2024年09月19日更新

監修記事

軒天の修理や張り替えにかかる費用を解説!足場なしでも工事できる?

軒天のシミやはがれを放置すると、雨漏りの被害が深刻になることもあります。しかし「軒天は、屋根のようにすぐ修理すべき箇所ではない」と軒天の修理をあとまわしにしている人も多いはず。
そこで、この記事では軒天修理や張り替えにかかる費用を解説します。軒天の修理・張り替えでどれほど費用がかかるか学んで「台風がきても大丈夫」という安心感を手に入れましょう。

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軒天の修理にかかる費用

軒天の修理にかかる費用は、最低でも1,000円〜が目安です。

軒天修理の内容費用相場
(1平方メートルあたり)
軒天の塗装1,000〜2,000円
軒天の張り替え8,000〜12,000円
軒天の重ね張り6,000〜8,000円
コーキング補修1,000〜1,500円
足場設置や産廃処理費は別途必要

上記の費用には、足場を設置する費用や産廃処理費などは含まれていません。

それらの費用が別で必要な点に注意しましょう。

ここでは軒天の修理内容ごとに費用相場を学んで、自宅の軒天においてどれほど修理費用が必要か確かめておきましょう。

【パターン1】軒天の塗装

軒天の修理において、軒天の塗装をおこなう場合にかかる費用は1平方メートルあたり1,000円〜が目安です。

軒天の表面を保護している塗膜は、10〜15年ほどで劣化する傾向にあります。

軒天の塗膜が劣化すると、軒天が水分を含むなどして劣化し、軒天の欠落などが起きてしまうかもしれません。

  • 水をはじく効果の低下でコケが発生する
  • 雨水によってシミができる
  • 気温の変化で割れてしまう

このような軒天の劣化が起きないように、設置から10年を目安に、軒天の塗装をおこないましょう。

屋根や外壁の塗装とセットがおすすめ

軒天の塗装で足場を設置するなら、屋根や外壁の塗装をセットでおこなうと、足場設置にかかる費用を節約できます。

>>屋根塗装の費用はこちら

【パターン2】軒天の張り替え

軒天の張り替えをする場合にかかる費用は、最低でも8,000円〜が目安です。

軒天の種類費用相場
(平方メートルあたり)
ベニヤ板8,000〜12,000円
ケイカル板
(ケイ酸カルシウム板)
8,000〜10,000円
石こうボード
(スラグ石こう板)
8,000〜10,000円
ガルバリウム鋼板10,000〜12,000円

従来は、ベニヤ板がもっとも安価な軒天でした。

しかし、木材の高騰により、昨今ではベニヤ板の価格が高い傾向にあります。

そのため、不燃材料であるケイカル板や石こうボードを採用したほうが、軒天の張り替えにかかる費用を安く抑えられるでしょう。

【パターン3】軒天の重ね張り

軒天の修理で、軒天の重ね張りをおこなう場合にかかる費用は1平方メートルあたり6,000〜8,000円が目安です。

軒天の重ね張りは、軒天を支える下地の強度に問題がないなど、さまざまな条件をクリアした場合にのみ可能な修理方法です。

  • 重ね張りしても軒天の重量を支えられる
  • 既存の軒天における劣化が軽症である
  • 雨漏りが原因の劣化ではない

もし軒天の重ね張りをするなら、これらの項目を専門業者に確かめてもらいましょう。

軒天の重ね張りが適さない場合もある

軒天の下地が、重ね張りした軒天を支えられない状況であるなど、軒天の重ね張りが適さない場合もあります。

無理に軒天を重ねると、下地が軒天の重みに耐えられず、軒天が落下してしまうおそれもある点に注意しましょう。

【パターン4】コーキング補修

軒天の修理で、コーキングの補修にかかる費用は1平方メートルあたり1,000円〜が目安です。

軒天のコーキング補修は、軒天同士のあいだにできる隙間や、軒天のひび割れを埋める場合に採用されます。

軒天に隙間やひび割れがあると、その箇所から雨水が入り込み、雨漏りを起こしてしまうかもしれません。

また、軒天が雨水でぬれて、軒天のはがれや腐食が起きるおそれもあります。

このような軒天のトラブルを回避するために、軒天の隙間やひび割れをコーキングで補修しましょう。

軒天修理が必要な症状

軒天の修理が必要なのは、破損やはがれなどの症状が起きたタイミングです。

ここでは軒天の修理が必要な症状を学んで、自宅の軒天で修理が必要であるかを検討しましょう。

【症状1】変色

軒天の表面を保護している塗装が劣化すると、軒天が変色する場合もあります。

すぐに軒天のはがれなどにつながる可能性は低いものの、軒天本体が劣化しやすい状態にあるため、軒天の塗装による修理が必要です。

軒天の塗装をおこない、軒天本体を雨や風によるダメージから守りましょう。

【症状2】はがれ

軒天が劣化などによってはがれている場合、風にあおられて飛散してしまうおそれがあるため、軒天の張り替えや部分補修が必要です。

とくに薄く軽量なベニヤ板を軒天に使っているなら、はがれの進行によりベニヤ板が垂れ下がってしまうかもしれません。

そのような状態になると、強風で軒天が飛ばされ、外壁や窓ガラスを傷つけてしまう場合もあります。

軒天以外の修理でも費用が発生してしまわないように、軒天がはがれた時点で修理を検討しましょう。

【症状3】穴あき・破損

屋根やベランダからの雨漏りで軒天がぬれると、軒天で穴あきや破損が発生する場合もあります。

軒天の穴あき・破損は、小動物の侵入や雨漏りの原因になるため、軒天の修理が必要です。

小動物が天井裏で繁殖するなど、建物のトラブルが発生する前に、軒天の張り替えなどで修理をおこないましょう。

【症状4】シミ

雨樋の破損や屋根・ベランダからの雨漏りなどによって、軒天にシミが発生する場合もあります。

軒天にシミができた原因を調査し、軒天と軒天のシミをつくった原因箇所について修理しましょう。

もし軒天のぬれた状態が続いているなら、軒天の腐食によりはがれ・破損が起きてしまうかもしれません。

そのように軒天が欠落すると、軒裏からの雨漏りが発生するおそれもあるため、新しい軒天への張り替えをしておくことが大切です。

【症状5】カビ・コケ

軒天にカビやコケが発生している場合、雨漏りや塗装の劣化によって軒天のぬれている状態が続いているのかもしれません。

カビやコケは、水分が多く、湿度が高い場所に繁殖します。

そのため、カビやコケが発生するということは、軒天で何らかのトラブルが起き、水分量の多い状態が続いていることを示しています。

軒天や屋根まわりで雨漏りや劣化が起きていないか確かめ、必要な軒天における修理をおこないましょう。

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軒天の劣化を放置するリスク

シミやはがれなどの軒天における劣化を放置していると、雨漏りが発生するなどのリスクもあります。

ここでは軒天の劣化を放置するリスクについて学んで、修繕が必要な建物におけるトラブルの発生を回避しましょう。

【トラブル1】強風で軒天が飛ばされる

軒天にはがれ・破損などがあると、強風で軒天があおられて、軒天が飛ばされてしまうかもしれません。

軒天が飛ばされた場合、軒裏の木材などが露出するため、木材が腐るなどのトラブルを起こすおそれもあります。

  • 軒裏の木材が腐食する
  • 屋根から流れてきた雨水で雨漏りを起こす
  • 屋根材の劣化をはやめる

このようなトラブルを回避するために、軒天にはがれなどの症状が発生した時点で修理を検討しましょう。

【トラブル2】小動物が建物に入る

軒天に欠損した箇所があると、ネズミなどの小動物が建物に入ってしまうかもしれません。

動物の種類想定される被害
ネズミ・配管をかじって破損させる
・悪臭がただよう
コウモリ・フンにより細菌が繁殖する
・細菌を人が吸い込むことによる健康被害
ハクビシン・天井が糞尿によって腐食する
・悪臭がただよう

小動物が天井裏などに侵入すると、配管・配線をかじられて漏水や漏電が起きたり、悪臭の発生などの被害が出るおそれもあります。

なかには火災や健康被害が起きてしまう場合もあるため、小動物が侵入するような軒天の破損箇所は早めに修理しましょう。

>>天井裏に住み着く動物の種類はこちら

【トラブル3】雨漏りが発生する

屋根からの雨水が軒天につたって、軒天の破損している箇所から雨水が入り込み、建物で雨漏りが起きてしまうかもしれません。

軒天は、軒裏における雨水の浸入を防ぐ役割もあります。

軒裏まで雨水がつたって雨漏りを起こし、木材の腐食などが発生する前に、軒天の破損箇所を修理しておきましょう。

軒天の修理は自分でもできる?

軒天の修理は自分でも可能ですが、転落などの危険があるため専門業者に依頼することをおすすめします。

また、軒天を正しく設置できていないと、強風時に軒天が飛散するなどのトラブルを起こす場合もあります。

軒天が飛散した際に、建物の窓ガラスが割れるなど、二次被害が出てしまうかもしれません。

このような転落などの事故や強風時の二次被害を回避するために、軒天の修理は専門知識がある業者に依頼しましょう。

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軒天の修理で火災保険は使える?

「自然災害」によって軒天の修理が必要になった場合、火災保険が使える場合もあります。

  • 強風や竜巻で軒天が飛ばされた
  • 飛来物によって軒天が割れた

このように強風などの被害を受けて、軒天が飛散・破損した場合は、火災保険が適用となるかもしれません。

加入している火災保険の内容を、保険証券などで確かめて、申請手続きをおこないましょう。

火災保険が適用とならない場合もある

加入している火災保険の内容や、自然災害の程度などによっては、火災保険が適用とならない場合もあります。

軒天を修理する前に、火災保険が使えるかを保険会社に確かめておきましょう。

>>屋根工事における火災保険の適用条件はこちら

軒天の修理における施工事例

工期1日間
建物タイプ一戸建て
施工箇所バルコニーの軒天

軒天の腐食が発生したため、お客さまより点検のご依頼をいただきました。

軒天の調査をした結果、軒天の腐食が発生した原因は、ベランダからの雨漏りと判明。軒天における交換工事のほか、ベランダの防水工事もあわせておこないました。

軒天の腐食を起こした原因が雨漏りである場合、軒天の交換だけでなく、雨漏り箇所の修繕工事もあわせておこないましょう。

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修理で使う軒天の種類

軒天の修理で使われる板には、石こうボードやケイカル板などの種類があります。

ここでは軒天における種類ごとの特徴を学んで、どの種類が自宅の軒天に適しているか検討しましょう。

【種類1】ベニヤ板

ベニヤ板とは、丸太を薄くカットして作った薄い板のことをいいます。

ベニヤ板は木材であるため加工がしやすいほか、軽量で設置がしやすいなどの特徴もあります。

メリット・価格が安い
・加工しやすい
デメリット・燃えやすく防火性が低い
・耐久性が低い

しかし、耐久性の高いガルバリウム鋼板などを採用するケースが増え、近年ではベニヤ板を軒天に採用するケースは少なくなりました。

【種類2】ケイカル板

ケイカル板とは、ケイ酸カルシウム板とも呼ばれる、石灰とケイ石などでつくられている薄い板のことをいいます。

ケイカル板は、ベニヤ板と同程度の価格帯であるものの、防火性・耐水性の高さが魅力です。

メリット・価格が安い
・燃えにくく防火性が高い
・耐水性が高い
デメリット衝撃で割れやすい

ただしケイカル板を軒天として設置する際、衝撃を加えると割れてしまうおそれがあるため、丁寧に作業しなければいけません。

【種類3】石こうボード

石こうボードとは、石こうを主成分としてつくられている薄い板のことをいいます。

メリット・燃えにくく防火性が高い
・加工しやすい
デメリット・耐水性が低い
・衝撃に弱い

無機質の石こうでできている石こうボードは、燃えにくい素材であるため、火事による被害を軽減できるのも魅力です。

【種類4】ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛の合金でつくられた鋼板のことをいいます。

メリット・耐久性が高い
・燃えにくく防火性が高い
・加工しやすい
デメリット価格が高い

ガルバリウム鋼板は屋根や外壁にも使われる板であるため、耐久性が高く、耐用年数が長いのも魅力です。

ただし金属製であるガルバリウム鋼板は、建物における外観の印象を変えてしまうおそれもあります。

もし軒天にガルバリウム鋼板を採用するなら、あらかじめ屋根や外壁とのバランスを検討してみましょう。

軒天の修理はどこに頼むべき?

軒天の修理は、屋根工事の専門業者に依頼するのがおすすめです。

屋根の葺き替えなどを専門でおこなっている業者なら、屋根や建物の構造も熟知しています。

そのため、軒天の修理をした後に、軒天のはがれが起きるなどのトラブルを回避できるでしょう。

業者を選ぶ際にチェックすべきポイント
  • 建築士などの専門資格をもっているか
  • 屋根工事の実績は豊富か
  • 見積書の項目がくわしく記載されているか
  • 丁寧に対応してくれるか
  • 保証やアフターサービスが充実しているか

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軒天は足場なしでも修理できる?

軒天の修理をおこなうなら、基本的に足場が必要です。

厚生労働省が定める労働安全衛生規則において「高さが2メートル以上の箇所は足場を設置して作業する」と定められています。

労働安全衛生規則第518条

事業者は、高さが2メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。

引用元:労働安全衛生規則(厚生労働省)

地上から高さ2メートル以上の場所にあるのが一般的である軒天は、修理作業の際に足場を設置しなければ危険がともないます。

転落などの事故を防止するために、足場を設置した上で、軒天の修理をおこないましょう。

【Q&A】軒天の修理に関するよくある質問

軒天修理で雨漏りは直せる?

一般的に、軒天修理で雨漏りを解消できません。

建物の雨漏りによって軒天にシミやはがれがある場合、雨漏りの原因は屋根や外壁の劣化などである場合が多い傾向にあります。

そのため、建物の雨漏りを直すには、屋根や外壁などの修理が必要です。

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軒天の有孔板はなぜ必要なの?

屋根における軒天の有孔板は、屋根裏の結露を防ぐために必要です。

「有孔板」とは、軒天に使う板のうち、等間隔で穴があいたもののことをいいます。

屋根裏にたまる湿気を排出する役割があり、穴があいていない軒天と組み合わせて使うことで、屋根裏における空気の流れをつくり出せます。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】ディバルコンサルタント株式会社 代表 明堂浩治

ディバルコンサルタント株式会社

明堂浩治

芝浦工業大学工学部建築工学科を卒業。大手建設会社で20年勤務した後、独立しコンサルタント業を始める。

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