きな音が聞こえるようになるかもしれません。

さらには天井裏の配線を壊して停電を起こすおそれもあります。

また蜂の侵入や動物のフンなどにも気をつけなければなりません。

に刺されるリスクが増すのはもちろん、動物のフンが腐り、建物内にばい菌や細菌が発生するおそれもあるでしょう。

健康被害につながる問題が起きやすくなることも含め、漆喰の劣化は早めに解消することをおすすめします。

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屋根漆喰の補修費用【補修方法別】

屋根漆喰の補修方法は、大きく分けて次の2種類があります。

  • 漆喰の詰め直し
  • 棟瓦の取り直し

具体的な補修費用が気になる方向けに、補修方法別の費用相場を整理しました。

補修の概要や補修単価、計算方法もまとめているので、屋根の規模に当てはめて計算してみてください。

なお下記費用は、工事単体にかかる費用だけを紹介しています。

建物の規模や状況によって、別途、諸経費や仮設足場などの費用がかかることに気を付けてください。

【補修方法1】漆喰の詰め直し

漆喰の詰め直しは、瓦と瓦の間に塗布した漆喰を取り除き、新しい漆喰を詰め直す補修工事です。

漆喰の劣化が比較的小さく、棟が影響を受けていない場合に有効な補修方法です。

漆喰の詰め直しの費用単価は、5,000円/mが相場です。参考として、補修範囲ごとの費用イメージをまとめました。

補修範囲費用相場
10m5万円
30m15万円
50m25万円
100m50万円

一般的な規模の戸建て住宅の漆喰を補修する場合には、約50〜55m程度の詰め直しが必要だと言われています。

また漆喰の劣化が少ない場合には、部分的な詰め直しで済み、想定よりも費用が安くなるかもしれません。

【補修方法2】棟瓦の取り直し

棟瓦の取り直しは、屋根のてっぺんにある棟瓦のズレ・漆喰の詰め直しをまとめて実施する補修工事です。

一般的に、前述した漆喰の詰め直し工事より劣化が進んでいる場合に利用し、屋根全体の劣化が進んでいる場合には、瓦のズレ・漆喰の詰め直しを実施するケースもあります。

棟瓦の撮り直しの費用単価は、10,000円/mが相場です。

参考として、補修範囲ごとの費用イメージをまとめました。

補修範囲費用相場
10m10万円
30m30万円
50m50万円
100m100万円

また前述した漆喰の詰め直し工事と同様に、一般的な規模の戸建て住宅の漆喰を補修する場合には、約50〜55m程度の取り直し工事が必要だと言われています。

ただし、屋根全体の劣化が進行している場合には、費用が高額になりやすいことに注意しましょう。

上記の金額はあくまで費用相場です。

紹介した相場よりもあまりに高額・低額な見積もりを出された場合には、きちんとした職人ではないか、手抜き工事をされるかもしれません。

もし優良な補修業者を見つけたいのなら、見積もりを比較することが重要です。

「相場にもとづく費用なのか」「実績の多い業者なのか」といったポイントをチェックしつつ、補修業者を探してみてください。

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屋根漆喰の補修工事の工程・工事期間

屋根の漆喰補修を行う際には、あらかじめ工事の工程や期間を把握し、スケジュールを立てることが重要です。

自身の休みの日に合わせて施工してもらえるか気になっている方は、各工程にかかる期間もチェックしましょう。

【工程・期間1】漆喰の詰め直し

漆喰の詰め直し工事の作業工程は、次の通りです。

  1. 既存の漆喰を撤去
  2. 清掃
  3. 新しい漆喰を詰め直す

劣化した漆喰を取り除いて新しく詰め直すというシンプルな作業ですので、施工範囲にもよりますが、おおむね1日で工事が完了します。

ただし、瓦の下に敷かれている葺き土が流出している場合や、瓦の位置がズレている場合には補修期間が延長する可能性もあるので注意しましょう。

【工程・期間2】棟瓦の取り直し

棟瓦の取り直し工事の作業工程は、次の通りです。

  1. 既存の棟瓦および下地材を除去
  2. 既存の漆喰を撤去
  3. 清掃
  4. 新しい漆喰・下地材を設置
  5. 棟瓦を設置

棟瓦の除去から始まるため、前述した「漆喰の詰め直し」よりも時間はかかりますが、こちらの作業もおおむね1日で工事が完了します。

また、補修工事を実施する際には、棟部分に固定金具を埋め込んで耐震性を向上させることも可能です。

その場合は、工事期間が延長になる可能性が高いことに注意しましょう。

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屋根の漆喰補修を依頼する際の注意点

屋根の漆喰補修を依頼する際には、3つのポイントに注意しなければなりません。

初めて漆喰補修を依頼するのなら、あらかじめ注意点を理解したうえで補修業者を探すのがポイントです。

【注意点1】実績のある業者に依頼する

補修業者を探す際には、事前に公式サイトにアクセスして実績をチェックしましょう。ここでチェックすべきなのは、次の情報です。

  • 自身が依頼したい補修と同じ実績があるのか
  • 実績数

補修業者によって得意・不得意が違うため、事前確認をせずに依頼すると後から「補修が雑だった」「すぐに雨漏りした」といったトラブルが起きるかもしれません。

安心して任せられる補修業者を見つけるためにも、あらかじめ実績ページを確認する癖をつけましょう。

【注意点2】DIYは危険なので専門業者に相談する

なかには「自分で補修できるんじゃないか」と考え、DIYで漆喰補修をやろうとする人もいるでしょう。

しかし、DIYで屋根の漆喰補修をするのは危険です。ケガや転倒、落下の危険があるので業者に依頼しましょう。

例えば、屋根の漆喰補修では、屋根に梯子をかけて高所で作業します。

このとき、瓦はツルツルと滑りやすく傾斜や段差があるため転倒し、最悪の場合、屋根から落ちて大ケガをするおそれがあります。

場合によってはケガでは済まないケースもあるため、漆喰補修は専門業者に依頼してください。

【注意点3】見積もりの比較検討する

補修業者を選ぶ際には、少なくとも3社をピックアップして見積もりを比較しましょう。

なかには、1社だけから見積もりを取得し、そのまま依頼する人もいるでしょう。

しかし、1社だけの見積もりで決めると、次のことがわかりません。

  • 見積もり相場より高いのか・安いのか
  • より良いサービスを提供する補修業者があるか

工事完了後に「もっと安い業者があった」「別の業者のほうが高品質だった」と気づくこともあります。

補修費用・品質に後悔したくないのなら、時間はかかりますが複数の見積もりを比較するのがおすすめです。

ただ、見積もりの比較が面倒だと感じている方も多いでしょう。

そんな方のためにハピすむでは、無料かつ手軽に比較できるサービスを提供しているのでぜひ活用してください。

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屋根の漆喰の寿命はどれくらい?

屋根の漆喰を補修する前に、そもそもどれくらい経つと漆喰が劣化するのか気になっている方もいるでしょう。

一般的に、屋根の漆喰の寿命は15~20年です。

つまり、長く住み続ける際には、必ず漆喰の補修が必要となります。

また、15~20年の寿命はあくまで目安です。

雨が多い地域や温度・湿度の変化が激しい地域の場合には、劣化サイクルが早まるかもしれません。

なかには10年程度で漆喰にひび割れができるケースもあるので、安全のためにも5年に1度は漆喰の状況をチェックしてください。

早く損傷に気がつければ、その分だけ補修費用を抑えられるほか、建物の寿命も延ばせるでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】久田麻里子

2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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