目次
シロアリ被害の見分け方

シロアリ被害は木材の内部から発生することが多いため、見た目での判断が難しいです。
以下のような状況であった場合、シロアリ被害の可能性があります。
- 床を踏むときにギシギシと音がしたり、へこみが気になる
- ドアの開閉がスムーズでなくなる
- 壁や柱を軽くたたくと、空洞のような音が響く
- 床下や外壁にアリが通った跡(蟻道)が見つかる
- 床に木くずが落ちているのを発見する
では、代表的なシロアリ被害の特徴について解説します。
サイン1 床がきしむ・沈む
シロアリ被害が進行している家では、床がきしむ音や踏み込んだときに沈む感覚を感じることがあります。
これはシロアリが木材の内部を食害することで、木材の強度が低下するためです。
普段よりも足元が不安定に感じる場合や、歩くたびに床が音を立てる場合は床下点検を検討しましょう。
被害が拡大する前の早期発見が重要です!
サイン2 カタカタと音がする
室内で不自然なカタカタという音が聞こえる場合、シロアリの被害の可能性があります。
シロアリが木材をかじるときや、シロアリ同士がコミュニケーションをとるために体を使って木材を叩くときに、カタカタと音が聞こえることがります。
音が聞こえる場合は、音の発生源を特定し、周辺の木材を注意深く確認してみましょう。
木材がスカスカになっていたり、軽く叩いたときに中空の音がする場合、内部でシロアリが活動している疑いがあります。
シロアリ駆除の費用相場

シロアリ駆除の費用相場は1坪あたり約3,800〜10,000円程です。
施工面積(坪) | 費用相場 |
20坪 | 7.6万〜20万円 |
30坪 | 11.4万〜30万円 |
40坪 | 15.2万〜40万円 |
50坪 | 19万〜50万円 |
こちらのシロアリ駆除費用はあくまで目安であり、実際の見積もり金額は業者によって異なります。
シロアリ駆除や予防の料金は、基本的に床下の面積によって決まります。
これは、床下の広さに応じて駆除薬剤の使用量や作業に必要な人員が変わるためです。
単価をもとに、以下の計算式でおおよその費用を見積もることができます。
基本料金 = 施工単価 × 床下面積
シロアリ予防の費用相場
シロアリ予防にかかる費用相場は、1坪あたり6.3千~1万円です。
予防方法 | 費用(坪) |
バリア工法 | 6.3千〜8.3千円 |
ベイト工法 | 6.3千〜1万円 |
シロアリ予防費用は薬剤の種類や施工内容により変化します。
シロアリ予防の工法は複数あり、被害状況によって使い分けます。詳しくはこちらの記事でご紹介します。
予防方法 | 効果 |
バリア工法 | 木材に薬剤を塗ることでシロアリの侵入を防ぐ。 |
ベイト工法 | 家の周囲に毒餌を設置し、シロアリの巣ごと根絶する。 |
どんな要素でシロアリ駆除費用は増減しますか?
主な要素としては、以下の4つがあげられます。
- 被害の状況、施工面積
- 駆除方法
- シロアリの種類
- 会社選び
それではそれぞれ見ていきましょう。
1 被害の状況、施工面積
シロアリ被害の広さと状況によって費用は増減します。
シロアリ駆除の費用は建物の広さによって異なります。建物が広くなるほど作業時間が長くなり、使用する薬剤の量も増えるため、費用が高くなりやすいです。
また、被害が広範囲に及ぶほど対応する作業量が増え、施工の難易度も上がるため、費用が高くなります。
たとえば被害が床下から柱を通じて屋根裏にまで達している場合、家全体を対象に施工する必要があり、駆除費用に加えて大掛かりな工事費用が必要になってきます。
2 駆除方法
シロアリの駆除方法には、バリア工法とベイト工法の2種類があり、選択する方法によって費用が変わってきます。
3 シロアリの種類
日本の住宅で発生しやすいシロアリの種類は以下の3種です。
シロアリ種類によって習性や被害の拡大速度が異なるため、シロアリ駆除費用に影響します。
種類 | 特徴 |
ヤマトシロアリ | ・全体的に黒っぽく、やや小さい(羽アリ: 5-7mm) ・兵隊アリの頭部が前後に長く、大顎が鋭くはさみ状 |
イエシロアリ | ・全体的に大きい(羽アリ: 7-8mm) ・兵隊アリの頭部は卵型で扁平、大顎は鋭く弯曲 ・頭部が褐色、胸部と腹部は黄褐色 |
アメリカカンザイシロアリ | ・乾材シロアリの一種・木材の表面から内部に侵入し、乾燥した木材を食害 |
たとえば、ヤマトシロアリとイエシロアリによっても特性や対処法は異なります。
シロアリ駆除はシロアリの種類や状況ごとに適した対処法をとることが大切です。
特徴 | ヤマトシロアリ | イエシロアリ |
---|---|---|
主な被害箇所 | 床下部分 | 建物全体 |
加害スピード | 比較的遅い | 速い |
駆除方法 | 床下中心のバリア工法 | 建物全体の広範囲処理 |
推奨工法 | ・バリア工法 ・ベイト工法 | ・バリア工法 ・ベイト工法 |
4 会社選び
シロアリ駆除は、主に以下の業者に依頼ができます。
- 全国展開の大手企業
- 農協(JA)
- 地域密着型の中小企業
大手企業は信頼性がある分、費用相場も高めです。また、広告費や人件費の分割高になることもあります。
農協は大手と同じような費用で対応可能ですが、委託業者が施工を行うため中間マージンが加算されます。
地域密着型の中小企業は比較的リーズナブルな価格帯である点が特徴です。
シロアリ駆除費用を抑える方法

シロアリ駆除費用を抑える方法としては、以下があげられます。
- 早期発見と対処
- 相見積もりをとる
- 火災保険を利用する
- 確定申告を活用する
早期発見と対処
早期にシロアリ被害を発見できれば、その分駆除費用も抑えられます。
そのためには、床下や湿気の多い場所を定期的にチェックすることが重要です。
とくに羽アリやその羽根が見つかった場合は、すでに巣がある可能性もあるため、早急に駆除業者に連絡することをおすすめします。
相見積もりをとる
1社だけに見積もりを依頼すると、適正価格を知らずに高額な業者を選んでしまうリスクがあります。
同じ金額でも業者によって保証内容や作業内容に違いがあるため、相見積もりをとることで適切な選択ができるようになります。
とくに、以下のポイントは注意深く見ておきましょう。
- 保証期間の長さ
- 保証内容(どのような条件で何を対応してもらえるのか)
- 定期点検の有無やその費用
火災保険を利用する
シロアリ被害は基本的に火災保険の対象外です。その理由は、シロアリ被害が「自然災害」ではなく「生物による被害」とみなされるためです。
ただし、例外的に自然災害が原因でシロアリ被害が発生した場合や、第三者の過失による場合には火災保険が適用できる場合もあります。
具体例としては、地震や台風や大雨による水漏れや雨漏りが原因でシロアリ被害が発生した場合、火災保険が適用されるケースがあります。
被害状況を確認できる写真や資料を用意できれば、スムーズに申請が進むでしょう。
また自然災害で屋根や外壁が損傷し、その修繕中にシロアリ防除が必要になった場合も、その費用を保険金に含められる可能性があります。
確定申告を活用する
シロアリ駆除費用は確定申告をすることで、雑損控除を受けられます。
シロアリ被害は、所得税法施行令第9条で定められた「害虫や害獣などによる異常な災害」に該当し、雑損控除の対象となるのです。
この控除を受けることで課税所得が減少し、結果として税金が軽減されたり、場合によっては払いすぎた税金が還付される可能性もあります。
被害にかかった費用については領収書や証明書をしっかり保管し、必要に応じて税務署に相談しましょう。
自然災害や火災や盗難、横領といった被害を被った際に、それに伴う出費の一部を所得から控除できる制度です。
たとえば地震で家が半壊し、修繕費が発生した場合、その費用の一部が控除の対象となります。
シロアリ駆除業者を選ぶポイント
シロアリ駆除業者を選ぶポイントは以下の5つが重要です。
- 日本しろあり協会に参加している
- 会社の実績が豊富である
- 保証内容が手厚い
- 定期点検がある
- 安すぎる費用には注意する
一つずつ詳細を確認しましょう。
日本しろあり協会に参加している
まず確認すべきポイントは、その業者が「日本しろあり対策協会」に加盟しているかどうかです。
注目すべきは、加盟業者が協会の定めた施工基準を遵守している点です。
この基準に基づいた工事が行われるため、信頼性が高く、安心して依頼ができます。
人体や環境に配慮された薬剤が使用される点も大きなメリットです。
近年では協会に加盟していない業者が独自にシロアリ駆除を行うケースも増えていますが、安心感を重視するなら、加盟業者を選ぶことをおすすめします。
「登録施工業者会員名簿」で簡単に確認できますので、まずはその名簿に掲載されている業者から選ぶようにしましょう。
1959年に設立された公益社団法人で、木造建築物のシロアリ被害や腐朽防止を目的としています。
協会はシロアリ防除に関する講習会を実施し、防除施工士の検定や登録や薬剤の認定などを行っています。
会社の実績が豊富である
業者の評判は工事後の対応も重要なポイントとなるため、施工経験の実績が豊富な会社を選ぶと安心です。
シロアリ駆除の技術は、多様な現場経験を通じて蓄積されるものです。
施工実績が豊富な業者ほど、状況に応じた的確な提案や対応が期待できるため、経験豊富な業者を選択しましょう。
保証内容が手厚い
シロアリ駆除には「施工保証」と「修理保証」の2種類があります。
施工保証があるとシロアリ被害が再発した場合でも、無料で駆除工事を受けられます。ただし保証期間が定められている場合があるため注意が必要です。
修理保証は損害賠償保証のことで、シロアリ被害が再発した際の修理費用を補償するサービスです。
一般的に100万〜1000万円の範囲で保証されます。この保証は駆除の再施工に加え、被害部位の修理費用もカバーします。
シロアリ駆除の保証はいずれも、すべての業者で提供しているわけではないため注意が必要です。
シロアリ駆除の薬品の効果はおおよそ5年です。そのためシロアリ駆除の保証期間も5年で設定している業者が多いです。
定期点検がある
定期点検サービスの実施は、シロアリ被害の再発を予防する上で重要です。年1回程度の定期点検で、新たな被害の早期発見ができるかもしれません。
また建物内部の状態や建物周辺の環境変化なども確認できるため、予防対策の提案にも期待ができます。
安すぎる費用には注意する
非常に安い見積もりを提案する業者には注意が必要です。
適切な作業には、品質の高い職人と専門的な技術が必要になり、費用はある程度必要になります。
シロアリ駆除の依頼後、どのように進行するのか?
【シロアリ駆除までの流れ】
- 現地調査の依頼、現地調査
- 見積もり書の提示
- 契約内容の説明
- 契約締結
- シロアリ駆除・予防作業の実施
シロアリ駆除は施工前の現地調査からはじまり、床下・天井・屋根裏・壁・柱・庭などを点検します。
シロアリの痕跡として蟻道の有無や木材の空洞化を調べ、同時に床下の湿度・カビの発生・水漏れ・木材の腐食状況のチェックが行われる場合もあります。
現地調査でシロアリの存在や被害の程度や、建物内の巣や蟻道の位置を特定した後に駆除方法や費用が決められるため、早期の調査依頼が大切です!
シロアリ駆除の作業時間は建物の規模や被害状況によって異なりますが、数時間から1日程度で行われます。
シロアリ駆除作業中は住人の一時的な退避が推奨されることもありますが、在宅しても問題ない場合もあります。
具体的には、薬剤の使用状況や個々の健康状態に応じて判断することが重要です。
ペットや小さなお子様がいる場合、薬剤の影響を避けるために外出を検討した方がいいかもしれません。
シロアリ駆除で注意すべき点
シロアリ駆除で注意すべき点は以下の通りです。
- 赤ちゃんのいる家ではより安全性の高い薬剤を利用する
- 追加費用が必要なケースもある
- 自分で駆除は行わない
それぞれの詳細を解説します。
赤ちゃんのいる家ではより安全性の高い薬剤を利用する
シロアリ駆除を行う際、とくに赤ちゃんがいる家庭では安全性の高い薬剤の選択が重要です。
多くの薬剤は人体に悪影響を及ぼさないよう配慮されていますが、赤ちゃんやペットは化学物質に対して敏感であるため、安全性の高い薬剤を選ぶ必要があります。
たとえば、天然成分を使用した薬剤や低毒性のものは、体への影響を最小限に抑えられます。
業者選びの際には、使用する薬剤の種類や安全性について十分に説明を受け、納得してから契約することが大切です。
追加費用が必要なケースもある
シロアリ駆除では、見積もり以外の追加費用が発生するケースもあります。
あらかじめ費用が増加する可能性を見越して予算を確保することが大切です。
以下に、追加費用が発生する主なケースをまとめました。
ケース | 追加費用の理由 |
被害が予想以上に拡大していた場合 | 駆除範囲が広がり、施工時間や薬剤量が増加するため |
家屋の構造が複雑な場合 | 特殊な機材や技術が必要になるため |
施工後のアフターケアを追加した場合 | 定期点検や防止対策の費用が加算されるため |
緊急対応を依頼した場合 | 通常よりも早急な対応が必要なため |
事前に業者と十分に話し合い、見積もりに含まれる内容や追加費用の可能性について確認しましょう。
自分で駆除は行わない
シロアリ駆除は専門業者に依頼しましょう。
知識がないまま作業を行うと、効果的な対応が十分に行えない可能性があります。
また、床下のチェックを行うだけでも体をぶつけてしまったり、粉塵を吸い込むリスクがあるため、専門業者への依頼をおすすめします。
シロアリの被害状況や巣の場所を正確に把握するには、専門的な知識や機材が必要です。
コストを抑えたい場合でも信頼できる業者を探し、安全かつ確実な駆除を行うことが重要です。
シロアリ駆除と同時にできる予防法

シロアリ駆除と同時に予防してもらうことで、被害の再発を防げます。その対策方法は以下の通りです。
- 湿気対策工事
- 周辺環境の改善
- 水漏れや雨漏りの修理
- 市販の防除剤や木材防腐剤の散布
湿気対策工事
シロアリは湿気の多い環境を好むため、床下や建物周辺の湿度を下げることが予防につながります。
具体的には、床下換気口の増設や換気扇の設置が効果的です。また防湿シートを敷くことで地面からの湿気を遮断する方法もあります。
これらの対策は、シロアリだけでなくカビの発生も防ぐため、建物全体の健康維持に役立ちます。
床下の湿気対策は、長期的に見れば建物の耐久性の向上にもつながるリフォームです。
>>床下の湿気対策のリフォーム費用はこの記事で紹介!
>>シロアリ対策で床下換気扇を付けるメリットはこの記事で紹介!
周辺環境の改善
シロアリ被害を減らすためには、庭や敷地内に木材や廃材を放置しないことが基本です。これらはシロアリの格好の餌場となり、建物への侵入リスクを高めます。
また、建物の基礎部分に直接土が触れないようにすることも大切です。
たとえば、基礎部分の周りに砂利を敷くことでシロアリの侵入を防げます。
植栽や庭木の根が建物に接触しないよう剪定を行うことも効果的で、このような環境改善は比較的低コストで実施可能なため、日常的な予防策として取り入れると良いでしょう。
水漏れや雨漏りの修理
シロアリが発生しやすい条件のひとつが、水漏れや雨漏りによる湿気です。
屋根や外壁の亀裂、配管の劣化などが原因で建物内に水が入り込むと、湿気が高まりシロアリの繁殖を促します。
それを防ぐためには、定期的な屋根・外壁点検が効果的です。
とくに、雨漏り箇所や水漏れしている配管は放置すると被害が拡大するため、専門業者による迅速な対応が求められます。
市販の防除剤や木材防腐剤の散布
自宅でできるシロアリ予防として、市販の防除剤や木材防腐剤を活用する方法があります。
これらの薬剤を床下や基礎部分、木材の接合部分に散布することで、シロアリの侵入を防ぐ効果が期待できます。
定期的な散布を行うことで、薬剤の効果を持続させられますが、薬剤の使用には適切な手順と安全対策が必要です。
防護マスクや手袋を着用し、換気を十分に行うことを忘れないようにしましょう。
市販の薬剤はプロが使用するものに比べて効果が限定的な場合もあるため、大規模な被害が懸念される場合には専門業者への相談しましょう。
シロアリ駆除のQ&A
- 30坪の木造2階建て戸建てのシロアリ駆除費用はいくら?
-
30坪の木造2階建て住宅のシロアリ駆除費用は、15万円から30万円程度が相場です。
- シロアリ駆除に活用できる補助金はある?
-
自治体によっては、シロアリ駆除や予防対策に補助金を提供している場合があります。
とくに、空き家の活用や古民家再生プロジェクトの一環として、補助金事業が実施されている場合もあります。
- シロアリはどこに生じやすい?
-
シロアリは、湿気の多い環境を好むため、床下や浴室周辺、雨漏りが発生している場所に生じる場合があります。
また、木材が直接地面に接している部分や風通しが悪い箇所も被害を被るリスクが高いでしょう。
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