
トイレ増設の費用相場は40万〜150万円!1階・2階の目安と安く抑えるコツ
既存住宅の建物内にトイレを増設する費用は、40万〜150万円が目安です。既存配管に近い場所では40万〜100万円に収まりやすい一…

マンションでも、管理規約や給排水管などの条件を満たせば、トイレを2つに増設できる場合があります。排水勾配を確保しにくいケースでも、排水圧送ポンプを使える可能性があります。この記事では、増設できるかの確認方法と費用相場を解説します。

朝の混雑解消や将来の介護に備えて「マンションにトイレが2つ欲しい」と考える方もいます。ただし、マンションのトイレ増設には建物の構造や管理規約による制約があり、給排水管の状況によっては工事が難しいこともあります。次の4ステップで、ご自宅に増設できるか確認しましょう。

マンションでトイレを増設できるか判断するには、まず管理規約を確認します。マンションのリフォームは、「専有部分」と「共用部分」の区分によって工事できる範囲が制限されるためです。
トイレを増設する際は、既存の給排水管が通るPS(パイプスペース)への接続が必要です。PSは共用部分にあたるため、配管を自由に変更することはできません。管理組合に増設の可否と工事できる範囲を確認しましょう。管理規約は入居時に受け取った冊子で確認できるほか、管理会社にも問い合わせられます。
増設するトイレの機種を選ぶ前に、ご自宅が「床排水」と「壁排水」のどちらに該当するか確認しましょう。マンションでは一般に壁排水が多いものの、床排水の物件もあります。見分け方は次のとおりです。

ご自宅のトイレの排水方式を確認し、増設工事を依頼するリフォーム業者に伝えることで、適切なトイレの機種選定や正確な見積もりにつながります。また、増設する場所の排水方式も事前に確認しておくと、工事がスムーズに進みます。
トイレを増設するには、まず適切なスペースの確保が必要です。
トイレ設置の適切なスペース
分譲マンションでは、幅80cm×奥行き120cm程度が一般的なトイレ空間の目安です。ただし、必要な広さは便器本体の寸法やドアの開き方、手洗い器の有無によって異なります。便器の前方には立ち座りや身づくろいのための空間も必要なため、採用する機種の施工条件とあわせて確認しましょう。
建築基準法により、トイレには換気扇か窓の設置が義務付けられています。増設予定の場所に換気扇を設置し、既存の換気ダクトへつなげられるかも確認しましょう。建物の平面図では、「PS」と書かれた場所にも注目してください。PS(パイプスペース)は給排水管が通る共用部分であり、原則として壊してトイレを増設することはできません。
マンションの高層階でトイレを増設する場合は、給水方式と水圧の確認が欠かせません。建物の給水方式や高さによって水圧が不足すると、「水の流れが悪い」「洗浄力が弱い」といったトラブルが起こるおそれがあります。特にタンクレストイレは、低水圧では十分な洗浄力を発揮できないことがあります。現地調査の際に水圧を測定してもらい、低い場合は「低水圧対応」の機種を検討しましょう。
水圧が低い場合の選択肢
水圧に不安がある場合は、水を貯めてから流すタンク付きトイレ(組み合わせトイレや一体型トイレ)を選ぶと安心です。

マンションのトイレ増設費用は、既存の排水管からの距離やトイレのグレードによって大きく変わります。ここでは、「安価ですむ場合」と「高額になる場合」の2つに分けて費用相場を解説します。

| 費用項目 | 安価ですむ場合(税込) | 高額になる場合(税込) |
|---|---|---|
| トイレ本体 | 10万〜15万円 | 20万〜40万円 |
| 給排水設備工事 | 10万〜20万円 | 20万〜40万円 |
| 排水圧送ポンプ代 | - | 10万〜19万円(外付けポンプの場合) |
| 内装工事・電気工事 | 15万〜25万円 | 25万〜40万円 |
| 諸経費(養生・廃材処分・運搬など) | 5万〜10万円 | 10万〜20万円 |
| 合計 | 40万〜70万円 | 80万〜160万円 |
※ 圧送ポンプ内蔵トイレを選ぶ場合、便器・ポンプ・便座を含む商品価格は22万〜44万円です。ポンプ代を別に追加する必要はありません。
上記はシミュレーションであり、現場の状況によって追加費用が発生することもあります。正確な金額を知るには、複数の業者から見積もりを取り、内訳を比較しましょう。

設置場所は、工事のしやすさや費用、増設後の利便性を左右します。マンションでは給排水管の配管ルートに制約があるため、既存の水回り設備との距離が重要です。給排水の条件と生活動線の両面から、候補となる3つの場所を紹介します。

既存の水回り設備に近い場所は、配管工事を抑えやすく、トイレの増設場所として有力な候補です。
既存の給排水管が近ければ、配管の延長距離が短くなり、工事費と工期を抑えられます。ただし、近くの収納をトイレへ変更すると収納力が落ちるため、間取り図で生活への影響も確認しましょう。
使用頻度の低いクローゼットや押し入れを転用すれば、居室を狭めずにトイレの設置場所を確保できます。ただし、収納は既存の水回り設備から離れていることも多く、排水勾配を確保できない場合があります。排水圧送ポンプが必要になると費用やメンテナンスの手間も増えるため、配管スペースを含めてリフォーム業者と相談しましょう。
廊下の幅に余裕があれば、一部を壁で仕切ってトイレにする方法もあります。居室や収納を潰さずに済む一方、廊下が狭くなると通路として使いにくくなります。特に有効幅が80cm未満になると、車椅子や介助が必要になった際に生活動線へ支障が出るため、慎重に検討しましょう。
廊下へ設置する際は換気も確認
廊下には窓がないことが多いため、建築基準法に準拠した換気設備が必要です。

管理規約や設置スペースに問題がなくても、汚水を流すための排水勾配を確保できず、増設が難しいと判断されることがあります。
排水勾配とは
排水管の水を自然に流すために設ける傾き
このような場合は、排水圧送ポンプによって増設できる可能性があります。ここでは、その仕組みとメリット、導入前に確認したい注意点を解説します。
排水圧送ポンプは、床下に自然流下式の排水管を通しにくい場所でも設置できる可能性があります。ただし、配管の距離・高さ・曲がり数には製品ごとの上限があります。共用配管への接続方法や騒音・振動対策も含め、管理組合の承認と専門業者の確認が必要です。
排水圧送ポンプはトイレの後ろや横に設置し、内蔵カッターで汚物を粉砕して、ポンプで細い配管へ送り出す設備です。重力に頼らず、水平方向や上方向へ排水できます。主なメリットは次のとおりです。

小口径の排水管を使う製品では、大がかりな床上げ工事を抑えられる可能性があります。実際に採用できるかは、製品の施工条件とマンションの管理規約をもとに専門業者へ確認してください。
排水圧送ポンプは設置場所の選択肢を広げられる一方、導入前に確認したいデメリットがあります。
排水圧送ポンプの中には、汚物を粉砕して送り出す際に大きな作動音や振動が生じる製品があります。寝室の近くに設置する場合や夜間に使う場合は、防音・防振対策を検討しましょう。製品によっては停電時に使用できず、トイレに流せるタイプのお掃除シートでも故障の原因になるため使用できません。修理に日数を要することもあるため、緊急時に別のトイレを使える環境での設置が重要です。交換時期は使用状況や製品によって異なるため、メーカーの点検・修理案内も確認しておきましょう。
トイレが2つあるマンションでは、朝の混雑解消や介護への備えなど、日常生活の利便性が高まります。ここでは、マンションのトイレを増設する主なメリット3つを解説します。
家族の支度時間が重なる朝は、トイレの順番待ちが起こりやすくなります。トイレが2つあれば待ち時間によるストレスが減り、支度もスムーズに進みます。
ご自身の介護や親御さんとの同居に備える場合、寝室の近くにトイレがあると、夜間の移動距離が短くなり転倒リスクを抑えられます。介助が必要になった際は、介助者の身体的・精神的な負担軽減にもつながります。また、家族がインフルエンザやノロウイルスなどに感染したときにトイレを分ければ、家庭内での二次感染リスクを抑える効果も期待できます。
トイレを2つに増設して来客用と家族用に分ければ、お客様の使用中でも家族が気兼ねなく使えます。来客用を清潔に保っておくことで、急な訪問時に慌てて掃除する手間も減らせます。
トイレの増設では、設置スペースや費用、掃除の負担も考慮する必要があります。主なデメリットと対策を確認しましょう。
マンションでは戸建てのように増築できないため、既存の居住スペースからトイレ1室分の広さを確保しなければなりません。候補となる場所と、その場所をトイレへ変更した場合の生活への影響を事前に検討しておきましょう。
スペースを確保しにくい場合
コンパクト設計のトイレを選ぶと、設置に必要な広さを抑えられます。
マンションのトイレ増設では配管や電気の工事を伴うため、設備交換よりも費用と手間がかかります。既存のPS(パイプスペース)から離れた場所では配管の延長工事が増え、費用も高くなります。排水圧送ポンプを導入する場合、外付けポンプ本体は10万〜19万円、圧送ポンプ内蔵トイレは便座を含む商品価格が22万〜44万円です。いずれも配管や設置工事費が別途かかります。複数のリフォーム会社から相見積もりを取り、補助金制度も確認して費用負担を検討しましょう。

トイレが2つになると、掃除やメンテナンスの手間も増えます。負担を抑えるには、フチなし構造や自動洗浄機能を備えた製品を選ぶほか、汚れを拭き取りやすいクッションフロアや水拭きできる機能性クロスを採用するとよいでしょう。
マンションのトイレ増設は数十万〜数百万円かかることがあり、まとまった費用が必要です。国や地方自治体の補助金・助成金制度を利用できれば、費用負担を軽減できます。ここでは、増設に関連する主な制度を紹介します。
補助金制度の注意点
補助金は、対象住宅の築年数、対象工事の組み合わせ、契約・着工時期などの要件を満たす必要があります。申請手続きは登録事業者が行う制度も多いため、工事契約前に利用予定の制度を施工会社へ伝え、必要な工事前写真や書類、申請期限を確認しておきましょう。
2026年に利用できる主な国の補助制度が「みらいエコ住宅2026事業」です。2025年の「子育てグリーン住宅支援事業」に代わる制度で、2026年9月13日時点ではリフォーム枠の申請額が予算の6%となっており、受付が続いています。
活用時の注意事項
※ 参考1:みらいエコ住宅2026事業「リフォームの対象要件」
※ 参考2:みらいエコ住宅2026事業「エコ住宅設備の設置」
対象住宅の築年数や工事の組み合わせにも細かい要件があるため、契約前に登録事業者へ相談しましょう。


国とは別に、市区町村が独自のリフォーム補助金制度を設けていることがあります。バリアフリー改修や省エネ改修の一環として、トイレの増設や改修が対象になる場合もあります。制度の有無や要件は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村の情報を確認しましょう。
自治体の補助金制度を確認する方法
「〇〇市 トイレ リフォーム 補助金」のように、お住まいの自治体名を入れてインターネットで検索してみてください。また、各自治体のウェブサイトや担当窓口でも詳細を確認できます。

マンションでトイレを増設する際は、現地調査や見積もりの比較、管理組合への申請を経て工事へ進みます。検討開始から完成までの流れを確認しましょう。

既存の配管に近く、比較的シンプルな増設であれば、工期は3〜7日が目安です。一方、配管から離れた場所への増設や排水圧送ポンプの導入、内装の全面改修、間取り変更を伴う場合は、1週間以上かかることがあります。
廊下や収納の一部をトイレへ変更する場合は、限られた空間に収まる機種を選ぶ必要があります。ここでは、省スペース性や低水圧への対応に特徴がある3つのモデルを紹介します。

TOTOの「ネオレスト」は、LS・AS・RSなどが展開されているタンクレストイレです。水道からの水圧と内蔵タンクの加圧ポンプを組み合わせる仕組みを採用しており、最低必要水圧の流動時0.05MPaを満たせば、高層マンションなどの低水圧環境でも設置できます。タンクがないため奥行きを抑えやすく、フチなし形状や「きれい除菌水」などの清掃機能も備えています。設置前には現地の流動時水圧と、希望する排水方式に対応する品番を確認しましょう。
※ 参考:TOTO「ネオレストLS・AS・RS」

LIXILの「アメージュ便器」は、床排水、床上排水、マンションリフォーム用の床上排水155タイプなどから選べる組合せ便器です。強い水流で便器鉢内を洗う「パワーストリーム洗浄」と、汚れを拭き取りやすい完全フチレス形状を採用しています。便器・タンク・便座の組み合わせや排水方式によって必要寸法が異なるため、増設場所の広さ、排水方向、排水芯に適合する品番を選びましょう。
※ 参考1:LIXIL「アメージュ便器」
※ 参考2:LIXIL「アメージュ便器 バリエーション」

Panasonicの「アラウーノV 圧送タイプ」は、圧送ポンプを内蔵したタンクレストイレです。高速回転刃で汚物を粉砕し、細い排水管へ圧力をかけて送り出します。上方向は最大3m、横方向は最大30mまで配管できますが、排水管の曲がり数や現場の状況によって設置条件は異なります。床下に排管スペースを設けにくい場所でも大掛かりな床上げ工事を抑えられる一方、洗浄時には便ふたを閉めた状態で約70dB、開けた状態で約80dBの音が発生します。停電時は使用できず、詰まりや故障時に修理まで日数を要する場合もあるため、緊急時に別のトイレを使える環境で設置しましょう。
新築マンションでトイレを2つにしたい場合は、購入前に売主へ、希望する間取り変更に対応できるか確認しましょう。対応の可否は、住戸の配管計画や販売時期などによって異なります。引き渡し後に増設する場合は、管理規約と給排水管の条件を確認し、リフォーム会社へ現地調査を依頼してください。
マンションでもトイレを増設できる場合があります。ただし、管理規約で水回りの増設が認められているか、配管工事に関する規定がないかを事前に確認する必要があります。配管ルートを確保でき、排水の条件を満たせるかも増設の可否に関わるため、リフォーム会社へ現地調査を依頼しましょう。
マンションのトイレ室内にある便器やタンクは、基本的に専有部分です。一方、給排水管は、配管の位置やマンションの管理規約によって区分が異なります。
共用部分について
国土交通省のマンション標準管理規約では、PS(パイプスペース)や構造躯体のほか、汚水管の配管継手や立て管などが共用部分に含まれます。住戸内の枝管を含め、実際の区分と工事の可否はご自身のマンションの管理規約で確認しましょう。
※ 参考:国土交通省「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)」
賃貸マンションのトイレ増設は、原則として非常に困難です。住戸は貸主であるオーナーの所有物であり、管理会社は管理を受託している立場が一般的です。借主が設備や間取りを自由に変更することはできません。給排水管や共用部分に影響する可能性が高いため、貸主の書面による承諾に加え、分譲賃貸の場合はマンションの管理規約に基づく申請や承認も必要になります。まずは管理会社を通じて貸主へ相談しましょう。
退去時の復旧条件も確認する
仮に書面による許可を得ても、退去時に増設部分の撤去や復旧を求められる条件が付く場合があります。ただし、賃貸借における「原状回復」は、通常損耗や経年変化まで含めて入居時の状態に戻すという意味ではありません。工事の許可条件、費用負担、退去時の扱いを貸主と書面で合意しておきましょう。
※ 参考1:国土交通省「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)」
※ 参考2:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

マンションでのトイレ増設は、専門知識と経験が必要なリフォームです。以下の5つのポイントを参考にして、信頼できるリフォーム業者を選びましょう。
マンションのトイレ増設には、朝の混雑解消や将来の介護への備えといったメリットがあります。一方、建物の構造や管理規約、水圧などの条件を満たさなければなりません。まずは管理規約を確認し、専門家へ現地調査を依頼しましょう。増設の可否や費用は、排水方式やPS(パイプスペース)からの距離によって変わります。排水勾配を確保できない場合でも、排水圧送ポンプによって設置できる可能性があるため、見積もりとあわせて相談してください。

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